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1号機が水素爆発を起こせば、どれほどの放射性物質が飛んでくることでしょう

今日、NHKニュースで、水野倫之解説員が、「東電は、明日から数日かけて、福島第一原発の1号機の格納容器に、6000立法メートルの窒素を注入する予定」であると話しました。

そして、すぐに話題を変えて、原子炉内から流出している汚染水の海への放流について長々と解説していました。

しかし、実際には、早々と本日の22時30分から窒素の注入を開始したのです。
【NHKニュース 1号機 窒素ガス注入作業開始】

これが何を意味するのか?

政府から、「ゆるやかな緘口令」が布かれていると考える他ありません。

同時に、とても深刻で重大な局面に差し掛かっていることを意味します。

水野解説員は原発事故発生4日目に、「どうも東京電力は正しい情報を出していないのではないか」と放送中に発言。これを機に独立系ジャーナリストが勢いづいたのです。
しかし、NHKといえども、何かしらの圧力をかけられたようで、その後の水野解説員のコメントは、幾分、トーンダウンしていきました。

彼は、このように言うようになったのです。
「今のところは」、「特に心配はない」。

もともと原子炉格納容器の中には水素爆発を恐れて窒素が充填されています。酸素の代わりに窒素を入れておけば爆発しないからです。
その原子炉格納容器に窒素を入れないと、水素爆発の恐れが出てきた、ということは、原子炉格納容器にひび割れがあるか、あるいは、何かしらの安全弁が破損してしまって、窒素が外に漏れてしまって、ほとんど窒素が残っていないことを意味します。

これは、原子炉格納容器の中に、いくら水を注入しても外部に漏れてしまっていることからも明らかです。
原子炉格納容器に水素が入ってきていることも同時に意味します。

その水素は、原子炉格納容器の中にある原子炉圧力容器から漏れていることになります。
原子炉圧力容器の中の炉心が溶融を続けているという証拠です。メルトダウンは、継続して起きていることになります。

それを補強する悪い知らせとして、今日も、原子炉敷地内で新たにプルトニウムが検出されました。これは、100%、燃料ペレットが溶けていることの証拠になりますが、それが1号機からなのかは分かりません。

しかし、どの原子炉であろうと、時間の問題で、やがては1号機のような事態になっていくのでしょう。

引き続き、ペレットは溶け続けているのです。

つまり、原子炉圧力容器内の冷却水も、外部から水を入れても、すぐに漏れてしまって、炉心がむき出しになっていることを意味します。

水素爆発の様子は、何度かニュース映像で流されてきました。そのたびにいちばん外側のコンクリートの建屋が吹き飛んで白い煙が上がったのを見ています。

このときまでは原子炉格納容器は、ほぼ健全であったようですが、今は最後の砦となる原子炉格納容器が水素爆発を起こしそうだというのです。
この場合、コンクリートの建屋が吹き飛んだときより、ずっと大量の放射線、放射性物質が広い範囲に飛び散ることが予想されます。事態は、そこまで進んでいる、ということです。

3号機が水素爆発を起こしたのが3月14日の午前11時。そのときの風向きが、どうだったのか調べていません。

1号機と3号機の水素爆発の比較


明らかに3月12日に起きた1号機の水素爆発より、3月14日午前11時に起きた3号機の水素爆発の方が規模が大きいようです。
そして、翌日の15日、大気中の放射線量は一気に上がったのです。
東京で通常の20倍、さいたまで通常の40倍。

【産経ニュース 2011.3.15 13:19 】
東京都は15日、都内の観測施設で、通常の20倍以上の放射線量を観測したと発表した。

都によると、同施設の観測器で採取した大気 から、微量のヨウ素やセシウムなどの放射性物質を検出。最大放射線量は、午前6時過ぎの福島第一原発での爆発を受け、同7時過ぎから増加。同10時過ぎに は、通常の20倍以上となる0・809マイクロシーベルトの放射線量が検出された。

埼玉県は、さいたま市の空間放射線量が15日午前11時現在、平常時の40倍近くに相当する毎時1222ナノシーベルトに上昇したと明らかにした。

一般人が日常生活や医療目的のほか、やむを得ずさらされる放射線の限度は年間1ミリシーベルト。実際に人体に影響が出るとされる年間100ミリシーベルトよりも低めに設定されている。



この報道によると、さいたまでの空間放射線量は、3号機の水素爆発から24時間後には、1222ナノシーベルト=1.2マイクロシーベルトになった、ということです。

1年間の許容放射線被曝量の積算値は、1ミリシーベルト=1000マイクロ・シーベルトですから、さいたまに住んでいる人が、毎時1.2マイクロ・シーベルトを1日浴びると28.8マイクロシーベルト。

1000マイクロ・シーベルト÷28.8マイクロ・シーベルト=35日。

つまり、3月15日のような状態が35日続けば、1年間の許容量に達してしまうので、「ただちに」、「今のところは」健康に影響しないといっても、できれば避難したほうがいい、ということになります。

この値は、体内被曝、体外被曝の別なく、また、屋内、屋外の別なく考えたものですが、もっと厳密に条件を勘案して計算すれば、もっと短くなるはずです。つまり、35日より短い。

3月14日の3号機の水素爆発は、いちばん外側の建屋ですから、この程度なのでしょう。
これが、格納容器の爆発(当然、同時に圧力容器も破壊されるか、大部分、損壊するでしょう)であれば、この何十倍もの放射性物質が首都圏に飛んでくることになるはずです。

ということは、たった1日で、1年間の被曝線量の許容量である1000マイクロシーベルトを超えてしまう可能性もあります。あるいは、半日かも知れない。

テレビのニュースは、あいかわらず「汚染排水をどこにもっていくか」についてばかり報道しています。
そして、こんな重大なことなのに、東電、原子力安全・保安院、政府からの詳しい説明もないのです。

問題は、窒素注入そのものではなく、原子炉格納容器の亀裂の状態、原子炉圧力容器の中の圧力等々の状態なのです。
何も発表がないので、「窒素注入」の一語から、このように類推するしかないのです。

そして、それは正しいでしょう。

こんな不気味なことが他にありますか。

もし、ですが。
たった1日で、どこに避難するか、すぐに頭に浮かびますか?

子供の学校に「欠席することを言っておかなければ」?
「銀行の貸金庫に預けてからじゃなくちゃ」?
「会社に、有給休暇を取れるかどうか聞いてみなけりゃ」?

「だから、そんな、簡単に避難などできるわけないだろ」。

おっしゃるとおりです。

でも、どうしますか? 

これから、何ヶ月も、あるいは何年も、こうしたことが続くのでしょうか。
やはり、各ご家庭ごとの行動計画が必要だと思います。

大方の外国人は、本国に避難してしまいました。



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