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「日本の力を信じてる」って、あなたはどこの国の人?
ACジャパン(旧公共広告機構)は洗脳CMです。
未曾有の大震災のこのときに、どんより気分が重くなるようなキャンペーン広告を、繰り返し流し続けるACジャパンとは何者だ、と多くの苦情が殺到したため、急遽、コンテンツを作り変え、例の「エーシー」という軽薄極まりないサウンド・ロゴを抜いた新バージョンが流されています。
それは、若手タレントを多数起用し、「日本の力を信じてる」とキャンペーン・メッセージを発するものですが、なにやら、空しい響きに聞こえてしまうのは私だけではないでしょう。
日本人なのに、「日本の力を信じてる」とは何を言っているのだろう、と大いに違和感を感じます。
こうした不気味なキャンペーン広告を流し続けるACジャパンのセンスも問題ですが、何より、メディア側の暴力的とも言える大量CMには、きっと裏がある、と勘ぐるのはしごく当然のことです。
特に、仁科亜季子親娘の「子宮頸がん検診の勧め」のキャンペーンCMは、10分おきに流されており、明らかに異常なことです。
しかし、この広告のクライアントである日本対がん協会は、HPでこのように事情説明を行なっています。
「しかしながら今回の東北関東大震災では、多くのスポンサーが自社CMの放送を取りやめたため、テレビ局などでは私どものACジャパンのCMが繰り返し放映される状態となってしまいました。
対がん協会では、ACジャパンを通じて各テレビ局や民放連にがん検診のCMを減らすように依頼して参りましたが、テレビ をご覧の皆様にはご不快な思いを抱かせる結果になってしまい、誠に申し訳ないと思っています」。
日本対がん協会には、特に意図はないように見えます。
そうかも知れないし、そうでないかもしれない。
はっきりしているのは、テレビ局の営業・編成に、「子宮頸がんの恐怖」を過剰に煽るようなCMを大量露出させるように指示した人間たちには、大いに問題あり、ということでしょう。
それが副作用が危険視されている子宮頸がんワクチンの安易な接種につながるのではないか、という心配も出てきます。
こうしたメディアの、どうにも異常なスポット広告枠の設計が不気味だ、と多くのブロガーが指摘しています。
もっとも多いのが、「日本広報学会=ACジャパン=日本広告学会=東京電力」と強引な関連付けをしたもので、日本広報学会の会長が東電社長(現在、マスコミ追及を逃れるために“緊急入院”している)の清水であることから、陰謀論が沸騰しているようです。
これは、まったくの間違いです。
この誤った情報を自分で確認しないまま、素人ブロガーたちが、彼らの大好きな「拡散~、拡散~、龍角散」とやっているだけです。
彼らは、知らないうちに自分がディスインフォーマーに仕立て上げられていることに気づいていないのです。
そして、何も知らない閲覧者は、それを信じてしまうのです。少し考えれば分かることなのですが…。
確かに日本広報学会の会長は東電社長の清水です。
しかし、「日本広報学会=ACジャパン=日本広告学会=東京電力」というのは、まったくの妄想です。
これらの間には、特に関係がありません。
日本広報学会は、つまりは、パブリック・リレーションの在り方を模索する集まり。
日本広告学会は、どちらかというと、コンテンツとコミュニケーションの在り方を研究したり開発したりするグループ。メンバーは大学のコミュニケーションを専門とする学者たち、賛助会員は広告代理店です。
同じ広告とはいえ、両者は、まったく目的と質を異にするものです。別のものです。
もちろん広告コミュニーケーション、という点ではリンケージしていますが。
東電の清水は、副社長時代に東電の広報担当だったことから、日本広報学会のお飾り会長として据えられたに過ぎません。
この人に、日本国民をマインド・コントロールする能力などないことは、東電の記者会見の醜態を見れば一目瞭然でしょうに。
ですので、「日本広報学会=ACジャパン=日本広告学会=東京電力」という誤った連想に幻惑されてしまうと、本当に大切なことを見失ってしまいます。
まず、視聴者から苦情が殺到したという、ACジャパンの大量CMについて。
広告主=企業からのバジェット(年間広告予算)を、アカウント(広告の計画・実施。仕切りすべてを行なう権限のようなもの)を任された広告代理店が費用対効果の最大化を考えて、テレビ局などのメディア側とスポット枠を相談して決めます。
このときに、ゆるやかな契約関係を結ぶ場合もありますから、もし企業側の事情によって、押さえていたスポット枠にCMを流せなくなった場合には、キャンセル料などを支払わなければならなくなります。
イメージ・キャラクターとして起用していたタレントが重大なスキャンダルを起こして、CMを流せなくなった場合などが、これに当てはまります。
さっそく、広告主は、広告代理店を挟んで、メディア側と交渉します。
たいていは、代替案を出して、ことなきを得ます。
メディア側とて、大事な広告主に対して「キャンセル料を支払え」とは言えないのです。
今回の場合は、未曾有の大災害ですから、広告主である企業もCMを自粛せざるを得なくなります。
すべて広告主が降りてしまうと、テレビ局などは大打撃です。
そこで、特例社団法人であるACジャパンが、緊急時対応策として、主に会員企業が押さえておいたCMのスポット枠を消化します。
ACジャパンの会員企業は、日経225を構成するような、日本の経済の屋台骨となっているような大企業ですから、それだけ多くのスポット枠を押さえているはずです。
それらの企業が、「こんなときにも、自分の会社の商品を広告するのかいな」とばかり消費者の反感を買うことがないように、ACジャパンに肩代わりさせるのです。
もちろん、テレビ局などのメディア側とて、事情が事情だけにスポットCM料金をダンピングしているはずです。
そして、後にACジャパンは、肩代わりした企業に対して、一定の広告料を請求するはずです。
だから、数分ごとに、ACジャパンのキャンペーン広告が流されるのは、会員企業が押さえていたスポット枠が、いかに多いか、ということが分かります。
広告主の企業も、テレビ局とは「ぬきさしならぬ関係」ですから、互助の精神で、結局は、「なあなあ」で処理されるのです。
いちばん大変なのは、広告主の企業です。
ACジャパンに取って代わったことで、本来は企業の商業広告のはずが、直接の営利目的ではないACジャパンの公共広告になったので、取り決め時の正規料金ではなく、大部、割り引いた広告料を支払うことになります。
せめてもと、広告主の企業は、自社キャンペーン・キャラクターに起用している芸能タレントを使って、公共キャンペーンCMを制作して流します。
スマップなら、スマップをCMに使っている企業、トータス松本なら、トータス松本使っている企業。
視聴者は、ACジャパンの震災キャンペーンCMで、スマップが「みんなでやれば大きな力になる」と言えば、視聴者は「スマップはいい奴だ」というように、ますます好印象を持ちます。
そして、スマップがCMに出ていた企業の商品を、半ば無意識のうちに購入するのです。
そういう意味では、ACジャパンの震災キャンペーンCMは、完全な公共広告と言えるかどうか。
少なくとも、識閾下に「何か」を埋め込まれていることは確かです。
洗脳CMと言ってもいいと思います。
もちろん、ACジャパンは否定するでしょうけれど。
まあ、広告すべてが、洗脳ツールであり、それを目的としたコンテンツなのですから、いまさら、という感じですが、今回のACジャパンのようなキャンペーンCMは、視聴者には、「それと分からずに」必然的に、遠まわしに企業広告をしているのと同じことになるわけです。
だから、視聴者は、それを敏感に感じ取って、ACジャパンに抗議の電話を入れたのです。
ただ、ACジャパンのキャンペーンCMは、どうして、いつも、あれほど暗い雰囲気のものばかりなのでしょう。
もちろん、電通、博報堂などの大手広告代理店は、多くの別案を提示しているはずです。もっと、希望を持てるような、溌剌としたCM案も多く提示しているはずです。
にも関わらず、それらの広告代理店からプレゼンテーションを受けた後、「あのような憂うつになるようなCM案」を採用するACジャパン側の幹部連中は、センスが、少しおかしい、ということになります。
ただ、今回のACジャパンの震災復興キャンペーンCMには、明らかに重大な意図があります。
ACジャパンは、節電キャンペーンCMも流しています。
しかし、とてもではありませんが、公共広告と言えるようなものではありません。節電啓蒙でもありません。ただの「告知」に過ぎません。公共広告というのであれば、「電気を考えよう、原子力発電を考えよう」と、こうすべきです。
でも、そんなことは絶対にありえないのです。
なぜなら、原発を正当化できる広告プランナーはいないからです。いるとすれば神だけです。それほど原発は矛盾をはらんでいます。
このことは、マスコミの世界では、昔から言われていることです。
そして、優秀なプランナーとコピーライターを何度も起用して、国民を原発推進へ駆り立てようとしてきましたが、そのたびに失敗してきたのです。
だから、今は、戦略を変えました。「国民を無関心でいさせること」に。
むしろ、今、流されているACジャパンの震災復興キャンペーンCMは、東北関東大地震から「福島原発災害」だけを切り離し、私たちの関心が原発に向かないようにコントロールしています。
そういう意味では、現在のACジャパンの大量CMは、一種のプロパガンダと言って間違いないのです。
これが「本質」なのです。
ですので、東電は「日本広報学会=ACジャパン=日本広告学会=東京電力」の連想記事を広めているブロガーたちに感謝していることでしょう。
なんと愚かなことでしょうか。
ACジャパンは戦争プロパガンダをやっていた組織を模範としている
ところで、このACジャパンという社団法人とは、いったい何者でしょう。
ACジャパンは、サントリーの創業者、佐治敬三が、1971年、アメリカのアド・カウンシルを模範として創設された経済産業省所管の特例社団法人。
では、このアド・カウンシルとは、どんな組織でしょう。
アド・カウンシル(Ad Council=The Advertising Council)
アド・カウンシルは、1941年に創設が発案され、ほどなくして、翌1942年の2月、戦意を発揚するためのキャンペーンを展開する目的で、広告業界を動員するため、戦争広告協議会として組織化されたものです。
最初の頃のキャンペーンは、アメリカ国民に、戦時公債の購入を奨励し、軍需物資(産業)の保護を奨励するものでした。
第二次世界大戦終結後、戦争広告協議会(The War Advertising Council)は、現在のアド・カウンシル(the Advertising Council)に組織名を変えて、平和時のキャンペーンに活動の中心を移したのです。
1945年、アド・カウンシルは、国家安全協議会(the National Safety Council)とともに活動を始めました。
戦争広告協議会(The War Advertising Council)は、特に1942年、連邦政府のために、プロパガンダ・キャンペーンを大成功させました。
第二次世界大戦で、徴兵に駆り出された男たちに代わって、重要な労働力になったのは若い女性たちでした。
そのお手本となったキャラクター、リベット女工・ロージー(Rosie the Riveter)を考え出して、軍需工場で働く女性たちのモチベーションを引き出したのです。
(ページトップの女性の画像)
アド・カウンシルの前身は、アメリカ国民を戦争に駆り出すためのプロパガンダ機関だったのです。
以上、Alexandra M. Lordの著書:
Condom Nation: The U.S. Government's Sex Education Campaign from World War I to the Internet
による。
だから、ACジャパンは、芸能タレントをイメージ・キャラクターに使うのですね。
ここでACジャパンの会員企業が、日本経済の屋台骨を支える名だたる企業ばかりであることに、再び注目しましょう。
福島第一原発災害で、日本のGDPはマイナス成長必至と言われています。
当然、会員企業の株価は下がるでしょう。
そして災害復旧のための赤字国債増発。
これがさらに株価を押し下げる要因になるかもしれません。
そして、銀行・生保などの金融機関が赤字国債引受を拒否した場合、政府、日銀は、いよいよとなれば、アメリカ、ヨーロッパ諸国、そして中国などにも赤字国債の引き受けを頼むかもしれません。
アメリカのオバマを始め、ヨーロッパ諸国のトップが、「日本への援助は惜しまない」という。
つまり、たっぷり恩を着せて日本の赤字国債を引き受けるかもしれません。
そして、アメリカの格付け会社は、もう一段の日本国債の格下げ。
そして、さらなる株価の下落。
誰が、日本の企業の株を買うのでしょう。
グローバル・エリートの企業でしょう。
ACジャパンの会員企業の株が外資に買い占められて、外人の持ち株比率が高められ、いよいよACジャパンは、プロパガンダ機関の本質を露わにするかもしれません。
なぜ、あれほど危険だと言われ続けていたにも関わらず、福島第一原発の点検を怠ったのでしょうか…。
ただし、これは、いまのところ、連想ゲームに過ぎません。
このシナリオで最悪のことは、もちろん、電力の自由化です。
これは、政府ではなく、世論喚起によるものでしょう。
「電力の自由化、あるいは、さらなる規制緩和」を言い出したら、本当に注意です。
次は、外資の大津波が日本経済を襲うかもしれません。
日本企業は早く防波堤を築いてほしいものです。
やはり出たFEMA待望論者
4月で、いったんテレビの仕事を止める池上彰が、福島原発特番の解説者、兼司会者を何度かやりました。
この特番が終われば、テレビの仕事から解放されるとばかり、池上の気の緩みが見えた番組でした。
内容は記者だったとは思えないほどチープでした。
特に、高速増殖炉やプルサーマルについては時間をかけて解説しておきなから、プルトニウムについては、軽く流してしまいました。
間違いなく、プロデューサーから「プルトニウムについては、あまり触れないで欲しい」と言われたに違いありません。
多くのマス・メディアがそうであるように、池上彰にとっても、東電はタブーだったのでしょう。
その池上が何を言ったか、というと…
「日本にもFEMAをつくる必要があるのではないか」。
この人はFEMAの本質を何も知りませんね。
ジャーナリストは彼の適職ではなかったようです。
メディアとプロパガンダ [単行本]
ノーム・チョムスキー 著 本橋 哲也 翻訳 2008/3/25刊
新品 2,310 円 配送無料
「日本の力を信じてる」って、あなたはどこの国の人?
ACジャパン(旧公共広告機構)は洗脳CMです。
未曾有の大震災のこのときに、どんより気分が重くなるようなキャンペーン広告を、繰り返し流し続けるACジャパンとは何者だ、と多くの苦情が殺到したため、急遽、コンテンツを作り変え、例の「エーシー」という軽薄極まりないサウンド・ロゴを抜いた新バージョンが流されています。
それは、若手タレントを多数起用し、「日本の力を信じてる」とキャンペーン・メッセージを発するものですが、なにやら、空しい響きに聞こえてしまうのは私だけではないでしょう。
日本人なのに、「日本の力を信じてる」とは何を言っているのだろう、と大いに違和感を感じます。
こうした不気味なキャンペーン広告を流し続けるACジャパンのセンスも問題ですが、何より、メディア側の暴力的とも言える大量CMには、きっと裏がある、と勘ぐるのはしごく当然のことです。
特に、仁科亜季子親娘の「子宮頸がん検診の勧め」のキャンペーンCMは、10分おきに流されており、明らかに異常なことです。
しかし、この広告のクライアントである日本対がん協会は、HPでこのように事情説明を行なっています。
「しかしながら今回の東北関東大震災では、多くのスポンサーが自社CMの放送を取りやめたため、テレビ局などでは私どものACジャパンのCMが繰り返し放映される状態となってしまいました。
対がん協会では、ACジャパンを通じて各テレビ局や民放連にがん検診のCMを減らすように依頼して参りましたが、テレビ をご覧の皆様にはご不快な思いを抱かせる結果になってしまい、誠に申し訳ないと思っています」。
日本対がん協会には、特に意図はないように見えます。
そうかも知れないし、そうでないかもしれない。
はっきりしているのは、テレビ局の営業・編成に、「子宮頸がんの恐怖」を過剰に煽るようなCMを大量露出させるように指示した人間たちには、大いに問題あり、ということでしょう。
それが副作用が危険視されている子宮頸がんワクチンの安易な接種につながるのではないか、という心配も出てきます。
こうしたメディアの、どうにも異常なスポット広告枠の設計が不気味だ、と多くのブロガーが指摘しています。
もっとも多いのが、「日本広報学会=ACジャパン=日本広告学会=東京電力」と強引な関連付けをしたもので、日本広報学会の会長が東電社長(現在、マスコミ追及を逃れるために“緊急入院”している)の清水であることから、陰謀論が沸騰しているようです。
これは、まったくの間違いです。
この誤った情報を自分で確認しないまま、素人ブロガーたちが、彼らの大好きな「拡散~、拡散~、龍角散」とやっているだけです。
彼らは、知らないうちに自分がディスインフォーマーに仕立て上げられていることに気づいていないのです。
そして、何も知らない閲覧者は、それを信じてしまうのです。少し考えれば分かることなのですが…。
確かに日本広報学会の会長は東電社長の清水です。
しかし、「日本広報学会=ACジャパン=日本広告学会=東京電力」というのは、まったくの妄想です。
これらの間には、特に関係がありません。
日本広報学会は、つまりは、パブリック・リレーションの在り方を模索する集まり。
日本広告学会は、どちらかというと、コンテンツとコミュニケーションの在り方を研究したり開発したりするグループ。メンバーは大学のコミュニケーションを専門とする学者たち、賛助会員は広告代理店です。
同じ広告とはいえ、両者は、まったく目的と質を異にするものです。別のものです。
もちろん広告コミュニーケーション、という点ではリンケージしていますが。
東電の清水は、副社長時代に東電の広報担当だったことから、日本広報学会のお飾り会長として据えられたに過ぎません。
この人に、日本国民をマインド・コントロールする能力などないことは、東電の記者会見の醜態を見れば一目瞭然でしょうに。
ですので、「日本広報学会=ACジャパン=日本広告学会=東京電力」という誤った連想に幻惑されてしまうと、本当に大切なことを見失ってしまいます。
まず、視聴者から苦情が殺到したという、ACジャパンの大量CMについて。
広告主=企業からのバジェット(年間広告予算)を、アカウント(広告の計画・実施。仕切りすべてを行なう権限のようなもの)を任された広告代理店が費用対効果の最大化を考えて、テレビ局などのメディア側とスポット枠を相談して決めます。
このときに、ゆるやかな契約関係を結ぶ場合もありますから、もし企業側の事情によって、押さえていたスポット枠にCMを流せなくなった場合には、キャンセル料などを支払わなければならなくなります。
イメージ・キャラクターとして起用していたタレントが重大なスキャンダルを起こして、CMを流せなくなった場合などが、これに当てはまります。
さっそく、広告主は、広告代理店を挟んで、メディア側と交渉します。
たいていは、代替案を出して、ことなきを得ます。
メディア側とて、大事な広告主に対して「キャンセル料を支払え」とは言えないのです。
今回の場合は、未曾有の大災害ですから、広告主である企業もCMを自粛せざるを得なくなります。
すべて広告主が降りてしまうと、テレビ局などは大打撃です。
そこで、特例社団法人であるACジャパンが、緊急時対応策として、主に会員企業が押さえておいたCMのスポット枠を消化します。
ACジャパンの会員企業は、日経225を構成するような、日本の経済の屋台骨となっているような大企業ですから、それだけ多くのスポット枠を押さえているはずです。
それらの企業が、「こんなときにも、自分の会社の商品を広告するのかいな」とばかり消費者の反感を買うことがないように、ACジャパンに肩代わりさせるのです。
もちろん、テレビ局などのメディア側とて、事情が事情だけにスポットCM料金をダンピングしているはずです。
そして、後にACジャパンは、肩代わりした企業に対して、一定の広告料を請求するはずです。
だから、数分ごとに、ACジャパンのキャンペーン広告が流されるのは、会員企業が押さえていたスポット枠が、いかに多いか、ということが分かります。
広告主の企業も、テレビ局とは「ぬきさしならぬ関係」ですから、互助の精神で、結局は、「なあなあ」で処理されるのです。
いちばん大変なのは、広告主の企業です。
ACジャパンに取って代わったことで、本来は企業の商業広告のはずが、直接の営利目的ではないACジャパンの公共広告になったので、取り決め時の正規料金ではなく、大部、割り引いた広告料を支払うことになります。
せめてもと、広告主の企業は、自社キャンペーン・キャラクターに起用している芸能タレントを使って、公共キャンペーンCMを制作して流します。
スマップなら、スマップをCMに使っている企業、トータス松本なら、トータス松本使っている企業。
視聴者は、ACジャパンの震災キャンペーンCMで、スマップが「みんなでやれば大きな力になる」と言えば、視聴者は「スマップはいい奴だ」というように、ますます好印象を持ちます。
そして、スマップがCMに出ていた企業の商品を、半ば無意識のうちに購入するのです。
そういう意味では、ACジャパンの震災キャンペーンCMは、完全な公共広告と言えるかどうか。
少なくとも、識閾下に「何か」を埋め込まれていることは確かです。
洗脳CMと言ってもいいと思います。
もちろん、ACジャパンは否定するでしょうけれど。
まあ、広告すべてが、洗脳ツールであり、それを目的としたコンテンツなのですから、いまさら、という感じですが、今回のACジャパンのようなキャンペーンCMは、視聴者には、「それと分からずに」必然的に、遠まわしに企業広告をしているのと同じことになるわけです。
だから、視聴者は、それを敏感に感じ取って、ACジャパンに抗議の電話を入れたのです。
ただ、ACジャパンのキャンペーンCMは、どうして、いつも、あれほど暗い雰囲気のものばかりなのでしょう。
もちろん、電通、博報堂などの大手広告代理店は、多くの別案を提示しているはずです。もっと、希望を持てるような、溌剌としたCM案も多く提示しているはずです。
にも関わらず、それらの広告代理店からプレゼンテーションを受けた後、「あのような憂うつになるようなCM案」を採用するACジャパン側の幹部連中は、センスが、少しおかしい、ということになります。
ただ、今回のACジャパンの震災復興キャンペーンCMには、明らかに重大な意図があります。
ACジャパンは、節電キャンペーンCMも流しています。
しかし、とてもではありませんが、公共広告と言えるようなものではありません。節電啓蒙でもありません。ただの「告知」に過ぎません。公共広告というのであれば、「電気を考えよう、原子力発電を考えよう」と、こうすべきです。
でも、そんなことは絶対にありえないのです。
なぜなら、原発を正当化できる広告プランナーはいないからです。いるとすれば神だけです。それほど原発は矛盾をはらんでいます。
このことは、マスコミの世界では、昔から言われていることです。
そして、優秀なプランナーとコピーライターを何度も起用して、国民を原発推進へ駆り立てようとしてきましたが、そのたびに失敗してきたのです。
だから、今は、戦略を変えました。「国民を無関心でいさせること」に。
むしろ、今、流されているACジャパンの震災復興キャンペーンCMは、東北関東大地震から「福島原発災害」だけを切り離し、私たちの関心が原発に向かないようにコントロールしています。
そういう意味では、現在のACジャパンの大量CMは、一種のプロパガンダと言って間違いないのです。
これが「本質」なのです。
ですので、東電は「日本広報学会=ACジャパン=日本広告学会=東京電力」の連想記事を広めているブロガーたちに感謝していることでしょう。
なんと愚かなことでしょうか。
ACジャパンは戦争プロパガンダをやっていた組織を模範としている
ところで、このACジャパンという社団法人とは、いったい何者でしょう。
ACジャパンは、サントリーの創業者、佐治敬三が、1971年、アメリカのアド・カウンシルを模範として創設された経済産業省所管の特例社団法人。
では、このアド・カウンシルとは、どんな組織でしょう。
アド・カウンシル(Ad Council=The Advertising Council)
アド・カウンシルは、1941年に創設が発案され、ほどなくして、翌1942年の2月、戦意を発揚するためのキャンペーンを展開する目的で、広告業界を動員するため、戦争広告協議会として組織化されたものです。
最初の頃のキャンペーンは、アメリカ国民に、戦時公債の購入を奨励し、軍需物資(産業)の保護を奨励するものでした。
第二次世界大戦終結後、戦争広告協議会(The War Advertising Council)は、現在のアド・カウンシル(the Advertising Council)に組織名を変えて、平和時のキャンペーンに活動の中心を移したのです。
1945年、アド・カウンシルは、国家安全協議会(the National Safety Council)とともに活動を始めました。
戦争広告協議会(The War Advertising Council)は、特に1942年、連邦政府のために、プロパガンダ・キャンペーンを大成功させました。
第二次世界大戦で、徴兵に駆り出された男たちに代わって、重要な労働力になったのは若い女性たちでした。
そのお手本となったキャラクター、リベット女工・ロージー(Rosie the Riveter)を考え出して、軍需工場で働く女性たちのモチベーションを引き出したのです。
(ページトップの女性の画像)
以上、Alexandra M. Lordの著書:
Condom Nation: The U.S. Government's Sex Education Campaign from World War I to the Internet
による。
だから、ACジャパンは、芸能タレントをイメージ・キャラクターに使うのですね。
ここでACジャパンの会員企業が、日本経済の屋台骨を支える名だたる企業ばかりであることに、再び注目しましょう。
福島第一原発災害で、日本のGDPはマイナス成長必至と言われています。
当然、会員企業の株価は下がるでしょう。
そして災害復旧のための赤字国債増発。
これがさらに株価を押し下げる要因になるかもしれません。
そして、銀行・生保などの金融機関が赤字国債引受を拒否した場合、政府、日銀は、いよいよとなれば、アメリカ、ヨーロッパ諸国、そして中国などにも赤字国債の引き受けを頼むかもしれません。
アメリカのオバマを始め、ヨーロッパ諸国のトップが、「日本への援助は惜しまない」という。
つまり、たっぷり恩を着せて日本の赤字国債を引き受けるかもしれません。
そして、アメリカの格付け会社は、もう一段の日本国債の格下げ。
そして、さらなる株価の下落。
誰が、日本の企業の株を買うのでしょう。
グローバル・エリートの企業でしょう。
ACジャパンの会員企業の株が外資に買い占められて、外人の持ち株比率が高められ、いよいよACジャパンは、プロパガンダ機関の本質を露わにするかもしれません。
なぜ、あれほど危険だと言われ続けていたにも関わらず、福島第一原発の点検を怠ったのでしょうか…。
ただし、これは、いまのところ、連想ゲームに過ぎません。
このシナリオで最悪のことは、もちろん、電力の自由化です。
これは、政府ではなく、世論喚起によるものでしょう。
「電力の自由化、あるいは、さらなる規制緩和」を言い出したら、本当に注意です。
次は、外資の大津波が日本経済を襲うかもしれません。
日本企業は早く防波堤を築いてほしいものです。
やはり出たFEMA待望論者
4月で、いったんテレビの仕事を止める池上彰が、福島原発特番の解説者、兼司会者を何度かやりました。
この特番が終われば、テレビの仕事から解放されるとばかり、池上の気の緩みが見えた番組でした。
内容は記者だったとは思えないほどチープでした。
特に、高速増殖炉やプルサーマルについては時間をかけて解説しておきなから、プルトニウムについては、軽く流してしまいました。
間違いなく、プロデューサーから「プルトニウムについては、あまり触れないで欲しい」と言われたに違いありません。
多くのマス・メディアがそうであるように、池上彰にとっても、東電はタブーだったのでしょう。
その池上が何を言ったか、というと…
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この人はFEMAの本質を何も知りませんね。
ジャーナリストは彼の適職ではなかったようです。
メディアとプロパガンダ [単行本]
ノーム・チョムスキー 著 本橋 哲也 翻訳 2008/3/25刊
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