カレイドスコープ

| 全記事タイトルリスト
HOME   »   地震・噴火  »  二次災害を誘発している被災者に無関心な人間たち
       
20110420-4.jpg

あちこちで、二次災害の芽が育っている


ACジャパン(旧公共広告機構)の震災キャンペーン広告が、すこぶる評判が悪い。

そもそもACジャパン自体が、大衆を戦争に仕向けるための戦争プロパガンダを目的として設立された米国のアド・カウンシルを「お手本」に創設されたことは、前の記事で書きました

ACジャパンの「洗脳広告」が、原発事故から国民の目をそらしていることは、誰の目にも明らかなことでしょう。

世の中の大半の人たちが、それに気づかず、プロパガンダに躍らせれているのです。

今回の震災復興キャンペーン広告の中でも、特に評判が悪いのが、トータス松本の出演しているバージョン。
私の周囲の人たちは、松本が出てくると気分が悪くなって、すぐにチャンネルを替えてしまうという人が多いのです。

20110420-3.jpg

松本の悪人顔も、さることながら、「みんなで頑張れば、絶対に乗り越えられる。日本の力を信じてる」という、上から目線の傲慢なフレーズに気分を悪くしている人が多いのです。

この無能なCMプランナーは、「頑張れ」という言葉が、すでに頑張っている人には、どれほどの苦痛を与えているか分からないらしい。それは、被災者にとっては、まさしく拷問なのです。
ギャランティに釣られて、それを引き受けた電波芸人たちも、そういう意味では加害者なのです。

とうとう、心配していたことが、やはり起きてしまいました。

この地震の被災者が、実は大勢、自殺していた、という事実。
そして、自殺予備軍が、日に日に増えている、という事実。

避難所で相次ぐ死亡者 大半は灯油なしの凍死

「新聞社などの集計だと、避難所で死んだ人が30人を超えたという。死因は公表されていないが、大半は凍死です。灯油が届かない避難所は最悪で、朝方は冷 蔵庫の中の寒さと同じです。毛布にくるまっても、小学校の体育館の木の床が冷たくて段ボールを敷いたくらいじゃ、眠れない。それで死んでしまう老人が多い のです。せっかく大地震と津波から生き延びて避難所に逃げたのに、かわいそうなものです」。

これは地震後、数日経ってからの状況です。
それでも、官邸、そして菅直人が指名した辻元清美ボランティア総理担当補佐官は何もしなかった。

被災者には「オラも父さんのところにいぎてぇ」と自殺願望も

「被災者のなかには自殺願望を口にする人も増えているという。
この前も夫を亡くしたおばあさんが、“オラも父さんのところにいぎてぇ”というので、何とか止めたが、こんな生活が続けば俺だってどうなるか分からないよ」(避難所生活を送る50代男性)

阪神大震災では、震災後1年間で32人の自殺者が出たと兵庫県警が発表したが、実際にはその倍はいると見る専門家もいる。周囲の目を気にして自殺であることを明かさない遺族も多いからだ」。


こうした実態は、大方の大新聞は掴んでいるのに報道しません。もちろん、テレビも。

被災者を傷つける「がんばれ」という言葉

「CMで頑張れ、頑張れと言われても、どうやって頑張れるのだろうか。家もあり、仕事もあるタレントたちが、向こうから呼び掛けても、こちらは家も無い。今ここで頑張ろうと思える拠点がないのだ。

目の前で何人も津波で流された。
自分は誰も助けられず1人で逃げた。
大きな後悔が残り、悪夢のような光景に悩まされる。自分の人生は終わったと思う。
そんな 時に、CMや避難所で、アイドルやタレントに『一緒だよ、一人じゃないよ』と言われても、所詮安全な世界から声をかけられているだけだ。何も言われない方 がましだ。
自分たちを幸せにしようなんて思ってほしくない。その分、不幸になってほしい。同じ目に遭った人に「頑張れよ」と言われたら頑張るし、歌を歌っ てくれたら聞いてもいい」。


東日本大震災 安易な復興ムードに警鐘 精神科医の野田氏

「野田さんは「遺族ほど悲しみや苦しみに耐え、頑張っている存在はいない。周囲が死を見ないようにして『頑張ろう』と復興ばかり強調すれば遺族は『放っておかれている』と思う。喪失感は増し、最悪自殺という手段を選択させてしまう」と遺族の孤立化を危惧している」。

管理人は、芸能人たちが被災地を訪れ、炊き出しなどでプロモーションを展開している姿を見て、「こういうことにならなければいいな」と、内心、ハラハラして見ていました。

渡哲也、舘ひろしが所属する石原軍団が、被災地で「炊き出しイベント」を行い、そこに後からオスカー・プロモーション所属のアイドル女優が加わっての「大はしゃぎ」。
これは、本当に酷かった。



事前にマスコミに「被災地で炊き出しをすること」を告知していために、被災者でもない人たちが三三号号、行列をつくる始末。
実際、彼らの作った食べ物は、イケメン俳優や上戸彩のファンにばかり行き渡り、本当の被災者、子供やお年寄りには行き渡らなかったケースも多い。

道路も、「炊き出しイベント」の予告を聞きつけて近県から駆けつけた車で大渋滞。お陰で自衛隊の緊急車両も足止め状態。何かが起こったら、取り返しがつかない事態になった。

なぜ、「炊き出しイベント」をやることをマスコミに広く告知したのか。
目的は避難センターの被災者に、温かいもの食べてもらうこと。
隣の避難センターに知らせる必要などないのに。だからマスコミを使って、広く知らせること自体が矛盾しています。

このように、こうした「震災」をチャンスに、プロモーションする下衆な芸能タレントが後を絶たない。
もちろん、すべてがそうではありませんが、このイベントに関してはプロモーション以外の何者でもない。

ニュースでは、「軍団に紅一点、上戸 彩が被災者を励ます」と、視聴者に好印象を与えるように報道されていたのですが、実際は、「石原軍団に被災住人激怒!軍団総出の炊き出しに『迷惑』お祭りじゃねえんだ!」と被災者たちから邪魔扱いされていたのです。

テレビが、こうした印象操作をやるのは、石原軍団のスポンサー企業が、多くのスポットCM枠を押さえてくれているからです。
テレビ局は、スポンサーの顔を立てる意味で、実際の被災地での彼らの評判など無視して、印象の良いカットだけを放送するのです。

彼らにとっては、自分たちのプロモーションも兼ねていたのでしょうけれど、すべてを失った被災者にとっては、「彼らは善意の皮をかぶった邪魔者」以外の何者でもないのです。

「どうせ、夜は居心地のいいシティ・ホテルに泊まって、毎晩、酒盛りだろ」と思っているのです。
「こんな見え透いたことなど止めてくれ!」という被災者の悲鳴など、都会の耳垢がたっぷり詰まった石原軍団の面々の耳には入らないのです。

トータス松本を始め、今回の震災では、こうした「災害に群がる人たち」の醜さが一気に露呈されたようです。
彼らのマネージャーは、阪神大震災のときの「ノリ」でいけると思ったのでしょう。阪神大震災と、今回の東日本大震災とは質が違うことに、まだ気づいていないのです。

「愛」を謳い、「愛」を表現するはずのアーティストたちは、被災者の心の琴線に触れることはできなかったようです。

マスコミ、電波芸人たちは安易に「頑張って」などと言ってはならない!

私たちは「被災者」と、ひとくくりに見てはいけないと思います。

家が津波で流されても家族全員が無事であった人と、身内を亡くし、いまだに、ご遺体が見つからない人とでは、その辛さは比べ物になりません。

もうすぐ「復興」のために重機が入ります。

遺体が見つからないのであれば、せめて、何かの形見でも、と危険な瓦礫の中に入っていく人たち。
自分の子供の行方が知れず、ひょっとして、カラスに突付かれているのではないかと夢にうなされて睡眠が取れない人、自分だけ助かって、家族を救えなかったと後悔の念に苛まれる人。

そういう人たちは、「重機に粉砕される前に、なんとか探したい」と悲しんでいるヒマなどないのです。

私は、これからが、とても心配です。
「復興」というのは、町が再生して、人が戻ってきて、地場産業が勢いを取り戻すことを言います。

しかし、家族を失った人たちにとっては、「復興」は簡単には訪れないのです。大切な人は、もう戻らないからです。
そして、その人の亡骸どころか、写真の一葉も手にすることができないのです。

これから現実を受け止め、希望を探す「心の旅」が始まるのです。
「旅」のお伴は、同じような境遇の人に限ります。

石原軍団が、なぜ被災者たちに「帰れー」と言われたのか、彼らには分からないでしょう。
彼らがやるべきことは、「炊き出しイベント」ではなく、家族の生存を今まだ信じて、瓦礫の中を何キロも歩いている人たちに寄り添って、泥だらけになりながら、いっしょに探してあげることだったのです。

もちろん、そのときは都会の匂いのついたメイクを洗い落とし、スッピンで被災者に向き合うことです。

ニュース・キャスター、インタビューアーが、被災者をカメラの前につれてきて、「今、何がいちばん必要ですか?」と問いかけます。いったい、何度、この場面を見たことでしょう。キャスターたちは、なんとバカらしい質問をするのか。

ほとんど人は答える気力もないのですが、せっかくだから、と精一杯、元気そうな表情を作って答えるのです。

彼らは「物乞い」ではありません。大都市圏の食料を支えてくれた人たちです。
彼らのプライドを傷付けるような質問はするべきではありません。
必要なものなど、こちら側が分かっていなければならないからです。それを黙って差し伸べるだけです。

こういうマスコミの連中の無神経さが、被災者を自殺に追い込んでいるのです。

そして、国を挙げての「経済再生」、「郷土復興」の大合唱。
私たちは、そのうねりにかき消されてしまうほどの、か細い被災者の声にこそ耳を傾けなければならないのです。

彼らが、希望を見つけるまで、私たちはその声を聞こうとします。
それは、私たちの希望でもあります。





折りたたみ ウォータータンク20L 水タンク
土井金属化成      
新品 1,200
  

折りたたみ ウォータータンク20L 水タンク



関連記事
       
NEXT Entry
国は、どこまで被曝線量を上げれば気が済むのか
NEW Topics
統一教会と創価学会の漆黒の闇を知らなければならない③と④
統一教会と創価学会の漆黒の闇を知らなければならない②
統一教会と創価学会の漆黒の闇を知らなければならない①
FEMA強制収容所の設置とワクチン医療従事者の暗愚③
FEMA強制収容所の設置とワクチン医療従事者の暗愚②
FEMA強制収容所の設置とワクチン医療従事者の暗愚①
マイナによって2024年は「666獣の経済」元年となる
グレートリセット本番!生き残る日本人は10人に1人
今世紀最大の逆イールド発生!大倒産時代をどう生き残る
3年後に迫る人類史上最大のターニングポイント③
3年後に迫る人類史上最大のターニングポイント②
3年後に迫る人類史上最大のターニングポイント①
この冬から始まる世界同時崩壊のイベント
計画的食料危機で世界政府があなたをシープルにする方法
食料配給制度が復活し、UBIによって人口削減へと進む④
ブログ管理人

管理人:ダンディー・ハリマオ

『カレイドスコープ』は「目から鱗(うろこ)」とよく言われます。
このブログは視界ゼロメートルの世界情勢を見通す独自の視座を持った未来透視図です。
ウェブマガジンお申込み

カード、銀行振込、コンビニ決済、ペイジー、ケータイ決済に対応。
初回お申し込みの月の月末までは無料です。
メルマガお申し込み

有料メルマガのカードでのお申し込みはこちらからです。
初回お申し込みの月の月末までは無料です。
ブロマガお申込み

有料メルマガの銀行振込、コンビニの電子マネーでのお申込みはこちらからです。
ご質問について
初歩的なご質問については、更新作業の妨げになるのでお受けしません。まずは自分で調べることを習慣づけてください。
カテゴリ

openclose

カテゴリー+月別アーカイブ
 
全記事表示リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ハリマオレポートへ

姉妹サイト「ハリマオレポート」へ
検索フォーム
リンク10-インフレ
リンク17-中東情勢
リンク18-外国語サイト
ログイン
QRコード
QRコード

Page Top