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画像は、東京電力 写真・映像ライブラリー

中塚一宏内閣府副大臣が、4月23日、福島第一原発4号機建屋内に入って、4号機使用済み燃料プールの状態を視察しました。

2週間ほど前の視察の模様ですが、今のところ、東電からリリースされている動画・画像のうちで最新のものです。

4号機使用済み燃料プールの真下の映像

4月23日:中塚内閣府副大臣の福島第一原子力発電所視察


動画の3.00から4号機建屋の2階(使用済み燃料プールの真下)の状況が映し出されます。

20120505-10.jpg

縦横に、筋交いが入れられていますが、あくまでも応急処置です。
東電側の説明では「プールは、ほぼ無傷である」と言っています。だから、彼らは、率先して更なる補強工事をやろうとはしないでしょう。

この動画の英語版はReactor 4 Building (Inside, Top Floor) at Fukushima Nuclear Power Plant

この模様は東電の写真・映像ライブラリーにも有ります。

画像はこちら

中塚一宏議員の4号機建屋視察記

中塚一宏の毎日更新ブログの視察レポートをつなげて、画像を挿入しました。(4月22日 ・4月23日 ・4月24日 ・4月25日 の4日間)


4月22日 「福島第一原発」へ参ります。

週明け23日の月曜日、福島第一原発へ参ります。

今年の2月、担務替え(所管事項変更)があって、原発問題から一時期遠ざかっていましたが、3月に新たな指示書(辞令)を頂き、「原発事故の収束及 び再発防止のうち、東京電力福島第一原子力発電所の敷地内の放射性物質の処理・管理に関する事務を担当」を改めて担当することとなりました。

現地では、多くの皆さんが懸命の努力をされている。福島第一原発における中長期措置の実際をこの目で確かめて来たいと思います。

4月23日 福島第一原発 4号機原子炉建屋に入ってきました。

上野から常磐線でいわき駅へ。そこからさらに車で楢葉町のJヴィレッジに。Jヴィレッジはサッカーを始めとするスポーツ施設ですが、今は福島第一原発対応拠点。

着いて早々、ホールボディカウンターで内部被曝線量を測定。そして昼食、着替えて福島第一原発へ約40分。

原発敷地内は桜が満開。
重要免震棟を視察、所員の皆さんにご挨拶したあと、さらに着替え。

普通は原発構内をバスから視察するとのことですが、今回は バスから降ろしてもらって、4号機原子炉建屋内部に入ることにしたので、重装備に。

防護服の上から防護服を着込み、手袋は三重にして防護服との継ぎ目をガ ムテープで固定。フルフェイスのマスク。
靴にもカバー。

4号機原子炉建屋内部は、ガレキを片付けたあとに、ケーブルが這い回る。暗いし狭い。使用済み燃料プールの底部、コンクリートで耐震補強を施されて いる箇所を視察。

さらに仮設の階段を上って5階オペレーションフロア、使用済み燃料プールとフタのあいた原子炉を視察。5階のガレキ撤去はまだまだ続く。

20120505-6.jpg
丸いプールは原子炉ウェル。原子炉の点検時に、使用済み燃料を取り出したり、部品を交換するときに、まず、このプールに水を満杯にして原子炉の蓋(reactor vessel head)を取り外す。

取り外した原子炉の蓋は写真の黄色いドーム状の物。
原子炉ウェルのすぐ隣には使用済み燃料プールがあって、プールの水が抜けたとき、この原子炉ウェルの水を応急的にプールに流し込むことができる。


4号機を出て、隣の3号機を見に行こうとしたら、「そちらは放射線量が高いので」と制止されました。

重ね着していた防護服を一枚脱ぐ。脱ぐというよりも、ハサミでじょきじょきと切り裂き、その場で廃棄してからバスに乗り込みます。(続きは明日)

4月24日 続・福島第一原子力発電所視察

写真手前の白いシートで覆われているのが4号機の使用済み燃料プール。

20120505-7.jpg
プールの表面の白いものは、瓦礫などがプールに落下して、燃料棒やラックが破損するのを防ぐため。また、プール自体の衝撃によるひび割れを防止するためでもある。

ガレキ等がプールに落下しないように、プール水面にはフロートが浮かべてあるとのこと。

4号機は使用済み核燃料取り出しのために、原子炉建屋に隣接して新たな構造物を建造しクレーンを設置することになっている。

5階オペーレーションフロアのガレキ撤去も急がないと。
やるべき課題は多い。

4号機を出たあとは原子力発電所構内をバスから視察。
3号機、2号機、1号機、そして5号機、6号機。

発電所構内は桜の花が満開で、咲きこぼれる花の下を白い防護服の人たちが行き交う今までに見たことの無い光景。

汚染水貯蔵タンクは写真で見るよりデカい。

構内の樹木は伐採が進み、作業スペースが確保されようとしていました。

4号機は当然のことながら、私としては循環冷却システムの持続可能性も気になるところ。

免震重要棟に戻って放射線サーベイ。

防護服を脱ぎ捨て、さらに別の防護服を着てJヴィレッジに戻ります。

Jヴィレッジではホールボディカウンターで内部被曝のチェック。
Jビレッジから車でいわき駅へ。いわき駅で秘書官と軽食。福島の銘菓「ままどおる」をお土産に。

藤沢の自宅に帰宅したのは22時半ころ。今年12歳になる息子が起きて待っててくれました。

「お父さん、福島の原発はいつになったらきれいになるの?」

「30年後だよ」(現在の中長期措置では)
「ふーん、僕が42歳のときか・・・」

言葉がない。

まずは使用済み核燃料の取り出しに全力をあげること。それも可能な限り早く。その次のステップ以降、中長期措置は不断の見直しが必要と思う。

4月25日 視察を終えて

昨年9月に内閣府副大臣を拝命、数々の担務の中で、金融は自分自身が当選前から取り組んで来た課題だし、行政改革もとても大切。

しかしとりわけ福島第一原 発については発災以来、これはたいへんなことになると思い、頼まれもしないのに自分なりに数々の提言をしてきた重要課題です。

今回福島第一原発を視察、4号機の建屋に入ってみて、3月発災当初からすれば「よくぞここまでできた」と感じました。

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関係者の尽力に心より敬意と感謝を表したいと思います。
と同時に前途はまだまだ多難だな、とも感じました。

発災当初より、使用済み核燃料の問題を指摘してきましたが、使用済み燃料は4号機のみならず1、2、3号機建屋内にもある。
取り出しは急務です。

またメルトダウンしている溶融デブリをどのように取り除くかも課題山積。

福島第一原発中長期措置は30年。

30年後、私の息子が42歳になった時、私は77歳。
果たしてそれでよいのか。

総ての可能性を排除すること無く、一刻も早く終わらせることができるよう、衆知を集めて「未来への責任」を果たしたい。

また行きます。


原子力の未来-
それはバックエンド問題の解決に道筋をつけた国しか見ることを許されない


4号機プールは、とても大人しい様子。

その他の状況は東電の記者会見配布資料で。

5月2日の福島第一原子力発電所の状況(記者会見資料)によると、4号機プールの水温は30℃、他は20~23℃。

また、水温の測定が、ほとんどできなくなっている2号機の状態は、5月3日の福島第一原子力発電所2号機原子炉格納容器ガス管理システムの気体のサンプリング結果についてによれば、放射性ヨウ素131が不検出(ND値以下)となっているので、小康状態を続けている模様。

とにかく4号機プールの耐震補強工事と、想定外の電源喪失へのさらなる備え、循環冷却システムの複雑な送水管破損やトラブルに即時対応できる態勢づくりなどが急がれます。

何より、4号機建屋の地盤が問題です。
建屋の周囲をボーリングして地震によって破壊されてしまった地盤の強度を細かく測定し、倒壊させないような工事を行う必要があります。

この場合は、世界中の技術の粋を集めて、完全に中立な技術者、専門家のチームでなければできないと思います。

何しろ、まだ東電の記者発表では、「4号機建屋は水平なので問題ない」と言っているのですから。

東電が厳密に計測したと言うのですから、確かに水平なのでしょう。しかし、水平方向にずれて傾いていることは確実なことです。

ここが問題なのです。
まだ本当の意味で、東電は4号機の破滅手前の状況を認めないのです。

悲しいかな、彼らの空虚で病的な安全バイアスをとりはずすには、外圧をかけて一気に吹き飛ばしてしまうような荒療治が必要なのです。

この補強工事の設計と施工は、馬淵澄夫議員が東電に命じて行わせたものですが、それ以後、進展はありません。
東電というのは、お上から言われなければ何もやらない会社なのです。

馬淵議員は、民主党代表選の時に首相補佐官の任を解かれたのですが、今でも、4号機使用済み燃料プールの真下を、すべてコンクリートで埋め尽くすべきだと主張しています。

この、ごく当然の事が行われないのは、東電の「いつでも政府に責任を取らせることができる、という傲慢と、もともと自発的には何もやらない企業風土」という怠惰から来るものです。

野田政権に代わってから、ますます東電は増長しているようだし、野田の中には、4号機問題など、それほど重大な問題ではない、という考えがあるからです 。

馬淵議員が会長を努める※原子力バックエンド問題勉強会は、実務家の彼らしく、脱原発に向けて現実的な議論を進めています。

原子力バックエンド問題勉強会のメンバー

※原子力のバックエンド問題とは、高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉、六ヶ所村の再処理施設の問題を包含した使用済み核燃料全体の扱いをどうするかの問題。

原発大国・アメリカの最大の問題は、実は、この使用済み燃料のバックエンド問題で、いずれすべての原発を廃炉にしたとき、国家財政をゆるがすほどのコストがかかることが分かっている。

日本の原子力マフィアの飼い犬である隠蔽官僚、ペテン政治家ほどではないにしても、米政府も、この問題を積極的に語りたがらない。
しかし、それは確実に「やってくる未来」で、そのとき、アメリカという大国が、どのようになっているか、誰も想像できない。

日本を含めて、原発先進国の中で、この原子力バックエンド問題を解決できた国のみ、経済的に強い国として存続することが許される。

この問題にいち早く取りかかることこそ、最大の景気浮揚策であることが、現政権の無知蒙昧には、まったく理解できないのです。

野田、枝野、細野には、原発のバックエンド問題の概念など、きっと理解できないでしょう。彼らの頭の中は「金、金、金」だけだからです。

余談ですが、ここでちょっと思い出してみましょう。

2005年に発覚したマンション耐震偽装問題は、民主党の馬淵議員が口火を切って、自民党の安倍政権が隠ぺい工作を図る中、多くの人々にその危険性を知らせました。

小泉政権の時に、「私は偉大なるイエスマンだ」と、のうのうと言った自民党の武部勤は、「耐震偽装なんて、そんなにマスコミが大騒ぎをしたら、経済に打撃となる」と言いました。

つまり、「地震が起きて、マンションの住民が瓦礫の下敷きになっても、原因など分かりっこないのだから、あまり騒ぐな」と記者たちの前で言ったのです。

これは、当時の総理大臣、安倍晋三も武部勤と同様、マンション耐震偽装の隠蔽側に回っていたのですから、救いようがありません。
それが自民党という党の遺伝子なのです。

あのとき、自民党議員の関係する土建屋ヤクザに脅迫されながら(事実、馬淵議員には、命の危険があったのでSPを増やした)馬淵議員が徹底的に追及しなければ、そして危険なマンションをすべて取り壊しておかなければ、3.11のときに、マンション倒壊によって、とんでもない数の瓦礫圧死者が出ていたのです。

関連したマンション販売会社は刑事告発され、問題のマンションは建て替えを命じられました。
長い間、地震による倒壊の恐怖に悩まされたマンション・オーナーたちは、数年後、耐震強度を増すための補強工事を施されたマンションに、あるいは新築のマンションに移り住んだのです。

最後の人たちは、3.11の東日本大震災が起こる数ヶ月前でした。まさに間一髪のところでした。

今の状況が、このときと非常に似ています。

中塚一宏議員は、また4号機建屋に入ると言っています。
とても心配ですが、次は、ぜひとも、枝野幸男大臣を引き連れて、彼にも本物の恐怖を体験させてあげてください。

国際的な問題になっている4号機使用済み燃料プール。

当の経済産業大臣が、一度も現状を見たことがないどころか、福島第一原発の敷地内にも立ち入ったことがない、というのは世界的に見ても非常識なことでしょうから。

とにかく、小学校のホームルームレベルの野田政権には、一秒でも早くお引き取り願わないと世界が大変なことになります。





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