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4号機建屋(画像はFukushima Daiichi Photosから)


前回の記事で紹介した
国連のアドバイザリ・スタッフを務めていた松村昭雄氏ですが、さまざまな著名な学者の4号機建屋と使用済み燃料プールについての分析を、自身のブログで紹介しています。

その最新記事で、「四号機の格納容器の外にある1535本の燃料棒が地面に落ちれば、東京と横浜は閉鎖される」と、多くの科学者が強調して警告していることを報告しています。

その一人、カナダの権威ある学者、ゴードン・エドワーズ博士の記事を紹介しています。
(下の記事。この記事は、極力、意訳せず原文に忠実に翻訳してあります)

4号機原子炉の独自評価が必要
The Need for Independent Assessment of the Fourth Reactor
2011年10月25日   ゴードン・エドワーズ(Gordon Edwards)博士

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松村昭雄氏は、彼のブログの「4号機原子炉と日本の運命」と題した記事で、「福島第一原発4号機の使用済み燃料プールが、途方もない量の放射能を放出する深刻な脅威がある」ことを正確に確認したと書いています。
カレイドスコープでは「4号機の使用済み燃料プールと日本の運命」というタイトルで紹介)

使用済み燃料プールは、少なくとも今後、数年間は機械的な手段で冷却が行われ続けなければ、放射能によって加熱するでしょう。

放射能によって生じた熱は、核燃料の温度が制御不能に陥って急上昇しないように保たれているうちは、速やかに取り除かれるに違いありません。

しかし、温度が900度C以上になった場合には、核燃料を被っている金属の被覆部分は急速に劣化し、大量の放射性ガスと水蒸気を放出するでしょう。

こうした高温になった状態では、(燃料ペレットを被っている)金属の被覆部分は、水蒸気と反応して、巨大な爆破力を持つ水素ガスを生成するようになります。
それは、実際に3月15日、4号機建屋の屋根を吹き飛ばして、大気中に放射能を放出しました。

約1000度Cに達すると、燃料ペレットの被覆部分は着火して、小さな燃えカスを出します。
それは、「核フリー(nuclear fleas)」と呼ばれる照射核燃料の微細粒で、特に吸引したり、経口したりすると大変危険です。

今のところ、4号機は制御されています。
しかし、もし、使用済み燃料プールか、それを支えている構造物が、強い余震によって深刻なダメージを受けた場合は、事態は急変する可能性があります。

そうした事態が起これば、使用済み燃料を効果的に冷却できなくなるかもしれません。
温度は、どんどん上昇し、使用済み燃料は過熱を続けて、終いには発火するかもしれません。

そうした状態では、すでに4号機の原子炉建屋の屋根は吹き飛んでしまってないわけだし、使用済み燃料プールを囲んでいた格納構造物もなくなっているので、放射性物質の放出を防いだり、止めたりすることはできなくなります。

もはや日本の人々を守り、環境を守る手立てはないのです。

10年前に、アメリカ合衆国原子力規制委員会(US Nuclear Regulatory Agency)の技術研究は次のようなことを指摘しています。
「使用済み燃料プールが火事になるということは、重大なことになるかもしれません」。

「空気の流れが制限されたとき(こうしたことは、核燃料棒が格納されているケースが抜け落ちたり、巨大な地震が起こった後で起こることがあります)、使用済み燃料プールが火事になる可能性は、何年も何年もずっと続くと、その分析結果は指摘しています」。
(US NRC NUREG-1738, http://tinyurl.com/65aa4ue)

これは、とても重大な種類の脅威となるため、日本の政府は、こうした方面のエキスパートを他国から呼び寄せたほうがいいでしょう。
そうしたエキスパートたちは、4号機建屋内の使用済み燃料プールの構造上の強度がどれくらいあるのかを、きちんと評価し、それを補強するよう適切なアドバイスを与えてくれるでしょう。

使用済み燃料プールと、それを支える構造物が、想定し得る最も厳しい余震に耐えることができるようにすることは、緊急の要件です。

東京電力と日本の原子力規制機関(注:原子力安全・保安院)が、福島第一原発の状況の評価において、必ずしも正確だとは限らなかったことが、はっきり分ったのです。
多くの場合、東電による誤報が、政府国民に伝えられてきたのです。

このような事態では、利害関係とは無縁で、世間的な体面を保つことから切り離されたエキスパートのアドバイスを受けることは、とても大切なのです。

外部からの助けを求めることは、国家の威信を傷つけることになると考えるかも知れませんが、それは時によりけりで、今はそれが最良の選択なのです。

一例として、ここカナダの(注)旧オンタリオ・ハイドロの役員会は、1997年、オンタリオ州で稼動している20基の原子炉の統合パフォーマンス・アセスメント(IPPA)を実行するために、アメリカの核のエキスパート・チームに依頼することを決めたのです。

(注)管理人:
オンタリオ・ハイドロ社とは、2002年に発電部門と送配電部門(Hydro One)の二つの会社に分割された電力会社。
カナダでは、1990年代以降、電気事業に電力自由化の波が押し寄せ、オンタリオ州は、オンタリオ・ハイドロ社の事業分割によって、カナダで第二番目に電力小売り自由化がスタートしました)


この過去に例のない決定は、旧オンタリオ・ハイドロ社の巨大な原子炉群の安全性の問題について、真に独立した評価を与えるために行われたものです。
(http://ccnr.org/hydro_report.html)

外部からエキスパートを呼んだ理由は、旧オンタリオ・ハイドロ社の原子力部門から出てきた報告書、そして原子力規制当局のカナダ原子力管理委員会から出てきた報告書が、そのどちらも、度を越した曖昧さ、かつ表面的で不明瞭さに満ちたものであっため、それらを排除するために行ったことでした。

何者にも左右されない独立性を保った調査を行った結果、旧オンタリオ・ハイドロ社の原子炉のうち7基が、7年間、運転取り止めとなったのです。

このことは、原子炉の安全性の管理面に焦点を当てることになり、旧オンタリオ・ハイドロ社の原子力部門の組織風土を改善することにつながったのです。

カナダでは、こうした異常な状況下では、外部の専門家のアドバイスを持つことは大変に有益であると考えられているのです。
なぜなら、そうした外部のエキスパートは、数々の問題において、影響力を持つ新鮮な視点を持ち、前例主義を守ったり、以前に下された決定を正当化しなければならない、といった必要性を持っていない人たちだからです。

4号機建屋の燃料プールと、それを支える構造物が、予測されうる地震やストレスに完全に耐えることができるよう、特別なアドバイスを受けようとするなら、このような独立評価を行うことは、4号機原子炉の使用済み核燃料の容器(bay)が危険な状態にある今なら、必要なことだと思います。

重要なことは、できるだけ早く、4号機の損傷した使用済み燃料プールから使用済み核燃料を取り除くことです。

このために必要なことは、以下のことです。

1)4号機の使用済み核燃料を受け出して、移しかえるための予備のプールを造っておくこと。

2)使用済み核燃料を移動する間、放射性物質が漏れないようにする格納構造を造ること。

3)燃料棒を取り出して移しかえるためのクレーン。

4)移動のために、一時、核燃料棒を収めるための冷却機能を持った容器をつくっておくこと。

…………。

現在、使用済み燃料プールに入っている核燃料棒に損傷がみられるということは、こうした移し替えの手順を複雑にします。

もっとも早くて2014年までに、使用済み燃料プールから、照射済み核燃料を取り出すことは不可能であることは明らかです。

それまでに、構造のエキスパートから助言を仰ぎ、既存の使用済み核燃料貯蔵タンク(プールの中に沈められている核燃料棒が収納されているブロックごとのケース)を可能な限り強固に、そして、安全にしておくことは緊急に取られるべき行動です。

他との利害関係とは無縁の公正な調査にかけることをしないまま、東京電力の“根も葉もない”安全を強調した調査結果など、とうてい受け入れることはできないのです。

このことは、原子力安全・保安院が最近のシミュレーション結果報告の中で述べていた「4号機の使用済み燃料プール」の状態が危険である、としたことに関わっていることなのです。(このシミュレーションは6月にすでに完成していたが、なぜか10月になってから公開された)
(http://tinyurl.com/3b7dmwn)

物理学者のゴードン・エドワーズは、「核に対して責任を持つカナダ連合」(CNNR=Canadian Coalition for Nuclear Responsibilityの創始者にして会長で、2006年の「核のない未来賞」の受賞者でもあります。

彼について、もっとよく知りたい方は、ここをクリックしてください。

その他、ゴードン・エドワーズに関する日本語の記事は以下。
http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-2590.html

http://doujibar.ganriki.net/fukushima/fukushima_and_the_battle_for_truth.html
(上から5分の1ほどスクロールダウンしたところ)

http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/theme-10035676128.html


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ここから管理人:

6月頃までは、米国の原子力コンサルタント、アーノルド・ガンダーセン氏(fairewinds Accociates)の分析を柱にして、4号機建屋倒壊の可能性について書いてきました。

以後、東電も保安院も、まるで情報統制を行っているかのごとく、パタリと4号機に関する情報が出てこなくなってしまったです。

仕方なく、海外から得られるわずかな情報から、恐る恐るイメージの範囲を広げながら、手探り状態で記事を書いてきたのですが、国連勤務時代、松村昭雄氏とのコネクションを持つ著名な学者たちが、一様に4号機建屋内の使用済み燃料プールについて深刻な危機感を持っていることが分って、「やはり、そうだったのか」と得心。

また、「強力な余震が起きて、4号機建屋が倒壊するか、使用済み燃料プールが地面に崩れ落ちれば、東京、横浜は避難区域となって閉鎖される」と、日本の政府、政治家に警告している「アドバイザー」がいる、とネット上の信頼の置けるソースに書かれていたのですが、それが松村氏のことだと分って、これも納得。

でも、松村氏は少し心配性?

いえいえ、実際に松村氏のブログでは、著名な学者たちが警告を発しているのです。(機会があるごとに紹介していきますが)
やはり、この心配は、非常に現実的なものであると考えざるを得ないのです。

「考えうる限りの最悪の事態を想定して、準備すべき」という進言は、日本人には辛いでしょう。
日本人の場合は、ついつい悲観論に走りがちです。
(私は、一時期、海外に住んでいたので、日本人を客観的に見ることがあるのです)

どうせ北風が吹くなら、背中を向けるより、正面を向いて向かっていったほうが精神衛生上はいいと思います。

さて、海外の物理学者は、福島第一原発の去らない危機について、政府に警告しようとしています。
今の政府は、これまでもそうでしたが、どうもそうした警告には耳を傾けたくないようです。

次の選挙対策とばかり、官邸にハッパをかけられた東電、保安院の見通しを基本にして立てられた「嘘だらけの工程表」を発表する園田康博政務官
この真面目だけれども頭のかる~い男は、プルトニウム水を飲んでみせる、とか意気込んでいるようですが、「冷温停止」の根拠については説明できないのです。

海外から、こうした様子を冷静にウォッチしている人々は、もう政府の茶番劇にウンザリしているのです。
「日本の政府の連中は、まるで子供だ」と。
これは、日本人が想像している以上で、今では、まったく信用されていません。

マスコミも、記者会見でリリースされたことを、ただ書くだけの“写経”係ですから、本当のところは何も分りません。

脱原発、反原発を掲げて、カリスマ的存在、アイドル的な存在になった学者たちでさえも、4号機建屋の話になると、急にトーンダウンしてしまうか、あえて話題を避けているように見えます。

4号機建屋と使用済み燃料プールの問題は、彼らにとっては、知りたくもないし、見たくもないのです。
日本の将来がかかっている本当に大事なことだというのに。

核燃料を取り出すまで工程表では10年かかることになっています。
4号機の使用済み燃料プールから1535本の核燃料棒を取り出すのはいつのことになるのでしょう。

私には、どのように考えても、今後数年、あるいは10年の後も、あの傾いた建屋が倒壊せずに今の姿を保っているなど考えられないのです。

少なくとも、福島県の人たちは避難するべきです。
いくら、こう呼びかけても、聞く人は日を追うごとに少なくなっていくでしょうけれど。




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