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2月上旬のボットやAIの機械トレードによるフラッシュ・クラッシュ(瞬間的大暴落)の隙間から見えてきた風景は、ハイパーインフレによる経済崩壊だった。

(※この記事は、メルマガ第245号のダイジェストです。全文はメルマガでお読みください)

崩れた「有事のときのビットコイン」神話

欧米の長期投資家が肝に銘じている言葉があります。

「紙幣は、最終的には本質的価値に戻る・・・つまりゼロだ」・・・

これは、フランスの哲学者であり文学者であったヴォルテール(Voltaire)の有名な言葉です。

そうした投資家たちは、2月上旬に株式市場で起こった「異変」こそが、紙幣の価値が限りなく“ゼロに戻っていく”紛れもない兆候であると深刻に捉え始めています。

・・・2月2日、5日の史上最大の下げ幅を記録したNYダウの歴史的大暴落。

・・・では、有事の際の資金の逃避先として期待されているビットコインをはじめとする仮想通貨(暗号通貨)のほうは、どうだったのでしょう。

こちらも、年初から完全な下降トレンドに入っていたものの、やはり、2月2日の102万円から2月5日の67万円まで一気に34%の下落を記録しました。

ビットコインも、株式市場のフラッシュ・クラッシュと連動することが確認されたのです。

暴落で現したインフレの素顔

米国の金融専門メディアは、2月5日のフラッシュ・クラッシュの犯人捜しに躍起となっていました。ブルームバークは、さっそく「機械犯人説」を提唱しました。

CNBCは、「ますます多くのアルゴリズム取引が行われるにつれて、ストラティジストは、先週の大暴落が技術的メカニズムによって促された可能性がある」とのナスダックCEOのコメントを引用しながら、「暴落を引き起こしたのは人間のトレーダーの感情を無視して売買を行う機械によるもの」と断定しています。

・・・2月5日のロイターは、2月2日、5日両日の史上最大の暴落の要因は、トランプラリー後、上昇トレンドを継続してきた米国株の影に隠れて売られ続けてきた米国債に、インフレを先取りした筋が一斉に買いを入れた結果だと分析しています。


それを裏付けるように、2月5日、NYダウが約1600ドル暴落した日に、米10年債の利回りは2.8%を超えてきました。
その後、大量の買いが入って、一気に2.6%台まで落ちてきました。

米国債の利回り上昇の兆候は、暴落初日の2月2日の前日に現れていました。
米30年債の利回りが、米10年債に先行して3%を突破したのです。
これを、10年債の買いシグナルと受け取った機関投資家が買いに入ったのです。

その後の、米債券の利回りは上昇を続け、今日22日には2.913%まで上げています。

焦点だった2月14日の消費者物価指数(CPI)の発表では、季節調整済みで前月比0.5%上昇と、市場予想をさらに上回ってきました。
これは、明らかに、米国経済におけるインフレ基調を明確に示すものです。

かといって、米国債の買い一辺倒ではなく、ASEAN諸国の国債への分散投資が見られることから、債券ヘッジファンドは、米国のソブリンリスクを見据えた微妙な動きを見せています。

「今度は、債券市場に騒乱を来たすことになるだろう。それは、大規模なクラッシュだ」

世界最大の債券運用会社、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO:ピムコ)のグローバル・クレジット担当最高投資責任者(CIO)、マーク・キーセル(Mark R. Kiesel)は、1月31日、ブルームバーグに、「米10年債利回りが3%に上昇したら買い手が現れるだろう。私はその水準で債券購入を検討したい」と述べていましたが、早くも、それは現実になったのです。

また、その前に、ダブルライン・キャピタルCIOのジェフリー・ガンドラック(Jeffrey Gundlach)と、グッゲンハイム・パートナーズCIOのスコット・マイナードの両氏は、口を揃えて、「(米10年債利回りが)3%を超えてくると、これまでの強気相場は本当にゲームオーバーだ」と1月9日のウェブキャストで語っています。

米10年債利回りが3%を超えると、いよいよ世界経済に赤信号が点滅することになります。

去年の11月26日に配信したメルマガ第232号「恐怖のサイン点滅!2018年からは銀行システムの外側に避難すべき!」に、以下のように書きました。(ダイジェストはコチラ)

バンク・オブ・アメリカのマイケル・ハートネット(Michael Hartnett)は、最初から、「市場の大幅な修正は予想より早まる」という見方を示してきましたが、今では、さらに早まって、「株価の瞬間的暴落(フラッシュ・クラッシュ)は2018年の前半に起こる」と警告するようになりました。

「われわれは、株価のボラティリティーの鎮静化によって、流動性が枯渇すると考えられるので、2018年前半には瞬間的な株価の暴落が起こると見ている」

・・・ もっとも、株価だけではありません。

ミント・パートナーズ(Mint Partners)のストラティジストであるビル・ブレイン(Bill Blain)は、「2008年の金融危機から10年が経とうとしているが、いまだに市場は調整が十分ではない。今度は、債券市場に騒乱を来たすことになるだろう。それは、大規模なクラッシュだ」と述べています。

2月2日、5日の株式市場のフラッシュ・クラッシュは、彼らの予想が正しかったことを証明したのです。

<後半省略>

完全なる崩壊から資産を守るために「あらゆるペーパーマネーを売って現物を買っておけ」

・・・スコット・マイナードは、2年前に「米10年債利回り、2016年末までに1%下回る可能性」を指摘しました。彼の“予言”は的中しました。

もう一人のキーマン、ジェフリー・ガンドラックの“予言”は、さらに的中率が高く、欧米メディアも一目置く存在となっています。

そのガントラックの1月30日のツイートが波紋を呼んでいます。・・・1月30日のブルームバーグが、このツイートについて瞬時に記事にしています。
「同氏は今月、S&P500種株価指数が2018年通年で下落するとの予想を示した。仮想通貨や、短期的な利益を狙う新興市場での取引についても警鐘を鳴らした」・・・

<中間省略>

・・・要するに
ジェフリー・ガンドラックは、「米10年債利回りが3%を突破してくるなら、株式、債券、仮想通貨のすべてから撤退して、コモディティーに資金を移動させるべきだ」と言っているのです。

コモディティー・・・もちろん、それは金(ゴールド)や銀(シルバー)の「現物」のことです。つまり、「あらゆるペーパーマネーを売って、現物を買っておけ」と言っているのです。

今後は、ジェフリー・ガントラックのツイッターに関心を持ってください。

西側の中央銀行のすべての紙幣の価値はゼロに近づいていく

クォーツは、端的に「誰もが、突然、利上げに恐怖するようになった」と、この事態を言い表しています。

・・・財政ファイナンスに踏み切る政府は、つまり、ハイパーインフレに誘導して国民の富を徹底的に吸い上げることによって経済崩壊を延命しようとします。

おそらく、その最初の政府は、現政権下の日本国政府になるはずです。

ヴォーボワールが言うように、今後、紙幣の価値は加速度を付けて、その本質的価値=ゼロに近づいていきます。

どうか、紙幣の本質に気が付いてください。FRBが、本格的な利上げに踏み切る前に・・・

トランプ減税は、かえって市場の暴落要因となる

・・・トランプが打ち出した法人税減税措置は、企業が海外の銀行に保有している資金を本国に送金することを許可するものです。
大企業は、その膨大な資金を自社株買いに割り当て、時価総額を引き上げることに使うでしょう。

このことによって、米国企業の財務基盤はさらに安定し、株式市場を押し上げるでしょう。

ブルームバーグは、それでも浮いた資金を使いきれず、大企業は余剰資金を設備投資に回すと予測しています。

しかし、ジェラルド・セレンテは、トランプ政権発足以来、NYダウを45%も押し上げてきた熱狂は持続できない、と見ています。

・・・セレンテは、機関投資家が、さらに過剰にレバレッジを利かせて過大評価された株式に買い向かうことは期待薄と見ているのです。

「それは、むしろ世界的に株価を急落させるように見える」・・・

<後半省略>

金(ゴールド)の上昇は、市場の終わりを告げる確信的なサイン

そこで、セレンテが勧めるのは、「金(ゴールド)の値動きをウォッチしろ!」ということです。

・・・ジェフリー・ガントラックが、「ドルは下落へ、コモディティは買い、ジャンク債は売り」と警告したように、コモディティーとは、金(ゴールド)のことです。それも金ETFなどのペーパーゴールドではなく現物です。

・・・今後、さらにインフレ懸念が濃くなってくると、ますます金(ゴールド)に資金が流入してくることになるはずです。

それは、米10年債の高利回りに魅かれて、いったんは米国債に資金を移したものの、インフレを抑え込むためにFRBによる金利のじり上げが止まらないことを投資家たちが恐怖し出したときに始まります。

・・・大方の金投資アドバイザーと同じように、ジェラルド・セレンテもまた、金(ゴールド)に対する見直しが入って価格が上放れし、1トロイオンス当たり1450ドルのレンジを上回って価格が安定してくると、FRBによる金利上昇の魅力さえ放り投げて、株式、債券から引き上げた資金によって金(ゴールド)の価格は少なくとも数百ドルも上昇するかもしれないと見ています。

早い段階から金(ゴールド)に資産を移して経済崩壊に備えてきた人々は、自分の資産運用方針が間違っていなかったことに自信を回復することができるでしょう。

金(ゴールド)投資家が息を吹き返して再びメディアに登場し出すとき、歴史上経験することのなかった世界恐慌が目前に迫ってきたことを告げる深刻なサインと受け止めるべきです。

私たちが何をすべきか言うまでもないのでしょう。

(この記事を仮想通貨トレードの判断に使用しないでください。当方は一切の責任を取りません)

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