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太平洋の放射能汚染図


国も自治体も、海や河川、湖沼に棲む魚の汚染に対しては、まるで完全無視を決めたかのような対応を取り続けています。
消費者は、少なからず放射性物質を餌から取り込んだ魚を食べています。

その中でも、1月15日に放送されたNHKの報道特集は、日本で初めて福島第一原発沖から東京湾まで沿岸に沿って南下しつつ実地調査を行い、海底土の汚染の実態を報告したという点で、特筆されるべきものです。

資料価値大ですが、これも削除される可能性があるので、動画をダウンロードしておくことをお勧めします。
以下は、念のためにキャプチャーを取ったものです。

長いので結論を急ぐ方は、この部分を飛ばして、下のほうにある
危険な魚を食べないためにイメージすべき要素
をお読みください。


NHKスペシャル「知られざる放射能汚染~海からの緊急報告

NHK総合 NHKスペシャル
2012年1月15日(日) 午後9時00分~9時49分
総合テレビ
シリーズ原発危機



この50分ほどの動画は、数年後に観ても重要なことに気づかされることがあるでしょう。

以下、全文文字起こし。
ただし、これは2012年4月1日から新基準値に変わる前の2012年1月15日に放送されたものです。

青い文字は、管理人の注釈です。



ここから(頭から)文字起こし

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海から見た東京電力福島第一発電所。
ここから放出された放射性物質が、今、水の中で新たな問題を引き起こしている。

福島県が行っている魚介類の放射能の検査。

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去年11月、ヒラメから暫定基準値の10倍近い、1kg当たり4500ベクレルの放射性物質が検出された。

※NHKが取材した時点では、国の魚介類の暫定基準値は、500ベクレル/1kgだった。
2012年4月からは、
新基準地が採用されて、500→100ベクレル/1kgになっている。

事故から10ヶ月、一部の魚介類で汚染が深刻化している。

※NHKが取材したのは、3.11の10ヶ月後の2012年1月。

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分析センターの職員:
「野菜とか果樹には見られないような高い値ですね。
かえって海のほうが(深刻な)汚染が出やすいですね」。

原発から200km離れた群馬県の湖。

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去年(2011年)8月以降、ワカサギから暫定基準値500ベクレル/kgを超えるセシウムが検出され続けている。

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湖でワカサギ釣りをしている釣り人:
「なんにも変わらないですよ。
逆に恐いですよね」。

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そして、東京湾でも異変が起きていた。

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海底にセシウムが集まり、ホットスポットを作り始めていた。

先月、政府が収束を宣言した原発事故。
野田総理 2011年12月16日 原発事故は収束したと、宣言

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陸については、ようやく汚染地図がつくられてきたが、海や湖は空白のまま。
国の調査は進んでおらず、汚染の実態は不明のまま。

福島第一原発沖-放射性物質は海底に沈んでいた

初めて立ち入りを許された原発直下の海から、東北・関東の一帯まで、私たちは研究者と共に、水の中を徹底的に調査した。

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浮かび上がってきたのは、予想もしない場所に突如として現れ、新たな汚染を引き起こす放射性物質の複雑な動きだった。

今、水の中で何が起きているのか。
これは、最新の調査報告である。

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福島第一原発から南へ30km。いわき市の久之浜漁港。

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沿岸で魚の汚染が収まらないため、原発事故以来、漁の自粛を余儀なくされている。

去年の秋、私たちは日本海洋学会の研究者とともに漁協を訪れた。

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汚染源である原発20km圏内を独自に調査するため、そこを漁場としてきた久之浜の漁師たちに協力を求めた。

これまで20km圏内は、国によって立ち入りを禁止され、汚染の実態は明らかにされていない。

海水や海底の土、魚を採取し、徹底的に調べた。

一日も早い漁の再開を望む漁師たちにとって、その実態は何よりも知りたい情報だ。
漁師たちも調査に参加することになった。

漁師たち:
「20km圏内に入って、それで調査してもらって、数字がこうだ、あーだしてくれるんならばね、いいんですよ。
今、調べなければ分らないことがあるはずだから」。

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国に立ち入りを求める交渉を始めて三ヶ月。
(2011年)11月下旬、原発直下の海の初めての調査が入ることになった。

※国が海洋調査の申請があっても許可しなかったは、危険性があることを理由に、海の中で放射性物質が拡散し、希釈されるのを待っていたからです。

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海上保安庁の巡視船。
ここから先が(立ち入り禁止になっている)20km圏内の海。

研究調査員:
「20km圏内の空間線量は、前は0.04とか0.05だったが、ここは0.07マイクロシーベルト」。

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港を出て1時間。
福島第一原発が姿を現した。

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この画像は去年11月現在の状態です。このクレーンと崩落寸前だった西側の側壁は、このように2012年3月5日に撤去されました。

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より詳しい画像は、4号機建屋の見たくない画像にあります。

相次ぐ爆発で大量の放射性物質が放出され、その多くが海に落ちたとされている。

さらに原子炉を冷やすために注水した結果、高濃度の汚染水が海に流出しました。
短期間に海に放出された総量10京ベクレルを超える放射性物質。

世界が経験したことのない汚染です。

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NHKが取材したこの時点(2012年11月下旬)で、大気からの降下分と建屋からの汚染水を併せて10京ベクレルということになっていますが、これはまったくのインチキで、もっと大量の放射性物質が放出さていたのです。

東電は、未だに正しい報告をしていません。


↓国(原子力安全・保安院)が事故直後に示した見解です。

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保安院の西山審議官:
「海水中に放出された放射性物質は、潮流に流されて拡散していく。
魚とか海藻などの海洋生物に取り込まれるまでには相当程度、薄まると考えられる」。

保安院は、このときも、そして今でも放出された放射性物質の量を把握していません。
要するに、彼らは『知らないのにデマを流し続けた』のです。
これは、海洋汚染が深刻化してきた今となっては、世界に対する犯罪です。


放射性物質は、本当に拡散し、薄まっているのか。
遠隔操作で水中を動くロボット・カメラに線量計を取り付け、測定する。

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目指したのは原発前の港の入り口。
汚染水が外の海に流れ出た通り道だ。

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海面近くの放射線量は、毎時0.06マイクロシーベルト。
海の中としては高い値だ。

推進13mの海底に着くと、線量計の数値が徐々に上がり始める。

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東京海洋大学の石丸隆さん。

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原発事故の後、海への影響を調査してきました。

2マイクロシーベルトを突破。
海面付近の30倍以上です。

(管理人:
2マイクロシーベルトというのはガンマ線の値でしょう。ベータ線を出すストロンチウムなど、他の核種の放射線は計測されていないと思われます)


泥の粒子が動くたびに、数値が激しく上下します。

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海底を漂う泥の粒子に放射性物質が付着しているとみられます。

海底にどのくらいの放射能が溜まっているのか、土を採取して分析にかけます。

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放射能汚染水にさらされた海底土です。

分析の結果、含まれていた放射性セシウムは、1kg当たり4520ベクレルでした。

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周辺の海水と比べると、1万5000倍の濃度。

放射性物質は、海底に沈んでいたのです。

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私たちは、20km圏内の32ヶ所で海底土を採取、原発直下の海の汚染が初めて明らかになりました。

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原発の前、沿岸1kmに2000ベクレルを超える汚染が集中していました。
そして、汚染は20km圏全体に、まだら状に広がっていました。

放出された放射性物質は、拡散しきらずに海底に溜まっていたのです。
(原子力安全・保安院の西山(元)審議官の言っていたことは、全部、デタラメであることが、はっきりしたのです)

次に私たちは、20km圏内の魚の汚染を調べました。

漁師たちが、魚がよく獲れるという原発の南東のポイントに網を入れました。

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事故前と変わらぬ豊かな海。

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メバル:2300ベクレル/kg
アイナメ:1400ベクレル/kg
コモンカスぺ:1700ベクレル/kg


分析の結果、海底に棲息する魚の殆どから暫定基準値を上回るセシウムが検出されました。
(この調査が行われた頃の暫定基準値は500/kg。現在は新基準値で100/kg)

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20km圏内は、海に棲息する魚の宝庫でした。

海底を泳ぎ回り、小さな生き物を食べるアイナメ

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海の底で、じっと獲物を待つホウボウ

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こうした底魚と呼ばれる魚に泥の汚染が、どのように影響するのでしょうか。

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それをつきとめる手がかりを石丸さんが見つけました。

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「泥の中、ゴカイがいっぱい棲んでますよね」。

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海底から突き出たたくさんの管。
管の中には、多くの魚が餌とするゴカイがいます。

ゴカイは泥を食べる上、海底の放射性物質を直接取り込みます。

私たちは、泥の塊からゴカイを採取。
泥からゴカイ、ゴカイから魚へ、汚染がどう移行しているのか調べました。

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この場所の海底土は、1kg当たり304ベクレルでした。

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ゴカイは130ベクレル。
海底土からの移行は4割でした。

ところが、ゴカイを食べるナメタガレイは316ベクレル。
食物連鎖の中で、放射性物質を溜め込んでいくのです。

(水産庁のホームページに書かれていたこと-これも、すべて嘘だった)

ナメタガレイの場合、海底土の汚染が、ほぼそのまま移行していることが分かりました。

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石丸教授:
「従来、海底生物と泥、そこにいる魚をほぼ同じ所で一緒に計ったことはなかった。
海底の泥を測れば、その近傍の魚の汚染レベルも予測できるってことは重要な結果だった」。

食物連鎖で海底土と密接に関係する底魚
放射性物質が海底に残っている限り、魚の汚染は続くのです。

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去年(2011年)の暮れ、調査結果をまとめた石丸さんたちは、久之浜の漁師たちに報告しました。

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厳しい現状。
漁師たちがもっとも聞きたかったのは、これからの見通しでした。

漁師:「落ち着くまで先生は、どれくらい期間、要すると思っているのか…」。

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石丸:「現状では、予測するのは難しい」。

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「少なくとも、チェルノブイリで2~3年かかったから、ここも同じくらいか。
でも出た量がもっと多いんで、下手するともっとかかっちゃうかもしれないですね」。

チェルノブイリ原発事故のとき、日本の魚への影響が収まるまで数年かかりました。

「今回は、少なくても2年半は調査しなくては何も言えない」。
研究者たちの結論でした。

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長期化する魚介類の放射能汚染。その不安は各地に広がっています。

福島県の南隣、茨城県の平潟漁港です。

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茨城県では、現在、※暫定基準値500ベクレルを超える魚が出ていないため、操業が続けられています。

(※暫定基準値500ベクレルは、2012年3月31日まで)

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しかし、4月から国は基準値を100ベクレルに変更し、厳しくする予定です。



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放射性物質は、原発直下の海から、どのように広がっているのでしょうか。
放射線測定の第一人者、岡野眞治さんとともに調査を行うことにしました。

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広がりを調べる上で注目したのが、沿岸流と呼ばれる海流です。

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沿岸流は、川から海に流れ出す水の作用によって生み出されます。

川の水は海に出たとき、地球の自転の影響で時計回りに回転します。
その結果、太平洋の沿岸部には、南に向かう流れができます。

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泥と結びついた放射性物質が、この沿岸流によって運ばれていくのではないか。

原発から南へ、全長200kmにわたって調査することにしました。

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使用するのは、岡野さんが開発した水中用の測定器です。

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魚の汚染と密接に関わる海底土の放射能をリアルタイムで測ることができます。

原発から南に30km。いわき市の沖合いから調査を始めました。

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海底土の放射性セシウムの濃度は、1kg当たり300ベクレル。

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海底土の放射性セシウムの濃度は、300ベクレル/kg。

やはり、汚染は原発の南に広がっていました。

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続いて調査したのが原発から80km。茨城県高萩市の沖合いです。

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海底は岩場の固い地質でした。
セシウムは検出されたものの、少ない量に留まりました。

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茨城北部の測定結果です。
セシウムの濃度は、多くて38ベクレル。福島県いわき沖の10分の1程度でした。

次に向かったのは、原発から120km。
茨城県の中部、ひたちなか市の沖合いです。

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このまま値が下がっていくと考えていたとき、意外な結果が出ました。
測定した結果は、大きく跳ね上がり、380ベクレル。

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セシウムが付着しやすい泥の粒子が巻き上がっていました。

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岡野眞治氏:
「とにかく海流の流れでどこかに溜まると、かなり海底に降り積もっている感じですね。
海のホットスポットということも言えると思います」。

380ベクレルという値は、原発20km圏の海でゴカイがいた場所と同じ程度。
魚介類に影響が出る恐れがあります。

さらに調査を続け中で、今まさに汚染に進みつつある場所を見つけました。
原発から180kmの千葉県銚子市の沖合いです。

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10月に測定した地点を2ヵ月後、もう一度調査してみると、値が3倍に増加していたのです。

これまで千葉県で、暫定基準値を超える魚介類は出ていませんが(出ているが漁協が発表しない)、海底の汚染はここまで広がっていました。

原発の直下から銚子沖まで、今回の調査結果をどう見たらいいのでしょうか。

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東京海洋大学・神田穣太教授:
「ある場所では、ぽこっと高い値が出る。
同じ場所でも、1ヶ月前と1ヶ月後で、全然違う結果が出ることがある。
局所的に放射性物質が集る場所がある。

いつも、同じ場所にあるとは限らないし、海況によって動くこともある。
海底の堆積物の推移が重要な判断材料になる」。

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長距離を移動し、思わぬところで汚染を引き起こす放射性物質。
海の汚染地図は、陸と異なり常に書き直さなければならないのです。

湖・沼などの閉鎖系では、セシウムは何度でも循環する

水中の放射性物質が汚染を引き起こしている場所は、内陸にもあります。
湖や沼です。

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分かっているだけでも23ヶ所で淡水魚の汚染が報告されています。

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福島第一原発から200km。群馬県中部にある赤城大沼です。



湖周辺。
陸上の放射線量は深刻なものではありません。

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0.17マイクロシーベルト/時。

ところが、去年8月。湖のワカサギから1kg当たり640ベクレルの放射性セシウムが検出されました。

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その後の調査でも、暫定基準値を超える魚の汚染が続いています。

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赤城大沼の淡水魚から検出された放射性セシウムの濃度:

ウグイ:659(2011年11月)
イワナ:692(同上)
ワカサギ:591(同上)
ベクレル/kg


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「まさか、っていう。まさかという感じ。こんなに数値が上がるとは思っていなかったです、実を言うとね。
汚染はされるとは思っていましたけど、基準値まではいかないと思ってました」。

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なぜ、魚の汚染は続くのか。これまで国の調査は行われていません。

先月(2011年12月)、私たちは地元の研究者とともに、湖を調査することにしました。

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群馬県水産試験場の鈴木究真さんです。
鈴木さんは、ワカサギの餌になっているプランクトンを、まず調べました。

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鈴木研究員:
「ここに溜まっているのが、プランクトンになるんですけれども」。

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プランクトンから検出されたセシウムは296ベクレル/kg。

この結果は鈴木さんにとって、不思議なものでした。
赤城大沼のプランクトンの寿命は、長くて数週間しかありません。

事故から9ヶ月経って生まれたプランクトンにしては高すぎる値です。

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原因を調査するため、湖の底を調べることにしました。

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泥から検出されたセシウムは最大で950ベクレル。
原発20km圏内の海と同じ程度の汚染です。

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しかも、セシウムを含む層が、深さ20cmまで存在していました。

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ワカサギを汚染し続けているのは、湖底に溜まった大量のセシウムだったのです。

標高1340mにあるカルデラ湖、赤城大沼。

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鈴木さんは、山に囲まれた閉鎖的な地形がセシウムを湖底に溜め続けている原因だと考えています。

事故直後、周囲に山々に降ったセシウムは、その多くが湖に流れ込みました。

しかし、湖の水が外に流れ出す経路は、たったひとつしかありません。

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鈴木研究員:
「基本的に流出河川というと、ここに1河川、沼尾川という河川があるのみです」。

水の動きが、ほとんどない湖の中にセシウムは閉じ込められてしまったのです。


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湖底に溜まったセシウムは、プランクトンから魚へと食物連鎖で移ります。
魚が死んで微生物に分解されると、再び、セシウムは湖底に戻ります。

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こうしてセシウムは、湖の中を循環し、汚染を引き起こし続けているのです。

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鈴木研究員:
「(水や泥の)回転が早ければ、すぐ、当然抜けますけれども、閉鎖性が強いってことは、それだけそこに留まる。
赤城大沼に関しても、やはり、それと同じような現象が起こって現在まで、このような形で放射性セシウムが検出されていると考えられています」。

湖や沼など、閉鎖された水に入り込んだセシウムの影響は、いつまで続くのか。
それを探る手がかりがウクライナにありました。

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1986年、チェルノブイリ原発事故によって、ウクライナの湖の多くで魚の汚染が深刻な問題となりました。
国による調査が、25年経った今も、続いています。

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国立放射線監視センター。
淡水魚の放射能汚染を継続的に調査している世界で唯一の場所です。

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センターには、過去25年にわたる調査記録が保存されていました。

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その記録が示すのは、放射性物質の厄介な性質です。

原発事故から5年間は、魚のセシウムの濃度は下がっていきました。
ところが、その後は高いレベルが続いています。

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長引く影響。
これこそが、湖や沼に溜まる放射性物質の特徴なのです。

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ドミトリー・グトコフ博士:
「セシウムは、ひとたび生態系に入り込むと実に厄介です。
30年間という長い半減期を待つしかありません。
私たちにできることは、とにかく事実と真正面から向き合い、調査を根気強く続けることです。


ワカサギ釣りのシーズンを迎えた赤木大沼。
釣り人の姿はありません。

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湖の汚染を取り除くことはできないのか。
地元の自治体や漁協では、取り組みが始まっています。

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赤城大沼漁協・青木泰孝組合長:
「それが、どれくらいで下がっていくのか状況を理解しているのなら、それなりのことを早く処置していかなければ、とてもじゃないけど、我々が生きていく場所ですので」。

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これまで、汚染調査の盲点となってきた湖や沼。手付かずのところが、まだ各地に残されています。


江戸川河口のホットスポットでは、福島第一原発沖20km圏内の約2倍のセシウムが検出

放射性物質は、首都・東京の足元でも、思わぬ汚染を引き起こしていました。
東京湾です。

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去年(2011年)8月、私たちは独自に東京湾の調査を開始しました。

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協力を得たのは、近畿大学の山崎秀夫さん。
放射線の測定が専門で、事故以来、首都圏の各地で測定を続けています。

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山崎教授:
「福島第一原発の事故っていうのは、世界で初めて大都市圏が放射能汚染を受けたという経験なんですね。
首都圏とか関東平野に降った放射性物質は、結局は最終的には東京湾に大部分が流れ込んでくるはずなんですね」。

東京湾は放射性セシウムの影響を、どの程度受けているのか。

ここでも、海底の土を採取し、セシウムが含まれて入ないか調べます。

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水深10m。
水が濁っていて、昼でも光は届きません。
流れのない海底は、一面が泥に覆われていました。

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26ヶ所から採取した東京湾の海底土。

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その中には、魚の餌になるゴカイの一種もいました。

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2ヶ月にわたる調査の結果、東京湾の実態が初めて明らかになりました。

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アクアラインの南から東京湾の奥にかけて、ほとんどの海域でセシウムが検出されたものの、それほど高い濃度ではありませんでした。

しかし、湾の奥深く、江戸川と荒川の河口付近に高い濃度の地点がありました。

最大で1kg当たり872ベクレル。原発20k圏内の海と同じ程度の汚染です。

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河口に出現したホットスポット。

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川の上流には都市が広がっています。

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市街地のコンクリートや、アスファルトの上に降ったセシウムは、泥に付着し、少しずつ雨などで流され、川へ集められます。
そして、最終的に東京湾に流れ込み、ホットスポットを作り出していたのです。


今後、東京湾の汚染が、さらに悪化すると考える研究者がいます。
東京大学の鯉渕幸生さんです。
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鯉渕さんは、今も江戸川のどこかに大量のセシウムが溜まっていると考え、調査をしています。

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鯉渕さんが、そう考える理由は、川の独特の性質にあります。

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鯉渕幸生さん:
「一応、ここでも塩分があるんですね。結構、上流ですけど」。

川の河口付近には、塩の満ち引きの関係で、塩分を含んだ海水が入り込んでいます。
この塩分が、セシウムの動きに影響を与えるというのです。

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泥に付着して、雨水とともに川に流れ込んできたセシウムは、海水にはすぐには混じりません。
しかし、しばらくすると沈殿し始めます。

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これは凝集と呼ばれる現象です。

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海水の塩分が、セシウムを含んだ泥の粒子を団子のように接着させます。
集った粒子は重くなり、沈んでいきます。

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上流から海に向かって運ばれてきたセシウムは、海水と出合ったところで凝集によって沈み、溜まっていくのです。

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鯉渕幸生さん:
「当初、上流では水の動きにあわせて粒子とともに移動していると思います。
川の中だと、水の流れで動いていくんですが、それが河口に行くと凝集し始めて沈むと。
で、いったん沈んでしまうと流量が増えない限り、そんなには動かないという状況だと思います」。


鯉渕さんは、2ヶ月かけて江戸川の川底のセシウムの量を調べました。
その結果、セシウムがもっとも溜まっている場所が分かりました。

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河口から8kmの地点。

検出されたのは、1623ベクレル。河口付近(872ベクレル)の2倍の濃度でした。

この場所に大量のセシウムが溜まっているのです。

東京湾に流れ込むすべての川で、セシウムが蓄積され、大雨が降るたびに、少しずつ移動しているとみられます。

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雨によって、都市から川に集められていくセシウム。

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どれくらいの時間をかけて、東京湾に到達するのでしょうか。
京都大学の研究グループが気象や研究データを基に、シミュレーションを行いました。

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事故後、東京湾周辺に降り積もったセシウム。
そのほぼ50パーセントが、6ヶ月の間に川に集められました。

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川底に沈んだセシウムは、スピードを弱め、めっくりと海へ移動します。
その速度は、年に5km

計算では、東京湾の汚染がもっとも深刻になるのは、今から2年2ヵ月後とされています。
さらに東京湾は入り口が狭く、閉鎖性が高いため、汚染は10年以上にわたって続くと考えられます。


(この特番の放送日は2012年1月15日。
京都大学の研究グループのシミュレーションによると、今から1年10ヶ月弱で、東京湾のセシウムは最大値になる。
それは、2014年3月ということになります)


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河口で見つかったホットスポットは、範囲が狭いため、今のところ、魚に深刻な影響は出ていません。

水の中のセシウムが、いつ、どこで汚染を引き起こすのか。
私たちは、陸とは異なり、時間差で現われる新たな放射能汚染と向き合わなければならないのです。

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近畿大学・山崎秀夫教授:
「放射性物質は、最初の汚染が起こって、その放射性物質が、今動き始めたと。
環境の中を動き始めたと、そういう状況にあると考えています。

ですから、これから先、放射性物質の動きが、どうなっていくのか。
残念ながら、放射性物質は、我々の目では見えない、臭いも分らない、我々の五感では感じることができないわけですね。
ですから、そういう恐さがあります。

きちんと調査をして、ひとつひとつ確認しながら、一歩ずつ進んでいくしかないのかな、と思っています」。

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原発事故から1年3ヶ月になろうとしている。



管理人:

危険な魚を食べないためにイメージすべき要素

NH取材班が、福島第一原発沖から南下して、東京湾までの広い海域を調査したのは、2011年11月前後の2ヶ月です。
セシウム濃度の数値は、そのときの値です。

以上、このレポートの重要ポイントをまとめると、以下のようになります。


■福島沖~茨城沖-海水の塩分がセシウム粒子を断固状に固める

・河口手前の川底、そして河口付近の海底にはホットスポットができている。

・福島第一原発直下の海面近くの放射線量は、毎時0.06マイクロシーベルト。海水としては「やや高め」という程度。

・しかし、海底は2マイクロシーベルトを突破。海面付近の30倍以上の線量。

・さらに福島第一原発沖の20km圏内の海底土を分析した結果、含まれていた放射性セシウムは、1kg当たり4520ベクレル。これは、その上の海水の1万5000倍の濃度。

・放射性物質は、海底に沈んでいた。

・放射性物質が付着した泥の粒子が海水の塩分に触れることによって、粒子同士が塩分によって接着され、団子状になって重くなるため、海底に沈む。

・福島第一原発沖20km圏内で去年11月に釣り上げたヒラメ(海底のゴカイを食べる)から暫定基準値の45倍近い、1kg当たり4500ベクレルが検出。

・メバル:2300ベクレル/kg
・アイナメ:1400ベクレル/kg
・コモンカスぺ:1700ベクレル/kg

アイナメ、ホウボウ、ナメタガレイなど、海底に棲息している底魚は特にセシウムが多い。

ここに、このようなニュースがあります。
原発沖の魚、いぜん高濃度 シロメバルやスズキ

見出しが「いぜん高濃度」。
「いぜんとして」というのは間違いで、今始まったばかりなのです。
セシウムが沈みこんだ海底の泥を除去しない限り、汚染は循環する。


■湖-すり鉢状の地形がセシウムを集める

・去年(2011年)8月以降、湖のワカサギから1kg当たり640ベクレルの放射性セシウムが検出され続けている。(場所は、赤城大沼)

・群馬県の赤城大沼では、
ウグイ:659(2011年11月)
イワナ:692(同上)
ワカサギ:591(同上)
(以上ベクレル/kg)
が検出されている。

・湖を取り囲むすり鉢状の山からセシウムが雨や雪によって湖に入ってくる。

・山の湖は閉鎖系の環境なので、一度、セシウムが湖底に沈殿してしまうと、放射性物質は他へ拡散・希釈されず、その場所で汚染を繰り返す。

・赤城大沼の湖底の泥から検出されたセシウムは最大で950ベクレル。原発20km圏内の海と同じ程度の汚染。

・この閉鎖系の環境の中でプランクトンが繁殖し、それを湖の魚が食べ、そして魚は死んで湖底に沈み、やがて湖底の泥と混じって、プランクトン繁殖の土壌となる。

これが、延々と繰り返されていく。
チェルノブイリ原発事故以後のウクライナの湖では同様なことが、現在でも引き続き起こっている。

■東京湾-ピークは2014年3月。その後高止まり

・東京湾に注ぎ込む河川の上流から放射性物質が流れ込んでいる。

・特に、平野部、都市部から雨によってセシウムが集められ、河口付近で高い濃度を示している。

・これは、潮の満ち引きによって海から海水が河口を遡って、川の淡水と海水の出合う地点で、凝集と沈殿が起こっているため。

・荒川の河口付近の川底の線量は、福島第一原発直下の海底の線量より高い。

・東京湾の汚染は、1年10ヵ月後にピークに達する。
放射性物質は、海底に沈殿してる上に、内海なので外に拡散されず、その後10年以上も、セシウム濃度は高止まりになる可能性が高い。

都知事が正気に戻ってくれれば、河口付近の川底の泥を浚渫線で除去することもやるかもしれません。
いずれにしても、最後はセシウム汚泥の廃棄場所が問題となります。

東京湾の汚染については、やはり、「来るものが来た」という感じです。

魚介類の汚染についての情報は、ほとんど出てきていません。
国や自治体は、これからも本格的な調査はやらないでしょう。その能力が、どうもないようです。
彼らは、これからもデータを捻じ曲げて、ホームページに出していくでしょう。

米・野菜を始めとする農産物の放射能汚染を国、自治体は隠してきました。明らかに将来、重大な健康被害が出るレベルの食べ物を国民に推奨してきました。
これと、まったく同じことが、国や一部の自治体によって再び繰り返されていきます。

海、河川、湖沼の放射能汚染は、陸地の汚染以上に深刻です。
それは、もともと見えない放射生物質が、海底、川底、湖底へ、そして泥土のさらに下に潜り、汚染がどのように広がっていくのか、イメージさえできなくなっているからです。

魚介類の汚染の実態が少しずつ明るみに出てくる頃には、多くの人たちが、危険な魚をたっぷり食べてしまった後のことでしょう。
この国の官僚たちは国を破壊することに喜びを感じているかのような振る舞いを続けていくはずです。
だから、今でもそうですが、これからも、基準値を軽く超える魚介類、海藻類が市場に出回っていくことでしょう。

私は、今まで近海ものは避けていましたが、その他の魚は気にせず食べていました。
特に魚の生態系の頂点にいるマグロまでは、まだ生体濃縮が始まっていないだろうと思っていたのです。

ところが、米西海岸沖のクロマグロからも、セシウムが検出されたと米スタンフォード大などの研究チームが5月28日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表したことから、マグロの餌となる小型の魚が、広く汚染されていることが分かりました。

福島第一原発事故後、2年程度はマグロを食べられると思っていましたが、それよりずっと早くやってきました。

連日、セシウム汚染された魚のニュースが報道されています。
現実に、南房総の漁師さんの証言によると、奇形魚が異常に増えているとのこと。
東京湾では、基準値の7倍もセシウム汚染された魚が水揚げされて、そのまま市場に出回っている。

この南房総の漁師さんの証言、そしてこのNHK取材班の調査が警告していることは、「ヒラメホウボウなどの海底に腹を擦り付けるようにして棲んでいる底魚に特に放射能汚染がひどい」ということでした。

政府、仙台湾のヒラメなど出荷停止に 100ベクレル超えるセシウム検出
このようなニュースが、それを裏付けています。やはり、もっとも気をつけなければならないのが底魚です。

この記事は、放射性物質が深海へと、海底に沈んでいる過程にあることを示しています。
【放射能】宮城県産「サメ」からセシウム(鮫,さめ)

アブラツノザメは、水深70メートル~150メートルに棲息しています。
つまり、海底の汚染が深刻であることは明確になったわけですが、それより浅い海の中・表層の範囲でも魚の汚染が顕著である。
ということは、今、このときも海底に放射性物質が、ゆっくりと沈殿しつつある過程にある、ということです。

このことは、まだまだ海底の土の放射能の濃度は今後も上がっていく、ということを教えてくれているのです。

汚染の全貌は、下の概念図で分かります。(画像クリック)

20120606-1.jpg

NHK取材班が、この海洋調査に同行を依頼した東京海洋大学の石丸教授が作成したマップで、2012.5.14 産経ニュース
に掲載されたものを転載したものです。
公共の利益に適う人命に関わる情報なので、原発推進新聞の産経も文句を言わないでしょう。

アブラツノザメが汚染されているのですから、それより深い表層(150m付近)に棲息しているアオザメイタチザメヨシキリザメなどは、もちろん、個体差はあるものの、もっと汚染されていると考えることは妥当でしょう。

特にヨシキリザメ(写真あり→少しグロテスク)のヒレ部分は、高級食材として使用され、その軟骨は、主に膝関節の軟骨を再生する効果(商業印刷物でこういう表現を使うと薬事法に抵触します)があると言われているグルコサミンの原料になっています。

ヨシキリザメの日本一の水揚げ港は岩手県の気仙沼です。国内産のフカヒレのほとんどが気仙沼産です。

また、深度2000mといった海底に棲んでいる深海ザメは、食用には適さないものの、肝油などの原料として、健康食品に広く使われています。今後、生体濃縮が進んでいくでしょう。

健康食品は毎日、食べるものですから、気になる人は販売会社に問い合わせるぐらいのことはしたほうがいいかもしれません。どこで獲れたものなのか。

いよいよ私たちの暮らしまわりでも、東京湾の魚の汚染が実感できることが次々と起こり始めています。

横浜市の市立小学校給食に出される予定だった千葉県産のイワシからは、放射性セシウムが検出され、市教委が提供を取りやめていたことが分かりました。これは5月19日のことです。(ただし、新基準値以内)

しかし、その数日後、再び千葉県産のセシウム・イワシが見つかったのです。

「横浜市教育委員会は23日、市内の小学校90の給食で、24日に提供予定だった千葉県産の冷凍イワシから1km当たり9.9ベクレルの放射性セシウムを検出し、使用を取りやめたと発表した。

市教委は、イワシを納入した市内の業者は、東京電力福島第一原発事故の前に漁獲したと届けていたが、事故後のイワシが混入していたと判断した。

市教委の調べに、業者は『どうして混入したのか分からない』と話しているという。

3月にイワシ調達を決める際、業者は「一昨年7月に千葉県・銚子沖で漁獲された」と届けていた。イワシは、煮魚として提供する予定だった」。(東京新聞 5月24日)


実は、6~7年前だったか、日本有数の水揚げ港の漁協を訪ねたことがあります。

羽振りがいいらしく、漁協のビルは立派なものでした。

その漁協の組合長さんに、いろいろなことを教えていただいたのですが、どちらかという政治がらみの話が多く、漁業権に関係する話が多かったことを覚えています。

どこの漁協も海洋汚染については、独自に調査をする力を持っておらず、あまり関心を持っていないようです。
福島第一原発事故で、まったく想像もしていなかった海の汚染が引き起こされたことで、漁協の存在理由が、かつてないほど問われています。

国が、一時、福島の農家を守ろうとしたように、今度も、そのときと同じように、漁業関係者を守るために、本腰を入れて海洋汚染調査をやりません。これからも、やらないでしょう。

国が思い出したように、魚介類の種類別にセシウムの汚染レベルを発表するのですが、これは当てにならないと思います。
それより、知りたいことは、魚の生態です。

南房総の漁師さんの証言では、アジは汚染度が低いと言っています。
アジマグロカツオなどの回遊魚で、汚染度が低いのは当然です。

今後、危険な魚を食べないための必要な情報は、以下の4点だと思います。

1)(関東在住者の場合)沿岸流が、どのように南下してくるのか。

2)その沿岸流に、季節ごとにどんな魚が乗ってくるのか。

3)そして、その魚が半年前、どの海域にいたのか。

4)その海域の汚染度の変化は。

以上は、海藻類、底魚は無視しています。
これらが、危険であることはすで承知しているでしょう。

これらのデータを基に自分で、どの魚が比較的安全なのかを知り、どのくらい食べてもいいのかを自分で決めたいのです。

これは川魚にしても同様で、本物の天然物のうウナギは、高級ウナギ専門店か、料亭にでも行かなければ食べられませんが、関東の天然物のウナギが危険であるなら、いっそのこと食べないか、あるいは中国産の薬漬けの養殖物を目をつぶって食べるか、と言うことになります。

その選択さえ自己責任でできないのですから、国の無責任さは責められるべきです。
彼らは自分たちのやるべき仕事をサボタージュしています。

何より、国民に安全な水産物を安定供給することが目的の水産庁が、国民に危険な魚を食べることを半ば強要するようなホームページを作ったことは犯罪行為そのものです。

※これが水産庁がこっそり削除した犯罪的なファイル

そんな国は、先進国では、どこにもない。

東電の福島第一原発からは、溶けて格納容器の下に落ちてしまった核燃料を水で冷やすごとに、その汚染水が地下に浸透して、今日も海洋に流れ出しているはずです。

原子炉建屋の地下に、海洋に汚染水が流れ出さないように遮水壁を造ることは東電の計画に組み込まれています。
しか、いまだに工事の「こ」の字も出てこないのです。

東電の理由は「予算がない」からです。

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この太平洋の汚染地図が示すように、これから太平洋諸島には深刻な放射能汚染が広がるでしょう。
何より、こうした情報が国内から出てこないことは、まったく恥ずかしい国です。

あいかわらず、福島の子供たちを放射能の中に住まわせておきながら、野田総理は、海外に行くたびに金をばら撒き続けています。

5月末、沖縄で開かれた第6回太平洋・島サミットでも、
「太平洋の島しょ国に、今後3年間で最大5億ドル(約400億円)の資金援助を表明
海洋の安全保障・漁業・環境分野の協力や、日本が570万ドル(約4.5億円)を拠出する自然災害リスク保険の創設などを盛り込んだ『沖縄キズナ宣言』を同日午後に採択する」
と、またまた大盤振る舞いです。

福島第一原発の原子炉に遮水壁を構築せず、海に汚染水をだだ漏れさせておいて、海洋の安全保障・漁業・環境分野の協力とは、よく言えたものです。

野田と彼を完全にバシリに使っている官僚としては、フィジーやトンガといった観光と漁業が国の主な財源になっている島しょ国に、日本に対して損害賠償の動きが出てこないよう先手を打ったつもりなのでしょうが、こうした嫌らしい外交を展開している国に、国際社会は嫌気をもよおしていることでしょう。

表情一つ変えずに、国民を何度でも平然と欺くドジョウ総理を見るたび、まったく食えないヤツだと思っていたのですが、ますます食えない。





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