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国連アドバイザーの松村昭雄さんからのメッセージです。

ソチ冬季五輪は大成功でした。スポーツマンシップと正々堂々たる戦いぶり、国際級の試合の数々が二週間にわたって繰り広げられ、私たちに感動を与えてくれました。五輪開催地として、ソチの人々、そしてロシアの国民はこの成功を誇りに思うことでしょう。

若いアスリートたちが不断の努力で培った技を披露する場として、国際的競技会の振興を図り続けることは、私たちの道義的義務であります。

2020年東京五輪の開催について、多くの科学者たちが懸念を表明しています。原因は、福島の危機的状況が依然続く中での東京圏の放射能レベルです。ゴードン・エドワーズが問いかけています。「なぜ、人工の発癌性物質に侵されたと分かっている地で競技大会を開くことが是とされるのか?」

2020年の東京五輪で国際オリンピック委員会が直面する未曾有のリスクに関して、様々な見地から意見が上がりました。世界で活躍する選手たちの安全と危機管理について話し合いが広がるよう願いを込めて、揺らぐクーベルタンの理念━日本と国際オリンピック委員会にて、そのいくつかをご紹介いします。

以下、そのまま全文転載します。



揺らぐクーベルタンの理念-日本と国際オリンピック委員会

(FINDING THE MISSING LINK  2014年2月28日)

松村昭雄

ソチ五輪が閉幕し、皆さんの胸には何が残りましたか。デジタル技術を駆使したきらびやかな開会式? それともアイスホッケーの鮮やかなプレー? あるいは悲痛なスキーの転倒でしょうか?

いずれにせよ、閉会式後には何億人もの人々が自国とその代表選手たちへの誇りを胸に、それぞれ選りすぐりの瞬間を心に留めていくのでしょう。
何よりもオリンピックというものは、私たちを圧倒的な国際舞台へと手引きし、自国を誇る気持ちをかき立てます。

オリンピックの活動全体を統括する国際オリンピック委員会(IOC)は、二年ごとにこの驚異的な大会を盛りたてる責任を負っています。
役割としては非常に分かりやすく、例えば「スポーツ倫理を普及するための促進と支援」、「選手の健康保護対策の促進と支援」などです。近代オリンピックの父ピエール・ド・クーベルタン男爵は人道主義者として名高く、競争と教育を用いた平和推進に関心を寄せていました。

『人生で重要なことは、成功ではなく努力であり、肝心なのは、勝利したかではなく、よく戦ったかである』

        -ピエール・ド・クーベルタン

最近数十年間のオリンピックは、それまでにはなかった絶頂とどん底を経験してきました。
北京オリンピックの開会式といえば、勝利が思い浮かびます。
爆破事件で死傷者が出たアトランタオリンピックは悲劇として思い起こします。

テロの脅威はそれ以前からありましたが、大規模な国際的行事につきまとう脅威はかつてないほど大きくなり、2013年のボストンマラソンの爆破事件後では特に著しいようです。
これまでの13年間でほとんどの国々がテロ対策を講じ、私たちも個々にテロの脅威を以前にも増して意識するようになっています。

2020年、東京で夏季オリンピックが開催されるその時、日本はさらなる脅威と向き合うことになります。
安倍首相は、IOCのジャック・ロゲ前会長と委員たちを前に、日本の安全性を確約しました。
首相は、福島に原発事故の災禍をもたらした大震災をくぐり抜け、日本の経済と国民の士気を五輪開催によって奮い立たせる旨を語りました。

五輪の開催が、希望をもたらし、経済を潤すことで国の復興に寄与するという点に異存はありません。
しかし、依然として放射性廃棄物の処理と被曝に苦闘する福島県からほど遠からぬ地に、世界レベルの選手たちが一堂に会し、各国からの注目を浴びるのです。
日本が一刻も早く事故を収束して選手団への健康被害を防ぐことは、IOCにとって最優先事項のはずです。

脅威には、
(1)テロのような暴力行為
(2) 原発事故と放射線被曝
がありますが、この二つは異なります。
IOCは二つの脅威を切り離して考えるべきです。この点をもっと詳らかにするため、様々な分野の専門家の意見を探ってみました。

スコット・ジョーンズ博士(Scott Jones, Ph.D.)

退役海軍将校。核搭載機パイロットの資格を持つ。朝鮮戦争、ベトナム戦争に従軍。

触って確かめることのできる軍備と違って、音もにおいもなく、目にも見えない放射能から感覚刺激を受けることはない。
戦闘に備えた事前配備のシミュレーションは危険なまでに現実味を帯びているが、いざ交戦始まり、死の脅威が迫った場合、リスクは報われる。

数百キロ先の倒壊した原子炉から発生する放射能の脅威に対しては、徹底した頭脳戦への備えを要する。
大きな精神的試練に立ち向かうための手段は、被曝の影響に関する科学的、医学的知識と、適切な措置、放射能レベルの告知、避難命令の実行責任者たる当局への信頼のみなのだ。

こうした計画を策定し、公表しなければ、信頼構築のための重要な要素を欠くことになる。

ヘレン・カルディコット医学博士(Dr. Helen Caldicott)

嚢胞性線維症が専門の小児科医。社会的責任を果たすための医師団(1985年にノーベル平和賞を受賞した団体の加盟組織)の創立者兼会長。
2014年の始め、IOCのトーマス・バッハ会長と理事会のメンバーに手紙を書き、生物医学の専門家による独立チームを編成し、東京五輪についてリスク評価を行うよう訴えた。

東京都の一部地域は、三年前に起きた福島第一原発事故による放射能汚染を受けている。
アパート、建物の屋根に生えている苔、通りの土壌から無作為に集めたサンプルの放射性物質を測定したところ、高濃度の放射能が検出された。

従って、選手たちは、アルファ線、ベータ線やガンマ線といった放射線を出す放射性ちりを吸い込んで体に取り込んでしまう恐れがある。
汚染された道路上や土中からのガンマ線による(レントゲン撮影に類似した)外部被曝についても同様に懸念される。

東京の市場に並ぶ食品の多くは放射能に汚染されている。政府による奨励策で福島県産の食材が売られているからだ。
食品中の放射性物質を味やにおいで感知することは不可能な上、全品検査も実際的ではない。

ゴードン・エドワーズ博士(Gordon Edwards, Ph.D.)

カナダ核責任連合代表。2006年核のない未来賞受賞。

福島の放射能汚染災害は、悪意ある人間が政治的動機から特定の目的を果たそうと工作した末の惨事ではない。
また、起こるのか起こらないのか分からない未確定の危機ではなく、既に存在し、逃れられない現実の危機である。

関わる人間には非衛生的な状況をつきつけられる。この危機を「勇敢に」軽視しても、将来の核災害抑止には何の役にも立たない。
必要もないのに自分自身や家族を放射能汚染の危険にさらすのだとしたら、勇敢というよりむしろ無謀である。

基本的な疑問である。なぜ、人工の発癌性物質に侵されたと分かっている地で競技大会を開くことが是とされるのか。
オリンピック事務局は、空気中のアスベスト濃度が高いと分かっている地へと入る算段をつけるつもりか。

そこにいかなる道理があるのか。
実際に正当な理由があるのならば、危険と利益を考量してみてはどうか。

正当な理由がないのなら、百害あって一利なしである。

スティーブン・スター(Steven Starr)

ミズーリ大学臨床研究科学プログラム責任者。社会的責任を果たすための医師団の元理事。

福島第一原発の炉心溶融事故後、日本の本州に放射能の風が吹き、東京は相当量の放射線を浴びた。
都内とその周辺地域の土壌はかなりの量の放射能を含んでいる。

放射能は目に見えないため、深刻な健康被害が現れるのは被曝して数年経ってからということも少なくない。ということは、何年かして東京五輪が遠い記憶となった頃、白血病や癌を発症しても、それが福島の放射能が原因なのか知りようもないだろう。

五感で察知できない放射能をないものとし、大したことではないと思わせるのは容易い。まさに日本政府が原子力産業と手を組んで行っていることだ。
彼らは、原子力は「安全」で「クリーン」だと言う。放射能汚染による非居住区域も、家を失った140,000人の避難民もお構いなしに。

スティーブ・エバンス(Steve Evans)

治療法研究協会(患者ケアを重点研究する機関)会長

テロ攻撃の実現性をより低く、許容レベルにまで減少させるという危機管理のあり方は、空港や行事などには奏功する。
打って変わり、福島の場合は全くコントロール不可能な状況に見舞われている。
一切が管理不能の事態なのだ。

十分な資金とエネルギーを費やして管理できるのなら、降参はしないだろう。
しかし、管理不能な危機にこのやり方は通用しない。しかも、計り知れない規模の惨事をもたらす危険性もはらんでいるのであれば、受けて立とうなど向う見ずな振る舞いである。

IOCは、日本始め原子力エネルギー政策を推進する国々から、悪化する一方の福島の現状が2020年の東京オリンピックへ影響を及ぼすことはないとする無理を押しつけられています。

しかし、東京オリンピックが抱えるこの問題を軽視することは、選手たちの健康と、クーベルタンが希求した理念をも軽んじることになります。

かの理念があってこそ、オリンピックは、ソチで目にしたような感動の舞台となり、これからもずっと見続けたいという未来への希望を人々に抱かせることに成功したのです。

民主主義において、絶対的権力は存在しません。
ジャンケンのように、三者が相互に支配し合い、唯一の最強はない関係と同じです。
勝負は常に相手の出方次第です。
2020年まであと6年、IOCが早急に生物医学の専門家で構成する独立調査団を東京に送り込むか、正念場を迎えます。

(日本語訳 野村初美)



管理人:

猿の惑星

日本では、「東京オリンピックを素直に喜べない奴は非国民」だそうです。

世界中から集まった(集まればの話だが)アスリートたちの健康を気遣って、「東京はふさわしくない、と言うことが間違いである」と考えている人々が本当にいるのです。まったく信じられない国になった。

「アスリートたちを黙って被曝させるほど、日本は野蛮な国ではない」と世界に発信するほうが、どれほど誠実でクーベルタンの理念の沿ったものであるのか。

日本の人々の目は、放射能とともにそこまで曇ってしまったのだ。
その上、致命的に無知である。
彼らは、何ひとつ本当のことを知らない。何ひとつ本当のことをやろうとしない。
金のために。

まさに映画「猿の惑星」の予言どおりだ。




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