
金融崩壊後の“新しい西部開拓時代”の金本位制デジタル通貨が見えてきた・・・
(※第202号パート1、パート2、パート3の3本の記事のところどころを抜粋して、4分の1程度に短くしたものです。全文はメルマガでお読みください)
日銀の「異次元の量的金融緩和」ではマネーストックは増えない
・・・アベノミクスにともなう異次元の金融緩和は、結局、マネタリー・ベースではなく、マネー・ストックを増やさないことには、インフレは起こらない、という基本原則を確認しただけに終わりそうです。
・・・日銀の金融政策では、急激な円安誘導によって輸出型企業の業績が上向いただけで、私たちの暮らしを向上させる実質賃金は増えないことが分かったのです。
これは、労働者から大企業へ所得の移転が起こったことを示しているのです。
つまり、日銀の異次元の金融緩和の真の狙いは、2%の物価上昇ではなく、別にあるということなのです。
異次元の量的緩和とは、国民の資産を債権に変える「等価交換」のこと
・・・しかし、安倍政権は、2017年4月に予定されていた消費税の増税を再度延期し、2019年10月に再延期しました。
・・・おそらく、消費税10%引き上げの延期が、後になって「日本経済崩壊の分水嶺になった」と分かるのではないでしょうか。
これから、少子高齢化が加速化されていく中で、2020年度の「プライマリー・バランス黒字化」は絶望であることは自明です。
むしろ、政府が選んだのは、政府の債務残高が増えるのを抑制するのではなく、GDPを押し上げることによって「債務残高対GDPの比率」を下げるほうに重点を置いています。
・・・その総額は、普通国債と財投債を併せると1100兆円に迫ろうかというところまで来ています。
それは、実は国民一人一人が政府に対して持っている「債権」なのです。
つまり、金融政策の本質とは、中央銀行である日銀と民間銀行との関係で考えれば、日銀が保有している国債と、民間銀行の日銀当座預金の「準備金」を等価交換しているに過ぎないのです。
やがてやってくるインフレ大増税
・・・日銀の国債保有残高は、年内にも500兆円を超えそうです。
今後、三菱東京UFJ銀行のように、「国債市場特別参加者資格」を返上するメガバンクが出てくると、政府は国債の引き受け手がいなくなって、年度予算が組めなくなります。
・・・そのとき、「財政ファイナンスによって、日銀が国債をすべて買い取れば、国民の負担なくして財政健全化が可能」とする意見がありますが、それはフィクションです。決して信じないでください。
「財政ファイナンス」とは、ヘリコプター・マネーそのもののことです。言い方が違うだけで本質的には同じです。
・・・企業業績を示す数字は、名目上、一気に改善し、一見して日本は好景気の入り口に、やっとたどり着いたかのように見えます。
しかし、マネー・ストックが増えたことにはならないので、結果、インフレは起こらず、一方で国債を日銀が引き受けているので、金利も上昇しないため、外国人投資家は、資金調達コストを抑えたまま、日本株に資金を振り向けることができるのです。
アベノミクスの中身がスカスカであることが分かった後は、すでに大方の外国人投資家は、利益確定を済ませて日本市場から撤退しています。以後、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の資金で株式市場を支えながら、外国人投資家の資金逃避を防いできたのです。
これもまた、国民の資産が政府と大企業に形を変えて移転したことになるのです。
民進党が政権を取ろうとしない理由
・・・麻生財務大臣は、「シムズ理論はヘリマネ、私が閣内にいる限りない」と言い切りました。
言い方を変えれば、政府が発行する国債を日銀が無制限に引き受ける「財政ファイナンス」を容認しない、と言っているのです。
・・・日銀が国債を購入する目的は、主に二つあると考えられます。
ひとつは、金利を低く抑えるため。
もうひとつは、2019年から本格導入が予定されている国際決済銀行(BIS)のバーゼルIIIです。
バーゼルIIIは、国際業務を行う銀行を対象に、ポートフォリオの健全化を促し、自己資本比率を高めるため、不良資産を減らすよう求める国際ルールです。
国際決済銀行(BIS)は、格付けが二度三度引き下げられた日本国債を優良資産と見ていないので、日本のメガバンクは、国債の保有比率を下げざるを得なくなっているのです。
この二つの理由から、日銀は果敢に国債を民間の金融機関から吸収していくでしょう。
日本銀行は、2019年までにバーゼルIIIに適合する金融機関に体質改善を果たすでしょう。
しかし、日銀の量的金融緩和は、そこで打ち止めになってしまうのです。
・・・麻生財務大臣が、「私が閣内にいる限り、ヘリマネはやらない」と自信を持って言えるのは、こうした事情があるからです。
つまり、逆の見方をすれば、残すところ長くても2年。それ以後は、「財政ファイナンス」に踏み込まざるを得ない、と言っているのです。
「財政ファイナンス」を実行すれば、十中八九、ハイパー・インフレになります。
一度、財政ファイナンスを実行すれば、財務省は財政破綻させないためにも、それを継続させたいでしょう。
そう、ハイパー・インフレによって、国民の生活が本当に息詰まるまで。
そのときに、実施されるのが預金封鎖です。
・・・今回の国有地払い下げ問題は、野党にとって政権交代の千載一遇のチャンスです。
しかし、どの野党も精彩を欠いています。
特に民進党は野党連合に積極的ではありません。
3.11の東日本大震災によって起こされた福島第一原発事故の責任を負わされ、腐敗したメディアのプロバガンダによって、迫っている財政破綻の責任まで引き受けることにでもなれば、民進党は完全に消滅するでしょう。
トランプ政権のシリアへのミサイル攻撃は「黙示録的」
・・・シリアに対して、米軍は大規模な攻撃を行わないまでも、次に北朝鮮の脅威と向き合わなければなりません。
そろそろ、トランプラリーの終焉が近づいています。
ロシアは、トランプの心変わりを、「黙示録的」と形容しています。
証明された一朝有事のときの金(ゴールド)
日本の株式市場は、ここのところ、急に円高に振れているので軟調な展開になっていますが、米国市場は、シリア攻撃を、すでに織り込んでいたためか、暴落は免れています。
代わりにすぐに反応したのが金(ゴールド)市場です。
下は、ブリオンボールトの金(ゴールド)の今日1日のチャートですが、米軍のミサイル攻撃の第一報が流れると同時に、本来、値動きの重い金(ゴールド)価格が見事に跳ね上がっています。
(JPYは円建て USDはドル建て GBPは英ポンド建て)

もっとも、一気に跳ね上がったのは、金(ゴールド)、銀(シルバー)などの貴金属だけでなく、原油先物価格も同じです。(Investing.com)

一朝有事のときのコモディティー(商品)、特に、金(ゴールド)への資金逃避は、こうしたイベントのたびに確認することができます。
世界中の投資家は、最大の安全資産として、今でも金(ゴールド)に資産を避難させているのです。
三菱東京UFJ銀行が、日銀に“謀反”を起こしたのは、明らかに中央銀行による銀行システムとの決別宣言と捉えなければならないのです。
三菱東京UFJ銀行は、今年の秋、独自の仮想通貨「MUFGコイン」を発行します。
日本も米国もEUも金融危機は不可避
「社会を崩壊させるもっとも確かな方法は、通貨を堕落させることである。
インフレの過程においては、すべての経済法則が社会秩序を破壊する方向に動くようになり、人々は、ただの一人も、その理由を理解することがない」。
これは、ジョン・メイナード・ケインズが言った言葉です。
インフレとは、モノ・サービスに対して通貨の価値が減価(購買力の低下)していく状態です。こうしたプロセスに入っていくと、通貨を持っていること自体が、資産の目減りにつながってしまうのです。
・・・ケインズの言うとおり、それは人々の目で確認することはできません。だから、気が付いたときは、貧乏になっているのです。
・・・三重苦の米国経済に出口はありません。世界規模の金融危機に備えて、米国の人々はシートベルトを締めなおしています。
・・・日本も、2013年初頭から始まったアベノミクスにともなう異次元の量的金融緩和によって、日銀の国債保有残高が400兆円を超え、年内には500兆円に手が届くところまで来ています。
つまり、国債の買い手である民間銀行が、日本国債から逃げを打っているのです。
中央銀行による不換紙幣の発行は限界に近付いている
最近、BSの経済番組で「預金封鎖」の可能性を訴える経済学者が少なからず出てきました。
私たちが、政治の腐敗を止めることができなければ、早晩、それは訪れます。
2013年7月、東京財団は、政策提言「財政危機時の政府の対応プラン」をまとめました。
同提言の内容は、「金融危機の初期段階」と「本格突入の段階」の2段階に分けられていますが、現在の日本の状況は、まさしく前者の「金融危機の初期段階」です。
その兆候は、非常に潜在的です。
・・・結局、財務省は、面子にかけても東京オリンピックを潰さないようにするため、日銀に「財政ファイナンス」に踏み出すように強烈な圧力をかけるでしょう。つまり、ヘリコプター・マネーです。
その後は、ハイパー・インフレに突入する可能性があります。
西側諸国は、これを既定路線として通貨のデジタル化を急いでいます。
キャッシュレス化のスピードがもっとも速いのはスウェーデンです。
スウェーデンでは、現金での出入金を停止する銀行が相次ぎ、利用者の少ない地方のATMを撤去しています。
ノルウェー政府も、2020年までにキャッシュレス・エコノミーに移行する計画を推進しています。
日本も、後れを取るまいと、2020年の東京オリンピックに合わせてキャッシュレスに移行する準備を進めています。
去年の11月、インドのナレンドラ・モディ首相が、1000ルピーと500ルピーの2種類の高額紙幣の使用を禁止しましたが、米国に対しても、国際通貨基金(IMF)が、100ドル紙幣の流通を止めるべきだとする提言を出しています。
・・・西側先進国のほとんどが、仮想通貨への移行に着手しているか、具体的な検討に入っています。
(※メルマガ第195号「現金を廃止するEUの動きとブロックチェーンによる暗号通貨経済」にて詳述)
これらの動きについては、さまざまな分析がありますが、総じて、各国の中央銀行が正貨、つまり金(ゴールド)に裏付けされていない不換紙幣の発行が限界に近付いていることを示しています。
ビットコインは「通貨のノアの箱舟」であることが証明された
中央銀行が通貨を発行する場合、政府の発行する国債という借用証書を購入する対価として、新札を印刷して市中に送り出します。
つまり、それは、その国の国民が背負わされる借金が形を変えたものに過ぎないのです。
現在、世界中は、中央銀行によって借金漬けの状態に置かれています。
中央銀行制度は、すべてのイデオロギーを超えて廃止しなければ、世界経済の崩壊は免れないことが分かってきたのです。
ほとんどの国の通貨が潜在的に暴落のリスクを抱えており、仮想通貨(クリプトカレンシー=暗号通貨)へ資金を逃避させる局面が多く見られるようになっています。
政情不安で通貨危機に陥ったウクライナ、そして、ハイパー・インフレに見舞われた南米のアルゼンチンやブラジルでは、資産をビットコインに替えることによって通貨の減価(購買力の低下)を防いだ人々が大勢いました。
そのため、「一朝有事のときの避難場所」として仮想通貨の需要が一気に高まり、ビットコイン特需が起こったのです。
また、財政危機から実質的なデフォルトに陥り、銀行から必要な資金を引き下ろすことができなくなったギリシャでも、事前に銀行の預金口座に預けておいた現金の一部をビットコインに替えておいた人々は、それを現金に換えて使用することができたので、まったく支障がなかったのです。(ロイター 2015年6月17日付)
ビットコインが「資産保全法の王様」として、一躍、脚光を浴びた出来事のひとつは、2013年3月、キプロスで起こった金融危機でしょう。
ギリシャ危機の煽りを受けて、キプロスで預金封鎖が実行されたとき、やはり事前に兆候をつかんだロシアの富裕層がビットコインに乗り換えたことによって資産課税という預金の没収から逃れることができたのです。
・・・最近では、国民投票によって英国のブレグジットが決定的となったときも、ビットコインが急騰しました。
英国のEU離脱によってユーロやポンドの下落を懸念した資金が、ドルや円に向かうと同時に、ビットコインにも向かったからです。
この資金の大半が、ユーロやポンドを買っていた中国の富裕層の資金が行き場を失って、最後の資産防衛手段としてビットコインに乗り換えたことが主な原因です。
ビットコインは、国家予算規模ではないにしても、ある程度の「巨額」な資金の避難場所としても活用できることが証明されたのです。(日本経済新聞 2016年6月29日付)
中国は、独自の仮想通貨を金(ゴールド)で裏付けようとしている
世界経済が不安定になると同時に、ビットコインの持つ「資金の避難場所として需要」が爆発的に拡大し、「仮想通貨」先進国の欧米では、法整備が後手後手となり、資金の流出がコントロールできなくなっています。
特に、金融当局の監視が厳しい中国の富裕層にとって、ビットコインは必要不可欠の存在になっています。
実際に、ビットコインの利用者の大半は中国人であると言われています。
・・・今年1月5日、ビットコインの値が過去最高値から一気に23%も下落しました。(チャートのソース)

これは、ビットコインがあまりにも急激に上昇し過ぎたので、投機筋がリスク回避のために利益確定したことと、人民元が上昇したので、ビットコインを売って人民元に乗り換えようとする中国人富裕層が殺到したためで、ビットコインは、資産保全の手段と同時に、投機の対象になってしまっているのです。
その1週間後、すかさず中国の中央銀行である中国人民銀行がビットコインの大手取引所の検査に入り、さらに、1ヵ月後には、国内の3大ビットコイン取引所にビットコインの引き出し停止措置を行いました。
・・・欧米は、今回の中国人民銀行の規制を中国の為替操作と捉えていますが、ビットコインなどの民間の仮想通貨がもたらす大きな変化の一部を捉えたものに過ぎません。
つまり、中央管理システムから完全に切り離された仮想通貨こそが、中央銀行の通貨政策を脅かすことになり、ひいては、中央銀行制度そのものを崩壊させてしまうことが実証されたことによって、中央銀行とブロックチェーンとの対立が表面化したものと捉えなければならないのです。
一方で、中国は世界中から金(ゴールド)を買い集めています。
とうとう、中国の公的金保有量は4000トンを超えました。
中国政府は、国民にも金(ゴールド)の保有を積極的に奨励しているので、全体ではおそらく1万トンに迫る勢いでしょう。
これは、去年9月、国際通貨基金(IMF)が、人民元を特別引出権(SDR)通貨バスケットに採用したことに対応したもので、ゆくゆくは、金(ゴールド)で裏付けされた人民元による通貨覇権を目論んでいることを如実に示しているのです。
中国の金融当局が、ビットコインが人民元と交換される分については口を差し挟まないのは、中国が独自の仮想通貨の発行を計画しているからで、今のところ、ビットコインを多くの国民の間に普及させることによって「仮想通貨の教育期間」と考えているからです。
ロシアと中国は、独自の仮想通貨システムによって西側の中央銀行システムからの脱却を目指している
同じく、金(ゴールド)を世界中から集めているロシアの対応は中国とは正反対です。
2014年2月、ロシア当局は、ビットコインをはじめとする仮想通貨を使った資金決済を違法行為とし、「ロシアの公式通貨はルーブルただひとつである」と国内外に周知させました。
・・・ロシアの場合は徹底しており、来年に迫ったロシアの大統領選に向けて、プーチンの対立候補が、ビットコインによる選挙活動資金集めまで禁止しています。
・・・しかし、そのロシアにも、去年8月にビットコイン交換所がオープンしました。
また、クリル諸島(千島列島)という比較的、閉鎖された経済圏で日米共同の仮想通貨推進プログラムを展開する計画が水面下で持ち上がっています。
これは、ロシアが反対しているのは、中国と同様、あくまで西側世界の仮想通貨システムで、独自に開発する仮想通貨システムには反対していないのです。
日本における仮想通貨は東京オリンピックに向けて拡大する
・・・とはいえ、ビッグカメラなどの大型量販店チェーンなどが参入してくると、その様相は一変する可能性があります。
もちろん、2020年に開催予定の東京オリンピックに、世界中から訪れる観光客を当て込んでの対応で、これをはずみとして、一気に仮想通貨の利用拡大が促されると見込んでのことです。
東京オリンピックに訪れた観光客が、日本ではビットコインが使えないとなれば、「仮想通貨後進国」のレッテルを貼られないとも限らないので、政府としても、今後、果敢に仮想通貨の普及拡大に向けたPRに力を入れるでしょう。
投資家たちは、むしろ、東京オリンピックの前後から始まると予想されている地価の下落、株式市場の暴落をきっかけに、ビットコインの急騰を当て込んでいるかも知れません。
不換紙幣によって、利用者が保有している資産価値が政府に流れ込んでいる
・・・通貨は、中央銀行が独占的に発行権を持っています。
しかし、中央銀行が通貨を発行する際には、政府が発行した国債(借用証書)を買い入れることによって、その支払いに充てるための新札を印刷して市中に放出するので、政府に国債の発行を野放図に許してしまえば、通貨の購買力が低下するばかりです。
これは、通貨から金本位制の足枷が解かれたことによって起こったことです。
これも「インフレ税」の一種なのですが、目に見えないのため、私たちは自分の労働の対価を政府に没収されていることに気が付かないのです。
仮想通貨を円と遮断させなければ意味がない
・・・どちらにしても、民間が発行する仮想通貨と円との交換レートを固定すれば、最悪のシナリオを回避することはできないのです。
したがって、当初は「1MUFGコイン=1円」に固定するものの、普及へのインセンティブを働かせる目的で、次第に、交換レートの固定相場制は廃止されるでしょう。
たとえば、「1MUFGコイン=1.2円」というように、MUFGコインを使えば使うほど得をする交換比率を採用するのです。
円でモノ・サービスを購入するより、MUFGコインで支払いを済ませるほうが、2割増しの購買力を持つことになるのです。
おそらく、このことは現実になるはずです。そうしなければ、メガバンクの仮想通貨は普及しないからです。
とはいうものの、仮想通貨が法定通貨にならなければ、消費税も所得税も納めることができないので、いったんは円に両替しなければなりません。
当面の間、一定程度、仮想通貨が普及するまで、民間のメガバンク連合による統一仮想通貨と、法定通貨である「円」とが共存する社会となるでしょう。
スウェーデンは、2020年に紙幣を消滅させようとしている
・・・スウェーデンの中央銀行は、早ければ2年以内に、現行の法定通貨クローネに代わる e-kronaを発行する計画を具体化しそうです。
とはいえ、社会的弱者に配慮して、e-krona以外は法定通貨として使用できない、というわけではなく、紙幣のクローネも共存させる予定です。

スウェーデンが法定通貨としての仮想通貨を発行すれば、デンマークもこれに追随し、その他のヨーロッパ諸国も後追いするでしょう。
しかし、三菱東京UFJ銀行のような民間銀行が発行する仮想通貨と、スウェーデンのように中央銀行が発行する仮想通貨とは、本質的にまったく別物です。
中央銀行が仮想通貨を発行すれば、人々は、やはり国を信用して中央銀行に仮想通貨の口座を作るようになるでしょう。
その代わり、中央銀行に法定通貨としての仮想通貨の口座を開設することは、すべての人間の消費行動が、国家に逐一把握されることになります。
それでも、個人事業主にとって、頭の痛い消費税や所得税・市民税の申告も自動化されるので、国民は生産性を挙げることだけに集中することができます。それを歓迎するかどうかは、国民の人間としての尊厳と自主独立の意識にかかっていると言えるでしょう。
なぜなら、スウェーデンの近未来こそが、ビッグブラザーの監視社会そのものだからです。
ビットコインの発行量は、全地球の金(ゴールド)の埋蔵量とリンクしている?
ビットコインの発行量は、あらかじめ2100万BTCと決められています。
2017年には、2100万BTCのうちの87.5%が発行済みとなり、2033年には、99%が発行済みとなります。
残りの1%の発行が終わるのは、計算上では2140年になります。
これは、4年ごとに発行数量を半減させていく、というルールに則ったもので、仮想通貨といえどもインフレ状態を防ぐことを意識している点で、まさしく、金貨の鋳造に似ており、発行枚数が限定されていることから、金(ゴールド)の埋蔵量にもなぞらえているのです。
・・・「有事の際の金(ゴールド)」と同じように、ビットコインも「マイニング」という言葉が示すように、金(ゴールド)の値のように上昇したり下落したりします。
これは、金(ゴールド)に対して、通貨の価値が減価されたり、増価されたりすることによって、相対的に、そのように見えるだけです。
中央銀行が法貨としての仮想通貨を発行すると、それは「ビッグブラザー」につながる
ビットコインは、財政危機や通貨危機のときに、その国の通貨の購買力の低下(減価)から逃げ出すための、もっとも有効な手段の一つであることは、世界中の富裕層によって証明されました。
・・・世界中の中央銀行が、ごく近い将来、仮想通貨システムにおいて、手に手を取ってつながってしまうと、それこそ世界統一通貨の誕生です。
利用者が、その国の中央銀行が発行した仮想通貨で、さまざまな消費の決済を行おうとして、中央銀行に仮想通貨の口座を開設すれば、その瞬間から、すべての消費行動が中央銀行や政府に把握されてしまうのです。
ビッグブラザーの世界を実現するためには、ロンドンの中心街のように、息苦しくなるほどたくさんの監視カメラを設置する必要などないのです。
政府が、通貨をデジタル化して、それを新法によって「法貨」と定め、中央銀行が、その国の国民に使うように奨励すればいいのです。
やがて、仮想通貨が、その国にあまねく行き渡ったとき、中央銀行が従来の紙の不換紙幣を全廃してしまえば、恐ろしい監視社会が始まることになります。
ですから、中央銀行が発行する仮想通貨と、ビットコインのような民間の発露から出てきた仮想通貨が、将来的につくり出す社会はまったく異なるのです。
必要な「純金積立」の見直しと現物への切り替え
さて、理想的な仮想通貨とは何でしょう?
前述した三つの問題点をクリアした仮想通貨です。
一つは、絶対価値の裏付けがあること。
二つ目は、政府が「法貨」として認める認めないに関わらず、本来的に「正貨」であるので、万が一、事故が起こったときに国が救済しなくて問題ない。
三つ目は、中央銀行が発行する仮想通貨でなく、国民が監視されないこと。
二つ目は、政府が「法貨」として認める認めないに関わらず、本来的に「正貨」であるので、万が一、事故が起こったときに国が救済しなくて問題ない。
三つ目は、中央銀行が発行する仮想通貨でなく、国民が監視されないこと。
今後の利用拡大が、どのように展開されていくのか不明瞭な部分も残されていますが、現段階で、この三つの問題がクリアされている仮想通貨が、シンガポールに拠点を置く資産トークン化会社「デジックス・グローバル(Digix Global)」が発行した「DGX(デジタル・ゴールド・トークン)」です。
「トークン」とは、仮想通貨専門サイトで、広く「代用通貨」と説明されていますが、ここに登場する「DGX」のトークンは、ビットコインのような、さまざまな国の通貨の代替えとして使われる仮想通貨のことではありません。
「DGX」が「デジタル・ゴールド・トークン」と名付けられているように、金(ゴールド)つまり、正貨の価値を正確に反映させることによって、金(ゴールド)の価値を自由に分割し、極端に少ないコストで自由に移動させることができる機能を含んだ記号」と言い換えたいと思います。
まわりくどい言い方ですが、もっと簡単に言うと、「DGX」=デジタル・ゴールド・トークンとは、金(ゴールド)の所有権をイーサリアム(Ethereum)のプラットフォーム上でデジタル化し、金(ゴールド)で価値を裏付けられた仮想通貨の「亜種」のことです。
安全資産として金(ゴールド)は、経済崩壊のときの「資産のノアの箱舟」として、特に富裕層に広く受け入れられています。
ジェイコブ・ロスチャイルドやジョージ・ソロスでさえ、相場の先行きに致命的なシグナルが見えてくると、「経済崩壊に備えて、資産を金(ゴールド)に移し替えた」と欧米メディアが報じるほどです。
・・・金FTFとは、厳密に言うと、金(ゴールド)の価値を細かく分割して取引しやすいように工夫した金融商品と言うことができます。
さらに厳しく言えば、「純金積立」も同じようにペーパーゴールドで、その発行量に対応した金(ゴールド)の現物が存在するかどうか保証されていないのです。
このことは、金FTFのホルダーや、「純金積立」の実行者が、いざ、金(ゴールド)の現物と交換して自宅なり、銀行の貸金庫に保管しようとしても、交換できない可能性があることを意味します。
・・・ですから、金(ゴールド)の知識がない初心者の人が金(ゴールド)による資産の保全を考えるとき、とっかかりとしては「純金積立」はお薦めできるのですが、ある程度、貯まってきたら、金(ゴールド)の値動きを見て、円建てて上がったところで、いったん金(ゴールド)の現物に交換しておくべきです。
COMEX保有の250倍以上ものペーパーゴールドが取引されている
2015年9月22日現在の少し古い資料ですが、「COMEXの現物ゴールドの在庫の250倍以上の金」が、ペーパー・ゴールドとして取引されています。現在、この比率は、もっと高くなっているはずです。
COMEX金先物の未決済残高は、2015年9月22日の時点で4100万オンスに積み上がっていました。
それは、金(ゴールド)の現物(金塊)の重さにすると約1300トン、当時のドル換算では約500億ドルに相当します。
しかし、COMEXの現物ゴールドの手持ちの登録在庫は、わずか1億8500万ドル分しかないのです。
このように、実際に保管されている金(ゴールド)の250倍以上の金(ゴールド)が、「現物の金(ゴールド)に交換する権利が付与されている証書」、ペーパーゴールドとして、市場で売買されているのです。
・・・現在出回っているペーパゴールドも、取り付け騒ぎが起こらない、という前提で無制限に発行されています。
その意味では、「金の証書」とは名ばかりで、「不換紙幣」に近いと言えるのかも知れません。
「DGX」の登場によって、金(ゴールド)のトレードが可能になり、流動性が高まる
「DGX(デジタル・ゴールド・トークン)」は、ペーパーゴールドではなく、現物の金(ゴールド)に裏付けられている分しか発行されないという点では、参加者がいっせいに金(ゴールド)の現物に交換したいと殺到したとしても、供給量はあらかじめ保管されているので、その権利は履行されます。
「DGX」は、シンガポールのデジックス・グローバル社が発行していますが、かといって、この会社が管理しているのではなく、ブロックチェーンに取引きの正当性を審査させ、分散台帳に記録させているという点で、ビットコインと似ています。
・・・「DGX」が、どれほど安全で資産価値の保全に優れている代用通貨であるかについては、「Digital Gold 'Done Right' With DigixDAO Crypto-Trading On OpenLedger」でグーグル検索すれば、何本かの記事がヒットします。
ようこそ!ブロックチェーンの世界へ
「DGX」による金(ゴールド)の現物取引は、ブロックチェーンに支えられています。
金地金の保有者が、依然として集中管理された会社に自分の金(ゴールド)を保管させ、定期的に監査を受けているのであれば、プルーフ・オブ・アセット(Proof of Asset、PoA:資産の証明)を経た後、ブロックチェーンの分散型元帳技術(DLT)を使って、金(ゴールド)の現物のトークン化が可能になります。
・・・プルーフ・オブ・アセットでは、フォーナイン(純度99.99%)の金地金に関して、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)から付与される分析証明書や、大手監査機関のインスペクトレート・ビューロー・ヴェリタス(Inspectorate Bureau Veritas)による年4回の監査記録をブロックチェーン上に記録しています。
これらを組み合わせたスマート・コントラクトを通じて、信頼性の高い方法で金(ゴールド)をDGXトークン化しているのです。
デジタル・ゴールド・トークンの世界的普及は、実質的に「金本位制への回帰」を示す
デジックス・グローバル社が、デジタル・ゴールド・トークン「DGX」の初回販売を開始して、わずか12時間で約6億円分を売り上げました。
さらに、デジックス・グローバル社は、「DGX」の裏付けとして2016年末までに300万ドル相当の金を保管することに成功しました。
・・・デジックス・グローバル社は、2016年7月26日、「DGX」の裏付けとしている金(ゴールド)のインゴットを、シンガポールの銀(シルバー)地金取扱会社「シルバー・ブリオン社(Silver Bullion)」の堅固な安全保管庫に保管していることを公表しました。
デジックス・グローバル社は、2016年末にシルバー・ブリオン社に300万ドル相当の金を移動させる前までは、フリーポートにあるマルカ・アミット社(Malca-Amit)に、その金(ゴールド)の現物を保管していました。
「なぜ、保管場所を変えるのか」との質問について、デジックス・グローバル社のCEOは、このように答えています。
「シルバー・ブリオン社は、ブロックチェーン技術にとって理想的なパートナーです。
DGXとの統合に対する受容性は、デジックス・グローバル社の将来を考えると適合しています。
われわれは、シルバー・ブリオン社が挑戦しようとしていることと相乗効果があると認識しています」。
デジックス・グローバル社の共同設立者で、チーフ・コマーシャル・オフィサーは、デジタル・ゴールド・トークンの将来を見通して次のように語っています。
「シルバー・ブリオン社が持つ世界へ向けての市場開拓能力と同社の先見性は、デジックス・グローバル社の将来のパートナーシップとして協働することは非常に合致しています。
彼らは、貴金属によって裏付けされた暗号通貨のわが社のアイデアを歓迎し、潜在的にデジックス・グローバル社のプラットフォーム上の銀(シルバー)に裏付けられたデジタル・コインのリリースを迅速化してくれるでしょう」。
要するに、デジックス・グローバル社は、第二段として「デジタル・シルバー・トークン」の商品化を計画しており、世界市場に向けて販路を開拓してくれるシルバー・ブリオン社とともに、貴金属のデジタル・トークンの普及を目指すということです。
これに対して、シルバー・ブリオン社のCEO、グレガー・グレガーセン(Gregor Gregersen)は、以下のようにコメントしました。
「私たちはデジックス・グローバル社が保管している金(ゴールド)を、私たちと一緒に持つことができて非常にうれしいです。
われわれは両社が貯蔵している現物の金地金をどのように使用できるかについて新しい方法を導入している点で、彼らとの良好な相乗効果があります」。
金融崩壊後の新しい西部開拓時代の金本位制デジタル通貨
ビットコインが世に登場したとき、「デジタル・ゴールド」というあだ名が付けられていたことを知る人は少ないでしょう。
地球の金(ゴールド)の採掘量は、ほぼ天井に届いています。多くの採掘業者は、金(ゴールド)の埋蔵量は、これ以上増えないと見積もっているのです。
金(ゴールド)は、発行額が2100万BTCとあらかじめ決められているビットコインと同じような性質を持っています。
こうしたことから、むしろ、ビットコインは将来的に、その価値を金(ゴールド)に裏付けさせることを想定して発行された仮想通貨である、とさえ思えてくるのです。
クリプト・カレンシー(暗号通貨)の世界が、アメリカ開拓期の「ワイルド・ウェスト」であると言う人が多くいます。

そうした評判が世界中に広がっているのであれば、おそらく、その21世紀の新しい西部開拓時代のフロンティアで、もう一度、金(ゴールド)で取引を始めたいと思うのは当然のことでしょう。
時代・・・それは確かに変化しています。
しかし、しばしば、時代を越えて変わらないものがあります。
金(ゴールド)に価値を裏付けられたデジタル・トークンは間もなく世界中へ飛んでいきます。
この最新のベンチャーは、今のところ計画通りに進行しています。
日本では、その波が押し寄せる気配さえ感じられませんが、「DGX」のようなデジタル・ゴールド・トークンは、やがて日本にも上陸するでしょう。
ここで、もう一度、考えてみましょう。
なぜ、ロシアと中国、そしてインドは金(ゴールド)を、それほど必死になって世界中から買い集めているのでしょう?
なぜ、米軍は、ウクライナから密かに金塊を運び出したのでしょう?
なぜ、米軍は、イラク、シリアに侵攻して金塊を強奪したのでしょう。
ウクライナ、イラク、シリアの金塊は、いったいどこに隠されているのでしょう?
なぜ、ロシア正教会のキリル総主教が南極を訪れたのでしょう?
あなたは、Wikileaksの「Vault 7」の一連のツイートが、本当にCIAの極秘文書が保管されているアーカイブのことだと信じているのですか?
(※メルマガ第196号パート1、パート2、パート3「WTC第7ビルの秘密の地下とウィキリークス『Vault 7』と金本位制(その1)」にて詳述。ダイジェストはコチラ、そして、コチラの記事)
なぜ、国際通貨基金(IMF)の饒舌なオシャレ番長、クリスティーヌ・ラガルド専務理事が、2014年1月、ダボスの世界経済フォーラムで行ったスピーチの最後の質疑応答で、数秘術の「7」の暗示に触れたのでしょう?
彼女は「国際通貨のリセット・・・それは7に関係している」と言いました。人々は、ラガルドはオカルティストに違いないと考えています。
西側の多くの国々の中央銀行が、こぞって仮想通貨(暗号通貨)の開発に邁進している事実は、何を示唆しているのでしょう?
それらの中央銀行の仮想通貨は、いったい何で裏付けられるのですか?
ドナルド・トランプは、なぜ、わざわざメディアの前で「ドルより金(ゴールド)の現物でもらったほうが嬉しい」とアピールしたのでしょう?
すべてを、もう一度考えなおしてみるのも無駄ではないはずです。
(以上、第202号パート1、パート2、パート3の3本の記事の全体の4分の1程度です。全文はメルマガでお読みください)
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