
3月12日の朝。すでに官邸から「1号機のベント開放命令」が出ていたのに、本人は「これから」と言っている。官邸の法的な手続きである「命令」にも、どこ吹く風の清水。
東電が政府の命令に従ってベント開放を行なったのは4時間後。そして、その5時間後には水素爆発を起こして、大量の放射性物質が広範囲にばら撒かれた。
東電が政府の命令に従ってベント開放を行なったのは4時間後。そして、その5時間後には水素爆発を起こして、大量の放射性物質が広範囲にばら撒かれた。
自衛隊の大型輸送機に「東京まで送り届けろ」と東電社長・清水正孝
福島第一原発災害が「レベル7」になったのは、初動の遅れが原因であることは間違いありません。
このことを突いて、自民党を始めとする野党が「菅おろし」に動いています。
共産党は、5年以上前から福島第一原発で大災害が起こる可能性を指摘していた吉井英勝議員を前面に出して「原発廃止」を主張しているのに対して、自民党は、あいかわらず「政権奪取」が目的のようで、何がしたいのか、どうもよくわかりませなん。
3月11日、3月12日。
この二日間で日本は世界に対して「原発加害者」になってしまいました。
たった、数人の「勘違いした人間たち」のせいで。
さて、3月11日の地震発生当日、東電社長の清水は財界との懇談のため名古屋にいました。
福島第一原発で非常事態が起こったことを知って、自衛隊の大型輸送機で東京まで送ってくれるよう自衛隊に要請したのですが、これを拒否されたために、東電のトップとして「適切な判断が下せなかった」と主張しています。
つまり、清水が名古屋から出られなかったために、福島第一原発の現地に「ベント指示、海水注入」の命令が下せなかったので、これほどの大惨事になってしまった。その責任の一端は官邸にもある、といっているわけです。
控えめながら責任のなすりあいが始まっているようで、気分が悪くなります。
このいきさつについては、いろいろな新聞が書き立てていますが、【震災当日に東電社長乗せた自衛隊機Uターン-防衛省が指示】の記事が正しいです。
現象としては、確かにこういうことがあったのですが、その奥底に何があるのか、表面をなぞっただけでは分かりません。
まずこのニュース。
この動画も、すぐに削除されてしまうかも知れませんので、別のニュース動画からキャプチャー(下の画像)しました。
この元ソースは、たった1日で削除されてしまって、すでにありません。

これは、震災翌日12日の朝、東電が手配した民間ヘリコプターに乗って清水が名古屋を出発、東京に着いたときのニュース動画のキャプチャーです。
事実は、こうです。
官邸、および海江田経済産業大臣は、12日の深夜1時30分に東電に対して「ベント指示」をしましたが、東電からは何の返答もないため、いよいよ朝の6時50分に「命令」に切り替えたのです。
海江田は、午前3時6分には、ベント開放の指示を出したので、東電はそのようにするだろうと、記者会見していますから事実でしょう。
これは、昨日の国会テレビ中継でも明らかになっています。
こちらの方々が時系列に詳しくまとめています。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1160836121
上のキャプチャー動画の3コマ目に記者が清水に質問しています。
「圧力を逃す手順や時期は?」。
それについて清水は「これから」と答えています。
官邸がベント開放の命令を6時50分に東電にしていたのに、まだ、この時点では東電はベントを開放していないのです。
東電は政府の命令を聞かなかったのです。
そして、一切の事情を官邸にさえ報告していないのです。
いかに東電が政府を軽く見ているかが分かります。
そして、やっと1号機のベント開放が実行されたのが午前10時17分。
その5時間後の午後3時30分過ぎに、一号機建屋が水素爆発を起こして、大量の放射性物質が撒き散らされてしまったのです。
清水の言い分では、「私が東京の東電本社に戻れなかったからベント開放指示が遅れた」ということになるのですが、官邸は、午前6時50分に「ベント開放の命令」を東電に対してしているのですから、清水など、この時点では関係がないのです。
確かに高速道路、新幹線はストップしていました。
しかし、名古屋から伊那道を北上して20号線で帰ってくれば、多少、渋滞していようとも11日の深夜には東京に戻れたはずです。
清水は、まったくの大嘘つきです。
「遭難救助を優先して清水の要望を聞き入れなかった」北澤防衛大臣の判断は正しいです。
「自衛隊の輸送機で清水を東京に戻さなかったからベント指示が遅れた」という論調で書いている新聞記者は、日頃から東電に接待を受けているに違いありません。
この記事は非常に重要です。
検証・大震災:原発事故2日間(1)東電動かず、首相「おれが話す」
3月12日午前6時過ぎ、菅直人は原子力安全委員会委員長の班目(まだらめ)春樹とともに陸自ヘリで官邸屋上を飛び立ち、被災地と東京電力福島第1原発の視察に向かったのです。
繰り返しますが、この時点では、すでに海江田経済産業相が、いつまでもベントを開放しない東電に対して「ベント開放命令」を下しています。
それでも、東電はベント開放しませんでした。
「総理、原発は大丈夫なんです。構造上爆発しません」。

ヘリの機内で、こう菅直人の耳元で悪魔のささやきをしたのが原子力安全委員会のトップ、班目(まだらめ)春樹でした。
原発の安全性をチェックする機関の最高責任者です。
「人が何人死のうが知ったこっちゃない」とばかり、茶坊主だけで、ここまでのし上がってきた人間です。
http://blogs.yahoo.co.jp/marburg_aromatics_chem/64257694.html
後になって、とんでもない無責任男・班目(まだらめ)春樹委員長は、
「(ヘリで福島第一原発に向かう)視察の前に、(ベント)作業は当然行われていたと思っていた」と言っています。
ここまで被害を大きくした元凶が斑目春樹にある以上、しっかり罪を償わせなければなりません。
一方で、官邸の命令をも反故にした東電は、原子力安全・保安院にも、「原子炉は現状では大丈夫です」と嘘の報告を行い。保安院は、その言葉をそのまま信じて官邸に報告していたのです。
菅直人に対しては、でためら斑目委員長、保安院が両方とも「原発は爆発しない」と報告していたのですから、いくらなんでも官邸も信じてしまうでしょう。
菅直人も、枝野も、海江田も、斑目と保安院に結果として「騙された」のです。
このとき、東電の勝俣会長は中国・北京にいました。
社長の清水は名古屋に。おそらく、ヘリに乗り込んで東京に向けて飛び立った頃でしょう。
意思決定の最高責任者が二人とも東京を不在にしていたという時点で、東電は何を言っても通用しません。
そして、清水に至っては、東電本社に自分が不在時に意思決定をする人間を、はっきり決めていなかったこと。それだけで社長失格なのです。
福島第一原発の所長は東京勤務で、現地の状態など知らなかった
社長の清水が、どんな言い逃れをしようと証拠がどんどん出て来ています。
1)福島第一原発の所長が東京勤務。
2)電源は1つは生きていた。
3)福島第一の現場の重要なポストの人間が津波直後に現場放棄。家族とともに栃木に避難していた。
この動画は民主党の川内議員、辻議員らが主催する「東日本大震災の勉強会」の様子を撮ったものです。
これは、アップが4月20日ですから、おそらく前日に開かれた「勉強会」だと思います。
参加者は、
手前の黄色の服を着た2人が原子力安全委員会の職員。
その隣が民主党の川内議員(会の進行役)。その隣が辻議員。
向こう側の二人が、原子力安全・保安院の二人。
辻議員の隣が、保安院の中村審議官。
中村審議官は、12日の記者会見で、「炉心が溶融している可能性が高い」と正直に言ったために、すぐに菅直人に更迭されてしまった保安員です。
中村審議官が事実を言っていたのに、口をふさいでしまったのですから、いくら東電に騙されていたといっても、菅直人の責任は重大です。
そんな簡単なことを見抜けないようでは、危なくて国を任せられません。
この勉強会には、川内議員、辻議員の他に、鳩山元首相、森ゆうこ議員、その他の専門家が参加しています。
最初から最後まで観ると、とんでもない情報が出てきます。
この動画がアップされてから、大新聞が次々と空間放射線量などの訂正記事とも思える追加記事を書いています。
さて、この動画の00:49:20辺りに、
福島第一原発の所長が東電の東京本社勤務であることが暴露されています。
また、東電は「すべての非常用電源が落ちた」と証言しているのですが、実は非常用電源のひとつは生きていたのです。
にも関わらず、11日の地震発生後24時間、ほとんど何もせず、1号機の水素爆発を招いてしまったのです。
少なくとも、この動画を見る限りにおいては、東電社長の清水の「名古屋から東京に戻れなかったことが初動が遅れた原因」という言い訳は、まったくのデタラメであることが分かってしまうのです。
下の動画は、福島第一原発でモニターとして働いていた女性の証言です。
ここでも、「11日、地震が起こってすぐに、福島第一原発の現場の重要ポストに就いている人が、誰にも知らせずにすぐに家族を連れて栃木に避難してしまった」と言っています。
0:17:30辺りから。
「東電社員たちは、あれだけの地震が起こったのだから、原子炉が危ないことを知っていたはず。で、他の人には教えないで、自分たちだけ逃げてましった。
その子の母親が、避難した先の栃木から、危険だから早く、そこから逃げたほうがいいですよ、と私に言っていた」。
「その東電の社員は、現場の重要なポストにいた人なのに、機械の運転も放り投げて、自分たち家族だけは、誰にも知らせないで逃げてしまった。
あまりの無責任さに、驚きと憤りを感じている」。
このモニターさんが嘘を言わなければならない理由は考えられないので、やはり東電の正社員は逃げてしまったのでしょう。
後に残されたのは重層下請け構造の中で搾取されている作業員たち。
本来は現場で陣頭指揮を執らなければならないはずの所長は東電の東京本社勤務。
現地の状態など分からなかったのです。
福島第一原発が、11日~12日にかけて、ほとんど放置状態に置かれていたというのは、こういう職場放棄した無責任な連中によるものだったのです。
ここまで良く見ないと、本当のことは分からずに私たちは騙されしまうのです。
しかし、それでも見破ることができなかった菅直人は、残念ながら、どう贔屓目に見ても「無能」といわざるを得ません。
ただ、もっと悪いのは、こうした真相を追及することなく、テレビ・新聞の大マスコミが今まで流してきた「あいまいな」情報を逆利用して「菅おろし」にだけ国民の目を向けようと、操作をしている自民党の連中です。
東電は内心「しめしめ」と思っていることでしょう。
何しろ、自民党は「世界で最も危険な高速増殖炉・もんじゅ」を推進してきた政党です。
原発を推進してきた張本人ですから、東電の無責任な行為を追及しないだろうとタカをくくっているはずです。
しかし、そのもんじゅは、いまや、手がつけられない状態。
断層の真上に建てられたもんじゅの近くで地震が起これば、福島第一原発どころではすみません。本当に日本の半分以上が「死の土地」になってしまうでしょう。
なんと、世界中で、いまだに高速増殖炉を云々言っているのは日本だけなのです。世界は、あまりにリスクが高いため、高速増殖炉は、すべて断念しているのです。
そのもんじゅの現場の課長が山中で自殺しました。
(ただし、本当に自殺なのかは分からず)
「もんじゅで何が起こっている?」
これが何を意味するのか。
東京都は東電の大株主です。
早速、猪瀬副都知事が東電擁護に回っています。
http://blog.livedoor.jp/polit/archives/4422513.html#
猪瀬が言っていることは支離滅裂です。
そして4戦を果たした石原慎太郎は、専門家たちの「東京直下型地震、いよいよ警戒時期に突入」が近いことを受けて、「首都機能分散、証券市場の中心を東京から大阪に移す」ことを提言しました。
石原慎太郎は、もんじゅがどんな状態になっているか知らないようです。
もんじゅで重大事故が起これば、関西は完全に壊滅。
四国、中部地方の大半も死の土地になります。
どうも政治家、官僚のやることすべてがトンチンカンです。
本当は、浜岡原発をすぐに停止して、すでに手のつけられないもんじゅをどうするのか、そして万一を考えて、本当のハザードマップを作らなければならないのです。
何より原発利権にいまだしがみついている旧政権の連中を政治の場から引き摺り下ろすことこそが大事なのです。
人類が破滅するとすれば、それは人口爆発によるものでもなければ、ましてや、二ビルなどの馬鹿馬鹿しい惑星衝突でもなければ、「核」によって破滅することは確かなことです。
それは「想定外」などではなく、とっくに分かっていることですから100%人災です。
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