カレイドスコープ

| 全記事タイトルリスト
HOME   »   ビッグブラザー  »  グーグルの新ルールに対する欧米の反応との温度差
       
20120304-5.jpg

ジョージ・オーウェルの小説「1984」の本の装丁

アメリカのグーグル・ユーザーのうち、新プライバシー・ポリシーの中身をよく読んだのは、8人中1人に満たない

グーグルの新プライバシー・ポリシーは、3月1日から、すでに発効されているわけですが、それに対して関心を払わないか、あるいは、まったく知らされていないか、いずれにしても従前のままの設定でグーグル側に自分のプライバシーを“明け渡している”人々は、数億人はいるでしょう。

日本人は、「数億人が、自分と同じようにプライバシーを覗き見されているのだから、自分の行動が細かくトレースされたり、自分の思考が吸い上げられたりしても、たいしたことはない」と考えているのです。

これは、まったくの間違いです。
グーグルの今回の新ルールというのは、グーグル・ユーザーの数億人分の1の存在である「あなた」という特定の人間にターゲットを絞って、すべての情報を取られている、ということなのです。

数億人が、数千億人であろうと、まったく関係がないことなのです。
なぜなら、あなたは一人しか存在せず、グーグルは、その一人にフォーカスすることなど簡単にできるからです。

日本の大マスコミは、海外のメディアの反応を見てから後出しで報道するので、常に手遅れです。

EUがグーグルの新プライバシー・ポリシーが、EUのデータ保護規制に引っかかる可能性が高いことを指摘しているのに、日本の大マスコミは、「可能性が100%確定するまで」煮え切らない態度を取り続けているのです。

原発が連鎖的水素爆発して私たちが被曝してしまった後になって、「実はメルトダウンしてしました」と、臆面もなく言うのが日本の大マスコミの連中です。

訪米のマスコミは、3月1日の数日前からこの件について取り上げており、3月1日当日の朝からは一日中、グーグルの新プライバシー・ポリシーの内容とその影響、または、どうしたら個人情報(アウトプット)収集の対象から外れることができるのかなどを放送していたのです。

今回のグーグル新プライバシー・ポリシーへの移行においても大マスコミは、これまでと同様、まったく役に立ちませんでした。
自分のプライバシー情報を命と同じように大切に考え、是が非でも死守する、という欧米の人々と、日本人の個人情報保守に関する姿勢との間には大きな温度差があります。

欧米のメインストリーム・メディア(日本の大マスコミと同等)が、グーグル新ルール問題を、どのように取り上げていたかを見てみます。


■RT(Russia Today)

グーグルは法律を作る人間など無視して、新プライバシー・ポリシーを強引に押し付ける

20120304-2rt.jpg

「グーグルは、EUのデータ・プロテクション(個人情報保護)の法律に違反しているにも関わらず、自分たちの新しいルールを強硬に押し付けようとしている。

インターネットの巨人は、そのことを十分理解していながら、目をつぶって3月1日の新ルール移行に突き進んでいる。

米連邦取引委員会は、グーグルの今回のルール変更が、消費者の利益より、自社の製品やサービスを優先しているのではないか調査を始めた。

……グーグル・ユーザーのうち、新プライバシー・ポリシーの中身をよく読んだのは、8人中1人に満たないのだ」。

RTは、ロシア国営のデジタルTVニュース・チャンネルの英語版ですが、常に歯に衣着せぬストレートな表現をします。


■ワシントンポスト

フランスの監督官は、グーグルの新プライバシー・ポリシーがEUのデータ保護規則を破るものであると警告する

20120304-1washington.jpg

「グーグルの新プライバシー・ポリシー発効の2日前、フランスの監督官は、これが欧州連合のデータ保護規則を侵していると考えていることを明かした。

グーグルの個人情報保護問題について相談役を引き受けているピーター・フライシャーは、『グーグルの新プライバシー・ポリシーは、明瞭で透明性があり、EUのデータ保護規則を十分尊重したものであることはもちろん、グーグル・ユーザーが、この新ルールについて詳しく知ることができるように一ヶ月以上の猶予期間を用意した』と述べた。

『グーグルの新ルールの発効は、それがユーザーとの間にどんな関係性があるのかが明らかになるまで、発効を遅らせるべきだ』というCNIL(フランスの個人データ保護監視機関)の度重なる要求をすべて拒否した」。

グーグル側のピーター・フライシャーの有無を言わさない強引さに対抗するかのように、フランスの規制機関は、EUの個人情報保護法令に違反しているとの仮判断を下しました。

今後、グーグルが、今まで多くの法律を破ってきたように、これからもそうするのではあれば、EUから何らかの動きがある、ということをほのめかしているのです。


■BBC

新しいグーグルのルールは、どんな意味がある?

20120304-2bbc.jpg

見出しからして、かなり反発の姿勢を全面に出しています。

BBC Newsのサイトでは、3月1日&2日の二日間だけでも、「グーグル」関連のニュースは、こんなにたくさん取り上げられたのです。
(「グーグル」とタイトルに書かれていなくても、すべてグーグル関連のニュースです)

BBCのテレビのニュース番組には、グーグルの代表をスタジオに呼び、キャスターが質問責めにしたり、批判したり、視聴者から寄せられた「批判的な」意見や質問などを、グーグル代表にガンガンぶつけたりしています。

日本のニュースのキャスターは?
さわりだけを説明しただけ。彼らは、まるでグーグルのプロモーターのようでした。

問題の本質は、アメリカの一私企業が、勝手に人権の根幹に関わるようなルールをつくり、世界中に押し付けていることなのです。

そして、常に人権問題を切り口にして、他国に戦争までしかけるアメリカが、何も言わずにグーグルの横暴さを許している(どころか、後押ししている)異常さ・不気味さにあるのですが、日本の大マスコミは、あえて、そこには光を当てないようにしているかのようです。

日本のテレビのキャスター連中は、いったい何がしたくてマスコミの仕事に携わっているのでしょうか。まったく理解できない不可思議な人々です。


■Channel 4 News

グーグルは、あなたについて何を知っているのでしょう?

20120304-3channel4.jpg

上は、Channel 4 Newsです。
こちらも、メインニュースでグーグルの新ルールについて大きく時間を割いて取り上げられました。


■ITV News

グーグルの新ポリシー時代の最初の日

20120304-1.jpg

上は、ITV News 。 
ITV Newsは、どちらかというと、お堅い話しより、エンターテーメント性の高い番組が多いのですが、それでもグーグル問題については、真剣に、長い時間をとって大きく報道していたのです。


■ ウォールストリート・ジャーナル

テクノロジーの巨人は、Apps向けのプライバシー・ポリシーを扱うことに同意する

20120304-4wallstreet.jpg

これはウォールストリート・ジャーナル。
携帯電話のプライバシー・ポリシーが曖昧なままにされているのは何か変だねと言っています。

これは、Android携帯やiPhoneに入れてある画像やデータが、ユーザーに無断でAppsの開発者たちに送られていたことが、2月に発覚したからで、この事態を憂いてカリフォルニアの法務長官が、Appsメーカー大手6社に、プライバシー・ポリシーを設定するよう求めたという記事です。

以下、ポイントだけ抜粋
「カリフォルニア司法長官、カマラ.D.ハリスは、アップス(Apps)メーカーが個人データをどのように取り扱うか、また、何百万人もの人々がAppsをダウンロードする方法を変更することができるモバイル・デバイス市場において、もっとも大きな6つの会社と合意に達したと言った。

ハリス氏は、カリフォルニアの法律によって、Appsがプライバシー・ポリシーを持つべきであるとし、アップル、グーグル、Amazon、マイクロソフト、ヒューレット・パッカード、リサーチ・イン・モーションの6社が、これに同意し、これら6社が、今後、個人情報を収集しているAppsの開発者にプライバシー・ポリシーを含めるように求めると述べた。

同氏は、もっともダウンロード数の多いモバイルのApps30のうち、22のAppがプライバシー・ポリシーを持っていないと言う。
………
ハリス氏は、州の法律に則って、各社がどれだけ努力したのか、その成果を見るために半年後に再度、会合を開くことを考えていると述べた。

グーグルの広報担当は、Android携帯のAppsストアで、グーグルがどのようにプライバシー・ポリシーを入れるか、その方法については説明しないと言明した」。

※Appは、携帯電話のゲームアプリなどのアプリケーション

相変わらずグーグルは法務長官の言うことさえ、聞きたくないようです。グーグルの社員たちは無政府主義者です。
このことは、早くから当ブログでも指摘してきましたが、世の中の人々は気づかなかった。

でも、もう関係ありません。
AndroidのOSを搭載している携帯電話を使っていれば、グーグルの新プライバシー・ポリシーの下では一本化され、自動的にデータ結合されるのです。いや、されたのです。

日本のメディアは、携帯のアプリこそ、新プライバシー・ポリシーの本当の狙いを浮き彫りにするものであるのに、まったく報じない。
このまま大マスコミが無関心を決めこんでいれば、いずれグーグルは、他のアプリの開発会社などにも資本参加していくはずです。
そうなれば、子供の段階から思考をグーグルに吸い取られていくのです。

これが悪魔の所業と言わずして、なんといいましょうか。

引き続き、要監視です

------------------------------------------------------------------------

欧米のテレビは「グーグルこそBig brotherだ」と繰り返し言う

欧米のメディアといえども、注意喚起を促す程度のものですが、それでもマスコミとして、「しっかり疑義を呈しておきたい」という態度表明は明白です。
到底、日本の大マスコミとは比べ物にならないほど、しっかり書いています。

さすがに映像ではごまかしにくいのか、テレビの報道では、キャスターが執拗に、そして辛辣にグーグル側を批判しています。
日本のなんとも、薄ぼんやりしたキャスターたちと比べると、スッキリ視界が晴れ渡ったような態度で見ていて気持ちのいいものです。

テレビに関しては、どの局もグーグルの新ポリシーに関しては、EUのデータ保護規制に違反しているのではないかと懐疑的な立場に立っており、総じてグーグルを叩きまくっている、という印象です。

また、今回のグーグル関連の報道では何度も「Big brother」という言葉が使われていました。

欧米の視聴者、マスコミは、グーグルがジョージ・オーウェルのビッグブラザーであると、前々から思っていたようです。

トップにある画像は、ジョージ・オーウェルの書いた「1984」の本の装丁です。
画像検索で、『George Orwell  1984』と検索すれば、いったいいくつ出てくるか分らないほどです。

つまり、ジョージ・オーウェルの「1984」は、この「一つ目」のことを書いた本である、ということです。
それは、All  Seeing  Eye(すべてを見通す目)のことです。

201203-2.jpg

1ドル紙幣の目です。
ちなみにピラミッドの下にある「NOVUS  ORDO  SECLORUM」とは、ラテン語で「新世界秩序」のことです。
 
それが、この記事の最後の方にある謎掛けの答です。

ただ、この程度のことは、どなたでもご存知でしよう。
本当は、もう少し深い意味があるのですが、それは、もう一皮も二皮も剥いたところにあります。
思わせぶりのようですが、とにかく記事が膨大に長くなるので別の機会に。特に知らなくても支障はないので。

現地の様子について情報をくださったアメリカ、ヨーロッパの閲覧者様、ありがとうございます。




UNIDEN 地震津波警報機 EWR200Uniden
UNIDEN製
4,909円  配送無料


UNIDEN 地震津波警報機 EWR200




関連記事
       
NEXT Entry
グーグルも、とうとう邪悪になったのか
NEW Topics
統一教会と創価学会の漆黒の闇を知らなければならない③と④
統一教会と創価学会の漆黒の闇を知らなければならない②
統一教会と創価学会の漆黒の闇を知らなければならない①
FEMA強制収容所の設置とワクチン医療従事者の暗愚③
FEMA強制収容所の設置とワクチン医療従事者の暗愚②
FEMA強制収容所の設置とワクチン医療従事者の暗愚①
マイナによって2024年は「666獣の経済」元年となる
グレートリセット本番!生き残る日本人は10人に1人
今世紀最大の逆イールド発生!大倒産時代をどう生き残る
3年後に迫る人類史上最大のターニングポイント③
3年後に迫る人類史上最大のターニングポイント②
3年後に迫る人類史上最大のターニングポイント①
この冬から始まる世界同時崩壊のイベント
計画的食料危機で世界政府があなたをシープルにする方法
食料配給制度が復活し、UBIによって人口削減へと進む④
ブログ管理人

管理人:ダンディー・ハリマオ

『カレイドスコープ』は「目から鱗(うろこ)」とよく言われます。
このブログは視界ゼロメートルの世界情勢を見通す独自の視座を持った未来透視図です。
メルマガお申し込み

有料メルマガのバックナンバーを販売中です。
ご質問について
初歩的なご質問については、更新作業の妨げになるのでお受けしません。まずは自分で調べることを習慣づけてください。
カテゴリ

openclose

カテゴリー+月別アーカイブ
 
全記事表示リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ハリマオレポートへ

姉妹サイト「ハリマオレポート」へ
検索フォーム
リンク10-インフレ
リンク17-中東情勢
リンク18-外国語サイト
ログイン
QRコード
QRコード

Page Top