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20120112-5.jpg
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爆発後の4号機の使用済み燃料プール。それでも白煙を出し続けているプールの状態は何を暗示している?

以下は、去年の3月16日にNRC(米・原子力規制委員会)で交わされたメールです。

2011年3月16日
「4号機原子炉の使用済み燃料ピットの壁は崩壊しており、核燃料は、もはや無傷ではない」
march-16th-2011-unit-4-sfp-walls-have-collapsed-fuel-may-no-longer-be-intact
(ENFORMABLE   2012年1月11日のアップ)

メールの原本とされているもの。画像クリックで拡大
20120112-3.jpg
ソース:http://enformable.com/2012/01/march-16th-2011-unit-4-sfp-walls-have-collapsed-fuel-may-no-longer-be-intact/

この↑ソースが削除されたときのために、もうひとつ。ENERGY NEWSのほうにもあります。


メールの宛先:
From: Boska, John
Sent: Wednesday, March 16, 2011 11:31 AM
To: Guzman, Richard
Cc: Pickett, Douglas
Subject: Developments in Japan
Importance: High


メールの内容:(日本語訳)
-----------------------------------------------------------------------------------

リチャード、調査した上で、我々の部署にコメントをください。

たった今終ったジョー・ギッターのブリーフィングで、私たちは日本の状況が、はるかに悪いと報告を受けました。

4号機原子炉建屋の使用済み燃料プールの壁が崩壊した模様。
プールには水がありません。

プールの中には、多くの燃料集合体があったが、燃料は、すでに完全な状態を保っていないようです。

放射能レベルが、非常に上がり続けていることから、他の5つの原子炉で作業をすることは、おそらく難しいだろうと思われる。

そうなれば、より多くの燃料が損傷し、放射能が放出される可能性があります。

NRCは、長期間にわたって、オペレーション・センターに週7日24時間体制で人員を張り付かせることを考えており、他のNRCタスクチームも、しっかり態勢を調えています。

情報は、我々のライセンシー(作業許可を与える者)に行くように準備ができています。

ジョー・ギッターは、オペレシーン・センターで、午後3時から午後11時までの8時間シフトで作業に取り掛かっていますが、毎日、オペレーション・センターに行く前に、2、3時間は会社に出るようにするつもりだと言っています。

アレン・ハウは、原子炉の安全性確保のための委員会の準備をするよう配置されました。

ネルソンは、NRRのコミュニケーション・チームをリードするよう配置されました。

もしBWR(沸騰水型軽水炉のこと。福島第一原発のマークⅠタイプ)、もしくは使用済み核燃料の取り扱い技術をお持ちで、オペレーション・センターでのシフトに志願したいのであれば、私に知らせてください。

8時間交代で、4、5日作業のローテーションが組まれようとしており、残り2、3日がオフの日となリます。

さらに、我々の技術者の多くが作業に割り当てられており、それぞれの許認可活動を完璧にこなすことは難しいかもしれません。

ギッターとネルソンは、このことを認識しており、メトリクスにおける優先権は、日本の応答次第だ、と言っています。

さらに、ハロルド・チャーノフは、許認可活動のリストのまとめをやっています。
その許認可活動とは、発令に先立ってNRR LTの承認を得る必要がある(使用済み燃料プールのリラック、格納容器の試験のような)デリケートなものです。

-----------------------------------------------------------------------------------

管理人:

これはNRC内で交わされたメールとして、ネット上にアップされているものです。

このメールに、閲覧者の方が詳しい解説を付けてくださいました。
原発の専門的な知識をお持ちの方のようです。

二箇所あります。赤字の部分です。

メトリクスにおける優先権は、日本の応答次第だ、と言っています。

この意味は、
「日本からの応答はメトリクス(色々な基準)よりも優先されるだろう、と言う意味で、現場の実情はそれまでの基準では処理できないことをいっている」
という解釈になるそうです。

そして、このメールの最後の部分…。
『その許認可活動とは、発令に先立ってNRR LTの承認を得る必要がある(使用済み燃料プールのリラック、格納容器の試験のような)デリケートなものです』。

この意味は、

「使用済み燃料プールのリラック(キチキチにする詰め替え)とか格納容器のテストを減らしていることなどが、現実に行われているが、それを立場上おおっぴらにすることができないことを彼らは意識しているのです。
だから事前の承認が必要だといっています」


という解釈を閲覧者の方からいただきました。
なるほど、そのために原発作業にはライセンシーという仕組みがあるのでしょうね。

管理人は、納得しました。
やはり、すぐに脱出すべきだったのかもしれません。


このメールの発信は、米・現地時間の3月16日の午前11時31分です。

NRCは、アメリカ東部のメリーランド州にあって、このメールが送られた3月16日は、まだサマータイムに入っていませんでしたから日本と米国・東部の時差は14時間です。

メールが送られたのは「March 16, 2011 11:31 AM」なので、日本時間では3月17日の午前1時31分(夜中)ということになります。

まず、上のメールの内容を記憶しておいてください。

この記事のソースとなっているENFORMABLEというサイトには、他にも、福島第一原発事故に関するいつくかの公式メール文書が取り上げられています。

こうした3月時点の米・原子力技術者同士のメールやFAXでのやりとりについては、日本でも原子力安全・保安院のアーカイブで公開されているように、NRCのホームページを丹念に探していけば、きっと見つかるのでしょう。(膨大な時間がかかるので、管理人は、後で時間のあるときに、じっくり探します)

時間と予算がたっぷり使える本業のマスメディアは、なぜ、こうした調査をしないのか。
オープン・ソースだけでも、まだまだ発掘されていない情報がたくさんあるのに。

これでは、4号機の水素爆発の真相解明など、できないでしょう。
日本のマスメディアは、信じられないほど役に立たない。

NRCは、4号機使用済み燃料プールの水漏れによって、燃料棒が「完全な状態でなくなっている」ことを知っていた

4号機原子炉建屋の水素爆発は、3月15日の朝に起きています。

1号機、3号機が爆発したときと違って、4号機建屋が爆発したときの画像やライブカメラの動画など、一切見当たりません。
これはいくらなんでも不自然です。

4号機建屋の爆発に関しては、あまりにも謎が多すぎます。

4号機建屋の水素爆発の原因について、日本では、下の囲み記事の見解が最新のものとなっています。


福島原発:4号機爆発は3号機からの水素逆流が原因

東京電力は(11月)10日、福島第1原発4号機原子炉建屋で3月15日午前に発生した水素爆発について、隣接する3号機から水素が逆流したことが原因との調査結果を発表した。

東電によると、10月から今月にかけて、4号機原子炉建屋内に作業員が入って4階と5階にある空調ダクトの破損状況を調査したところ、空調ダクトの吸気 口の金網が爆風によって通常の流入方向とは逆向きに張り出していたり、空調ダクト自体が爆風とみられる衝撃で散在していた。

この結果から、爆発の発生地点は損傷度合いが激しい4階付近と断定。

原因は、4号機の使用済み核燃料プールから発生した水素ではなく、空調ダクトとつな がっている3号機側から逆流した水素と推定した。

4号機は3号機と排気筒を共通しており、空調ダクト同士がつながっている。4号機は東日本大震災時は定期検査中。

これまでの4号機の調査では、原子炉建屋内の配管より、3号機とつながる配管の方が高い放射線量が確認されていたことから、4号機の爆発原因は3号機からの水素逆流と推定されていた。

【中西拓司】  2011年11月10日

4号機建屋の水素爆発は、当初、3号機につながっている太い配管からの水素逆流が原因とされてきたわけですが、11月10日になって、東電は3号機につながっている空調ダクトからの水素逆流が原因であると訂正してきました。

配管と空調ダクト…たいした違いはないわけです。どちらでもいい。
どうせ、事実の隠蔽のための捏造情報ですから。

3号機とつながっている配管なり、空調ダクトなり、いずれにしても3号機で発生した水素が4号機に流れ込んだ、と東電は主張しているのです。

爆発の発生地点は損傷度合いが激しい4階付近と断定

水素爆発は、確かに4階部分で起きました。
これは崩壊した建屋の外観からでも分かりますから、どうやっても隠せないのです。

ところが、4階部分の使用済み燃料プールから発生した水素によって爆発したのではなく、3号機に続く空調ダクトから水素が流入したから、4階部分で爆発が起きた、と言っているのです。

なぜなら、使用済み燃料プールのある4階に空調ダクトが接続されていたからだ、というのが理由です。

しかし、日本時間の3月17日午前1時31分に米のNRC内でやり取りされていたメールの中では「4号機建屋にある使用済み燃料プールの壁が崩壊していて、使用済み燃料プールには水がない」と書かれているのです。

この情報は、東電、原子力安全・保安院、それに官邸から米側に伝えられたものに間違いないはずです。
つまり、こうした連中は、4号機がカタストロフィーを起こすかもしれないことを知っていたことになります。

それは、4号機の使用済み燃料プールにいる作業員たちの記事に詳しく書いてあります。
官邸は、いよいよとなれば東京を棄てるつもりでいたのです。

このことはNRCの内部情報でも確認されています。(何度か書いてきたので割愛します)

このとき、NRCの技術者は4号機の燃料プールのカタストロフィーを防ぐために、総力を上げてタスクフォースを組んでいたのです。

このメールの中には、燃料棒をぎゅうぎゅう詰めにする「リラック」という専門用語が出てくるなど、いかにも原発エンジニアの間で交信されているような内容になっています。

東電は、まだ決定的なことを隠しているのです。

しかし、こうして、後になっていろいろな情報が出てくると、真相の輪郭が徐々に浮かび上がってくるのです。

原子力は過去の遺物であり、最初から虚構であったと、4号機建屋の爆発は私たちに教えている

以下の推察は、あくまで、「このNRCのメールが本物であるなら」という前提の上でのことですが、このようになります。

4号機建屋の使用済み燃料プールの水位が、地震の震動によって水漏れを起こして急激に下がってしまった。
これが、メールに書かれているNRC「プールには水がない」という表現になっているのです。

そして、燃料棒の頭が水から顔を出した。
あるいは、燃料棒の頭スレスレまでは水があったのかもしれない。

いずれにしても、プールに格納されている燃料棒の何本かの被覆管(ジルカロイ)が溶け出して水素が発生した。

ここに、3月15日に4号機で起きたことをまとめた記事があります。
これによると、「4号機の使用済み燃料プールで火災が起きた」と報じています。
これは事実です。

2011/03/15 11:17
枝野官房長官の会見要旨は以下の通り。

4号機は火災が生じている。
4号機というのは震災発生時には休止中だった原子炉だが、炉そのものには燃料はないが使用済み核燃料が4号炉の中にあって、熱 を持って水素が発生している。

核燃料そのものが火災になるということはない。


これは枝野が東電に言われるがまま、記者会見で述べたことです。

使用済み燃料プールで火災が起きたのは、4号機建屋が水素爆発を起こした後なのか、その前なのかが非常に重要になってくるのですが、東電は水素爆発後にプールで火災が起きたことにしてしまいたいようです。

なぜか?

使用済み燃料プールが、地震によって損傷を受けたことによって水が抜け、その結果、水素を発生し建屋が爆発したことが解析されてしまうと、東電にとっては致命的なことになるからです。

東電は、「なにが何でも津波のせいにしたい」のですから、地震の震動によって4号機の使用済み燃料プールに損傷が起きてしまって、プールの水が漏水、それが水素爆発を引き起こした事実を隠さなければならないのです。

また、4階の高いところにある使用済み燃料プールに1535本もの、それも原子炉2基分以上もの大量の核燃料を収納していたことも説明がつきません。

それは、ちょうどダンプカーの過積載のようです。
それは、二階建てバスの一階部分には人が乗らず、乗客すべてを見晴らしのいいニ階部分に移動させてしまったようなものです。

過積載のダンプカーも、二階建てバスも、果たして、カーブを曲がりきれるのでしょうか。

つまり、もう使用済み核燃料が、行き場がないことを象徴する出来事だったわけです。
4号機の謎の水素爆発によって、日本の核燃料サイクルの虚構が暴かれたわけです。

このまま原発推進派の核暴走を許せば、原発54基分を積んだ原発過積載国・日本は、自らの重みによってカーブで転倒してしまうでしょう。

カーブとは、ウラン資源枯渇が迫っている中、日本が再生可能エネルギーへ本格的にシフトせざるを得なくなったときの曲がり角のことです。

それは、世界一の犯罪企業・東電としては、なんとしてでも隠したいでしょうね。

東電さん、4号機の使用済み燃料プールのお水は大丈夫なんですか?




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