
12日、TPA/TAA法案は実質的に否決され、16日にTAA(貿易調整支援法案)だけ個別に再採決されることが決まりましたが、その口の端も乾かないうちに、再び延期が発表。最長で7月末までに再採決が延期されることが決められたのです。
さらに、今朝になって、「本日18日に、TPAとTAAを切り離して別個に再採決に入る」という突然の報が入ってきました。
再採決は、通常であれば、日本時間で、(おそらく)午後11時ころから明け方の午前3時の間とみられます。
採決の模様は、ホワイトハウスのライブ映像で見ることができると思いますが、それが、まだ確定とは言えません。
たった4日でTPAの修正案が出てくるTPP推進派の拙速と焦り
12日、TAA(TPP締結によって生じた失業者を支援するための労働者支援関連法案)が、米・下院で大差で否決されたことから、TPPの交渉妥結に関する全権をオバマ大統領に一任するTPA(大統領貿易促進権限: 通称 ファストトラック)が事実上、否決されたことになりました。
TPAが事実上の可決となるには、セットの法案であるTAA(貿易調整支援法案)も可決されなければなりません。
そもそも米国民の民意の反映である米議会の判断ではTPPの妥結は困難だからこそ、裏道の高速直線道路としてファストトラック(TPA)を考え出したわけです。
ただし、TPAは《賛成219、反対211》の、わずか8票差とはいえ、すで可決されているので、TAAには再チャレンジのチャンスが与えられます。
それが16日に予定されていた再採決だったのですが、TAAが《反対302、賛成126》で、圧倒的反対で否決されているので、再採決を行っても、確実に否決されることが分かっています。
だから、慌てて推進派の共和党と民主党の寝返り派が、いったん冷静になって最長で7月末まで延期としたわけです。
この間に、なんとかTPP推進派のロビー活動を活発化させて、反対派議員たちの切り崩し工作を行おうということです
しかし、ロイターの今朝のニュースでは「米下院、18日にTPA法案を再審議」と報じられています。
18日にTAAの再採決を行うというのであれば、最初の取り決めのとおり、「最長で7月末まで再採決を引き延ばす」という延長ですから、驚くに当たらないのですが、どうも、そうではないようです。
新しい案は、「TPAにTAAを抱き合わせる」というしばりをかけないため、両方を別個の法案として切り離し、すでに《賛成219、反対211》の僅差で可決しているTPAの修正案(おそらく、TAAの一部の特別条項を含ませたものだろう)を作成して再審議に入る、というもの。
つまりTPPによって失業した労働者の救済策であるTAAは無視してよい、ということ。
その代り、TPAの中身を充実させたので、コチラだけを審議するように、と言っているのです。
「最長でも7月末まで」TAAの再採決を引き延ばしたところで、可決される望みは少ないので、すでに下院を通過しているTPAに「おまけ」をつけて、押し込んでしまおうという魂胆なのです。
確か、日本の経産大臣は「フロマン通商代表と丁々発止、交渉を重ねてきた」と言っていましたが、実は、これも日本の経済界(自民党の金づる)と国民(大多数が反対派)を失望させて無力化させるための大芝居であったことが分かったのです。
フロマン通商代表との交渉など行わなくとも、「日米並行協議」というラウンド外で行われている秘密交渉で、とっくに妥結へ向けての合意に至っていたわけです。
寿司グルメ接待を受け続けているマスコミは、そうした裏舞台を知りながら、いかにも交渉が難航しているかのような報道を行い、情報を小出しにしながら国民を油断させてきたのです。これは、本当に罪深い犯罪行為なのです。
つまり、どんぐりコロコロは、長い間、国民を欺くための芝居を続けてきたということです。
これでオバマにファストトラックを与えられなければ、どんぐりコロコロは、本当にお池にはまってしまうでしょう。
その肝心のオバマは、去年、大統領権限のたびかさなる乱用によって裁判所に提訴されているのです。
時間を置けば置くほど、こうしたことが次々と明らかになって、オバマにとっては不利になります。
また、カウンターパートの自民党にとっても、ただ国民に心労を与えただけのとんでもない悪徳政党だ、ということになって、今後の安保法制にも影響が出てきます。
これは、日本側からの要望もあったのかも知れませんが、何がなんでも通してやる、という妄執さえ感じます。
特に、TPP推進派の読売が、嬉々として報じていることからすれば、逆転の可能性が出てきたことを言いたいらしい。
いずれにしても、ロイターと読売新聞の報道との間には、例にもれず微妙にズレがあるのですが、どうも、こういうことらしい。
「8月からは、大統領選モードに入る。いたずらに引き延ばすことは、かえって推進派にとっては不利になるし、国民はますます反発するようになる。
であれば、TPAの中に特別条項として、救済案をほのめかす文言を入れて修正案とし、採決した方がまだ勝算がある」
と判断したということです。
このまま、ドーハ化(塩漬け)するより、早く決めるリスクのほうを選んだ
この背景について、少し書いておきましょう。
米議会と政治家は、早くも来年の大統領選に向けて、マスコミ合戦を開始しています。
今度の大統領選では、法律で決められている最長期間8年の任期をまっとうするであろうオバマの再選はありません。
民主党、共和党とも、多くの候補者を擁立し華麗な選挙戦が展開されるでしょう。これが、彼らのお祭りです。
だいたい8月以降は、法案の審議などすっぽかしで、各議員も大統領選に向けて準備します。大統領に誰が選ばれるか(実は、それは現時点です、すでに決まっているのだが)は、己の議員生命を延命させたり縮めたりするからです。
民主党からは、ヒラリーが早くも立候補を宣言しています。
彼女がほのめかしている公約は「UFO情報の開示」ですが、オバマでさえ、それを言いながら約束を履行していないのですから、アメリカのUFOフリーク以外、ほとんど関心を示していません。
そして、ここにきて、共和党からブッシュ元大統領の弟、ジェブ・ブッシュが大統領選出馬の意向を示してから、ヒラリーはさらに政策の違いを強調するために、オバマのTPP関連法案すべてに反対の意を表明したのです。
アメリカの政治家には、日本のように党議拘束がかかっていないので、親分のオバマが推し進めようとしている法案でも、同じ民主党の議員が反対して潰すということは、よくあることなのです。
かといって、後腐れもなく、それが個人の政治家として、あるべき姿であると考えられているのです。
だから、同じ党内で、ヒラリーがオバマ潰しに動くことは、アメリカ議会では、むしろ歓迎すべきことなのです。
日本は、これとまったく逆。議員は「党議拘束」でがんじがらめにされているので、親分に逆らえば懲罰の対象となるのです。
日本では、政界でさえ、敵前逃亡者を死刑にせよ!という軍法会議と同じ構造が残っているのです。

ワシントンのグローバリストと、そのエージェントの竹中平蔵に騙されて、徹底的に日本を売り尽くそうとした小泉純一郎の郵政解散選挙で、唯一棄権した小泉チルドレンの言い分を聞いてやってください。
「今まで不本意でも仕方なく法案に賛成してきた。自分の親である小泉さんを裏切れなかったんですよー」とハマコーに逆ギレする大仁田厚という仁義に熱いファイヤー男。
彼が言っているのは、郵政民営化には反対だが、親分の小泉にも可愛がられたい、という虫のいい言い分です。
この時点で、大仁田は自分に投票してくれた有権者を裏切っているのです。
だから、もともと日本には民主主義などないのです。
これが党議拘束です。
さて、米議会に話を戻しますが、ヒラリーがオバマの次の大統領として名乗りを上げ、さらにはTPPに明確な懸念を表したことから、TPPは絵に描いた餅、“ドーハ化”必至かという流れになっています。
その場合、以後のオバマ政権はレイムダック化します。

オバマとて、議員たちが大統領選に向けて本気モードに入る今年の8月までTPAを手に入れなければ、ほぼ塩漬けになってしまうことを知っています。
そもそもTPPは、議会(アメリカ国民の民意)から出てきたものではありません。
多国籍企業の談合によって、多国間貿易協定の装いを持った国際銀行家の支配の道具として放たれたものです。
国際銀行家のあやつり人形であるオバマは、彼らの代理人として議会に提案しただけなのです。要するに、経団連が一枚岩になって、「原発動かせー」と言っているのと同じ構図です。
あたかもアメリカと日本の民意であるかのようにメディアは書きたて、既成事実化するための三文役者(自民と官僚)たちが、テーブルに着いたと報じてきましたが、ただのトピックに過ぎなかったわけです。
だから秘密にすることが許されましたが、正式な採決するとなると情報を開示せよ、とアメリカの議員が迫ったため、反対派も確信を深めたのです。日本は、まったく逆で、一切の情報を出しません。
その結果、何が起こるか・・・
経団連の子泣ジジイと担当大臣のどんぐりコロコロ、そして親分のピッカピッカの小学一年が、責任のなすり合いをやった末、官僚の何人かが飛ばされるのです。
TPP利権にあやかろうと、方々の企業からコンサル料をせしめていた前の対策委員長、西川大魔神は雲隠れ。
そして、どんぐりコロコロにも使途不明金疑惑が。
まったく救いがたい連中です。
どいつも、こいつも金儲けのために国民を見殺しにする輩であることは変わりがない。
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