
米国は、実は中国人民解放軍によるサイバーアタックにはお手上げ状態。
動き出した香港の団体によるスノーデン支援
Former CIA Officer Officials Considering NSA Whistleblower's Case Potential
どうも、米当局は、さまざまな状況から、「NSAのネット監視を暴露したエドワード・スノーデンは中国のスパイである」と断定したいようです。
元CIAのオフィサー、ロバート・ベア氏がCNNの生放送に出演しました。
Business Insiderに記事を書いているブライアン・ジョーンズは、次のように言っています。
「私たちが持っている最も信頼できる情報は、彼がまだ捕まっていないということ、香港のホテルを出たということ、そして、彼がまだ香港にいる、ということだ。
そして、この情報は、最初にNSAの大規模な監視機構の存在を暴露した※ガーディアン紙の グレン・グリーンウォルドによるものであるということ」。
(※ブライアン・ジョーンズは、ガーディアンのグレン・グリーンウォルドが、スノーデンをかくまっているのではないかと見ているようです)
米政府が、スノーデンがNSAの監視について、理性的な立場を取ることができる愛国的なアメリカ人としてではなく、中国側の情報部員として活動している人間である、と見なした場合、彼に訴訟が起こされることは間違いないでしょう。
彼を米政府の情報機関に派遣していた技術コンサルティング会社、ブーズ・アレン・ハミルトンは、11日、スノーデン氏を解雇したと発表しました。
スノーデンは、どうやら、二度と米国の土は踏まない覚悟のようです。また、その機会は失われました。
米国と中国の行政特別区である香港との間には、強制送還の司法協定が結ばれているので、「香港を避難先に選んだのは間違いだ」とする支援者も多いのですが、当のスノーデンは、「米国政府と法廷闘争をするには、香港は都合がいい」と、あくまでも不動の姿勢を崩していません。
もし米政府がスノーデンの強制送還を香港に要求した場合、スノーデンは、亡命申請や法廷闘争などによって香港滞在期間を延長することができるので、最長で数年単位での滞在引き伸ばしが可能になるとのこと。
スノーデンは、ガーディアン紙とワシントンポスト紙が、彼の実名を公表した6月6日以降、香港の有力英字日刊紙のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト(南華早報)とも積極的に接触を図るようになりました。同紙によるインタビューでは、
「NSAによるハッキングは世界中で6万1000件以上に及び、その中には香港と中国本土での何百ものオペレーションも含まれている」と述べ、NSAによる個人情報の収集活動が、中国の個人レベルにまで及んでいることを明かしたのです。
その中で、彼は、「私の運命は、香港の人々に決めて欲しい」と語っており、これに心を突き動かされた地元団体の一部は、すでにスノーデン支援に動き出している模様。
15日には、香港のいくつかのグループが「強制送還反対」や「スノーデン氏への裏切りは自由への裏切りだ」などの旗を掲げ、行政府本部や米国領事館などでのデモを計画しているといいます。
(ウォール・ストリート・ジャーナル 6月13日)
最悪の場合は、仮にロシア政府当局にスノーデンが亡命を申し出れば、ロシア政府は、それを受け入れる用意がある、と言っています。
習近平の訪米にあわせてリークした?
前の記事『NSAのネット監視を告発したスノーデンが心情を吐露(香港)』で書いたように、スノーデンの行動には、いくつかの「謎」があります。
英紙「ガーディアン」のインタビューを受けたのが6月10日。
そのとき、彼が内部告発した動機について、同紙の記者に語っています。それを紹介しました。
「5月20日、香港行きの飛行機に乗り込んだ。
香港に着いてから三週間ほどは、ホテルの部屋の中でくつろいでいた。
全滞在期間のうち、ホテルから出たのは全部で3回だけ。
滞在していたのは豪華なホテルで、部屋で食事を取っていたため、宿泊費の請求額は、かなりの金額になった」。
また、「ホテルから出たのは三回だけだったが、ノートパソコンは使っていた」とスノーデンは言っています。
スノーデンは、香港にきて、米紙・ワシントンポストと、英紙・ガーディアンと5月の段階で接触を取っており、このときNSAに関する内部情報を両紙の記者に手渡したものと考えられます。
これはガーディアンのNSAに関する記事を収めたアーカイブです。なんと10ページまであります。
ガーディアンは、6月6日から、突然、NSAの監視プログラムについての記事を次々と掲載するようになり、スノーデンの身元を公表するようになりました。(アーカイブの10ページ目)
そして、アーカイブの9ページ目にあるこの記事で、初めてNSAがビッグデータを収集していることが暴露されたのです。
この翌日の6月7日、中国の国家主席、習近平が訪米して、オバマに会っています。
オバマは、カリフォルニア州ランチョン・ミラージュの保養施設「サニーランズ」に習近平を招き、6月7日、8日の二日間、計8時間にわたって、二人きりのトップ会談を行いました。
まるで、あたかも、ワシントンポストとガーディアンが、習近平がオバマと会談する6月7日に照準を合わせて、“NSAスキャンダル”を仕掛けてきたようです。
なぜ、スノーデンは、1ヵ月以上も前に(5月20日に、すべての準備を終えて香港行きの飛行機に乗ったことから逆算すると)習近平の訪米日程を詳しく知りえたのでしょうか。
中国共産党のコンピュータ・サーバーにアクセスした?
それは難しいでしょう。
困難を乗り越え、危険を冒して中国のサーバーにアクセスできたところで、その情報が本物かどうか疑わしいでしょうから。
日本のメディアは、習近平のほうからオバマに訪米したい旨の要望を出したと報じられていますが、事実は逆で、オバマのほうがアメリカでの米中首脳会談の提案を習近平に持ち掛けた、というのが外交筋の正確な情報とのこと。
政府の多くの機密文書にアクセスする権限を持っていたスノーデンなら、ホワイトハウスに関係するサーバーにアクセスして、習近平とオバマとのトップ会談の詳細な日程を知ることなど朝飯前でしょう。
明らかに、エドワード・スノーデンの行動は、結果的に、習近平に有利な状況をつくることによって、「チェーンジ」と叫びながら、米国民を監視し、いっそうの奴隷化を進めるバラク・オバマという男に鉄槌を下すことになったのですから、元CIAのオフィサー、ロバート・ベアが言うように、「スノーデンは中国側を利する活動をやった」と言うのは正解です。
しかし、ロバート・ベアは、あくまでスノーデンを「中国のスパイだ」と決め付けたい様子で、それこそ、スノーデンが6月10日、ガーディアンに語ったように、「米国政府は私を悪魔に仕立て上げるでしょう」と予言したことが起きているのです。
習近平の口から再び出てきた「米中太平洋分割統治」案
さて、問題は、今後、米中関係にどんな問題が起こるのか、ということです。
NSAのハッキングが、香港や中国本土の個人までもがターゲットになっていたことから、今後、この問題は米中間で野火のように広がりこそすれ、終息を告げるのは、相当先のことでしょう。
あるいは、もっと大事に発展する可能性もあります。
オパマが習近平をランチョン・ミラージュに招いて、非公式の米中首脳会談を行おうとした目的のひとつは、中国からのサイバー攻撃を思いとどませることであったはずです。
しかし、NSAのハッキングが世界中で6万1000件にも及んでいたこと、その一部が中国を対象としたものであったことが、会談前日の6月6日に「ワシントンポスト」と「ガーディアン」両紙の暴露記事によって明るみに出てしまったわけですから、オバマとしては気勢を殺がれてしまったわけです。
「米中非公式トップ会談は成功した」と書いているメディアが多いようですが、結果は失敗。何も実りのない会談となったようです。
習近平の訪米2日目の会談では、広々とした芝生の上で、ただ「うんうん」と頷くオバマと、口角泡を飛ばしてぐんぐんオバマに迫る習近平の姿がテレビカメラに映し出されていました。
この6月7日、8日の2日間、計8時間に及ぶ会談で話し合われた事案で最大のことは、
①習近平が、「太平洋には米中という二つの大国を収めるに足りる十分な空間が存在する」と述べたように、太平洋分割統治論が飛び出したこと。
②米国の軍事防衛網のシャットダウンにつながる中国からのサイバーテロの矛先を納めさせること。
この二つです。
①については、以前から中国の軍事筋から西側メディアに漏れ伝わっていたことですが、今回、中国の国家主席の口から、それが語られたということは、中国の覇権主義が習近平というトップを頂くことによって、再び頭をもたげてきたことを意味します。
米国の牽制が効かなくなれば、台湾も尖閣も、もちろん日本列島も、その中に飲み込まれてしまうということです。
そのために、日米の防衛網は強化しなければならないのですが、その脆弱性が中国の軍事筋からのサイバーアタックによって露呈されてしまったのです。
そのため、非公式とはいえ、今回の習近平とのトップ会談は、ある意味、太平洋と東シナ海防衛の分水嶺となるはずだったのが、②については、ワシントンポストとガーディアンのNSA情報収集プログラムに関する暴露記事によって露と消えてしまったのです。「オバマさん、あんた、そんなことを言うけど、お互い様じゃないか」と。
ここで言えることは、背景はどうであれ、結果的には、ワシントンポストとガーディアンは、オバマ政権の「ピボット・アジア(アジア軸足)戦略(=実体は中国包囲網)」をぐらつかせることになったのです。
これを、「戦争をやらないことを公約に掲げて当選した」オバマ大統領への挑戦と取るか、言論の自由を守ることを優先した欧米マスコミの自由への挑戦と取るかは、意見が分かれます。
ただし、これらの状況から分かることは、米中の水面下では、かなり前からサイバー戦争が活発に行われているいうことです。
そして、米国、日本、台湾にとって、もっとも不運な展開は、スノーデンの内部告発によって香港発の大規模なワシントン・バッシングへと発展してしまうことです。
なぜなら、それを背後で操っているのは中国共産党と人民解放軍に違いないからです。
ここに、スノーデンの内部告発以後に行った小規模な世論調査(対象1,004人の米国人)があります。
ソース元:Pew Reserch Center
「電子メール監視の実施を容認できないと答えたのは、2002年の調査では47%だったが、今回の調査では52%だった」。
スノーデンの勇気ある賭けは、「凶」と出たのか、それとも後に「吉」に転じるのかはまだ分かりません。
しかし、確実に言えることは、この告発の影響が、香港から中国本土に広がって、中国の軍事筋によるサイバー攻撃を正当化してしまうことです。
これが膨らんでいくと、究極的に何が起こるのか……
2007年7月24日、米国太平洋軍 総司令部のティモシー・J・キーティング海軍大将が、中国人民解放軍との話し合いで、「太平洋の東側をアメリカが、西側を中国が面倒を見る、という協力体制を築こう」という「太平洋分割統治案」の呼びかけがあったことを暴露しました。
このとき、周囲はキーティング海軍大将の話を、「ありえないこと」として取り上げなかったものの、その6年後、再び習近平という、もっとも軍を掌握していると言われている国家主席の口から直に語られたことは、大きな衝撃です。
「どうも中国は、本気で、それを考えている」。
中国の軍事筋(つまり中国人民解放軍)によるサイバー攻撃は、アメリカ政府機関だけでなく、民間企業に向けても続けられています。その経済的損失は30兆円にも上ると試算されています。
米政財界では、偶然にもスノーデンのNSAネット監視が暴露された同じ日の6月6日、超党派の議員たちによって、「米国にサイバー攻撃を仕掛けた外国人や政府に入国禁止や米国内資産の凍結などの制裁を科す法案」が提出されたのです。
サイバーアタックによって、米軍の軍事システムが麻痺状態に陥るという現実感
習近平は、中国共産党の私設軍隊である中国人民解放軍を本当はコントロールできていないのでしょうか。
彼は、「この米国をターゲットとした中国発のサイバー攻撃は、確かに中国の何者かの仕業であるが、共産党も把握していない」と言っています。
これは嘘で、確実に習近平の指令によってサイバー攻撃が行われているのです。
米国の防衛網は、軍事衛星のGPSを含むIT技術によって成り立っている、いわば「IT軍隊」ですから、これが中国のサイバー攻撃によってシステムダウンしてしまうと、一瞬にして、原子力空母も、原潜も、核ミサイルも、戦車も戦闘機も、ステルス機も、単なる張子の虎と化してしまうのです。
日本の自衛隊は、米軍の軍事システムの中に組み込まれているので、同時に日米同盟軍は動かない巨大な鉄の塊になってしまうのです。
今回、オバマが習近平に対して、突然ともいえる訪米への呼びかけをしたことも、すべてが6月6日、7日に収斂されていくのです。
日本にとっての問題は、この外交能力のないオバマという大統領が、中国にサイバー攻撃を止めさせるよう「何を言ったのか」ということです。
霞ヶ関は、こうしたキナ臭い臭いを嗅ぎ取ったのか、昨日、米中非公式首脳会談の手ごたえを聞くために、安倍にオバマと電話会談をさせました。
オバマは、習近平との会談でも「日中間の対話の重要性」を強調し、日米同盟の「きずな」については一切言及していないのです。
オバマは、尖閣有事には、まったく関心がないのです。
安倍は、ひたすら「日本がTPPに参加しさえすれば、日米同盟の安定化が確認できる」と思い込んでいます。
つまり、彼は、そこしか見えない視野狭窄状態に陥っているのです。
昨日の米国発の世界同時株安と、アベノミクスという虚構の終り。
状況は良くありません。
このスノーデンの告発から端を発した米中の心理戦。
今後、大きく動く可能性があるので、逐次、監視を続けなければなりません。
といっても、日本の外務官僚と安倍内閣の能力では絶望的かもしれない。
今回のことで得た収穫は、「戦争屋」でもなく、「アンチ戦争屋」でもなく、「アメリカと中国を両天秤にかけている第三の勢力の姿」が垣間見えたことです。
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Former CIA Officer Officials Considering NSA Whistleblower's Case Potential
どうも、米当局は、さまざまな状況から、「NSAのネット監視を暴露したエドワード・スノーデンは中国のスパイである」と断定したいようです。
元CIAのオフィサー、ロバート・ベア氏がCNNの生放送に出演しました。
ロバート・ベア氏:
「米国の情報当局は、スノーデンの取った行動は、潜在的な中国の工作員としての行動ではないかと見ている。
見たところ、この内部告発は、中国のコントロール下で行われたものと見ることができる。
スノーデンは、スウェーデンやアイスランドのような米国の友好国ではなく、中国の特別行政区の一つである香港に逃れたので、おそらく彼は、中国政府のために活動しているのだろう。
もし、スノーデンが本当にNSAの監視について、しっかりした声明を出したいのであれば、連邦議会でやっただろう。
中国から彼を取り戻すことチャンスは、もうないだろう。
スノーデンは、そこで消息を絶つはずだ。
しかし、彼はどこにも行くことができないだろう。
もし、本当に中国が、この件に関与しているなら、スノーデンをアメリカに引き渡すことなどあり得ないからだ。
実際に、彼は火曜日(6月11日)に姿を消した。
コーポレイト・メディアの連中が彼にインタビューしようと、躍起になって香港中を探したが、居所はつかめなかった」。
「米国の情報当局は、スノーデンの取った行動は、潜在的な中国の工作員としての行動ではないかと見ている。
見たところ、この内部告発は、中国のコントロール下で行われたものと見ることができる。
スノーデンは、スウェーデンやアイスランドのような米国の友好国ではなく、中国の特別行政区の一つである香港に逃れたので、おそらく彼は、中国政府のために活動しているのだろう。
もし、スノーデンが本当にNSAの監視について、しっかりした声明を出したいのであれば、連邦議会でやっただろう。
中国から彼を取り戻すことチャンスは、もうないだろう。
スノーデンは、そこで消息を絶つはずだ。
しかし、彼はどこにも行くことができないだろう。
もし、本当に中国が、この件に関与しているなら、スノーデンをアメリカに引き渡すことなどあり得ないからだ。
実際に、彼は火曜日(6月11日)に姿を消した。
コーポレイト・メディアの連中が彼にインタビューしようと、躍起になって香港中を探したが、居所はつかめなかった」。
Business Insiderに記事を書いているブライアン・ジョーンズは、次のように言っています。
「私たちが持っている最も信頼できる情報は、彼がまだ捕まっていないということ、香港のホテルを出たということ、そして、彼がまだ香港にいる、ということだ。
そして、この情報は、最初にNSAの大規模な監視機構の存在を暴露した※ガーディアン紙の グレン・グリーンウォルドによるものであるということ」。
(※ブライアン・ジョーンズは、ガーディアンのグレン・グリーンウォルドが、スノーデンをかくまっているのではないかと見ているようです)
米政府が、スノーデンがNSAの監視について、理性的な立場を取ることができる愛国的なアメリカ人としてではなく、中国側の情報部員として活動している人間である、と見なした場合、彼に訴訟が起こされることは間違いないでしょう。
彼を米政府の情報機関に派遣していた技術コンサルティング会社、ブーズ・アレン・ハミルトンは、11日、スノーデン氏を解雇したと発表しました。
スノーデンは、どうやら、二度と米国の土は踏まない覚悟のようです。また、その機会は失われました。
米国と中国の行政特別区である香港との間には、強制送還の司法協定が結ばれているので、「香港を避難先に選んだのは間違いだ」とする支援者も多いのですが、当のスノーデンは、「米国政府と法廷闘争をするには、香港は都合がいい」と、あくまでも不動の姿勢を崩していません。
もし米政府がスノーデンの強制送還を香港に要求した場合、スノーデンは、亡命申請や法廷闘争などによって香港滞在期間を延長することができるので、最長で数年単位での滞在引き伸ばしが可能になるとのこと。
スノーデンは、ガーディアン紙とワシントンポスト紙が、彼の実名を公表した6月6日以降、香港の有力英字日刊紙のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト(南華早報)とも積極的に接触を図るようになりました。同紙によるインタビューでは、
「NSAによるハッキングは世界中で6万1000件以上に及び、その中には香港と中国本土での何百ものオペレーションも含まれている」と述べ、NSAによる個人情報の収集活動が、中国の個人レベルにまで及んでいることを明かしたのです。
その中で、彼は、「私の運命は、香港の人々に決めて欲しい」と語っており、これに心を突き動かされた地元団体の一部は、すでにスノーデン支援に動き出している模様。
15日には、香港のいくつかのグループが「強制送還反対」や「スノーデン氏への裏切りは自由への裏切りだ」などの旗を掲げ、行政府本部や米国領事館などでのデモを計画しているといいます。
(ウォール・ストリート・ジャーナル 6月13日)
最悪の場合は、仮にロシア政府当局にスノーデンが亡命を申し出れば、ロシア政府は、それを受け入れる用意がある、と言っています。
習近平の訪米にあわせてリークした?
前の記事『NSAのネット監視を告発したスノーデンが心情を吐露(香港)』で書いたように、スノーデンの行動には、いくつかの「謎」があります。
英紙「ガーディアン」のインタビューを受けたのが6月10日。
そのとき、彼が内部告発した動機について、同紙の記者に語っています。それを紹介しました。
「5月20日、香港行きの飛行機に乗り込んだ。
香港に着いてから三週間ほどは、ホテルの部屋の中でくつろいでいた。
全滞在期間のうち、ホテルから出たのは全部で3回だけ。
滞在していたのは豪華なホテルで、部屋で食事を取っていたため、宿泊費の請求額は、かなりの金額になった」。
また、「ホテルから出たのは三回だけだったが、ノートパソコンは使っていた」とスノーデンは言っています。
スノーデンは、香港にきて、米紙・ワシントンポストと、英紙・ガーディアンと5月の段階で接触を取っており、このときNSAに関する内部情報を両紙の記者に手渡したものと考えられます。
これはガーディアンのNSAに関する記事を収めたアーカイブです。なんと10ページまであります。
ガーディアンは、6月6日から、突然、NSAの監視プログラムについての記事を次々と掲載するようになり、スノーデンの身元を公表するようになりました。(アーカイブの10ページ目)
そして、アーカイブの9ページ目にあるこの記事で、初めてNSAがビッグデータを収集していることが暴露されたのです。
この翌日の6月7日、中国の国家主席、習近平が訪米して、オバマに会っています。
オバマは、カリフォルニア州ランチョン・ミラージュの保養施設「サニーランズ」に習近平を招き、6月7日、8日の二日間、計8時間にわたって、二人きりのトップ会談を行いました。
まるで、あたかも、ワシントンポストとガーディアンが、習近平がオバマと会談する6月7日に照準を合わせて、“NSAスキャンダル”を仕掛けてきたようです。
なぜ、スノーデンは、1ヵ月以上も前に(5月20日に、すべての準備を終えて香港行きの飛行機に乗ったことから逆算すると)習近平の訪米日程を詳しく知りえたのでしょうか。
中国共産党のコンピュータ・サーバーにアクセスした?
それは難しいでしょう。
困難を乗り越え、危険を冒して中国のサーバーにアクセスできたところで、その情報が本物かどうか疑わしいでしょうから。
日本のメディアは、習近平のほうからオバマに訪米したい旨の要望を出したと報じられていますが、事実は逆で、オバマのほうがアメリカでの米中首脳会談の提案を習近平に持ち掛けた、というのが外交筋の正確な情報とのこと。
共同通信が衝撃的なニュースを配信した。
すなわち今回の米中首脳会談は米国から開催を提案し、中国側は「本当に極めて迅速に」受け入れていたことが8日分かったという。
しかもそれをドニロン米大統領補佐官自らが明らかにしたというのだ。
(天木直人のブログ)
すなわち今回の米中首脳会談は米国から開催を提案し、中国側は「本当に極めて迅速に」受け入れていたことが8日分かったという。
しかもそれをドニロン米大統領補佐官自らが明らかにしたというのだ。
(天木直人のブログ)
政府の多くの機密文書にアクセスする権限を持っていたスノーデンなら、ホワイトハウスに関係するサーバーにアクセスして、習近平とオバマとのトップ会談の詳細な日程を知ることなど朝飯前でしょう。
明らかに、エドワード・スノーデンの行動は、結果的に、習近平に有利な状況をつくることによって、「チェーンジ」と叫びながら、米国民を監視し、いっそうの奴隷化を進めるバラク・オバマという男に鉄槌を下すことになったのですから、元CIAのオフィサー、ロバート・ベアが言うように、「スノーデンは中国側を利する活動をやった」と言うのは正解です。
しかし、ロバート・ベアは、あくまでスノーデンを「中国のスパイだ」と決め付けたい様子で、それこそ、スノーデンが6月10日、ガーディアンに語ったように、「米国政府は私を悪魔に仕立て上げるでしょう」と予言したことが起きているのです。
習近平の口から再び出てきた「米中太平洋分割統治」案
さて、問題は、今後、米中関係にどんな問題が起こるのか、ということです。
NSAのハッキングが、香港や中国本土の個人までもがターゲットになっていたことから、今後、この問題は米中間で野火のように広がりこそすれ、終息を告げるのは、相当先のことでしょう。
あるいは、もっと大事に発展する可能性もあります。
オパマが習近平をランチョン・ミラージュに招いて、非公式の米中首脳会談を行おうとした目的のひとつは、中国からのサイバー攻撃を思いとどませることであったはずです。
しかし、NSAのハッキングが世界中で6万1000件にも及んでいたこと、その一部が中国を対象としたものであったことが、会談前日の6月6日に「ワシントンポスト」と「ガーディアン」両紙の暴露記事によって明るみに出てしまったわけですから、オバマとしては気勢を殺がれてしまったわけです。
「米中非公式トップ会談は成功した」と書いているメディアが多いようですが、結果は失敗。何も実りのない会談となったようです。
習近平の訪米2日目の会談では、広々とした芝生の上で、ただ「うんうん」と頷くオバマと、口角泡を飛ばしてぐんぐんオバマに迫る習近平の姿がテレビカメラに映し出されていました。
この6月7日、8日の2日間、計8時間に及ぶ会談で話し合われた事案で最大のことは、
①習近平が、「太平洋には米中という二つの大国を収めるに足りる十分な空間が存在する」と述べたように、太平洋分割統治論が飛び出したこと。
②米国の軍事防衛網のシャットダウンにつながる中国からのサイバーテロの矛先を納めさせること。
この二つです。
①については、以前から中国の軍事筋から西側メディアに漏れ伝わっていたことですが、今回、中国の国家主席の口から、それが語られたということは、中国の覇権主義が習近平というトップを頂くことによって、再び頭をもたげてきたことを意味します。
米国の牽制が効かなくなれば、台湾も尖閣も、もちろん日本列島も、その中に飲み込まれてしまうということです。
そのために、日米の防衛網は強化しなければならないのですが、その脆弱性が中国の軍事筋からのサイバーアタックによって露呈されてしまったのです。
そのため、非公式とはいえ、今回の習近平とのトップ会談は、ある意味、太平洋と東シナ海防衛の分水嶺となるはずだったのが、②については、ワシントンポストとガーディアンのNSA情報収集プログラムに関する暴露記事によって露と消えてしまったのです。「オバマさん、あんた、そんなことを言うけど、お互い様じゃないか」と。
ここで言えることは、背景はどうであれ、結果的には、ワシントンポストとガーディアンは、オバマ政権の「ピボット・アジア(アジア軸足)戦略(=実体は中国包囲網)」をぐらつかせることになったのです。
これを、「戦争をやらないことを公約に掲げて当選した」オバマ大統領への挑戦と取るか、言論の自由を守ることを優先した欧米マスコミの自由への挑戦と取るかは、意見が分かれます。
ただし、これらの状況から分かることは、米中の水面下では、かなり前からサイバー戦争が活発に行われているいうことです。
そして、米国、日本、台湾にとって、もっとも不運な展開は、スノーデンの内部告発によって香港発の大規模なワシントン・バッシングへと発展してしまうことです。
なぜなら、それを背後で操っているのは中国共産党と人民解放軍に違いないからです。
ここに、スノーデンの内部告発以後に行った小規模な世論調査(対象1,004人の米国人)があります。
ソース元:Pew Reserch Center

(1,004人の米国人の)過半数である56%が、米国家安全保障局(NSA)による通話のメタデータ収集を「容認できる」と感じている。「容認できない」は41%で、「どちらでもない」が2%だった。
この調査によると、米国人の45%は政府が「起こりえるテロ行為を防ぐために、あらゆる人の電子メールを監視できる」べきだと考えている。
この数字は、2001年9月のテロ攻撃から1年足らずの11年前にPew社が同じ質問をしたときとまったく同じだ。
電子メール監視の実施を容認できないと答えたのは、2002年の調査では47%だったが、今回の調査では52%だった。
この調査によると、米国人の45%は政府が「起こりえるテロ行為を防ぐために、あらゆる人の電子メールを監視できる」べきだと考えている。
この数字は、2001年9月のテロ攻撃から1年足らずの11年前にPew社が同じ質問をしたときとまったく同じだ。
電子メール監視の実施を容認できないと答えたのは、2002年の調査では47%だったが、今回の調査では52%だった。
「電子メール監視の実施を容認できないと答えたのは、2002年の調査では47%だったが、今回の調査では52%だった」。
スノーデンの勇気ある賭けは、「凶」と出たのか、それとも後に「吉」に転じるのかはまだ分かりません。
しかし、確実に言えることは、この告発の影響が、香港から中国本土に広がって、中国の軍事筋によるサイバー攻撃を正当化してしまうことです。
これが膨らんでいくと、究極的に何が起こるのか……
2007年7月24日、米国太平洋軍 総司令部のティモシー・J・キーティング海軍大将が、中国人民解放軍との話し合いで、「太平洋の東側をアメリカが、西側を中国が面倒を見る、という協力体制を築こう」という「太平洋分割統治案」の呼びかけがあったことを暴露しました。
このとき、周囲はキーティング海軍大将の話を、「ありえないこと」として取り上げなかったものの、その6年後、再び習近平という、もっとも軍を掌握していると言われている国家主席の口から直に語られたことは、大きな衝撃です。
「どうも中国は、本気で、それを考えている」。
中国の軍事筋(つまり中国人民解放軍)によるサイバー攻撃は、アメリカ政府機関だけでなく、民間企業に向けても続けられています。その経済的損失は30兆円にも上ると試算されています。
米政財界では、偶然にもスノーデンのNSAネット監視が暴露された同じ日の6月6日、超党派の議員たちによって、「米国にサイバー攻撃を仕掛けた外国人や政府に入国禁止や米国内資産の凍結などの制裁を科す法案」が提出されたのです。
サイバーアタックによって、米軍の軍事システムが麻痺状態に陥るという現実感
習近平は、中国共産党の私設軍隊である中国人民解放軍を本当はコントロールできていないのでしょうか。
彼は、「この米国をターゲットとした中国発のサイバー攻撃は、確かに中国の何者かの仕業であるが、共産党も把握していない」と言っています。
これは嘘で、確実に習近平の指令によってサイバー攻撃が行われているのです。
米国の防衛網は、軍事衛星のGPSを含むIT技術によって成り立っている、いわば「IT軍隊」ですから、これが中国のサイバー攻撃によってシステムダウンしてしまうと、一瞬にして、原子力空母も、原潜も、核ミサイルも、戦車も戦闘機も、ステルス機も、単なる張子の虎と化してしまうのです。
日本の自衛隊は、米軍の軍事システムの中に組み込まれているので、同時に日米同盟軍は動かない巨大な鉄の塊になってしまうのです。
今回、オバマが習近平に対して、突然ともいえる訪米への呼びかけをしたことも、すべてが6月6日、7日に収斂されていくのです。
日本にとっての問題は、この外交能力のないオバマという大統領が、中国にサイバー攻撃を止めさせるよう「何を言ったのか」ということです。
霞ヶ関は、こうしたキナ臭い臭いを嗅ぎ取ったのか、昨日、米中非公式首脳会談の手ごたえを聞くために、安倍にオバマと電話会談をさせました。
首相「中国と対話のドア開いている」 米大統領と電話協議
両首脳は沖縄県・尖閣諸島の問題を念頭に、東シナ海の安定と日中間の対話の重要性を確認した。
首相は「(中国と)協議するドアは常に開いている」と対話に前向きな考えを伝達した。
大統領が日本の立場を踏まえて習主席との会談に臨んだことに謝意を表明した。
大統領は日本が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉にできるだけ早く参加できるようになることを望んでいると表明。日米が協力してTPP交渉を進めていく方針で一致した。
両首脳は沖縄県・尖閣諸島の問題を念頭に、東シナ海の安定と日中間の対話の重要性を確認した。
首相は「(中国と)協議するドアは常に開いている」と対話に前向きな考えを伝達した。
大統領が日本の立場を踏まえて習主席との会談に臨んだことに謝意を表明した。
大統領は日本が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉にできるだけ早く参加できるようになることを望んでいると表明。日米が協力してTPP交渉を進めていく方針で一致した。
オバマは、習近平との会談でも「日中間の対話の重要性」を強調し、日米同盟の「きずな」については一切言及していないのです。
オバマは、尖閣有事には、まったく関心がないのです。
安倍は、ひたすら「日本がTPPに参加しさえすれば、日米同盟の安定化が確認できる」と思い込んでいます。
つまり、彼は、そこしか見えない視野狭窄状態に陥っているのです。
昨日の米国発の世界同時株安と、アベノミクスという虚構の終り。
状況は良くありません。
このスノーデンの告発から端を発した米中の心理戦。
今後、大きく動く可能性があるので、逐次、監視を続けなければなりません。
といっても、日本の外務官僚と安倍内閣の能力では絶望的かもしれない。
今回のことで得た収穫は、「戦争屋」でもなく、「アンチ戦争屋」でもなく、「アメリカと中国を両天秤にかけている第三の勢力の姿」が垣間見えたことです。
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