
「レベル7」と言うけれど、海洋と地下に流れ出た分は内訳に入っていない
福島第一原発から海に垂れ流されている放射能汚染水について、政府もマスコミもタブー扱いになっているようです。
海洋汚染の深刻度を「タブーという雰囲気の中に霞ませてある」ので、結局、その霞が晴れたとき「日本政府は海洋汚染については隠蔽している」と言われるのです。
4月12日、政府は、この原発事故の深刻度は「レベル7」相当であると発表しました。
原子力安全・保安院の試算では37京ベクレル。
原子力安全委員会の試算では63京ベクレル。
東電は、「放射性物質の総量は発表できない」。
それぞれ数字がマチマチです。
原子力安全・保安院は、4月12日の時点で「福島第一原発から大気中に放出された放射性物質の総量はチェルノブイリの10分の1の放出量にも満たない」と言っています。
チェルノブイリの場合は、大規模な水素爆発、そして火災後、数日で収束しました。放射性物質の全放出量は520京ベクレルと推定されていますが、ほぼそのとおりなのでしょう。
一方、福島第一原発のほうは、ダラダラ漏れが続いているので、放出された放射性物質の総量は掴みにくいですね。
原子力安全委員会は63京ベクレル。
原子力安全・保安院の算出したのは37京ベクレル。
なぜ、これほどの差が生じたのでしょう。
この動画は民主党の川内議員、辻議員らが主催する「東日本大震災の勉強会」の様子を撮ったものです。
これは、アップが4月20日ですから、おそらく前日に開かれた「勉強会」だと思います。
参加者は、
手前の黄色の服を着た2人が原子力安全委員会の職員。
その隣が民主党の川内議員(会の進行役)。その隣が辻議員。
向こう側の二人が、原子力安全・保安院の二人。
辻議員の隣が、保安院の中村審議官。
この勉強会には、川内議員、辻議員の他に、鳩山元首相、森ゆうこ議員、その他の専門家が参加しています。
頭の部分から39分(00:39:00辺りまで)を通してご覧いただくと、スッキリ分かります。
原子力安全・保安院が37京ベクレルと算出したやり方は複雑で、原子力安全基盤機構(通称ジェネス:JNES)に依頼して算定したものだと言っています。
地震後、原子炉停止時に残っていた放射性核種の量(原子炉が安全運転している状態なら正確に計算できる)を基本の数字として、その後、起こった水素爆発の規模や、消防隊員の放水などよる緊急の冷却措置がどのようなものであったか、などを吟味して、圧力容器内の内壁に沈着しているであろう放射性核種が外に漏れることなく閉じ込められているものと仮定した上で計算している数字。
原子力安全・保安院は、どの程度の割合で放射性物質が外に出て行ったかを算定するのに、「放出率」という係数を使っています。
あくまで机上の計算によるものですから、分析する側の方針や考え方によって大きく実態とかけ離れてしまう危険性があります。
1号機については、さまざまな方法で冷却してきたものの、早い段階で炉心は溶融してしまって圧力容器を溶かし、すでに格納容器まで達していたのですから、原子力安全・保安院の計算の前提となる条件そのものが違っているわけです。
ですので37京ベクレルという数字は、今となってはまったく意味のない数字となってしまいました。
他方、原子力安全委員会の推計の仕方は、地震の震動でも壊れなかったモニタリング・ポストで大気中の放射線量を計測して、そこから各放射性核種の減衰期や、風向き、広がり方など、さまざまなファクターを入力して自動で計算してくれるプログラムを使って「逆推定」したもの。
大気中のダストをサンプリングして、原子炉が爆発した起点まで戻って、今までにどれだけの量が大気中に放出されたかを推計した結果、63京ベクレルという値になった、ということです。
ただし、原子力安全委員会は17日~19日くらいまでは、風向きの方向が陸地から太平洋に変わってしまったので、この分については補正をしたと言っています。
そして、あくまで大気中の放射性物質のダスト・サンプリングなので、各原子炉から海に流された放射能汚染水に含まれている放射性物質の総量は度外視している、と言っています。つまり、「ゼロ」として推計しているのです。
これは、原子力安全・保安院も同じです。海洋汚染はまったく考えていないのです。
また、原子炉の(おそらく)敷地内数箇所の空気中線量をサンプルとして使っているので各号機ごとに計算しているのではなく、1、2、3号機の合計の値が63京ベクレルという結果になった、ということです。
原子力安全委員会は、一部は推計に頼って補正してはいますが、サンプルの実測値を使っているので、原子力安全・保安院の推計方法より、より実態に近いということになります。
00:26:40辺りから鳩山前総理が地下水への流出、海洋汚染の量について質問しています。
「海洋汚染を度外視しているのだから、チェルノブイリの10分の1の放出量というのは成り立たないのではないか」と質問しています。
原子力安全・保安院の中村審議官は、このように答えています。
「特に2号機から海洋に放出された高濃度の汚染水に含まれていた放射性物質の総量については東京電力のほうで推計している」と答えています。
つまり、海洋汚染の程度については、事故を起こした東電自身が計算しているのです。
東電はINESの基準に沿ってレベルを推定しているものの、「放射性物質の総量は発表できない」と言っているのですから、東電が海洋汚染の程度について情報を出すわけがないのです。
原子力安全・保安院は矛盾したことを言っています。
また、00:36:00辺りから、「レベル7」を決めるに当たって基準とした国際原子力事象評価尺度(INES)について、このように言っています。
「INESについては海洋放出について、レベルの算定に当たっては評価の内訳には加えることになっていない。
液体の形で外に出て行くものについては、人への影響が出てきた場合についてのみ評価をするということになっている。
これもIAEAのほうでまとめたものですが、大枠としては環境への影響と言うことでまとめていますが、その趣旨としては人への影響としている」。
驚いたことに、INESは人間も環境の一部として考えており、その水を飲んだり、魚を食べたりして人がガンを発症するなど実際に健康被害が発生したときになって初めて、環境汚染という尺度を与え、レベル算定の内訳に加える、というものであると言っているのです。
恐ろしいことに、INESという尺度は「人間に目に見える健康被害が出ないうちは、海洋がどんなに汚染されていても、これを勘定しない」というものなのです。
どういうことか、というと放射能に汚染された魚を食べ続けてガンになったとしても、それが福島第一原発から放出された放射性物質との因果関係がはっきりしないうちは、一切考慮に入れない、ということなのです。
であれば、知らない人はガンになるまで、その魚を食べ続けることになるのです。誰も警告してくれない、というのですから。
そして、これをまとめたのがIAEAだと言っているのです。
つまり、政府が怪しい根拠なきIAEA、そして福島児童の「20ミリシーベルト」を勝手に決めたICRP、そして、このINESも、人間不在の基準である、ということです。
人間の側に立って作られた基準ではありません。人間を人体実験の対象として見た場合の基準なのです。
これは正しいです。人体実験のための基準です。
日本の政府、役人、学者たちが、こんなマヤカシを信じていてるうちは、これからも多くの人が犠牲になっていくでしょう。
それでも、彼らは気がつかないのです。
完全にマインド・コントールされてしまっています。
「汚染物質は海で希釈・拡散されるから大丈夫だぁ~」 これが国の言うことですか
3月11日以来、政府は福島第一原発沖合いの海洋調査は一切やっていません。この海域には、国以外は入ることができません。
なぜか?
民主党の空本議員が福島第一原発沖の海洋調査をやらないと大変なことになる、と言っても政府は動きません。
今のところ、太平洋が唯一の放射性物質の廃棄場所だからです。

データのソース:福島原発周辺の海水(表層)の放射性物質濃度(文部科学省)
この海域にグリーンピースが入って、海洋の汚染状況を計測したいという話があったのですが、日本の政府は断ったようです。これはオランダ政府からの正式の要請だったというのです。
グリーン・ピースは日本の捕鯨調査船に度重なる妨害行為を行なってきて、逮捕者まで出しているだけでなく、例の当たり屋・シーシェパードの親分ですから、日本政府が福島第一原発の海域への進入を拒んだとしても無理からぬこと。
何をやるかわかったものではないからです。
だからといって、日本の政府が福島第一原発沖合いで、海水の汚染度を調べさせたくないという事実は変わりません。
本来なら、国民の命を守るために日本の政府が真っ先にやらなければならないことです。
4月29日、茨城県と福島県の境界辺りの海域で獲れたコウナゴから二度にわたって、暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を上回る1129ベクレルの放射性セシウムが検出されたと報道されました。
誰でも心配していたこと-海洋汚染が始まったのです。
東電は、4月4日、とんでもない高濃度の汚染水を海に放出すると発表、その日のうちに海洋に垂れ流してしまいました。
その後のマスコミの報道では、「海で希釈されて薄まってしまうので問題ない」でした。
希釈されても放射性物質の量が減るわけではありません。
これから海での食物連鎖が始まるのです。
白血病やがんを引き起こし、海洋生物の捕食で10倍も濃縮される猛毒が1ヵ月も前にバラ撒かれていた(記事)
4月18日に海水を採取しておきながらストロンチウムの検出発表が5月8日までずれ込んだのは、意図的なものがあったのか、単に慎重を期したのか ---。いずれにしても一科学者として私見を言えば、約3週間も掛かったのは遅すぎる。放射性物質についてはいまだ科学が解明できていない領域が多いこと も確かだが、だからこそ分かる範囲の事実を早急に公表することが求められます。3・11からもう2ヵ月が経ったのに、東電はそんな基本的な危機管理すらで きていない。
名古屋大学名誉教授でNPO法人「原子力資料情報室」の古川路明氏は失望を隠さない。東京電力は5月8日、福島第一原発の周辺の海で4月18日に 採取した海水から、放射性物質「ストロンチウム89」と「ストロンチウム90」を初めて検出したと発表した。
これを受け、原発敷地外で放射能モニタリングを行っている文部科学省も今後、海洋のストロンチウム調査を実施するというが、すでに〝空白の3週 間〟にどれだけの量のストロンチウムがバラ撒かれたのか分からないのだ。元日本原子力研究所室長の笠井篤氏も「何を今さら」と苛立滲ませる。
東電は放射性ヨウ素や放射性セシウムについてはモニタリングしていたのに、ストロンチウムの海洋汚染に関しては事故後約40日が経過するまでまったく計測を行っていなかった。
ストロンチウム89やストロンチウム90はヨウ素やセシウムが検出されていた時点で当然検出されるはずの物質ですから、もっ と早期にモニタリングをするべきだった。
なぜ計測が4月18日にずれ込んだのかを東電に聞くと、「すぐにはお答えできません」(東電広報部)
文部科学省の対応は、このときから不自然なのです。
放射性物質は、水銀や有機塩素化合物などと異なり、食物連鎖を通じて魚体内で濃縮・蓄積しない by 水産庁
ここに水産庁に関する「信じられない記事」があります。
水産庁が国民に向けてHPで公表している「水産生物における放射性物質について」というレポートに、故・笠松氏の論文が引用されている。水産庁は「結論」としてこう記す。
〈放射性物質は、水銀や有機塩素化合物などと異なり、食物連鎖を通じて魚体内で濃縮・蓄積しない〉
水俣病は、魚体内で生物濃縮された水銀を人間が摂取したことが原因だった。水産庁は、「水銀と違って放射性物質は魚体で生物濃縮しないから大丈夫」と、このレポートで断言しているのだ。
下は、該当するページだけで構成したもの。

チェルノブイリで大人の晩発障害となって重大な健康被害を出したのはストロンチウム90であることは世界的な見解になっているようです。
水産庁は、世界中の権威を敵に回しても辞さない覚悟があるようです。
これが確かであるなら、基準値以上のセシウムやヨウ素が検出されたコウナゴを食べてもいいし、すべての水産物は放射性物質に触れても安全ということになります。
しかし、もしこれがイカサマ情報であれば、日本の水産加工品は、ますます海外に輸入してもらえなくなるでしょう。
で、「現代ビジネス」の記者が、この点について水産庁に問い合わせたところ、このような回答があったと言うのです。
「水産庁HP発表の資料中の『濃縮・蓄積しない』という表現は、こちらの意図としては、『濃縮して蓄積しつづけない』という意味で使用しており、 『濃縮しない、かつ蓄積しない』という意味で使用しているわけではありません。
資料の3ページ目で、生物濃縮について触れ、ここで生物濃縮が存在している ことを述べています」
何が言いたいのかわからない、と思った方も多いだろう。
おそらく、濃縮しないとは書いていない、濃縮し続けないと書いたのだ、だから不適切な引用をしたわけではない、生物濃縮の存在についても3ページ目でちゃんと触れている、そう言いたいのだ。
この理屈は、どこかで聞いたぞ…。
そうだ、原子力安全委員会の斑目委員長の
「『再臨界の可能性はゼロではない』と言ったのは、『限りなくゼロに近い、という意味だ』」という、例のアレと同じ理屈ですね。
おそらく、水産庁の役人たちの本音は、こうなのでしょう。
「日本の国民は教育レベルが高いです。
その国民が安心してパクパク食べている魚ですから、まったく問題ありません。みなさんも、どんどん輸入してください」。
政治家、官僚たちは日本の消費者を、輸入国の人々の「お毒見係」にしたいのでしょう。
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