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一見したところ、朗報だが。しかし…
「よく読むこと」というのは、あなたが賢明な日本人か、それとも無防備な日本人か、実生活にこの新開発のストロンチウム90計測器がどのように活用できるのかを考えてみてくださいということです。

立教大学が放射性ストロンチウム非破壊検出法の新規開発

立教大学が、非破壊でストロンチウム90を検出できる方法を開発したニュースです。

(共同通信PRワイヤー)
立教学院 原発事故災害復興支援のための放射性ストロンチウム非破壊検出法を新規開発
(AFP BBNews)
原発事故災害復興支援のための放射性ストロンチウム非破壊検出法を新規開発
(47News)
原発事故災害復興支援のための放射性ストロンチウム非破壊検出法を新規開発

全部、同じニュースです。

要点だけ抜粋して短くコンパクトにしたのが下の囲み記事です。

簡易ストロンチウム90計測器の紹介記事抜粋

放射性ストロンチウムは化学的性質から放射性セシウムよりはるかに体外に排出されにくいため、内部被ばくの影響が懸念される一方で、ガンマ線をほとんど放出しない性質による計測の難しさから、原発事故に伴う環境中の汚染状況の情報が極めて乏しい状況が続いています。

この状況を打破すべく、研究チームでは、セシウム137などを大量に含む土壌中に含まれるストロンチウム90の放射能強度を、土壌の化学処理のプロセスを経ずに物理的に非破壊で計測できる、新しい測定器の開発を行いました。


ストロンチウムは、骨に蓄積しやすい化学的性質を持つことから生物学的半減期がセシウムよりもはるかに長く、内部被ばくへの不安から放射性ストロンチウムの定量評価への社会的ニーズが少なくありません。

一方で、放射性ストロンチウムは放射性セシウム 等と異なり崩壊時にガンマ線をほとんど放出しない性質があるため、放射性セシウムの測定で用いられるゲルマニウム検出器などを用いたガンマ線分析方法を用 いる事ができず、現状では放射化学的処理が必要で大きなコストと時間を必要とする問題点があります。

そのため、放射性ストロンチウムの調査数は、放射性セシウムと比較しても圧倒的に少ない状況が継続しています。

【解説】
上の囲み記事が、どういう意味を持っているか考えてみましょう。

ストロンチウム90は、β線のみを放出するため、外部から非破壊(魚であれば、ストロンチウム90を計測するために魚肉と骨を粉砕しないこと)で測定することができません。

このため一般にストロンチウム90の分析では、対象試料を溶液化した後、イオン交換分離や沈殿分離などの方法を用いてストロンチウムだけを分離し、更にストロンチウム90の子孫核種であるイットリウム90の生成を2週間程度待ってから放射線計測が行われています。
このように、従来の化学処理を伴う分析法では分離法が非常に煩雑であり、分析に長時間を要することが問題となっていました。

魚にしても牛肉、豚肉にしても、あるいは人体にしても、多くの水分を含んでいます。それらの生物の体内に取り込まれてしまったストロンチウム90は多少は水分にブロックされるので、例えば、人体内では1.17mmしか飛びません。
セシウム137は、γ線だけでなく、ストロンチウム90と同じくβ線も放射します。セシウム137の出すベータ線も、人体内では、1.6~2.3mm程度しか飛ばないのです。これを水中飛程距離と言います。動物は水分が多いので、この水中飛程距離を目安に使います。

水中飛程距離が短いから安心だ、ではないのです。まったく反対です。
ガン細胞は、最初はたった1個の細胞の突然変異によって生まれます。それが免疫によって潰されているのでガンとなって現れないのです。

ストロンチウム90にしても、セシウム137にして、そこから出てくる放射線量が少なくても、何十年も半径1.17mm範囲を被曝させ続けるのです。ガン細胞は次々と生まれ、いったいそれをいつまで退治(免疫)できるのか、ということです。
ストロンチウム90のガンマ線は、ピンポイント攻撃なので、線量が低くてもとてもリスクが高いのです。
(詳しいことは、「ストロンチウム90からどう身を守ればいいのか」を読んで下さい)

ストロンチウム90のβ線を計測するとき、イットリウム90の生成を2週間程度待ってから測る、という意味は、ストロンチウム90はβ崩壊してイットリウム90になった後、再びイットリウム90がβ崩壊してβ線を出すからです。イットリウム90の半減期は64時間と短いのですが、この二度にわたるβ崩壊はストロンチウム90が消えるまで同時に起こっているのです。

ストロンチウム90による内部被曝を防ぐ方法は、計測できるガンマ線を放出するセシウム137を徹底して避けること

さらに、箇条書きにします。

①まず、ストロンチウム90は、セシウム137と同じように水に溶けやすく反応性の高いイオンになります。つまり、セシウム137のあるところには、必ずストロンチウム90もあると考えなければなりません。両者の比率、割合、濃度は汚染された土壌、そこで穫れた作物、魚の種類(生物濃縮の違い)、海藻によっても違います。

②セシウム137の生物学的半減期(排尿・排便、発汗などによって体外に半分の量が排出されるまでの時間のこと)が大人100日、子供40日だから、それを計算して、体内に一定以上のセシウムが溜まらないように、多少は汚染された食物を食べるのも仕方がない、と考える人がいます。
しかし、それはストロンチウム90に関してだけはナンセンスです。とんでもなく危険です。

③ストロンチウム90は、カルシウムと似た性質を持っているので、食べ物から体内に入ると骨に集まりやすいのです。
ストロンチウム90の物理学的半減期は約28年で、セシウム137とほぼ同じです。しかし、骨に取り込まれてしまった場合のストロンチウム90の生物学的半減期は50年です。なんとセシウム137の100日と比べると182倍も長いのです。
それでも半分しか体外に出ていかないのです。

④計算してみましょう。
関東にもストロンチウム90が飛んできています。
たとえば、ストロンチウム90が1kg当たり20ベクレルの牛肉ステーキを食べ場合(そんな人は、なかなかいないでしょうけれど)、その2割が骨に吸収されてしまった場合、4ベクレルです。体内から排出されて半分の2ベクレルになるまで50年かかるのです。その間、ピンポイントで細胞は放射線の攻撃を受け続けるのです。

セシウム137の場合の半減期は100日ですから、いかにストロンチウム90が微量でも危険かということです。
しかも、肉、魚は食べたいでしょうから、その間も食べ続けて、骨に蓄積される一方です。ストロンチウム90が骨に吸収されてしまうと、ほぼ一生のおつきあいとなるのです。ストロンチウム90は、カルシウムと置き換わって骨に同化するように根付いてしまうのです。

⑤ストロンチウム90は白血病、ガンを思い起こしますが、セシウム137と同様に、心筋障害、脱力、意欲低下なども起こります。

立教大学の開発した簡易ストロンチウム90測定器は、誤差が大きいので、食べ物の計測には向かないでしょう。あくまで他の土壌と他の土壌のストロンチウム90の汚染レベルを比較する上では有効ですが。

ということで、この計測器は私たちの生活には入ってきません。

それどころか、国が今までストロンチウム90を測定しなかったことを理由に、「朗報!」と叫びながら、再び「食べて応援!」などというキャンペーンが一部で展開されるでしょう。

だから、セシウム137よりストロンチウム90の方が量が少ないから神経質になるな、という人々がいますが、まったく違います。ストロンチウム90はセシウム137とともに存在しています。しかし、人間を含む生物への内部被曝の様相においては、まったく別物であると考えなければならないのです。

では、どう防ぐいだらいいのか。

ストロンチウム90の濃度が、どうのこうのと一喜一憂してはいけないのです。ストロンチウム90については、濃度が最大の問題ではないのです。問題は、骨への長年にわたる蓄積です。

結論は、セシウムが少ない食材を徹底して選んで食べるということです。ストロンチウム90の場合は濃度など、いちいち気にするより長期間にわたって、どうすればセシウムを取り込まないで済むのか、そのための最大限の努力をすべきなのです。

そして、政府が「いちおう計測した」でお茶を濁そうとしても、その数値は信用するに値しないでしょう。相変わらずストロンチウム90の過小評価に使われないとも限らないのですから。

オバマ大統領が先月23日に来日して、そのまま銀座のすし店で安倍総理と非公式の会食を行いました。大統領は寿司を14巻食べたといいます。
しかしそれ以外では飲み水はペットボトルの水。国賓が泊まる赤坂の迎賓館ではなく、虎ノ門の在日米国大使館の隣にあるホテルオークラに泊まったのです。当然、ミシェル夫人も来るはずがありません。

このことを新聞は「安倍総理に対するクールな対応」と書きたてました。それはオバマが放射能を経口被曝したくないからです。日本の新聞は、とことん死んでいます。





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