
「作家『百田尚樹』終わりの始まり」
美談とメディアが喧伝してきた『殉愛』の嘘を暴いた本・『殉愛』の真実の最終章のタイトルです。
ノーベル賞候補作家・村上春樹氏の歴史認識についての発言に噛みついた『殉愛』の作者、百田尚樹氏。またまた墓穴を掘ってしまいました。
安倍晋三の茶坊主の終わりが近づいています。
「殉愛」の評価は8割以上が「ブー」
本の売り方には、数えきれないほどの方法があります。
いちばん際どいのが、バイブル商法と言われている手法で、特に健康本に多いようです。
違法スレスレの手法で、当局が目を光らせている方法です。
一般の読者には、その本の内容が正しいのかデマなのか見分けがつきません。いわゆる「権威と肩書」を利用してデマを信じ込ませる、えげつない販売方法のひとつがバイブル商法です。
しかし、もっと、えげつない販売方法があるのです。
「御涙頂戴」を巧妙に利用した方法です。
その中でも、これから紹介する方法は古典的な販売方法で、特に目新しいものではありませんが、人間の情動を奮い起こして購買意欲を引き出すという、情緒的な日本人に大変よく利く手法です。テレビを使った一種の洗脳と言える手法。
最近、本をよく注文するようになりました。
その際、最近のベストセラーの何冊かをAmazonの数々の集計結果を利用して何気なく調べてみました。
そこで、私にとっては、驚くべきことを発見しました。
この手の小説としては、空前の大ヒットであるにもかかわらず、1165件ものカスタマーレビューのうち8割以上が「星1つ」という信じられない低評価に甘んじている本です。(最初、騙されて買った人が大絶賛のコメントを投稿していたが、事実を知ってから、コメントを削除しているので、数は減っている)
「星1つ」とは、通信簿の「1」と同じで、それを読んだ読者から静かなブーイングを浴びせられている、ということです。

それは、百田尚樹氏の大ヒット作『殉愛』です。
百田尚樹氏は、あまりにも下品で無知なので、まったく関心がなかったのですが、この件では、俄然興味が湧いてきました。
『殉愛』は、故人となった「やしきたかじん(家鋪隆仁)」の末期を描いたノンフィクションと銘打って、メディアがいっせいにパブリシティーを打って、ベストセラーとなった本です。
週刊誌や新聞のレビュー、テレビの追悼特番は、これでもか、というくらい美談と持ち上げたのです。
異常なくらい、それは盛り上がったのです。
しかし、後になって、書かれていることのほとんどが嘘であったことが判明したから、さあ大変。
「やしきたかじん嫁さくら、全然『殉愛』じゃない?百田尚樹の黒歴史になるか?」といったネット探偵たちが、その虚構を次々と暴き出したのです。
さらに、たかじんの実の弟である家鋪渡氏が、『殉愛』の内容が、あまりにも事実と異なり、捏造につぐ捏造によって、兄である、たかじんの名誉が傷つけられていると、『殉愛の真実』という本をフリーライター・西岡研介氏の手を借りて出版したから、「百田-さくら連合」は、一転して窮地に追い込まれてしまったのです。
宝島社が、義憤を感じてその版元になりました。
メディアが総力を挙げて販売攻勢をかけた『殉愛』にはかなわなかったものの、『殉愛の真実』も大ヒットとなったのです。カスタマーレビューも、95%が「星5つ」。『殉愛』とは真逆で、前代未聞の現象が起こっているのです。

テレビ、新聞、週刊誌がこぞって絶賛した『殉愛』のカスタマーレビューがボロクソで、その嘘を暴いた『殉愛の真実』が信じられないほどの高評価になる、という現実。
いかにメディアの洗脳が凄いか、如実に表しています。
それならいっそのこと、最初にデタラメ本を出してネットで広め、話題が沸騰してきた頃を見計らって正義の味方が登場。「我こそは真実を語る者ぞ」とメディアが演出すれば、いちやく人気者になれます。
最初のデタラメ本は、法律に抵触しない限りは「言論の自由」によって何だって書くことができるのです。人々が好みそうなセンセーショナルな話題なら売れるでしょう。
それがセンセーショナルであればあるほど、それを暴露する反対本も売れることになります。
しかし、双方、反対の主張をする二つの出版社は、実は同じ株主によって運営されていたりするのです。
つまり、敵対する者同士が同一人物であったり、同じグループなのです。
実は水面下で彼らが相談しているのは、「喧嘩は止めよう」ということではなく、いかにして芝居を打ちながら儲けようか、ということなのです。
芝居がうまければ、往復で二度儲けることができる、というわけです。
これは世界支配層の常套手段です。
出版界は、シコシコやっていないで、こうした新手のプロモーションを考えたらどうか。
・・・いやいや、冗談です。
ともかく、読者は、その女性(さくら)の実像が徐々に明らかになるにつれて、「百田に騙された」と、ネットは炎上、その後の百田の開き直った言動が、さらに火勢を煽ったのです。
どういうことかというと、こちらを読めば大方分かります。
たかじんの死の直前、近づいてきた若い女性がとんでもない人間だったという話。
結果として、百田氏は、その女性から聴き取った話を妄想の中で膨らませ、美談に仕立て上げてしまったことが分かったのです。
つまり、ノンフィクションどころか、完全なる空想の産物。いや、妄想の産物。
にもかかわらず、今でもこの本はノンフィクションとして売られているのです。これでは、買わされた読者が「詐欺」と言っても責めることはできません。
百田尚樹氏は、たかじんの遺族には一切取材していません。
なぜ、百田氏は、この女性の言うことだけを信じたのか、その謎を巡って諸説が飛び交っています。
大方の読者(騙されて本を買った人たち)が、「小保方晴子に故笹井芳樹氏が騙されたSTAP細胞問題とイメージが重なる」と言っているように、百田氏が、この女性に「入れ込み過ぎた」のです。
百田氏は、同情心が強く涙もろい性格ですが、虚と実の区別がつかなくなる夢想家です。
と、ここまでは、私などより読者のほうが詳しいかもしれません。
泣けないのに泣かなければならないプレッシャー
この本は、スマップの中居君が司会を務める「金スマ」でブレイクしました。なんと、2時間の枠いっぱいを使って、パブリシティーを打ったのです。
出演者は、司会の中居君の他、大竹しのぶ、ベッキー、假屋崎省吾、室井佑月、秋野暢子の5人。
もちろん、この特番は、売らんかなのヤラセです。
この動画は1時間半の長丁場なので、ポイントを簡単に説明しておきます。
まず、出演者の中では、たかじんともっとも親しかった秋野暢子は、このヤラセ御涙頂戴番組に、最初のうちはどう対処したらいいのか戸惑いが見えます。
假屋崎省吾、室井佑月は、坦々と参加しているだけ。
大竹しのぶ、ベッキーは、最初はやや懐疑的でしたが、徐々に感情移入していき、最後には、とうとう涙を流し始めたのです。
それに釣られるようにして、最後は秋野暢子も、持ち前の女優魂を発揮して、やっと、他の出演者と歩調を合わせて「泣けるよう」になったようです。
たかじんにとっての最後の女性の献身的な物語を、「うそくっさー」と心の中で思いつつも、この男が涙しだしたのを“トリガー”として、「よっし、これなら泣ける!」と思ったのでしょう。
泣けないのに泣かなければならないプレッシャーは、芸能人くらいしか経験する機会がないでしょう。
上の動画を観てください。
百田尚樹氏は、自分にカメラが切り替わったと見るや、顔の筋肉を大げさに動かして泣き芸をやっています。(1:31:19)
完全な芝居です。この男は、欺瞞に満ちています。
中居君だけは、百田氏や秋野暢子の「やりすぎ」を見て、「これ、ヤベーんじゃないか、後々を考えて、うっかり賛同できないぞ」と慎重な態度に徹しています。
彼は、放送作家出身です。こうした間合いは心得ているはずです。きっと、必要な時に涙を出すことができる人なんでしょう。
「いや、百田さんは本当に悲しんでいるんだよ、そんな見方をするなんて、なんて人が悪いんだ」・・・
はいはい。そんなことでは、これから先は生き残れません。
私は、こうしたヤラセ、仕込みの打ち合わせ現場を見てきたのです。メディアの世界では、珍しくありません。(私はマスコミ関係者ではありませんが)
ひと頃の新宿ゴールデン街の酒場では、週刊誌の記者たちがヤラセ企画の打ち合わせなどをやっていたのです。
あの古館伊知郎キャスターでさえ、事前の打ち合わせをしていたことが古賀茂明氏の証言によって分かったでしょう?
あなたが観ているのは、すべてショーです。結果ありきのショーなのです。
「泣いてから読むか、読んでから泣くか」
でも、なぜテレビ局は、本1冊のために2時間スペシャルの特番を組んだのでしょう。
『殉愛』の版元は、幻冬舎という破竹の勢いで売り上げを伸ばしている出版社です。
社長は見城徹氏。ギョーカイ内では在日と言われている人です。
だから、たかじんには特別な思い入れがあったのかも知れません。
また、熱が冷めない(たかじんの死の悲しみが人々から去っていかないうちに)うちに、バンバン売っちまえ!ということもあったのでしょう。
見城社長は、もとは角川書店の社員でした。
「観てから読むか、読んでから観るか」というキャッチコピーを使って、莫大な広告宣伝費を投入したメディアミックスというプロモーション手法で、数々のヒットを飛ばした角川商法を間近で見てきた人です。
インターネットのない時代では、「広告宣伝は一定量までは本と映画の売上げに比例する」という経験則がありました。
見城氏はそれを身を持って体験したはずです。
しかし、今は「観てから読むか、読んでから観るか」の角川商法は通用しません。ネットの時代は、ターゲットのセグメントとクロスメディア戦略なしに成功はおぼつかないのです。
レコメンド広告のように、「あなただけ」が必要なのです。
そうなると、本を爆発的に売る方法は、二つです。
一つは、テレビに露出させるも、広告費を払わない。
二つ目は、人間すべてに共通している基本的な「感情」に訴えること。
この二つです。
一つ目の「テレビには出るが、広告費が発生しない方法」を考える必要があります。それが「金スマ」スペシャルでした。
たかじんは話題性がありました。
一方では、その背景に百田氏のバーニング周防の黒い人脈があったとする見方があります。
周防氏は、芸能界のドンと言われている男で、テレビ局すべてにプレッシャーをかけることができるほどの“実力者”です。「金スマ」に企画を押し込むことも可能でしょう。
もう一つは、幻冬舎の見城社長の人脈。それは、安倍首相であることは書きました。
テレビ朝日の早河洋会長兼CEOを、安倍首相に引き合わせたのが見城社長でした。その後、見城氏はテレ朝の放送番組審議会の委員長に就任したのです。
百田氏の架空の作り話『殉愛』を、ノンフィクションとして売りに売った幻冬舎の社長が、放送を審議する立場に立ったのです。幻冬舎の本がテレ朝の番組で次々と紹介され、売り上げを伸ばしてきたことは事実です。
もちろん、広告費(パブリシティー費)など発生していないはずです。
二つ目の、人間すべてに共通している基本的な「感情」に訴える、ですが、何が情動となって人々を一つの方向に動かしますか?
それは、「涙」です。
昔から「女の涙には勝てない」、「鬼の目にも涙」と言います。多くの戦争に「涙」が利用されてきたことも事実です。
「観てから読むか、読んでから観るか」ではなく、「泣いてから読むか、読んでから泣くか」・・・
現代人のカタルシスとしての「泣くこと」を市場化したのが第二の角川書店・幻冬舎です。
金スマは、このパターンで清原和博の2時間スペシャルを組みました。清原和博の本も幻冬舎から出ています。
現役時代から薬物疑惑と暴力団との交際など、数々のスキャンダルに巻き込まれ、今では離婚、そして自宅億ションの差し押さえと、人生どん底の身の清原ですが、彼の場合はうまくいかないでしょう。なぜなら、百田氏のように泣き芸ができないからです。
その角川書店という名称ですが、とうとう完全に消えることになりました。角川商法が通用したマスの時代は、遥か昔です。
さて、『殉愛』で大きく評判を落とした百田尚樹氏ですが、ノーベル賞候補作家、村上春樹氏に噛みついています。
村上氏が歴史認識に触れて、「相手国(韓国・中国)が納得するまで謝罪することが必要だ」と述べたのに対して、百田氏は、「小説家なら、相手が『もういい』と言う人間かどうか、見抜けそうなもんだ」と、いつものように傲岸不遜な態度で村上氏を批評しました。
それなら、なぜ百田氏は、たかじんの最後の女性、さくらさんに騙されたのでしょう。彼が村上春樹氏に言ったように、「小説家なら、見抜けないとダメ」でしょうに。
また、「自分が韓国に行って謝ってきたらいいのに」と発言。この百田という人は、ちゃんとした知識を持っているのでしょうか。白痴B層を味方につけて批判するやり方は、もっともグロテスクな手口です。
百田氏は、とうとう、たかじんの実の娘さんに訴えられてしまいました。
安倍晋三が俺のバックだ、と強気です。バーニングの周防だって俺の味方だ、とね。
こうした“虎の威を借りて”虚勢を張っている時点で、この人の書くものが権威主義によってゆがめられていると考えなければならないのです。彼の書くものは読むに値しない、ということです。
しかし、なぜ百田氏が、ここまで嘘を押し通そうとするのでしょう。
彼にはわずかの義侠心と犠牲的精神があります。
きっと、“さくらミラクルワールド”の迷路に入って出られなくなってしまったのでしょう。彼自身が、自分からマインド・コントロールの渦の中に飛び込んでしまったのです。
また、彼は、それを望んでいるように見えます。彼の心の奥底には、「騙されたい」というマゾヒスティックな願望があるのでしょう。
でも、大丈夫。百田氏には、衆人環視の中でさえ、嘘泣きと誰でも分かる泣き芸を平気で披露する厚顔無恥が備わっていますから。これからも彼なりに、面白おかしく本を売っていくでしょう。
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