
不動産バブル崩壊は、国民の資産を没収して他に移動させる「ある計画者」の姦計。
(※この記事は、メルマガ第184号パート1、パート2の2本の記事の抜粋です。したがって、文章としての脈略はありませんのでご注意ください)
イタリアの国民投票での敗北はEU分断を加速させる
・・・12月4日に行われたイタリアの国民投票では、改憲派が敗れたことによって早くもレンツィ首相が辞意を表明しました。
多くのアナリストが危惧していたように、改憲派が負けた場合は、経営破綻目前と言われているイタリアの主要8行の大手銀行の救済が思うに任せず、破綻がいよいよ現実的な問題としてEUの人々前に迫って来るでしょう。
そうなると、フォルクスワーゲンなど大企業のメインバンクであり、ヨーロッパ最大の銀行であるドイツ銀行危機の再燃も懸念されます。
・・・他のEU加盟国の右派は、イタリアの国民投票の結果を見て英国に続けとばかり、EUからの脱退に本格的に動き始めるでしょう。
特に、フランスのマリーヌ・ル・ペンが次の選挙で政権を取れば、EUは、いっそう霞んで見えるようになります。
その前に、すでにバブル状態にあるロンドンの不動産市場からは、さらなる外国資本の流出が起こるので、底が見えない恐怖が襲ってきます。
二度目の中国バブル崩壊は必ず起きる
・・・「オリンピックが終わった後に不動産バブルが崩壊する」という大方の予想を裏切って、2008年の北京オリンピックの1年前に、それは崩壊しました。
・・・ここで育ちつつあった中国の富裕層は淘汰されました。
生き残った中国人投資家は、ここで資産を増やし、次にそれは株取引に振り向けられました。
・・・狂熱相場に煽られた上海市場は4000ポイントの大台に乗り、一進一退を繰り返しながらも、とうとう5000ポイントを突破。
株式市場も不動産市場のときと同じように過熱してしまったため、ここで中国の金融当局が市場を冷やすため引き締めに入りました。
それが、2015年6月から始まった中国株の大暴落です。
・・・再び、中国株は安定を取り戻したものの、過剰に積み上がった不動産の在庫は、その多くが未だに動かず、ゴーストタウンになるのを待つばかりです。
中国の株式市場に崩壊の予兆が顕著になってくれば、第二の不動産バブル崩壊が必ずやってきます。
どちらが先になるのかは分かりませんが、それが同時にやって来たときは、中国当局はお手上げでしょう。
東京オリンピック、築地移転、カジノ・・・東京の「2019年問題」という時限爆弾
・・・日本の税制では、不動産購入後5年以内に売却すると、売却益の35%に税金がかかってきます。
しかし、5年以上が経過後の売却益にかかってくる税率は21%に大幅減額されるのです
湾岸エリアのタワーマンションを爆買いした中国人の富裕層は、購入後5年が経過する2019年に売り払おうと身構えています。
中国人富裕層が、彼らが描いたシナリオどおりに東京の不動産投資で莫大な利益を出すことができるかどうかは、小池新都知事の手腕にかかっています。
・・・しかし、東京オリンピックが、最悪、頓挫の方向に向かったり、都心の再開発計画と切り離された場合、2019年を待たずして、東京23区内の新築物件の価格と、湾岸エリアのタワーマンションの価格には、早くも値崩れの兆候がはっきり出てくるでしょう。
その場合は、東京の地価暴落は、もっと早い時期にやって来るでしょう。
東京は、まさしく不動産バブル崩壊前夜
・・・誰でも分かる不動産バブルのバロメーターとしてマスコミが使ってきたのが、東京銀座5丁目の銀座鳩居堂前の地価の推移です。
日経新聞(7月1日付)が、非常に暗示的な記事を掲載しました。
2016年分の路線価日本一は、31年連続で東京都中央区銀座5丁目の文具店「鳩居堂本店」前だった。1平米当たり前年比18.7%増の3200万円まで上昇している。
鳩居堂前の路線価は、1992年に3650万円のピークに達し、バブル完全崩壊後5年あまりで、その3分の1以下の1136万円まで下がった。
鳩居堂前の路線価は、1992年に3650万円のピークに達し、バブル完全崩壊後5年あまりで、その3分の1以下の1136万円まで下がった。
・・・大方の人は、このニュースを読んで、「バブル時のピークまで、あと2000万円も余裕があるのだから、まだ上がる余地はあるさ」と思い込んでしまうでしょう。
これは、まったくのナンセンスで、鳩居堂の地価がピークを打った1992年バブル時の政府総債務残高は、国債発行残高を含めて約347兆5000億円で、2016年現在の約1264兆円国の3分の1です。
また、政府負債に対するGDP比では、2016年の250.35%に対して、1992年当時は71.22%と、3分の1から4分の1の間だったのです。
すでに、東京は、いつ破裂してもおかしくない不動産バブル前夜であることは誰の目にも明らかです。
「大都市圏の一極集中」と「地方シャッター街野ざらし現象」
いずれ、東京の不動産市場は大きな修正を余儀なくされ、地価は下落するでしょう。おそらく、2019年問題を待つ前に、それは起こります。
・・・したがって、今度の東京の不動産バブル崩壊は、かつて経験することがなかったタイプの崩壊になるでしょう。
・・・アベノミクスによって地方経済は疲弊し、シャッター街は増えるばかりです。トリクル・ダウンは、もはや幻想どころか、地方都市を破壊する“経済ウェポン”であることが証明されたのです。
価格のピークは去年の11月・・・1年早まって「2018年問題」に
・・・すでに今年の夏には、首都圏の新築マンション契約率が、不動産市場の「好・不況」の目安となる70%を割り込んでいて、消費者心理が冷え込んでいることを示しています。
これは、不動産購入を計画している人たちが、実は、マイナス金利の日本の未来に危機感を持っている証拠で、物件の動きは、去年の秋から極端に鈍くなっているのです。
・・・経費などをすべて差し引いた正味の利回りのことを「キャップレート」といいますが、これが3%を下回ると逆にリスクが高くなると言われています。キャップレートがすでに3%を下回ってしまった物件ばかりでは、夢を買おうとする人以外は、もはや手が出せないでしょう。
つまり、2015年10月~11月が、マンションを含めた都心の物件のピークだったということです。
・・・いよいよ出口の見えなくなってきた日本の住宅市場。
私は、日銀のマイナス金利導入によって、行き場を失った資金が不動産などの資産に向う結末として、それより1年早く、都心の物件の値崩れが起きると、「2019年問題」をメルマガで警告してきましたが、訂正したいと思います。
それは、さらに1年早まって「2018年問題」と呼ぶほうが正しいのかもしれません。
東京オリンピックに群がる頭の黒いネズミたち
先月末、国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ副会長が来日しました。
・・・小池都知事が、4者会談にマスコミの記者たちを入れて、フルオープンの会合にしたのは、まさに「黒い噂の胴元」を白日の下に晒すことによって世論を喚起する狙いがあったからです。
小池都知事は「黒い噂の胴元」のことを、「大きな頭の黒いネズミ」と称して牽制しましたが、まさしく、それは大会組織委員会の森喜朗会長のことであり、オリンピックに群がる国会議員、そして、歴史的に彼らにつながっているゼネコンのことを指しているのです。
このまま「頭の黒いネズミ」に暴れさせておけば、オリンピックが終わった後、東京には絢爛豪華なコンクリートの廃墟が死屍累々と横たわることになるでしょう。
それを数十年遡って説明しましょう。
2020年東京オリンピックの前に何が起こるのか
オリンピック開催後は不況に見舞われます。
・・・2020年東京オリンピックでは、東京都中央区晴海に選手村の建設が計画されています。
選手村はオリンピックが終了した後、約6,000戸の大規模な住宅街として民間の不動産業者によって販売されることになっています。
同様に、晴海を含む他の湾岸エリアにおいても、オリンピックのための高層マンションを建設する計画が続行されています。
結果、オリンピック後には、湾岸エリアに約10,000戸もの高層住宅が出来上がります。

これは、2008年の北京オリンピックのときも同じでした。
2012年のロンドン・オリンピックでは、開催に向けてロンドンの街が再開発されました。
・・・しかし、オリンピック終了後、英国政府が調査を行ったところ、最終的に不動産価格と「オリンピックの影響」との間には相関関係はなかった、という報告がまとめられています。
・・・東京の不動産投資家がロンドンで起こったことを十分に認識していることを考えると、東京オリンピックが始まる前に、資産の一部を売却するであろうことは十分現実的な話です。
・・・このシナリオでは、近年着実に上昇してきた都市部の不動産価格は、オリンピック開催前に実際に圧力を受ける可能性があります。
湾岸エリアの物件を大量に購入した中国人富裕層は、購入してから5年を経過した物件から、徐々に処分していくでしょう。
若い女性の数が劇的に減っていく東京都の本当のリスク
総務省統計局が発表した平成25年(2013年・これが今のところ最も新しい)土地統計調査(速報集計)結果の要約によると、日本の空き家の数は、調査時点で820万戸で、全国住宅ストックの約13%を占めています。(html pdf)
このうち、日本の空き家の数がもっとも多いのは東京で81万7000戸。
しかし、空き家率のもっとも低い都道府県ランキングでは、全国で6位です。
問題は人口動態です。
オリンピックに先立ち、東京の人口規模は増加していき、2020年にピークに達すると予測されています。
しかし、オリンピックが終われば、徐々に都市部からドナッツ状に周辺に分散していくでしょう。地価の下落が深刻化するからです。
さらに、バブル時代に家を購入した人、いわゆる「ベビーブーマー」と言われている人たちは、オリンピックが始まる頃には70歳に手が届く歳になります。
オリンピック後は、多くのベビーブーマーが家から医療機関(病院や老人養護施設など)に移動する可能性が高くなります。
ベビーブーマーは、「団塊の世代」と言われているように、もっとも人口の厚いボリームゾーンの人々です。
その結果、東京の空き家が、ますます増えます。
・・・独立行政法人「国立社会保障・人口問題研究所」による人口推計によれば、日本の人口はこれからも減少し続け、2020年には約1億2400万人となり、2030年には、1億1700万人に減少し、2048年には、とうとう1億人を割り込むという結果が出ています。
この中で、驚愕のデータは、2040年に、首都圏一都三県の20歳から39歳の女性が、2010年に比べて3分の2の314万人に減ってしまうと推計です。
・・・今後、どんなに手を尽くしても人口減少の流れを食い止めることはできないでしょう。それこそ、政治の貧困が生み出す変えようのない未来です。
住んでいない物件の固定資産税が一気に6倍に
また、去年2月26日から施行されている「空き家対策特別措置法(空き家特措法)」も、都心一極集中を後押しする大きな要因になっています。
・・・その指導に従わない場合には、住宅ではないと見なされて、今までの税制の優遇措置が外されてしまうのです。
すると、固定資産税が一気に6倍に跳ね上がるのです。
・・・都心部の物件であれば固定資産税は高くても、売れ残るということは、よほどの高額物件でもなければ考えにくいので、そうしたリスクを総合的に考えると、土地が狭くても、専有面積が少なくても、なにより流動性の高い価格帯の物件を購入しようとします。
・・・あなたは、政府の移民政策を支持して、大学は出たけれど外国人労働者と派遣の仕事を奪い合いながら、ワーキング・プアの恐怖におびえながら暮らしますか?
金利動向も不動産価格に衝撃を与える
日銀が、政府の借金である国債を流し込むように購入しているので、金利の上昇は、なんとか抑えられています。
やがて、日銀のプールが国債であふれるようになると、金利が動くでしょう。
すでに、去年あたりから、国債の札割れ(ふだわれ)の回数が増えています。
札割れには往復がありますが、ここでは、国債の流動性が徐々に奪われていると理解してください。
それは、金利上昇の一因になります。
また、国債の流動性が失われたとき、株式市場が崩壊することが経験的に知られています。つまり市場崩壊に発展するのです。
・・・というわけで、いずれにしても、日本の国債が今まで以上に圧力を受けることは間違いがなく、債券価格の下落が金利の上昇につながっていくからです。
インフレによって資産価格が上がっても、金利が上昇すれば、ローンを組んでまで不動産を買う人は減るので、さらに不動産市場は冷え込むでしょう。
・・・ハイパー・インフレの恐怖を抱え込みながら、同時に不動産価格暴落の脅威にも悩まされることから、結果として、それは金融危機の意図せぬ引き締めという効果をもたらすでしょう。
政府はタブーとされる財政ファイナンスに踏み込まざるを得なくなる!?
このように、政府と日銀は、2020年の東京オリンピックまでは、どんな手を使ってでも株価を維持し、不動産バブル破裂を起こさないようにアベノミクスを推進し続けようとします。
・・・26年度の法人税収が7年ぶりで前年度実績を下回ることが、ほぼ確実となりました。
・・・苦肉の策として、政府は国債を市場を通さず直接、日銀に引き受けさせる「財政ファイナンス」に乗り出すでしょう。そうしなければ、2020年の東京オリンピックが来る前に国家予算が組めなくなるからです。
・・・それこそが、マックス・カイザーが、アベノミクスが発動した2013年初頭に、すでに警告していた“金融特攻隊”「バンキング・カミカゼ」なのです。
マイナス金利導入の前に、すでにバブルの予兆は見えていた
日銀が、今年の11月16日公表した「貸出先別貸出金・統計」によると、「2016年4月から9月の国内金融機関による不動産業向け新規融資は、5兆8943億円と前年比16%の増加で、年度の上期としては、バブル期の1989年度上期(5兆円強)を超え、過去最高の水準となった」とのこと。(ロイター)
2016年4-6月期の大手不動産会社の決算を見ると、有利子負債がすでに10兆円近くに膨れ上がり、こちらもバブル期を抜いて過去最高になっています。販売在庫が、思うようにはけていかないのですから、負債も積み上がるばかりです。
それでも日銀は、マイナス金利によって、まるで市中銀行の尻を叩くようにして貸出先を発掘するように促しています。
・・・日銀がマイナス金利の導入を発表する前に、アメリカと中国の住宅バブル崩壊を見て、「日本も資産インフレになる」と書いてきました。
日本の都心部における住宅バブルは、むしろ、マイナス金利というより、アベノミクスによる異次元の量的金融緩和と2020のオリンピック会場が東京に決まったことによって政府が地価のつり上げ政策を取ったことが原因です。
マイナス金利政策は、それをいっそう深刻なものにします。
バブル崩壊は、名ばかりの「窓口規制」とマスコミの扇動によって生み出された
ブルームバーグが、先週、「人口減なのに増えるアパート、空室率3割超-低金利でにわか大家」という記事を掲載して、いかに首都圏の不動産市場がバブルになっているのか説明しています。
新築アパートを建設しても、一定程度空き家になることが分かっているのに「なぜ?」と首をかしげているのです。
・・・しかし、それを勘案したとしても、現在の状況は明らかに供給過剰です。
それは、日銀と政府には、バブル期と同じ構造が今でも温存されているからです。
バブル期は、中央銀行が市中銀行を直接コントロールする仕組み、いわゆる「窓口規制」という制度によって日銀が貸し出し規制を行っていました。
・・・バブル崩壊当時の橋本龍太郎内閣は、銀行システムの崩壊にまで波及することを恐れて、住専に公的資金9000億円を入れて、それ以上の倒産の連鎖を食い止めようとしましたが、国会は紛糾し、すべての対策が後手後手に回ったのです。
マスコミは、自分たちこそがバブルを煽っておきながら、手のひらを返したように、「9000億円ぽっちの出動にグスグスしていたから、バブル崩壊が拡大してしまった」と非難しました。
平成バブル崩壊の数倍の規模の大崩壊
経済評論家の中には、社会学者エズラ・ヴォーゲルの著書「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を持ち出して、「日本は、これしきのことではびくともしない」と、土地投機に乗り遅れてほぞを噛んでいた一般庶民を、別のバブル崩壊に導いていった人々がいます。
お昼のバラエティー番組には、連日、こうした連中が出演して株式投資を煽り、とうとう主婦までもが、数百万円もの虎の子を握りしめて、安全銘柄とされていたNTT株を買いに走っていったのです。
折しもITバブルが訪れ、日本ではソフトバンク、ヤフー株などが牽引してIT関連銘柄を押し上げました。
なんと、2000年2月には、ヤフー株1株で1億6700万円の高値をつけたのです。
その後、短いITバブルもはじけて、日本経済は深刻なデフレ不況に入っていったのです。
このとき、日本株を暴落させた主役のひとりが、クォンタム・ファンドを運営していたハンガリー系ユダヤ人のジョージ・ソロスでした。
彼は、安い頃に大量に仕込んでいた日本株を一気に売り浴びせた後で、大暴落して安くなった株式を再び買い取って、往復で莫大な利益を得たのです。
平成バブル崩壊によって失われた日本の国富は1000兆円超と見積もられています。
今の状況は、これと非常に酷似しています。
いや、アメリカ、ヨーロッパの破滅的な量的金融緩和を見ると、その数倍もの大崩壊になる可能性が大です。
住宅を所有していると2000万円の含み損を抱える!?
・・・もっと正確に言うと、もともと破れないストッキングであるにもかかわらず、今にも破れて素足が露出されてしまうかのような錯覚を与えながら、新しいストッキングを買わせようとしているグループがいるということです。
それが誰なのか、2015年3月4日の日経新聞のコラム「エコノ探偵団」が解き明かしています。
「日本の家だけが、なぜ資産にならないのか」、そのカラクリを明らかにした記事です。
「一戸建て木造住宅は通常、築20~25年程度で無価値と評価されるようだ。
30年の住宅ローンで購入すれば、返済を終える前に資産価値はなくなってしまう。50歳以上の世帯(2人以上)では住宅(土地を含まず建物だけ)で平均約2000万円の「含み損」を抱えているとの試算もある。
・・・日本は過去約40年間の累計投資額よりも資産評価額が500兆円以上も下回っている」
30年の住宅ローンで購入すれば、返済を終える前に資産価値はなくなってしまう。50歳以上の世帯(2人以上)では住宅(土地を含まず建物だけ)で平均約2000万円の「含み損」を抱えているとの試算もある。
・・・日本は過去約40年間の累計投資額よりも資産評価額が500兆円以上も下回っている」
・・・しかし、この「木造住宅耐用年数20年説」には、まったく根拠がないのです。
早稲田大学の小松幸夫教授が、「滅失建物の平均寿命についての調査結果」をまとめて、財務省・ PRE 戦略検討会に提出した報告書には、「日本は26年、米国は44年、英国は75年」と明記されています。
その報告書には「建物は何年もつか」というタイトルがつけられていて、総務省のアーカイブに収められています。
「滅失建物の平均寿命」とは、その建物が老朽化して取り壊す他なくなって登記が抹消されるまでの年月を平均化した数字です。
小松教授の調査結果(2005年)によると、木造専用住宅に関しては、東京都の人口密集地で33.75年、全国平均では54年という、私たちの一般常識では考えられない数字が出たのです。(下の表)

東京特別区が、全国平均に比べて20年も短いのは、新陳代謝が激しく、固定資産税が高いので、上物の物件としての価値がわずかでも残っているうちに買い換えてしまおうという意識が働くのかも知れません。
今まで一般に信じられていた「20年~25年で上物の評価がゼロ」になっても、銀行がそれを担保として住宅購入資金を貸し出してきたのは、建物の評価をゼロとして算定しても、地価の上昇分が建物の経年劣化による減価分を補うという考え方に基づいていたのです。
しかし、再び土地バブルの崩壊が迫っているだけでなく、少子高齢化で、今後、ますます住宅の供給過剰の実態が明らかになっていく過程では、銀行は上物をなんとか資産価値に組み込んで抵当権を設定しようとするでしょう。
・・・つまり、今までの根拠なき「住宅の平均寿命」とは、あくまで銀行と不動産業者の都合で決められてきたものであって、耐用年数をしっかり勘案したうえで比較・検討された後のアセスメントによるものではない、ということなのです。
日本の在来工法と特殊な下請け構造によって住宅の価格がつり上げられている
・・・アメリカの住宅が日本と比較して大幅に安いのは、こうした設計段階におけるコストを建て主自体がカットできるということだけではなく、その建築様式にも理由があります。
アメリカの一般的な住宅は、現場で一段一段建てていくのではなく、工場で半完成品に仕上げられた建築キットを現場に運び込んで組み立てるだけです。
ツーバイーフォー工法では、柱がなく、壁で支えるので規格品を組み合わせて調整すれば、すぐに家を建てることができるので、工期が短くなる分、人件費も安くなるのです。
・・・そして、何より、阪神淡路大震災の時に証明されたように、ツーバイフォー住宅がもっとも耐震性能に優れていることが分かったのです。

・・・ましてや、不動産会社と銀行が結託し、“破れやすいストッキング”に見せかけた住宅を世に送り出し、そこから政治献金を受け取っている時代錯誤的な政治家と、天下り先を目を皿のようにして探している霞が関の官僚機構が健在である限り、彼らの宣伝にのせられて、軽々に住宅を買ってはならないのです。
特に、投資用マンションなど、もってのほか。
2、3年後には、頭を抱え込むような事態に巻き込まれるでしょう。
日本は、紛れもなく、株、債券、不動産のトリプル・バブルの大崩壊に向かっているのです。
自分の尻尾を食べながら生きていく悲しい住宅産業
最後に、2015年3月4日の日経新聞のコラム「エコノ探偵団」にある「日本は過去約40年間の累計投資額よりも資産評価額が500兆円以上も下回っている」という、その500兆円の価値は、いったいどこに消えたのでしょう?
500兆円とは、数十年も家を構えていて建物が老朽化すると、物件一件当たり、2000万円の資産価値の減少が生じるので、それを全国併せると、その金額になるという数字です。
・・・その500兆円分の価値は、実は、大手住宅産業の売上に変わるのです。
その一部は、利益となって海の向こうにいる青い目の株主に還元され、大部分は、全国に数十万社あると言われている住宅関連産業の利益と従業員に支払われる給料となって消えていくのです。
・・・日本は、ゼネコンと住宅産業によって、壮大な富の移動が行われてきた、ということなのです。
そして、これからも・・・
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