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土壇場になって、みんなの党と、日本維新の会が修正合意。
後は、26日に衆院通過を果たした上、参院での審議に入ることになりますが、参院でのねじれが解消した以上、このまま法案成立に突き進む公算大です。
出来レースだと分かっていても、TPP交渉参加のときと同様、ここまで堂々と民主主義を足蹴にするとなると、もうこの国にはガバナンス能力は存在していないのでしょう。

つまり、民間の会社と同じように、各政党も公党としての矜持を投げ捨てて、「会社化」してしまったということです。
それぞれの政党という「会社」が離合集散を繰り返していくほどに一つの市場開拓、それは戦争という彼らの大好きな一大イベント=に血道を上げている、ということです。


しかし、この法案はどこから見ても違法です。
果たして運用できるのか。法的な大混乱が生じることは火を見るより明らか。


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秘密指定は、永遠に秘密のままにできるということ

自公、みんなの党、日本維新の会は、CIA自民の別働隊である、と一貫して書いてきましたが、ふたを開けてみれば、それ以上だったということ。彼らは潜在的な戦争フリークだったのです。

みんなの党は、なかなか正体を現さなかったのですが、「秘密保護法」ドタン場で裏切り合意で、いくらお人好しの国民でも、最初から小芝居を打っていたことがこれで分かったでしょう。

日本維新の会も、発車寸前で飛び乗り、支配者側の一員に加わったのです。

橋下氏は、弁護士として「法の適用範囲を防衛関連に限定し、秘密指定期間を最長30年」という修正案を出して、維新の存在感をアピールしようとしていましたが、結局「最長60年まで延長で、例外規定を設けて永遠に封印することを可能にした」のです。

自公、みんな、維新と修正合意を済ませた与党は、残る民主党とも最後の協議に入りますが、民主党が仮に修正合意に至らなくとも、26日には衆院を通過させる構え。
もはや、民主党は、野党の体さえ成していない幽霊政党になってしまったのです。

これは企業提携とそっくりです。
目指すのは消費者の利益ではなく、株主の利益です。公明、みんな、維新の“株主”が海の向こうにウォール街であることは誰でも知っているでしょう。

この法案の最大の問題点はとこか?
国民は、秘密指定の決め方にあると勘違いしていますが、そうではなく、秘密指定の開示と解除にあるのです。
下の動画をご覧ください。



福島みずほ議員が森まさこ議員を、「秘密指定」を受けた事案の開示と解除について追及しています。森まさこ議員は、何も答えていません。
両者、弁護士資格を持つ者同士の対決。この法案の真意が隠されていることが露呈されているのです。

物まさこ議員は、これだけ国会で大嘘をつくのだから、大企業・自民党のCEO安倍晋三から仰せつかったミッションを果たすためなら、弁護士資格をはく奪されてもいいのかも知れない。

新聞、テレビは、やっと秘密保護法案の危険性を言い出したものの、明らかに法案成立が決まってから反転に転じています。大マスコミの現場が、幹部の言う通り動いていることを示しています。

この法案は法律の体を成していない

これは、11月18日の時点の国会答弁です。この時点では秘密指定の解除は以下のようになっています。

・秘密指定は5年ごとに更新できる。
・しかし、最長で30年と規定する。
・が、しかし国家機密の重要性から、必要とあれば、30年経過した後も、延長ができる。

要するに、総理大臣が延長すると決めれば、永遠に秘密にしたままにできる、ということです。

福島みずほ議員は、この点をついていると同時に、現状はどうなっているのかを問い質しているのです。

現状は秘密指定された全事案のうち、
・公文書館に移管されているものが0.7%
・廃棄処分にされているものが92.5%
・秘密指定の延長が6.8%

この現状で、さらに総理大臣が秘密にしておくか開示するかを決定する権限を握ってしまえば、ほぼ全部が闇に葬らけることになる。

そして、国民が指定解除されたのか、延長されたのか、廃棄処分にされたのかさえ開示されない。
国民を何十年も(あるいは、日本国が存続する限り)疑心暗鬼の状態に置いておくだけでなく、そのときどきで政府にとって邪魔な存在を抹殺することができる。

このことが、裁判所の手続きを経ずして、総理大臣の胸先三寸で恣意的に決めることができてしまうのです。
これは完全独裁です。

その法案が法的な根拠を持っているかどうかは、司法の裁量や国民の監視に触れるようになっているかです。これが民主主義の下での法律の基本なのですが、秘密保護法案は、これらの監視・チェックを一切受けないので、そもそもが違法な法案なのです。

そして、もっとも悪質なのは、みんなの党と日本維新の会です。
特に、日本維新の会は、さすが弁護士が党首。どうやれば国民をペテンにかけることができるか、熟知しています。

当初、日本維新は「30年で例外なく全面公開」を修正合意の条件としていました。特例を認めず、延長も認めないとする案です。
しかし、決まったのは、なんと驚愕の「60年」。倍になったのです。
さらに、「全面公開」もファジーで、「政府が恣意的に何が例外かを判断する余地」も残しているのです。
60年経ってから、いざ開示せよ、と迫られたとき、「やっはり延長しますわ」と決めれば、開示されない、ということです。

そして、それを知ろうとして何らかのアクションを起こしただけで、刑罰に問われ、刑務所に入れられるということです。
知ろうとしただけ、つまり未遂であっても危険分子として処罰される可能性が高いのです。
北朝鮮以上かもしれない。
これは、国民の知る権利を奪うもので、違法です。

日本維新の会も、みんなの党と同様、大芝居を打ったのです。
橋下徹は、大飯原発再稼働の是非についても、選挙が迫っていたので、見かけ上は反対しながらも、最後は賛成した前科があります。

こんな会話が、官庁の中で出てくるかも知れません。

公務員との先輩と後輩の会話
先輩の公務員:
「仕事中、ちょっといいかな。
君は、最近、学生時代の同級生で、新聞記者と食事をしたらしいね。
どうも、君は秘密保護法に違反したらしく逮捕されるらしい」。

後輩の公務員:
「ええっ! そんなバカな。私は秘密情報など誰にも漏らしてはいませんよ。何かの間違いです!」。

先輩の公務員:
「でもねえ、監視当局の中では固まっているらしい」。

後輩の公務員:
「では、当局の連中に、私の何が問題なのか訊いてみます」。

先輩の公務員:
「無駄だと思うよ。なぜなら、彼らも知らないからだ」。

後輩の公務員:
「では、食事をした私の友人である新聞記者に、何を漏らしたのか問いただします!」。

先輩の公務員:
「それも無理だと思うなぁ。本人も自覚していないだろうから」。

後輩の公務員:
「それなら、せめて先輩が教えてくださいよ」。

先輩の公務員:
「知るわけないだろ。知っていたら俺が逮捕されてる。
それに知っていても言えない」。

まるで漫才ですが、これが現実です。

裁判所の裁判官も何が秘密指定されたのか知ることができないし、弁護士も知ることができないのです。
裁判官が正当な判決を下そうと、資料を取り寄せようとすれば、未遂事件になりと、これも拘束される可能性が出てきます。
弁護士も同様です。

秘密保護法案は、司法の「死」をも意味するのです。

ほとんどの国民は、法律の威力に直に接したことがないでしょう。
どんな法律も時間の経過とともに、最初の精神が失われて条文に書かれている文言だけが一人歩きします。そのときどきの為政者が、それを悪用しようとすれば、いくらでも拡大解釈できるのです。
だから、霞が関文学における「もしくは」、「あるいは」という言葉や「句読点」に細心の注意を払う必要があるのです。

ここに「悪魔は細部に宿る」のです。

集団的自衛権の行使、改憲、そして秘密保護法案が大きく前に進んだのは、今年1月に起こったアルジェリア・天然ガスプラントでの人質殺害事件がきっかけです。
これは、明らかに日本人を狙い撃ちにしたテロでした。
アメリカの中立の専門家たちは、背後で、アルカイダ系イスラム武装勢力を操っていたのはCIAであると断定しています。

このとき、現地の大使館はまったく動きませんでした。
また、安倍総理も、「致し方のないこと」で終わり。

上手に芝居ができなかったのが、石破茂でした。
彼は、テロ襲撃事件が起こってから4日後の20日、唐突に自衛隊法の改正を言い出しました。

石破茂の自衛隊法の改正などという話は、テロの被害者の救出が目的ではなく、米軍との集団的自衛権の実現を目的にした「予行練習」であることを見抜けない国民は、テロに苦しめられているアルジェリア、マリの国民と同じくらい不幸な目に遭わされるでしょう」と書いています。

このテロの悲劇を、集団的自衛権の行使に結びつけるのであれば、このイカサマ政権は終わりであると書いているのですが、それがこの秘密保護法案です。

この法案は違法ですが、では、これが法律として機能するのか、という話です。
この法案は官僚が書いたものではないでしょう。

こんなザル、穴だらけの法案を書けと言われても官僚ならできないでしょう。
官邸のゴーストライターが書いたはずです。
このデタラメ度は、日本の恥。

昨日、最高裁が、2012年暮れの衆院選に対して「違憲状態」との判決を下しました。
全国の高裁が、「違憲」、「違憲状態」、「無効」という判決を下している割には、一歩後ずさりした判決です。

「読めば読むほど味の出る良い判決だ」。
自民党の細田博之幹事長代行は20日夕、党本部で記者団に笑みを浮かべたとか。
この政党を野放しにしておけば、ガバナンスがないのですから、「我こそは法である」とばかり、ますます暴走するでしょう。

いよいよ次はFEMA。
とうとう戦争の足音が聞こえてくる。
いや、デォルトというナイアガラ瀑布の音か。

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