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国立環境研究所のシミュレーションから

1月31日から日本列島を、中国大陸からの化学汚染物質が縦断しています。
上は、2月1日午前1時の様子。

これは、前日の1月31日午前0時の様子です。

化学汚染物質「PM2.5」は、日本列島を北上するように移動します。
2月1日は、神奈川県横浜市の海沿いが特に濃度が高いようです。



この記事と併せて、2月20日更新「春から〔PM2.5+スギ花粉+セシウム〕の粒子がやってくる」もお読みください。

春からのスギ花粉にPM2.5が結合し、さらにスギ花粉には今年も放射性セシウムが付着しているので、負担がかかりますが、より確実な防護には専用のマスク(N95以上)が望ましいと思います。


①国立環境研究所の大気汚染予測システム(愛称VENUS)のシミュレーション


中国大気汚染:流入の西日本「物質濃度が急上昇」

毎日新聞 2013年01月31日 11時47分

中国で深刻化する大気汚染が「越境汚染」として西日本に流入した影響で、30〜31日にかけて近畿地方で大気汚染物質「硫酸塩エアロゾル」の濃度が急上昇したとみられることが、国立環境研究所の分析で分かった。

地上の実測速報値も、環境基準を超す地点があった。


硫酸塩エアロゾルは、石炭などの燃焼で発生し、濃度が高くなると、ぜんそくなどの呼吸器疾患を起こす恐れもある。


国環研のシミュレーションでは、28日午後以降、大陸から九州地方に流入し、30日夜から31日早朝に は、大阪府や奈良県などで微小粒子状物質「PM2.5」が、環境基準(1立方メートル当たり1日平均値35マイクログラム以下)を超すレベルになったこと が示された。

30日午後6時の地上観測点の実測速報値も阪神地区などで基準を超え、予測結果をほぼ裏付けた。
ただ、基準は1日平均値を基に判断するため、 基準を超えたとはみなされない。


中国では近年、石炭など化石燃料の大量消費が原因の大気汚染が社会問題化している。

国環研は、東アジア地域で大気汚染物質の濃度を推定。風向や風速などの気象データを加えて移動状況をシミュレーションし、公表している。

ただ汚染の全てが中国由来ではなく、国内の暖房使用や自動車の排ガスなども影響しているとみられる。


国環研は「濃度上昇の予測結果は、大陸の大気汚染物質が流れ込んだためと解釈できるが、国内の濃度は中国の汚染レベルに比べると格段に低く、健康な大人が気にするレベルではない」と説明している。

【江口一】


では、国立環境研究所のシミュレーションを見てみる
大気汚染予測システム(愛称VENUS)
http://envgis5.nies.go.jp/osenyosoku/


使い方は、この画像をクリックしてください。説明など不要なくらい簡単です。
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赤丸の3つを選択して、何もしないでそのまま待つ。
アクセスが集中していると、表示されるまで時間がかかります。

下のように、中国からの化学物質の濃度が表示されます。(画像クリック)

上のラインにある日付の左右にあるボタンをクリックすると、日付が前へ、後へ変わります。
その時点のシミュレーション結果が表示されます。

20130201-3.jpg

日本国内の基準値は、1立方メートル当たり35マイクログラムです。→35μg/m3
上の表(右側にある)でいうと、黄色のゾーンです。

2月1日午前1時現在の濃度は、横浜の海沿いが赤いスポットに入っているので、基準値超えの51μg/m3以上ですから、長い時間、浴びていると健康被害が出る可能性が大である、ということです。

ただし、1時間で、どんどん移動するので、長い時間、有害化学物質を浴びている人はいないと思います。

この横浜のような状態では、数時間はマスクを着けたほうがいいでしょうし、できれば、外出も控えたほうがいいでしょう。

風に乗って移動して去ってしまえばいいのですが、問題は、雨や雪が降る場合です。

基本的に、化学物質の微粒子ですから、私たちが日頃から気をつけている放射性物質の防護と同じだと思います。

ここから↓
http://envgis5.nies.go.jp/osenyosoku/


②九州大の竹村准教授のエアロゾル予測システム「スプリンターズ」
※エアロゾルは大気浮遊粒子状物質のこと。


大気汚染粒子きょうから増加か 中国から越境?
(熊本のニュース くにまちコム 1月31日)

九州大応用力学研究所(福岡県春日市)の竹村俊彦准教授は、健康への影響が懸念されている大気汚染粒子が31日以降、九州で増加すると予測し、「子ども や、呼吸器・循環器系の疾患がある人は注意が必要」と呼び掛けている。

竹村准教授は中国で深刻化している大気汚染の越境移流とみている。

大気汚染粒子は、すす(黒色炭素)や有機物、硫酸塩の大気浮遊粒子状物質(エアロゾル)で、ほとんどが直径2・5マイクロメートル以下の微小粒子状物質「PM2・5」という。

竹村准教授は、エアロゾル予測システム「スプリンターズ」の中心開発メンバー。

大気汚染粒子の排出量や風向・風速、気温などから汚染状況を地球規模で予測するシステムで、インターネットで公開。
毎日更新し、6日先まで予測している。

予測は、「非常に多い」、「多い」、「やや多い」、「少ない」の4段階。

30日更新のデータでは、31日から2月2日は熊本を含む九州北部、九州南部とも「多い」と予測。どちらも3日は「少ない」、4日は「やや多い」だった。

動画も公開され、中国中・北部の大気汚染粒子が朝鮮半島を経由して九州などを覆う様子が示されている。

竹村准教授によると、「多い」の予測は年間数十日に上る。

中国からの越境汚染は10年以上前から指摘されているが、竹村准教授は「寒冷前線の帯に沿って空気が滞留し、中国都市部の空気が前線とともに日本に移動することもある」と話している。

中国では連日、有害物質を含んだ濃霧が発生するなど大気汚染が社会問題となっており、日本への影響も懸念されている。

(福井一基)


では、エアロゾル予測システム「スプリンターズ」を見てみる
http://sprintars.riam.kyushu-u.ac.jp/forecastj.html

トップ画像
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ここから↓
http://sprintars.riam.kyushu-u.ac.jp/forecastj.html

③環境省大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」

トップページ http://soramame.taiki.go.jp/Index.php

20130201-9.jpg

地域を選ぶ。

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このサイトは、一つの画面だけで(上の画面)PM2.5だけでなく、二酸化硫黄や光化学オキシダント、風向きなど、他の化学物質の飛来状況や、これからどの方向に飛ぶ可能性があるかも見ることができます。

ただし、観測地点での表示なので、化学物質の濃度が色つきポイント(点)で表示されます。
当然、そのポイントだけでなく、周辺も同じような濃度であると思われるので、多少、想像力を必要とします。

ここから↓
http://soramame.taiki.go.jp/Index.php

④東京都のPM2.5の飛散状況

これは、東京都の「大気汚染地図情報(速報値)」で見ることができますが、シミュレーションではないので、防護には、あまり役に立ちません。
あくまでも、参考程度です。


どのようにして中国からの化学汚染物質から防護するか

①呼吸から吸い込まないために

熊本県では、31日に日本の環境基準値を超えたエリアが10ヶ所になりました。

中国から飛来する化学汚染物質のうちで、特に注意しなければならないのは、エアロゾル(大気浮遊粒子状物質)の一つで、直径2.5マイクロ・メートル(1マイクロは100万分の1)=1ミクロン)以下の微粒子状物質「PM2.5」。

吸い込むと肺の奥まで入り込み、肺がんなど呼吸器や循環器の疾患の原因になる可能性があるということです。

エアロゾル予測システム「スプリンターズ」を開発した九州大の竹村准教授によると、今後も続くということですから、なんとも鬱陶しい隣人です。

防護には、マスクとゴーグルということになりますが、花粉症、富士山噴火、原発からの放射能など、呼気から吸い込んではならない物質がたくさん。

どのマスクがいいのかというと、火山灰を吸い込まないためのマスクに詳細が書かれているのでお読みください。

マスクには、いろいろな規格があります。よく見るのは「N規格」です。

N規格」とは、米国労働安全衛生研究所(NIOSH)が策定したマスクの性能規格で世界標準になっています。

  • N95:0.1~0.3μmの微粒子を95%以上除去できる性能
  • N99:0.1~0.3μmの微粒子を99%以上除去できる性能
  • N100:0.1~0.3μmの微粒子を100%以上除去できる性能
チェルノブイリ原発事故で広範囲に拡散したのは、放射性物質が付着した約0.3~1.0ミクロン(μm)の塵埃などの微粒子だったと報告されています。

簡単にまとめると--

中国から飛んでくるPM2.5は2.5ミクロン(μ)以下の微粒子状物質ですから、放射性物質より大分、粒が大きいのです。

放射性物質を防護するには、いちばん性能のいいN95規格以上のマスクが必要ですが、PM2.5を防護するには、これほど性能のいいものは必要ありません。

第一、N95規格以上のマスクは密閉度が高いので、息苦しくて仕方がありません。価格も高いです。

富士山の噴火が近いと言われていますが、問題なのは、富士山の火山灰がガラス質で、肺に吸い込んだ場合、細胞を傷付けるからです。

特に、肺がんを引き起こすかも知れないと言われているのは、4ミクロン(μm)以下の大きさの火山灰です。
粒子に含まれているクリストバライトという成分が肺がんを誘発する可能性があると言われているからです。

ただし、常習的に吸い込んでいなければ、肺がんは引き起こさないので、そうした職場(石切り場などで石の切り出し作業をしているとか)で働いている以外は心配する必要はないと専門の医師たちは言っています。

ですので、PM2.5に対応するマスクを持っていれば、仮に富士山が噴火して火山灰が飛んできても、大丈夫ということになります。

ちなみに、ひところ「パンデミックだ」と騒がれたH5N1型インフルエンザ・ウィルスの飛沫拡散の場合、粒子のサイズは0.3μm~5μmと言われています。

ただし、このウィルス自体の大きさは、なんと0.08~0.121μmという、超微粒子ですから、ウィルスを持っている人の唇などに直接触れた場合は感染してしまいます。

飛沫拡散というのは、クシャミや咳によって、水分(=唾液などの粒子にウィルスが付着したもので、粒が大きくなる)とともに相手に飛沫がかかることを言います。

ということは、N95以上(できればN100が望ましい)のマスクを最低1枚ずつ、家族の人数分だけ持っていれば、すべて防護対策は最高水準である、ということになります。

「H5N1型」などの致死率の高い新型の強力なインフルエンザが出てきた場合は、この規格のマスクを着けて、ウィルスを持っていると思われる人(潜伏期間があるので、相手がウィルスを持っているかどうかなど、本当は分らないのですが)に3m以上近づかなければ、ほぼ万全ということになります。

PM2.5がどういった性質を持っているのか、まだ情報がないので分かりませんが、仮に新聞で書かれているように硫酸塩の粒子だとすると、マイナスの電荷を持っているマスク(マイナス同士で反発しあう)か、活性炭入りのマスク(PM2 5対応マスク)であれば、100%は無理でしょうけれど、かなりのレベルまで防護できると思います。価格も安価です。

20130201-11.jpg

中国では、PM2.5対策として、このようなガスマスクが爆発的に売れているようですが、この手の商品で中国製など、どんな性能をしているか分かったものではありません。

環境省によると、1月10日夜から14日まで中国の主要都市で汚染が確認され、特に北京市内の濃度は多い時には大気1立方メートル当たり約500マイクロ・グラムで、日本国内の基準(1日平均35マイクロ・グラム以下)の十数倍に相当する濃度であった、ということですから、これはもう、健康被害が出るでしょう。

②どうしても外出しなければならないとき

可能であれば、事情を相手に話して(相手も硫酸塩の粒子を浴びたくないでしょうから)約束の時間をずらす。

できれば外出するのを控えて家の中にいる。

エアコンのフィルターもHEPAフィルターに交換してあれば完璧です。

それでも、基準値以上の濃度のPM2.5が飛んできている中、外出しなければならないとき、それも雨が降りそうだというときは、この季節は、防寒のために厚着をしますから、ポンチョのような、頭からすっぽりかぶるような雨具であれば、オーバーの上からでも大丈夫です。

この国の政府は、いつも後になってから「実は…」となるので、専門機関から正確な情報が出揃うまでは用心に越したことはありません。

加藤勝信官房副長官は1月31日の記者会見で、「ただちに日本への影響があるレベルではないが、引き続き環境省で大気汚染物質の状況を調査するなど、適切な対応を図っていく」と述べたということです。

はいはい、あなた方の言うことはいつも同じ。まったく学習しない人々です。

もう国を頼らず、自分で、①や②のシミュレーションを見て、そのときだけでもマスクを着用すれば、これほど安心できることもないでしょう。
 
日本と中国との間で、環境汚染摩擦

尖閣諸島問題で、親日の台湾も領有権を主張しました。
これは、日本と台湾との間で漁業交渉を進めると約束しておきながら、自民党が長い間、棚上げにしていたのが原因です。

台湾は尖閣の領有を主張したいのではなく、日本側に約束どおり漁業交渉を再開して欲しいだけなのですが、中国から圧力を受けているので、仕方なく中国と歩調を合わせて領有権を主張しているだけなのです。

台湾が欲しいのは、尖閣ではなく、尖閣諸島周辺でも漁業ができるようにしてほしいということなのです。
理由は、中国大陸からの工業排水によって、台湾の魚場が汚染されて、漁ができなくなっているからです。

このまま中国に汚染垂れ流しを許していたら、今に東シナ海は完全に死んでしまうでしょう。

さらに、今後、中国では原発の建設計画を進めていくといいます。

今回のPM2.5の飛来が問題化したことで分かるように、もし中国で原発事故が起これば、日本列島を放射性物質が直撃するであろうということは確実です。

共産党の一党独裁の中国ですから、放射能漏れがあっても発表しないでしょう。
また、日本の今の政府では、中国に気を遣って、中国大陸から放射能が飛んできても、「ただちに」、「今すぐに」を再び繰り返すだけでしょうから。

日本のとるべき道は、やはり原発を廃止して、再生エネルギーの国に作り変えることです。
日本の世界一の環境技術が、それを可能にするでしょうし、何より中国にそれを輸出できることになります。

それは、日本列島を汚染から守ることと同じです。

円安によって株価が戻ってきた今こそ、安倍政権が再生エネルギー開発に力を入れると宣言すれば、環境関連株に投資する人々が増えるでしょう。

安倍晋三はテレビに出るごとに、アベノミクスのお陰で株価が上がったと繰り返しています。

反キリストは「一つ目」のユダヤ人(2010年の記事)の最後に、「2013年から、先進国の中で唯一、日本だけは世界の没落とは裏腹に急上昇させる計画があるようです」と書いています。

グローバル・エリートの計画が最初からあったのです。

安倍晋三に、日銀の金融緩和政策を指南しているエール大学の日本人教授は誰でしたっけね。
白川日銀総裁も、「彼ら」のシナリオどおりやっているだけなのです。

裏の事情を何も知らされずに浮かれているのは安倍晋三だけ。

2013年から日本株を押し上げて、パンパンに膨れ上がらせた後に、パンと風船を割るように株価を暴落させるのです。

引き金は国債の売りによってです。

この国は、最低の政治家たちのせいで、息の根を止められようとしているのです。
私たちがPM2.5によって、そうであるように。


中国の化学汚染物質について、もっとも読みたい方はこちら。
北京発現地レポート 大気汚染と発がん「フカヒレ」で大騒ぎ

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