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錯綜する原子力規制・調査機関の見解


東日本大震災と正式名称が決まったようです。

さて、マスコミ自身も「ただちに」、「今すぐに」、「人体に影響が出るレベルではない」という言葉に翻弄されてきました。

人は、この言葉に、束の間の安心を求めようとしています。

しかし、「ただちにではない」、「今すぐにではない」ものの、いずれ健康被害は明らかに出てくる、ことを意味していることは、実は国民がいちばん知っているのです。

いずれ、健康被害が出てくる可能性はある、のです。
その可能性の度合いが問題なのです。


そこで、「被曝線量の危険値について、統一基準」を求める声が高くなっているようです。
ニュース・キャスターは、とうとう、このように言い出しました。

「何を信じていいのか分からない。政府は、安全基準を1本化してほしいですね」。

原発事故で帰国求め自首 不法滞在容疑の中国人逮捕

なんと、この中国人は住んでいた千葉県から長崎県まで、被曝を恐れて逃げてきた、というのです。とうとう力尽きて警察に自首したのです。めでたく、彼が望んでいたように国外への退去強制となるのでしょうか。

この中国人は面白いですか?
私は、この中国人は、人騒がせかも知れませんが、彼の考え方は間違っていないと思います。

何を信じていいのか分からないのであれば、臆病になることは良いことです。

海外の原子力調査機関の言うこともマチマチです。

【WHOの3月18日時点の見解】
福島第一原発から半径20~30kmに住んでいる住民に対して政府は「屋内退避勧告」をした直後、WHOのハートゥル報道官は、「日本政府が定めた危険区域(福島第一原発の半径30km)の外では健康被害を心配することはない。
国によっては、国外脱出のためのチャーター便を用意したり、日本からの輸入食品を危険視する国が出ているが、過大に脅威を持つことは間違いだ。各国に、もっと冷静になるように」と呼びかけました。
これが3月18日の時点です。

【原子力安全委員会の25日時点の見解】
25日には、原子力安全委員会は、「放射性物質の放出が継続すると考えざるを得ず、20~30kmの屋内退避区域のうち線量が高いと考えられる区域に住む住民に対し積極的な自主的避難を促すことが望ましい」との見解を示したことから、これを政府の見解として、枝野官房長官が「自主避難」を言い出したことから、国民は、さらに政府への不信感を募らせることとなりました。

【米原子力規制委員会の30日時点の見解】
そして、3月30日の時点で、米原子力規制委員会(NRC)のヤズコ委員長は、「福島第1原発から約20マイル(約32km)以上離れた場所なら安全が確保できる」と、米上院エネルギー・水資源開発小委員会で証言しました。

どうも、これは原発事故後、すぐに米政府が日本に住む米国籍人に対して「半径50マイル(80km)以内には近づかないように」と警告を出したことが、大きな波紋を呼んでいることに対する火消しのようです。

【IAEAの30日時点の見解】
同じく30日、国際原子力機関(IAEA)のフローリー事務次長(原子力安全担当)が、福島第1原発の北西約40キロの、避難区域外にある福島県飯館村の土壌から検出された放射性物質の数値がIAEAの避難基準を上回ったと指摘、状況を見定めるよう日本側に伝えたと明らかにしました。

【原子力安全委員会の31日の見解】
上のことを受けて、日本の原子力安全委員会は、「IAEAは、草の表面のちりの放射能を測定しており、日本の基準の方がより正確な評価ができる。したがって、IAEAの言うように飯舘村の住民は、ただちに避難する必要はない」と反論。
原子力安全委員会は果たして正しいのか、とマスコミは書き立てましたが、4月2日になって、IAEAは、「基準値を下回った」として、ただちに避難する必要はない、と訂正。とりあえずは日本の原子力安全委員会が正しいということになったのです。



日本は地上の空間線量率を基準にしています。

一方、IAEAは土壌に落ちた放射性物質の値を計測しています。
大人は、わざわざ土に顔をつけて呼吸したり、土をなめたりはしないでしょうけれど、子供は地面に寝転びます。
日本側の地上の空間線量率を基本とする考え方には疑問が残ります。



しかし、チェルノブイリでは、上の動画(NHK制作)の5分50秒以下にもあるように、IAEAは大失態を犯しています。

「IAEAは、チェルノブイリ原発事故から5年後、周辺住民の健康状態を調べた結果、放射能が直接影響したと考えられる健康被害は認められないと結論付けています。
そして、今後、起こりうる住民の健康被害については、将来、ガン、または遺伝的増加があったとしても、それは自然の増加によるものと見分けることが困難であろう、と予測しています」。


しかし、現実は違っていました。
何年も経ってからやっと、本当のことが分かるのです。
IAEAだって、何も分からなかったのです。

今回は、津波の影響を考慮していなかったとマス・メディアで発言し、非難囂々の原子力安全委員会ですが、この点においては、原子力安全委員会は賢明です。

マスコミは、福島第一原発事故直後は、政府の発表(=東電の発表)に翻弄されてきましたが、今は、政府自身が、こうした外国の原子力規制・調査機関の見解に惑わされているのです。

マスコミの言う、「日本の統一基準をつくってほしい」という要望は当然です。

ただし、被曝線量の安全基準値を一本化したとしても、「最大公約数」に過ぎないのですから、やはり、自分で勉強し、被曝線量の積算に注意を払う必要があると思います。

完全に終息するまでには10年近くかかるのですから、これからは学校の授業で取り上げるべきです。





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