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プレッパーはアメリカ人のサブカルチャーではなく、生き抜くためのライフスタイル、なのか?

アメリカのメディアでは、この数週間、急にDoomsdayという言葉と、prepperという言葉をタイトルに使った記事が増えてきました。

ニ、三年前までは、Doomsdayという言葉を使っている記事は陰謀系サイトの独壇場でした。
しかし、今は違います。
現実は、そうした過去の陰謀話のいくつかが本当であると思わざるを得ない様相を呈してきているのです。

Doomsdayとは、「最後の審判の日」、あるいは「世界終末の日」のことで、キリスト教圏の国々で使われる言葉です。
prepper(プレッパー)とは、とんでもない非常事態に備える人々のことを言います。

アメリカのメディアによると、プレッパーでグルーピングされているアメリカ人は少なくとも、三百万人いると見られています。
プレッパーについて詳しい記事は、こちらのサイト様へ。

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写真は、ナショナル・ジオグラフィック(National Geographic)から

これはアーバン・プレッパー(都市に住むプレッパー)の女性です。
決して、サバイバル・ゲーマーではありません。

アーノルド・シュワルツェネガーやシルヴェスター・スタローンの映画の影響も、大いにあるのでしょうけれど、銃社会のアメリカでは、わが身を守るということになると必然的に武器を携えることになるようです。

かと思えば、大金持ちの日系人、ロバート・キヨサキ氏もプレッパーのカテゴリの中に入るようです。
プレッパーの定義は、アメリカに不穏な空気が漂うごとに広義に解釈されるようになっていくようです。

プレッパーとして有効な準備のできる人には、少なくとも、ふたつの条件が必要だと思います。

それは、
一、「最悪の事態が起きたとき、政府の救援措置は限定的。大災害の場合には、救援などまったく期待できないことを知ること」。

ニ、「非常事態とは、過去のケースを見て言っているに過ぎない。未来には、経験したこともないような事態が実際に起こり得るのだ、ということを実感できる確かな想像力が必要」。

最低でも、この二つのことを感得できない人には、有効な準備はできないでしょう。
そういう時代に入ったということだ、ということは言えるでしょう。

アメリカの(ヨーロッパもですが)ニュースサイトを見ていても、私たちが小躍りしたくなるような明るいニュースは皆無と言っていいと思います。
反対に、Doomsdayが迫っている、というようなヘッドラインが踊っています。それも毎日、毎日。

日本のメディアが、アメリカやヨーロッパのメディアと同じような見出しを連日、連発すれば、政府から圧力をかけられるか、読者から「あまり暗いことばかり書くな」とダメ出しをされるでしょう。

しかし、それは消極的な態度であって、根本的な解決にならないどころか、いざ大災害が起こったときには、出さなくていい被害を出してしまう元凶となるでしょう。

いまや、アメリカ人にとって、「ポジティブに生きる」ということは、「避けられないことを、あらかじめ知っておいて、準備すること」を意味するのです。

これは多くのサバイバリスト(プレッパー入門者も含めて))が読んでいるSHTF planの最近の記事の中で、いちばんコメント数が多い記事です。

■最後の審判の日レポート:
アメリカの三百万人のプレッパーが、私たちが良く知っている「世界の終り」の準備をしている
Doomsday Report: THREE MILLION PREPPERS IN AMERICA Are Getting Ready For The End of the World As We Know It
by  Mac Slavo  2012年2月11日

(翻訳 ここから)

2008年(アメリカで大統領選のあった年)、大統領候補たちが、1930年以来、もっとも深刻なグローバル危機が襲来する前に、果たして本当に景気後退に入るかどうかについて激論を戦わせていました。

そのとき、未来トレンド予報官、ジェラルド・セレンテは、彼が運営しているTrends Journalの会員に向けて、最悪の事態に備え、その中でもっとも有効な計画を立てておくように、とアドバイスしました。

「それは起こるでしょう。
私たちの人生で、今まで見たこともないようなことが」

とジェラルド・セレンテは警告したのです。

事前に知っていて準備していた人たち……、彼らは社会が、どのように管理不能になるか、よく理解しています。

そして、サバイバルのためのスキルを習得している人たちは、カオスの混乱の中を安全に泳ぎきる見込みのある人たちでしょう。

しかし、アメリカ人は準備していませんでした。まったくもって。

ほとんどの人は、国家の経済体制、社会機構が、今まさに動乱や無秩序に直面しようとしていることなど、予想だにしていません。

しかし、何人かの人は、独立した教育や自身の直観を通して、世の中のシステムが衝撃を受けるであろうこと推測しています。

その重大性については、実は私たちがすでに認識しているように、私たちの人生、生活が大きなパラダイム・シフトの間際にあるということです。

恐らく、それは、私たちの経済および資源や生活の基盤をも破壊してしまうことになるかもしれません。

世界中で起こっている自然災害は何百、何千もの人命を奪い、宇宙機構は電力網の脅威となっている太陽風の撹乱を警告し、世界経済は、さらなる景気後退に陥り、世界の金融と資源超大国との間の緊張は、ますます増え、私たちが毎日の生活を送っていく上で拠り所となっていた安定とは、実は何も実体がなく単なる幻想に過ぎないことを悟り始めたのです。

どこをどう振り返っても支えてくれる拠り所がないまま、多くの人たちは、インターネットに向かったのです。

そこでは、起こるかもしれない災害、経済崩壊のシナリオ自分や家族への衝撃を最小限にする方法について議論する、いくつかのコミニュティ・サイトが、突如として現われました。

そこで取り上げられていることは、すでに起こっているのか、あるいは、これから起こるのかについての問いかけではありません。

(起こることが当然であるという前提で)それが最終的にやってきたとき、どのようにして生き残るか、という現実的な問いかけでした。

以前には、そんなことを経験したこともないし、そんなことが起こるとは微塵も考えなかったので、多くの人々は、それぞれの分野の専門家の案内に頼るようになったのです。

専門家とは、たとえば、ジェラルド・セレンテや、“ドクター「最後の審判」”と呼ばれるマーク・フェイバー(Marc Faber)のような、これからはっきりと形成されつつあるトレンドを見ることのできる特異な能力を持った人々です。

(※マーク・フェイバーの関連記事)

また、経済崩壊やサバイバルの熱狂的な古典的愛国者を書いたサバイバルのエキスパート、ジェームズ・ローウェルズ(James Rawles)、そして、電気のない生活がどのようなものか、ぞっとするほど現実的な描写でOne Second Afterを書いたウィリアム・フォースチェン(William Forstchen)のような作家のことです。

最初のうちは何千かの人々が、そして次第にその数は膨れ上がって、何万ものサバイバルに関心を持つ人々が、探し当てた先のウェブサイト、たとえば、
the American Preppers Network
Doctor Prepper
Survival Mom

Off Grid Survival and Ready Nutrition
そしてReady Nutrition
などのサイトに掲載されている情報から互いに学習し合うことによって、サバイバルの要点を学び始めたのです。

しかし、迫りくる災害から自分たちを切り離すという道を選んだ人々は、しばしば誹謗中傷され、家族や友人からも同じように精神異常者として片付けられてしまったのです。

世の中のトレンドが、これほど明らかになっているにも関わらず、それを無視しようとする大勢の人々がいる一方で、そうした人たちは、目に見えている現実とは異なった事態がやってくるのだということを目をそむけることなく、むしろ意欲的に考えていたのです。

それが彼らを「準備すること」へ向けさせているのです。

世界を鬱屈した空気が被い続け、人々は、政治的な決まり文句、同調主義の解決策ばかりで、確信をなくし始めています。

そうした中で、準備することやサバイバルへのムーヴメント、そして頼れるものは自分だけだ、という自主独立の意識が育っていったのです。

人々は、ハリケーン・カトリーナの後にニューオーリンズで起きたことを目の当たりにし、最悪の事態が起こっても、政府は助けにならないし、911を電話で呼んでもダメだろうし、食物と水を配給する緊急事態対応さえもままならないだろうという結論に達したのです。

ハリケーン・カトリーナから約6年。廃墟化したニューオーリンズの町


恐らく人間の歴史で最もつらい時を迎えようとしている今、以前より多くのアメリカ人が、起こり得る災害に対して準備をしています。

これについてイギリスのもっとも古いタブロイド紙、The Daily Mailは、このように報じています。

三百万人ものアメリカ人が、今、プレッパーズ(=preppers)というカテゴリーに分類されています。

すでに私たちが知っているように、「世界の終わり」のために、細かな準備をしている人たちです。

プレッパーズとは、大惨事に備えて準備をする際に、非常手段を取るサバイバリストのグループで、常にその数は増えています。

最悪の事態にどのように備えたらいいか、さまざまな記事が目録になっているsurvivalblog.comには、ひと月当たり30万人以上の人が訪れています。

このウェブサイトは、元米国陸軍の情報将校で、このプレッパーズ・ムーヴメントの大御所のひとり、ジェームズ・ローウェルズ(James Rawles)によって立ち上げられました。

ザ・タイムズに彼は次のように話しました。
「万が一、最悪の事態が起これば、政府はすべての人々に生活物資を供給できないことが分かりました。
そして、それは現実感を持って広がっています」。

「人々は生命保険に、これほど多くのお金を投資しているのです。これは生命保険の話です」と、ナショナル・ジオグラフィックのラルストン氏は言います。

彼は、ナショナル・ジオグラフィックの「最後の審判の日のために準備する人々」という新しい“ショー”で取り上げられた何人かの人々のうちのひとりであるようです。

ナショナル・ジオグラフィックのこの新しい“ショー”では、毎週、新しいプレッパーを取り上げて、その人の終末の日の概念や、それを乗り越えるためにどんな準備をしているのか紹介しています。

「それは趣味ではありません、それはライフスタイルです」とグロリア・ハーズウェルはナショナル・ジオグラフィックに話しました。

彼女と夫は、極の気候変動を読み取るため、毎週50時間を費やしています。

「これは山に住んでいる、一握りの人のことではありません」と、ナショナル・ジオグラフィックの番組編成を担当する副社長、マイケル・キャシオはウォールストリート・ジャーナルに語りました。
「彼らは、どこにでもいる人たちだ」。

ザ・ジャーナルは、ナショナル・ジオグラフィックが、昨年の日本の地震と津波から、経済の不確実性から起こる暴動に至るまで、過去の災害の体験から、ますます大きなうねりとなっているサブカルチャーに訴えかけていると言っています。
そして、人々は、できる限り、最善のことを準備したいと思っています。

「過去数年よりは、おそらく最後の審判の日の恐怖は悪化しています」とキャシオ氏はジャーナルに伝えました。
「世界は変わっている…」。

記事のソース:UK Daily Mail


今週、ナショナル・ジオグラフィック・シリーズの「Doomsday Preppers(最後の審判の日に備えて準備する人々)」という新しいチャンネルがデビューして、4百万人の人々が視聴者しました。

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災害に備えて準備するという真情、それがどんな種類のものかは関係なく、この傾向はますます大きくなっています。
このチャンネルは、シープル(sheeple)とあだ名をつけられた温和で優しい人々の間でさえ、人気のある番組のひとつなのです。

こうした出来事など常識で考えて起こるはずがないと考えているような人々でさえ、このナショナル・ジオグラフィックのショーを観れば、疑いもなく、すぐにでも備えをしたくなるでしょう。

経験を積んだプレッパーのほとんどが、最初の数週間、数ヶ月間の準備期間がもっともストレスが溜まる時期だと言います。
プレッパーとして新しく参加する人たちが口々に言う、不安やパニックと評されている感情に支配されるからです。

ただし、プレッパーとして準備を開始してみると、「何もしないよりは、ずっと良いことである」ことを知るようになります。

あなたが今日、経験していることはパニックではありません。

プレッパー一年生にとってはむしろ緊縛感というようなものでしょう。
それは、焦点を定めて、素速く効果的に、あなたの目的を達成するように自分を仕向けていくアクティブな動議付けです。

パニックとは、迫り来る荒廃から身を守るための手段を何も講じていない残りの99パーセントのアメリカ人だけから見えるものです。

※プレッパー関連サイトまとめ

(ここで終り)
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管理人:

3.11前には、ライフスタイルとして、プレッパーについて書いてきました。

・サバイバル・ハウツー 10のファイル

・Off-the-Gridな食生活を確立しよう

・お金の要らないライフスタイル


しかし、3.11を境に、欧州の人々、特にアメリカの人々はより実践的に脱文明、脱パワーグリッドを考え始めるようになってきたようです。

それは、瞬く間にサブカルチャーを超えて、ひとつの潮流にさえなっているようです。

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アメリカ人のプレッパーという考え方は、日本人には馴染まないものです。

まず、彼らは何から銃で身を守るというのでしょうか。
経済崩壊したときに、暴動が起こるから?
具体的には、中南米からの不法入国者や、中国からやってきたビザの切れた蛇頭集団から?

それとも、金や契約に忠実な傭兵で構成されたFEMA、あるいは彼らを不当逮捕する警察官、軍隊?

そうした連中を相手にピストルで応戦する?

海外での私の体験ですが、銃など素人が訓練したところで簡単に当たりません。
ショットガンでさえ、ハリウッド映画のようにはいかないのです。
ましてや、短銃など、至近距離でなければ、まったく役に立ちません。

2011年のクリスマス商戦では、銃の売り上げが過去最高だったようです。

すでにアメリカはDoomsdayの呪術に支配されています。
いよいよ経済崩壊の足音が誰の耳にも聞こえるようになったとき、素人がいっせいに射撃訓練をするのでしょうか。
恐ろしい光景です。

アメリカ人は、日本人はなぜ、放射能を浴びながら国を出ないのか、と不思議がります。
私は、なぜ銃をベッドに忍ばせて眠りに付くような国から出ないのか、と不思議で仕方がないのです。

あらゆる角度から見ても、残念ながらアメリカのDoomsdayは迫っています。

あえて言うなら、日本人流プレッパーの極意があるとすれば、まず「明日にでも巨大地震が来るかもしれないことを、いかに現実感を持って捉えることができるか」ということです。

災害は忘れた頃にやってくるのです。
その恐怖を、膝小僧を抱えて部屋の隅にいるのではなく、乗り越えていく、というチャレンジ精神に転化できないものでしょうか。

今の日本では、多くの人々が、恐怖心から受身の態勢になっています。
受身では、何が正確で正しい情報なのかを選り分けることは難しいでしょう。



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