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東電は、4号機の使用済み燃料プールからの核燃料集合体の取り出し作業開始前の段階から、米国・エネルギー省の技術支援を受けることが決まった。(DOE長官視察風景写真集)

11月8日からの取り出し作業開始予定を、1~2週間程度延期

東電は、早ければ今月8日にも、4号機の使用済み燃料プールから1533本の燃料集合体(うち未使用は204体)を取り出す作業に取りかかる予定でした。

また、作業開始の段階からアメリカのエネルギー省からの技術支援が決まっています。
(米国エネルギー省(DOE)からの技術支援について 11月1日 pdfファイル)

しかし、急きょ、昨日になって1~2週間延期を発表しました。
理由は、実際の燃料輸送容器を使って作業の安全性を確認する実証試験を追加するためとのこと。

驚いたことに、東電は取り出し作業の練習をしていなかったのです。つまり、東電は、ぶっつけ本番で挑もうとしていたのです。
またまた東電には度肝を抜かれました。

おそらく、先週、金曜日から福島第一原発に来ているアメリカ・チームの専門家に指摘されたものと思われます。
肝心の石原伸晃内閣府特命担当大臣(原子力防災)は、いつものようにゴルフ場に逃避しているのでしょう。

さて、アメリカ・チーム支援のいきさつとしては、こんなことがありました。

これは、今年10月6日から8日の3日間、京都で開かれた「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム(STSフォーラム)」の初日、安倍総理が放射能汚染水処理対策について、「みなさんの智恵と専門知識を必要としている」と国際的な協力を求めたことで前に進んだことです。(global post)

東京オリンピック招致活動で、福島第一原発事故収束を国際公約した安倍総理の苦肉の策。
ただし、あくまでも、オリンピック誘致活動で問題となった汚染水問題に焦点が当てられてのことです。

アメリカ側は、2011年3月15日に4号機建屋で水素爆発が起こった翌日に、原子力規制委員会(NRC)が早くも北半球のカタストロフィーを想定して、タスクフォースを組んでいたことから分かるように、あくまでも「アメリカにとっての国防上の最大の脅威は4号機の使用済み燃料プールで起こるジルコニウム火災」なのです。

アメリカの国会議員でただ一人、福島第一原発に入ったロン・ワイデン議員は、「日本は動きが遅く、危険な核燃料棒を原子炉から取り出していない。米国はスピードアップに向けた支援をすべきだ」と、米議会で訴えていましたが、これに限らず、すべてにおいて何もしない大統領・オバマは生返事。日本側から要求してくるまで待っていたのです。(当然ですが)

安倍総理がIOCの総会で「アンダー・コントロール」と言ってしまったおかげで、アメリカに助けを求めざるを得なくなったというわけです。

以下、ロシア・トゥディが報じています。(昨日の延期のニュースが出る前の報道です)

東電はアメリカからの福島の危険な除去作業の援助を受け入れる
TEPCO accepts US offer to aid dangerous Fukushima cleanup
(ロシア・トゥディ 2013年10月2日)

(※管理人:
一、二ヵ所、ややオーバーな表現や小さな間違いがありますが、誤解を招くほどのものではないので原文を尊重します)


東電は、福島第一原発の除去と廃炉作業を含めたワシントンからの支援活動の受け入れを決めた。
アメリカの支援は、東電が、大かがりな4号機の使用済み燃料プールからの燃料棒の取り出し作業の準備段階から始められる。

東電の広瀬社長は、「この決定は、先週の金曜日、米・エネルギー長官、アーネスト・モニツ氏が福島第一原発を訪れた際に決まったことだ」と述べた。

「モニツ長官との会談を通じて、発電所の安定化と廃炉に向けての技術と知見を共有・蓄積し、二国間はもとより世界の原子力発電や廃炉事業に貢献すべく、協力関係を一層強化していく必要があるとの認識で一致した」と広瀬社長は東電の公式サイトで声明を出した。

2012年、日米は、市民の核問題に関して関わりを強化する相互的な任務を提案した。
この月曜日(11月6日)も、ワシントンD.C.で、福島の危機対応と規制問題について日米間で意見交換するための会合が用意されている。

「日本は、アメリカから、経験と専門知識を得ることができると大いに期待している」と東電の社長。
「廃炉に向けて多くの挑戦に取り組むため、(日米)ともに協働していきたい」と広瀬社長はNHKのインタビューに答えた。

金曜日、モニツ米エネルギー長官は、4号機の使用済み燃料プールから核燃料棒を取り出す準備を点検するために、破壊された福島第一原発を訪れた。
広瀬氏の案内により、米国の職員たちは、放射能汚染水の貯蔵タンクや水処理装置を含む、その他の設備を訪れた。

「使用済み燃料は、予定通り11月中旬から取り出し作業が開始されるようだ」とモニツ氏は言った。
同氏は、3.11以降、福島を訪れた人のうちで、最高位の米政府の役人である。

4号機からの燃料の取り出し作業は、東電にとって、もっとも危険な作業であると言われている。

たった一つの誤動作でも、環境中に恐ろしいほどの量の放射能を放出してしまう危険性がある。また、3.12からの連鎖的水素爆発より数倍も悪い爆発を引き起こす危険さえあるのだ。

(※管理人:「爆発」と書かれてありますが、意味不明です。ロシア・トゥディは、ときたま記者が不勉強でいい加減なことを書く)

4号機のプールは、チェルノブイリ事故のときの10倍ものセシウムを含んでいる。
科学者たちは、ここで(4号機の燃料に起因する)もう一つの核災害が起これば、地球の最終的な大災害の始まりになる可能性があると警告している。

11月中旬から始まる燃料取り出し作業は、今後数十年かかると言われている廃炉プロセスの第一歩になる。

「除去作業は世界的にも重要な意味を持っており、我々すべてが、効率的で安全に次のステップが取られるようになることに直接的な利害を持っている」とモニツ氏は述べた。

この決定の前に、アメリカの使用済み燃料の権威、ロバート・アルバレス氏(元エネルギー省長官の国家安全保障局・環境保護庁副次官補の元上級政策アドバイザー)と、元国連職員の松村昭雄氏との間でやり取りされたメールから、アルバレス氏の心配そうな表情が伝わてきます。

以下は、そのメールの中のアルバレス氏の書いた部分を抜粋したものです。

アメリカが今まで直面してきた事態より、はるかに大きな挑戦になる

■ロバート・アルバレス氏
ワシントンの総合政策学研究所(Institute for Policy Studies)の上席研究員。
エネルギー省長官・国家安全保障局、環境保護庁副次官補の元上級政策アドバイザーを歴任した使用済み燃料の世界的権威。
http://kaleido11.blog.fc2.com/blog-entry-1102.html

「安倍首相が、京都の国際会議で『我が国はあなた方の知識と専門的技術が必要だ』と述べたのは肯定的な一歩であると言えます。

例えば、首相の言葉を受け、そのような支援と協力を確立するプロセスというのは、実際にはどのようなものなのでしょうか?
この「支援」というのは、専門的な検討と評価に留まるものなのでしょうか?

米国エネルギー省の上級の役職に携わった私の経験から言えば、専門家の委員団は有益であり得る反面、追跡調査や、ある程度の進歩がなければ、単なるセレモニーで終わってしまう場合がおうおうにしてあるのです。

これは、そこそこの人員や用具、労力が必要となることですか?

もしもそうなら、このような前例のない仕事の予算はいくらなのですか?

福島原発事故の余波は未知の領域にあり、東京電力は、その能力を超えた困難な挑戦に直面しているように見えます。
あいにく、東電のみならず、国家としての日本にも同じことが言えるかもしれません。

米国において、核兵器生産後に残された使用済み核燃料の安定化において、どんな経験をしてきたかを考えてみて下さい。

1993年に、エネルギー省のハンフォード地区で、人間の環境に重篤なリスクの可能性を持つ、保管の重大な脆弱性が見つかりました。
ハンフォードでの使用済み核燃料の安全な取り出しと安定化においては、以前にはなかったような技術の開発と配備が必要でなのです。
それには、10年以上かかり、数十億ドルの費用が必要でした。

それに反して、福島原発での原子炉の残骸と破壊された炉心の中での使用済み核燃料の処理というのは、私たちがハンフォードで直面したよりも、あるいは、世界の他のどの場所でよりも、はるかに大きなチャレンジなのです。


アメリカのエネルギー省のサポートがあると聞いて、内心、ホッとした方も多いでしょう。そうした人たちに冷や水を浴びせかけるようですが、まったく楽観はできません。
アルバレス氏の心配しているとおりの記事が、昨日のハフィントン・ポストに掲載されています。
アメリカ最大級の核汚染「ハンフォード」:解雇された技術者の証言

不適切な表現かもしれませんが、福島第一原発が置かれた状況から比べれば、ハンフォードは天国なんでしょう。

アメリカのチームにとっても、今回の福島での東電との協働は未体験ゾーンです。

核の最終処理場のユッカ・マウンテン建設計画が頓挫した今、4号機の使用済み燃料プールからの取り出し作業をサポートすることは、貴重な体験のできるチャンスでしょう。

アメリカが、そこそこの見返りで済む国ではないことは明らかです。
少なくとも、2013年8月現在、日本が保有している(公称で)115兆円の紙屑米国債は完全に売ることはできなくなったし、さらに米国債の買い増しの要求さえしてくるかもしれません。

それだけでなく、米・エネルギー長官、アーネスト・モニツ氏が、じきじきに福島第一原発の視察に訪れたことは別の意味があると考えなければならないのです。
彼は、LNG輸出賛成派の学者として有名で、オバマが直接、新エネルギー長官に指名したことからも、シェールガスを高く買わせたい意向が見て取れるのです。

ともあれ、アメリカが入ることで、何より改善してほしいのは、原発作業員の健康管理の徹底化、暴力団排除への外圧です。
暴力団との長い歴史がある自民党が、原子力ムラから暴力団を排除するはずがないからです。
これから先は気が遠くなるほど長いのです。原発作業員を大切にしなければ、日本の未来はないでしょう。

アメリカのサポート・チームが第一に守ろうとするのは在日米軍家族をはじめ、米国籍の人たちです。
せめて、これと同じ基準で福島の人々の避難計画を同時に組む必要があります。

日本の原子力規制委員会の田中俊一委員長は、「次から次へと、いろいろなことが起きる」とぼやいているだけです。
安定ヨウ素剤の配布どころか、周辺県の避難計画もなしに燃料の取り出し作業を認めた人ですから。

さらに、東電は除染費用も未払いのまま、1100億円の黒字化を達成して銀座で飲み歩いているとっちゃんばかりの企業ですから、期待する方がおかしいというものです。
有楽町の東電本店の幹部たちは、再び3.11前のように、タガが緩んでしまったようです。

黒字なのに、柏崎刈羽原発を再稼働させなければ潰れる、と新潟の泉田知事に泣きついていた東電の広瀬社長。
電気料金を値上げして、ちゃっかり儲けた1100億円。

国際社会の猛烈な抗議を考えてください。
柏崎刈羽原発の再稼働など無理でしょう。

時間のある方は、もういちどこの記事を読んでみてください。(←この記事では、当初のマスコミ発表のとおり、「11月8日からの作業開始」と書かれています)





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