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ドイツのキール研究所の海洋シミュレーションで、今日現在の太平洋の汚染状況。(これは2012年7月のデータですが、東電が2013年7月22日に、それまでの発表より、さらに大量の放射性物質が漏れていたことを認めたため、キール研究所ではシミュレーションをやり直している)
カナダのブリティッシュ・コロンビア州と、その南のアメリカのワシントン州の海洋汚染状況と魚の汚染状況について。




まず最初に、カナダのバンクーバーサン(3月12日)から。

カナダのブリティッシュ・コロンビア州で初のセシウム134検出
(By Larry Pynn, Vancouver Sun March 12, 2014

福島第一原発から飛来してきた放射性金属がフレイザー渓谷(Fraser Valley)で検出されました。
この事実が明らかとなったため、放射線がカナダのブリティッシュ・コロンビア州西海岸へ長期的な影響を与えることになる、と研究者が警告を出しています。

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アガシの近くのキルビー州立公園から採取した土壌サンプル検査をしたところ、セシウム134(物理的半減期は約2年)が発見されました。この州では初めてのことです。これは、放射性物質が福島第一原発から太平洋を越えてカナダまで飛んできている、という明らかな証拠です。

「それは私たちに関係していることであり、国際的な問題だ」と、サイモン・フレーザー大学で資源と環境管理の助教授を務めているフアン・ホセ・アラバ氏は、3月11日のインタビューで驚きを隠そうとしませんでした。

セシウム134の物理的半減期は約2年です。
放射性セシウム137の半減期は約30年なので、海洋生物にとっては、しつこく危険が付きまとうし、食物連鎖の中で生物濃縮するのです。

研究者は、バンクーバー島の太平洋沿岸の水域で別の研究者たちによって検出されたセシウム137の放射能レベルに沿って魚を捕食するシャチの内部被曝モデルを開発しました。(どれくらい放射能に汚染された食べ物をどれくらい食べたら、とれくらい内部被曝するのか、という)

そのモデルによれば、今後30年以内に、※クジラ中のセシウム137の放射能汚染レベルが人の食用に供することができる1キログラム当たり1000ベクレル(これはカナダ基準:日本の10倍)というカナダの基準値を超えてしまうだろうことを示唆しています。

「それは、われわれが常に照らし合わせ、比較しなければならない唯一の基準です」とアラバは言う。

※管理人
新しく開発したシュミレーション・ソフトによれば、今後30年以内に、※クジラ中のセシウム137の放射能汚染レベルが1キログラム当たり1000ベクレルを超えることが分かった。この海の生態系の頂点にいる動物の汚染は止まらないということです。

……………………
2013年11月16日にハリソン川の河口近くのキルビー公園で土壌サンプルを採取して、サイモン・フレーザー大学に検査してくれるよう頼んだ日本人のバンクーバー市民がいます。

土壌サンプルからは、セシウム134が検出されていますが、正確なレベルはまだ分かっていません。おそらく、低い値であると思われますが。

天然のサーモン(去年11月に産卵を終えたばかりのサンプル)とその仲間のサンプルも、放射線を浴びている証拠があるのか、今、分析が進められています。
大学に検査を依頼すると、結果が出るまでかなりの時間がかるようです。

放射性物質の沈着を見る場合は、地形が非常に重要になります。
フレイザー渓谷から放射性金属が見つかったということですが、ここでは、今後、山から谷に放射性物質が下りてくるでしょう。それが平地部の土壌に集まって線量が高くなるはずです。

希望は、放射性セシウムが長い時間をかけて土壌深く沈み込み、粘土層に捕獲されて止まるということです。そうすれば、根の浅い野菜などは食用に供することができるでしょう。

しかし、ハドソン川河口近くの公園からセシウム134だけが検出されたのは、いったいどういうことでしょう。

もちろん、セシウムのあるところ、ストロンチウム90も存在しています。

ワシントン州のストロンチウム90とセシウムによる魚の汚染の状況

さて、次はカナダのブリティッシュ・コロンビア州と隣接するアメリカ・ワシントン州の結果。
アメリカ在住の平沼医師のサイトや、その他ソースからの情報を元に、確かなことを以下にまとめます。

まず、ワシントン州にある海産会社「ヴァイタル・チョイス・ワイルド・シーフード・アンド・オーガニックス社」の検査結果を紹介します。

カナダでも、州政府は放射能の影響を過小評価するために公的には測定を行っていないので、こうした信頼できる民間の測定所のデータを参考にすることになります。

今回の検査対象は、
キングサーモン、ソックアイサーモン(紅鮭)、ビンチョウマグロの3種類。結果は2014年1月9日に発表されています。
検査自体は、2013年秋に行われました。

【ストロンチウム90が出たかどうか】

まず、ストロンチウム90が、ワシントン州の魚から検出されたのかどうかについて。

ストロンチウム90のベータ線の※水中飛程距離は、わずか1.17mmなので専門の測定所でなければ計測できません。
それで、ヴァイタル・チョイス社は、ストロンチウム90については、ペース・アナリティカル・サービス社に依頼(外注)し、その測定結果が間違っていないか評価してもらうために、SGSノースアメリカ社に依頼した、とこういうこです。

平沼医師がヴァイタル・チョイス社に直接問い合わせたところ、「検体は、肉だけでなく皮と骨をも含む魚全体」であるとのこと。

日本の場合は、骨を取り除いた魚肉部分だけを検査しています。それも、気まぐれ間引きで検査で、いちばん低い数値を公表しているので、まったく意味がありません。
ストロンチウム90は魚の骨に集まるのでヴァイタル・チョイス社の検査には正当性があります。

(※ウナギの骨の唐揚げ… 食べてみたいですか?)

管理人:
※水中飛程距離
同じエネルギーの放射線であれば、それを透過する距離は、その物質の性質によります。ストロンチウム90のベータ線が水の中を進む距離は、線源からわずか1.17mmです。
魚や人間はほぼ水分なので、これを採用します。


ヴァイタル・チョイス社のストロンチウム90検査報告
結果は「2013年秋の測定では、ストロンチウム90は検出されなかった」というもの。

2013年の夏、福島第一原発からストロンチウム90が海洋に流れ出ているというニュースが出たので、2013年の秋に、ストロンチウム90に関して検査するために多くの魚のサンプル(キングサーモン、ソックアイサーモン(紅鮭)、ビンチョウマグロ)を専門の測定会社に送った。
今、その結果をSGSノースアメリカ社から受け取った。結果は「検出されなかった」というものであった。

これらの魚は、福島第一原発の東方1000マイルより西側には移動しないという習性を持っている。
日本付近を回遊しない魚を食べても何らリスクを生じない、というのが科学的見解における合意である。

ただし、これは去年の秋の時点の話。そのとき、ストロンチウム90についてだけは安心だ、と言っているだけです。現在の状況は、さらに悪化しているのは言うまでもありません。

ヴァイタル・チョイス社は、2013年の秋までに、ヨウ素131、セシウム134、セシウム137の測定を3度行っています。

2012年3月29日公表
2012年9月公表
2013年9月公表

の3回です。

もっとも新しいヨウ素131、セシウム134、セシウム137の測定結果は、2013年9月に公表されています。(下の囲み)

ヴァイタル・チョイス社(2013年9月
検査は、ユーロフィン・ラボラトリー社へ委託。
結果は、「ユーロフィン・ラボラトリー社が、当社の鮭(ピンク、キング、紅鮭、銀鮭)、マグロ、タラ、オヒョウとギンダラでセシウム134、セシウム137とヨウ素131の検査を行ったが、不検出だった」

セシウム134: 不検出 (検出下限値 1.0 Bq/kg)
セシウム137: 不検出 (検出下限値 1.0 Bq/kg)
ヨウ素131: 不検出 (検出下限値 2.0 Bq/kg)

ヴァイタル・チョイス社は、「No Worries for Vital Choice Seafood(わが社の魚は心配ご無用)」というページをつくっており、取引先が離れるのを防止しています。
ヴァイタル・チョイス社は、魚を売る営利事業者です。良心的とはいえ、どうしても、こうしたバイアスがかかるのは「彼らが食べていくためには」仕方がないのかもしれません。


さて、もう一つ別の検査結果報告があります。

ワシントン州シアトルのロキ・フィッシュ社が、最近行った、ヨウ素131、セシウム134、セシウム137の放射能検査です。
その結果を公表しています。

ロキ・フィッシュ社は、主に天然の鮭とオヒョウを漁獲する漁業会社です。

ロキ・フィッシュ社が2014年1月7日に発表した記事からのポイント抽出は以下。

ロキ・フィッシュ社のセシウム検査報告(1月7日)
「アラスカ南東部からのピンクサーモン、ケタサーモン(白鮭)、コーホーサーモン(銀鮭)、ソックアイサーモン(紅鮭)とキングサーモン、そしてピュージェット湾からのピンクサーモンとケタサーモンからセシウムが検査された。」

測定は、ユーロフィン・ラボラトリー社に委託。

セシウム134: アラスカ産ピンクサーモン 1.2 Bq/kg (検出下限値 1.0 Bq/kg)
セシウム137: アラスカ産ケタサーモン 1.4 Bq/kg (検出下限値 1.0 Bq/kg)

ヨウ素131: 不検出 (検出下限値 2.0 Bq/kg)

セシウム134、137合算で2.6 Bq/kg (検出下限値 1.0 Bq/kg)出ています。

こうした検出下限値を低くした微妙な測定では、同じ検査機器、同じバックグラウンド環境で複数の検体を検査して結果を照らし合わせて分析することによって精度が上がります。

検査機器もバラバラで、計測する環境も違うのでは、厳密な意味では「正確な情報」とは言えません。
ですので、ヴァイタル・チョイス社(2013年9月)とロキ・フィッシュ社のセシウム検査報告(2014年1月7日)の結果が違うからといって、「北米沿岸の魚は、時間の経過とともに汚染されている」とするのは早計です。
しかし、それが時間の問題であることには変わりはないのですが。

正確なことは、
「福島第一原発からは運ばれてきたセシウムに北米の魚が汚染されている」という事実と、「今後、汚染がさらに酷くなる」という予想です。
残念なことに、福島第一原発から、今日も汚染水が太平洋に垂れ流されているのですから、その予想が確定的となる日も近いでしょう。

カナダのブリティッシュ・コロンビアも、アメリカのワシントン州も(その下のカリフォルニア州もですが)、財政難を理由に放射線の測定の範囲を極度に狭めているようです。

カナダの現ハーパー政権は、放射能の危険を訴える科学者たちの口を封じ、環境保全のための研究を閉鎖してしまうなど、その情報隠蔽には目に余るものがあるようです。
放射能に関しては、日本とまったく同じなのです。

市民は、少しでも汚染されていない食べ物をどうやって確保したらいのか、健全な環境をどう取り戻したらいいのか、経口や呼気から取り込んでしまった放射性物質をどうやって排出したらいいのか、暗中模索の日々を送っているのです。

ただ、自分で汚染されていない食材を買い集めて自宅で手作り味噌を作ってみたり、発酵食品をつくってみたりと、日本の家庭より一歩進んだ放射能対策を講じているようです。

ウッズホール研究所の海洋モニタリング始まる

世界でもっとも権威のある海洋調査機関(だから注意なのですが)、ウッズホール海洋生物研究所が、今、太平洋の海水のモニタリングを始めており、海藻のモニタリングのための「Kelp Watch 2014」プロジェクトを推進しています。

「Kelp Watch 2014」は、スティーヴンL.マンリー博士(カリフォルニア州立大学生物科学部)とカイ・フェッター博士(UCバークレーおよびローレンス・バークレー国立研究所)との協働によるもので、福島から流れ着いた海水によって海藻の生態系が放射性核種によって汚染を受けている範囲を決定するための科学キャンペーンです。

これらの専門機関から生データが出てくると、太平洋の汚染状況、特に北米の汚染状況が少しずつ解明されてくるのかもしれません。






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