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これは東京都中野区が茨城県内に「区民風車」を建設して電力を売ろう、というプロジェクトに「税金の無駄遣いだ」と反対のパブリックコメントを出そう、という呼びかけです。
結果は、今後10年間に3基の風車を建設することになったようです。
最初の1基目は常陸太田市「里美牧場」に決定。2013年の稼動を目指すということです。
特に大きな予算でもないし、実験と実益を兼ねているので、いいのではないでしょうか。


このようにパブリックコメントはさかんに行なわれています。

モンサントの遺伝子組み換えセイヨウナタネの第一種使用に関するパブリックコメント

その前に、パブリックコメントとは、どういうものか理解しておきましょう


まず先に、この記事↓をお読みください。
パブリックコメントが分かります。
国民の小さな声を国に届ける方法
まずはプロログとして、このように大まかに理解しておいてください。

実際にパブリックコメントが募集された案件について、ケーススタディを挙げて、考えてみます。
「遺伝子組み換えダイズを国内でも栽培できるようにする要請についてのパブリックコメント募集」
これは昨年の12月24日に告知され、1ヶ月間の間に939通のパブリックコメントが寄せられました。
既に締め切れており、結果が発表されているものです。

リンク先の見・情報の募集結果をクリックすると、寄せられたパブリックコメント総数939件を25件に集約した内容を読むことができます。
このように要約して、短めの文章にすればいいんだ、ということが分かります。

農水省に、この案件を許可して欲しい、と持ち込まれたものは遺伝子組み換えダイズの移動(つまり流通)、そした日本の畑で栽培させろ、という要望です。

パブリックコメントとして、この案件をどのように見ていったらいいか、こちらのサイト様が素晴らしいです。
消えてしまうかもしれないので、全文コピーさせていただきます。
今後、パブリックコメントを投書する機会が増えると思いますので隅々までお読みください。

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2011-01-17

現在、農林水産省が意見募集を行っている案件「遺伝子組換えダイズの第一種使用等に関する承認に先立っての意見・情報の募集について」に対して意見を送ろうという運動を、NPO法人 アジア太平洋資料センターPARCが行っています。この件については、その手法に問題があるのではないかということが、指摘されいています。*1 *2 *3

今回のようなケースが起きてしまう原因に、そもそもパブリックコメントという制度への理解が十分ではないことがあげられるかもしれません。
パブリックコメントについて詳しい解説を畝山さんがFoodScienceでの連載記事でなさっていたものがあるのでご紹介します。

海外の事例も踏まえ、パブリックコメントとはどの様な制度で、どの様な意見が求められるかがわかりやすくまとめられています。

パブリックコメントは何のためにあるのか - 日経BPフードサイエンスの過去記事

食品の分野だけに限らないのですが、民主主義国家においてはさまざまな機会で人々の意見が求められます。
政府や官僚が勝手に法律や規則を作るので、何かがうまくいかない場合はすべて政治家や官僚のせいであって、一般国民には何も責任はないというような主張を見かけることもありますが、本当にそうでしょうか。

例えば行政担当者が現場を知らないせいでヘンな案を作っていることが分かったなら、教えてあげればいいと思います。

パブリックコメント募集はその良い機会です。

 ただしパブリックコメントで求められているのはあくまで他人を納得させられる合理的意見であって、人気投票や世論調査ではないことは認識しておいたほうが良いと思います。

日本でも時々大量の同じ意見を出そうと誘導する団体が、意見はこう書こうなどといったようなテンプレー トを準備して一般の人に呼びかけるような運動をすることがありますが、同じ意見は何通出しても1つの意見でしかありません。

逆にそのような呼びかけをする 団体は、効果のないことを一般の人に要請し、事務処理の手間を増やすことで税金の無駄遣いをさせている、あまり志の高くない団体であると認識されるでしょう。

実際、適切な意見を出すには、対象となっている案件への深い理解と相当な労力が必要です。

意見募集に鋭い意見が多く寄せられることで、意見を募集する側もより質の高い提案を目指すことになるでしょう。

パブリックコメントは関係者すべての利益のために、効果的に利用していきたいものです。

今回は遺伝子組換え作物のパブリックコメントを出す際に押さえておくべきと思えることについてまとめてみます。

カルタヘナ法
について

環境省が公開しているカルタヘナ法の解説ページから、遺伝子組換え作物を輸出入する際に必要な手続きを確認していきます。図は特に断らない限り、以下のサイトに公開されているものです。

ご存知ですか?カルタヘナ法 環境省

生物多様性条約が求める手続き

そもそも、なぜ遺伝子組換え作物を輸入する際に申請手続きを踏まなければならないのでしょうか?

それは「生物多様性条約」において遺伝子組換え生物を国境を越えて移動する際に所定の手続きを定めているからです。

生物多様性条約
というと聞き覚えがある人もいるかもしれません。

昨年、名古屋で開催されたCOP10は、その「生物多様性条約」を議論する場でした。

さて、「生物多様性条約」では下図のような手順を踏むことが求められます。(クリックで拡大)


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遺伝子組換え作物を輸出入する際の手続き

AIA手続き(Advance Informed Agreement Procedure)とは輸出入事前同意とも呼ばれ、輸出国・輸入国双方が事前に遺伝子組換え作物が生物多様性に与える影響を確認する手続きの事です。

国内での運用はカルタヘナ法で行う

国際条約である「生物多様性条約」をもとに、国内法が整備されています。それを「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」通称「カルタヘナ法」といいます。この法律では遺伝子組換え作物について、その使用形態について2種類に区分しています。(画像クリックで拡大)

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カルタヘナ法における使用形態の区分
第一種使用は開放系での使用(屋外など)について、第二種使用は閉鎖系での使用(実験室など)が想定されています。

第一種使用について
農作物というのは基本的には屋外で栽培されるものなので、基本的に第一種使用を申請することになります。その手順は次の通りです。(画像クリックで拡大)


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第一種使用の申請から承認まで今回、パブコメが 求められているのはこの部分です。
ところで、この第一種使用にも二種類の手続きがあります。
まず、始めに行われるのが隔離ほ場での栽培実験です。

隔離ほ場とは、実際に日本の自然条件の下で生育した場合の特性を明らかにするための試験栽培を行うほ場です。

隔離ほ場としての要件を満たすためには、フェンスなど部 外者の立入を防止するための囲いや防風林、防風網など花粉の飛散を減少させるための設備などが必要となります。


参考 Q. 『隔離ほ場』とはどのようなものですか? バイテクQ&A 社団法人 農林水産先端技術産業振興センター


隔離ほ場での栽培に関して認可がとれると、実際に隔離ほ場を用いての栽培試験がおこなわれます。
この隔離ほ場での栽培実験によって得られたデータは、次の一般ほ場利用の認可申請の際のデータとなります。

一般ほ場での認可が認められると、理屈の上では国内での栽培が可能になります。

ただし、この一般ほ場での認可が下りたからといって、即国内で栽培されるわけではありません。

事実、今回のパブコメ以前にすでに多数の遺伝子組 換え作物が所定の手続きを経て承認され、輸入されていますが、実際に国内での商業目的の栽培は行われていません。

そもそも、食料や飼料として輸入する目的での申請なので、厳密には栽培のための認可は不要なわけですが、多くの品種において、律義に栽培も含めた申請が行われています。

というのも、日本で栽培する非遺伝子組換えの作物であっても、種子を採取するのは海外である場合も多く、その際に意図しない交雑や混入が起きないとも限りません。

その場合に安全性の確認をとっておかないと、栽培について承認されていない無認可の遺伝子組換え作物が栽培されてしまうという事態になりかねません。
そうした事態を避けるため、国内栽培が全く予定されてないものについても輸入・流通の認可だけでなく、栽培の認可も取得します。

これまでに認可された遺伝子組換え作物
遺伝子組換え作物の第一種使用認可の手続きはこれまでも数多く行われています。

こちらの資料では、それらが作物別・承認順にまとめてあります。

カルタヘナ法に基づく第一種使用規程が承認された遺伝子組換え農作物一覧(作物別、承認順) PDF

また、過去のパブリックコメントの結果については、こちらから確認することができます。

パブリックコメント 環境省

すでに多くの遺伝子組換え作物が承認されています。

PARC
のサイトにあつまったコメントを確認すると、いままで禁止されていた遺伝子組換え作物が初めて承認されるかのように勘違いしている方が多く見受けられますが、事実は異なります。

日本における大豆の実情

さて、遺伝子組換え作物について輸入すべきではないという意見は多数あります。

しかし、実際は大豆に限らず多くの遺伝子組換え作物が日本に輸入され、私たちの食生活の一部になっています。

ここでは、農林水産省の大豆のホームページから、現状を探ってみましょう。


【大豆をめぐる事情】H22年12月版(PDF:1,514KB)によると、日本ではおよそ400万トンの大豆を毎年消費しています。
そのうち、自給できているのはおよそ5%です。(クリックで拡大)



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大豆の需給動向

400万トンのうち食用が100万トン、それ以外の300万トンが油糧用・飼料用です。

仮に食用の100万トンがすべて非遺伝子組換えの大豆だったとしても、残りの300万トンは遺伝子組換え不分別の大豆が輸入されます。
日本へ輸入される大豆は70%がアメリカからです。

アメリカではすでに作付け面積の9割が遺伝子組換え大豆となっています。
また、2位のブラジルも65%は遺伝子組換えです。


およそ250万トンほどの遺伝子組換え大豆が輸入されています。

仮に国内で非遺伝子組換え大豆を自給しようとするとどれだけの面積が必要でしょうか?
次の図は大豆の単収を表しています。(クリクッで拡大)20110607-6.jpg
大豆の単収

およそ150kg/10aであることがわかります。
つまり、1.5t/haです。

400万トンの需要を全て満たすためには270万haの土地が必要になります。
これは日本の田んぼの面積と同じです。*4

次に、他国の栽培状況を確認してみましょう。
資料は農林水産省の海外食料需給レポート2009 です。


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遺伝子組換え大豆の生産国では単収が高い

これによると、遺伝子組換え大豆の生産国では単収が2.8t/haを超えています。
国によっては3.0t/haに迫る勢いです。

気候などの違いもありますから、一概に遺伝子組換えだけの成果とは言えないかもしれませんが、同じ面積で日本と比較して倍の量の作物が取れることになります。

また、アメリカ、ブラジル、アルゼンチンが世界のほとんどの大豆を作っています。
また、主要な輸出国の輸出量と日本の輸入量を確認してみましょう。(クリックで拡大)

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主な大豆輸出国と日本の輸入状況

日本に大豆を供給可能な国は本当に限られていることがわかります。

もし、本当に遺伝子組換え作物を拒否するならば、それだけの農地を新たに確保する必要があるでしょう。

非遺伝子組換え大豆は栽培が面倒なため、特別にプレミア料金を払ってつくってもらっている状況です。

アメリカやブラジルの遺伝子組換え作物を作っている農家がわざわざそれに応じるでしょうか?
それだったら別の国に売ったほうがいいという話になりかねません。

また、日本が輸入しているのは大豆だけではありません。
トウモロコシやナタネも多くは遺伝子組換えです。

私たちが今の食生活を送るためには外国の農地なしには成り立たないということは理解しておくべきだと思います。

輸入された遺伝子組換え大豆は国内で栽培されるか?

話は変わって、それでは認可された遺伝子組換え大豆は国内で栽培されるのか?
ということになると、そういうわけではありません。

一般ほ場での認可をとってしまえば、カルタヘナ法上では栽培可能ですが、各都道府県が条例や指針によって遺伝子組換え作物の栽培を制限しているケースがあります。
そういう場合には栽培できません。

また、非常に重要なことなのですが、国内で大豆を栽培する際にグリホサート(ラウンドアップ)などの除草剤を使用することはできません

除草剤耐性の遺伝子組換え大豆は除草剤とセットでなければそのメリットが生かせません。

それなのにわざわざ割高な種を国内の農家が買うでしょうか?
また、売れもしないものを種苗会社が売るでしょうか?

また、先ほど確認したように国内の農地は世界的に見ると猫の額ほどの広さしかありません。

仮に遺伝子組換え作物が栽培できるとしても日本は栽培用の種の市場としては魅力がありません。

しかし、穀物の市場としては魅力的な国です。ですから、きちんと手続きをとって遺伝子組換え作物を輸入してもらおうとしているのです。

資料を読もう

カルタヘナ法と日本における大豆の事情を解説してきました。

あとは、実際に意見を出す皆さんのばんです。

農林水産省が出している資料
に目を通してください。
どのような栽培条件での承認を得ようとしているのか?


生物多様性
に影響を与える恐れはないのか?

全て資料を見て判断してください。
そして、問題があるならばその点を具体的に指摘してください。


遺伝子組換え作物はすでに日本の暮らしを支えています。だからこそ、真剣にデータと向かい合うべきだと思います。

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管理人:

この記事は、遺伝子組み換え作物の輸入については認めているが、一般のほ場での栽培は日本では、有り得ないので今から心配する必要はない、と言っています。

ちよっと「匂う」ものがありますね。割り引いておいてください。

この記事は明らかに、遺伝子組み換え作物肯定派の見方です。


このケーススタディとして取り上げた「遺伝子組み換えダイズの国内栽培」の案件についてのパブリックコメント募集告知に際して、どの企業が「遺伝子組み換えダイズを国内でも栽培できるようにする要請」したかは募集要項の中には書かれていません。

申請した企業名を知ることができたのは、パブリックコメント:意見募集中案件詳細という別のページの審査報告書(資料1、資料2)という1pdfファイルを開いて初めて分かったのです。

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農水省のパブリックコメント募集案件には、必ずといっていいほど、「生物多様性」「カルタへナ法」の二つが出てきます。

そして、遺伝子組み換え作物と栽培のついての案件には、必ず「生物多様性影響が生ずるおそれがないとして生物多様性影響評価書の結論は妥当だとの意見を得ている」と書かれているのです。

しかし、どんな条件下でどのように試験したのか、そして、それを評価した人間たちの背景(GM企業で働いた経験があるのか、GM推進派の学者なのか)については、まったく書かれていません。

農水省は、評価書の中身に客観性がないにも関わらず、「生物多様性影響がないの安心という意見が正しい」と言っているのです。
ここが問題です。
「初めに結果ありき」を感じます。

おさらいです。

「カルタへナ法」とは、「正式名称:遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」のことで、
「日本国内において、遺伝子組換え生物の使用等について規制をし、生物多様性条約カルタヘナ議定書を適切に運用するための法律で、遺伝子組換え生物が生物多様性へ影響を及ぼさないかどうか事前に審査することや、適切な使用方法について定められているもの」。

また、「第一種使用」とは、開放系(環境条件をコントロールされた室内ではなく、外気に触れる外)での使用する場合、
「食料や飼料としての運搬(つまり輸出入)、農地で栽培すること。
カルタへナ法をクリアして、生物多様性への影響が生ずる恐れがないと承認されたものだけが第一種使用できる」。

つまり、モンサント社やデュポン社などの多国籍GM開発企業が、日本へGM農産物などを輸出したり、日本の土地で遺伝子組み換え農作物の種子(一代限りの自殺種子=ターミネーター種子)を使って栽培するに際して(第一種使用)、生物多様性に影響を与えるかどうかを、カルタへナ法というフィルターにかけて、クリアした場合にのみ許可するというもの。

この案件「遺伝子組み換えダイズを国内でも栽培できるようにする要請」は、毒薬除草剤グリホサート(ラウンドアップ)耐性の遺伝子組み換えダイズを日本の畑で栽培させろ、という要請です。
つまり、日本の農家に自殺種子を売りつけ、モンサント社の利益向上に貢献しろ、と言っているのです。
実際には、日本の畑で栽培するのは最終的には自治体の判断ですから、いまのところ可能性は低いでしょう。

モンサント社など遺伝子組み換え作物の企業は、あくまで日本への輸出量を増やしたいという意図ははっきりしています。
遺伝子組み換え種子の際に、他の種が混じったりしてしまったとき、「あらぬ疑いをかけられないように」、日本の一般ほ場でも栽培できるようお墨付きを得ておきたいと言う思惑があるからです。


この遺伝子組み換えダイズの栽培の是非については、NPO法人・アジア太平洋資料センターが、パブリックコメントを書くに際してのまとめを載せています。
そのときに一般から寄せられたパブリックコメントの事例がありますので参考にしてください。
こんな文章を書けばいいのか、ということですね。

つまり、こんな風に考えればいいのではないでしょうか。
誰かに悩みを打ち明けられ、あなたは真剣にそれに対して良いアドバイスをしようとします。

「まあまあ、そんなに急に結論を出さないで、少し勉強してじっくり考えてみたらいいよ。
こんな風に考えてみたらどうか。今まで自分が気づいていなかったこともあるんじゃなか。
いろいろ世の中を広く見て少し勉強してから自分で決めたらどうか」。

パブリックコメントとは、国や自治体に、このように「教え諭す」ような態度が必要なのかもしれません。

パブリックコメントは、あくまで意見なので、「福島児童の20ミリシーベルト撤回要求」のときの抗議文とは違います。
自分の意見を述べて、その提言を国や自治体が取り入れることによってより良い結果を引き出そうというものですから、対立や闘争的な要素はありません。

また、署名運動でもありませんので、パブリックコメントの数が多いからといって国に取り上げられるというわけでもなく、少ないからといって無視されるというものでもありません。
たとえ1通でも、内容が良ければ国を動かすことがあります。

それでも、パブリックコメントの数が多いにこしたことはありません。
少なくとも国民の関心が高いことを示すことにはなりますから有効です。

以下に、問題となっている本案件(セイヨウナタネなど)についてまとめました。
■農林水産省にパブリックコメントを送る場合

遺伝子組換えセイヨウナタネ、トウモロコシ及びワタの第一種使用等に関する承認に先立っての意見・情報の募集(パブリックコメント)について


農林水産省・パブリックコメントのメールフォーム

遺伝子組換えセイヨウナタネ、トウモロコシ及びワタの第一種使用等に関する承認に先立っての意見

■環境省にパブリックコメントを送る場合

遺伝子組換えセイヨウナタネ、トウモロコシ及びワタの第一種使用等に関する承認に先立っての意見・情報の募集(パブリックコメント)について


この件について環境省に意見する場合(要項のみ・メールフォームなし)
遺伝子組換えセイヨウナタネ、トウモロコシ及びワタの第一種使用等に関する承認に先立っての意見

※環境省でも、同じ案件についてパブリック・コメントを募集していますが、こちらはメールフォームがないので、ご自分のメーラーから送付することになります。


本案件について、パブリック・コメントがどういう意味を持つかもう一度、おさらいです。

遺伝子組換えセイヨウナタネ、トウモロコシ及びワタの第一種使用等に関する承認に先立っての意見・情報の募集(パブリックコメント)について


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(4)今回の申請

今回、栽培等が認められていない遺伝子組換え農作物のうち、下表の作物について、カルタヘナ法に基づき第一種使用規程の承認を受けるための申請がありました。

(ア)隔離ほ場での栽培についての申請 

作物名

新たに付与された形質 開発者による識別記号
(区別のための名称)

申請者

セイヨウナタネ
  • 除草剤グリホサート耐性
MON88302 日本モンサント株式会社

  

(イ)食用又は飼料用のための使用等についての申請 

作物名

新たに付与された形質 開発者による識別記号
(区別のための名称)

申請者

トウモロコシ
  • アリルオキシアルカノエート系除草剤耐性
DAS40278 ダウ・ケミカル日本株式会社
トウモロコシ
  • チョウ目害虫抵抗性
  • コウチュウ目害虫抵抗性
  • 除草剤グルホシネート耐性
  • 除草剤グリホサート耐性
Bt11
×B.t. Cry34/35Ab1 Event DAS-59122-7
×MIR604×B.t. Cry1F maize line 1507×GA21
シンジェンタジャパン株式会社
ワタ(ピマワタ)
  • 除草剤グリホサート耐性
MON88913 日本モンサント株式会社

  

(5)本件に関する審査

これらの審査に当たっては、カルタヘナ法、標準手順書等に基づき、生物多様性影響評価を行いました。学識経験者からは、承認申請のあった第一種使用規程に従って使用した場合に、生物多様性への影響がある可能性はないとの意見を得ました。
これらの結果に基づいて生物多様性影響が生ずるおそれはないと判断しました(資料1~資料4)。
これらの資料については、ホームページ上(電子政府の総合窓口(e-Gov))にて掲載しております。
こちらからご覧下さい。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=550001373&Mode=0
また、これらの資料は、農林水産省 消費・安全局 農産安全管理課においても配布しております。

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以上、重要部分の確認のために、再度、抜粋しました。

では、どのようにしたら、もっとも効果的なパブリックコメントを国や自治体に投書することができるのか

パブリックコメントの定義

パブリックコメントは、持ち込まれた要請に対して、有識者が粗い評価を加えてから一般公衆に投げかけ、広く意見を募集するというものです。
ここで国民ははっきり意見を言わないと、そのまま国民の合意を得たものとされてしまって、政府案が作成されて、知らないうちに採択されて衆議院に送られてしまいます。

といってもパブリックコメントですから、私たちが何も専門家になる必要はありません。
国の役人とて、すべての要請に対して応えられるほどの知識などもっていないのです。

彼らに気づかせてあげる、というな感じでいいと思います。

このブロガーさんは、パブリックコメントを書き方に精通している人のようです。
ぜひ参考にしてください。
このブロガーさんも参考になりますね。

今後は、欧米のようにパブリックコメントを通して社会を変え、自分たちの生活を守っていくことが、日常的な活動の中に組み込まれていくと思います。
日本人は冷静で真面目なのですが、人が言うまで自分の意見を言わない「もどかしい奥ゆかしさ」があります。
今回の原発事故の政府の隠蔽があまりにもひどいので、さすがに大人しい日本の国民は怒っています。

これからは、臆することなくどんどん意見を述べましょう。

モンサント社、除草剤グリホサート(ラウンドアップ)の何がいけないのか 

この記事を読んで自分もパブリックコメントを発してみよう、と思っておられる人たちのターゲットは、遺伝子組換えセイヨウナタネ、トウモロコシ及びワタの第一種使用等に関する承認に先立っての意見・情報の募集(パブリックコメント)についてです。

実は、今年の2月15日から一ヶ月間、上のモンサント社の案件と同様に、デュポン社からもセイヨウナタネの第一種使用(日本国内での流通と栽培)要請があったのです。

今回のモンサント社の要請にも、どうもこれと同じようなことが見られます。
遺伝子組換えセイヨウナタネの第一種使用等に関する承認に先立っての意見・情報の募集です。

上のリンク先のいちばん下にある審査報告書(資料1を開いてください。
狙いは、デュポンが日本に毒薬除草剤グリホサート(ラウンドアップ)に耐性のあるセイヨウナタネの栽培を普及させたい?

それは、多少の事故が起こっても、日本に対する遺伝子組み換え作物の輸出には影響を与えない、という同意を国から取り付けておきたい、ということです。

生物多様性影響もなく、グリホサートも安心(危険な除草剤です)であると国がお墨付きを与え、国内のほ場での栽培も許可しているのだから、「何か文句あるなら、日本の政府に言え」ということですね。

彼らも日本が海外から食料を輸入できるうちはGM種子を購入しないだろうと考えているので、「自殺種子」と「グリホサート)ラウンドアップ」のセットで日本の農産物の生産現場まで侵食することは今のところ戦略の柱にしていないはずです。

やはり、遺伝子組み換え作物の対日本の輸出量を増やし、価格競争によって日本の国産物を駆逐してしまおうという戦略であることは間違いありません。
TPPは、遺伝子組み換え作物がスムーズに日本に流れるようにするために「環境整備」です。

その反映が、この記事のいちばん上にパブリックコメントの事例として出した「遺伝子組み換えダイズの第一種使用の要請」も同様、すべての案件が、毒薬除草剤グリホサート(ラウンドアップ)耐性にある遺伝子組み換え作物を国内で流通させたり畑で栽培させたりするできるようにしろ、という要請に表れているのです。

とにかく、グリホサート(ラウンドアップ)アレルギーを払拭しておきたいというのが本音のようです。

バイエル社、デュポン社、そして、とうとうモンサント社が出てきたというわけです。
よってたかって多国籍のGM開発会社が、(おそらく今すぐにではなく)ゆくゆくは自殺種子を日本に定着させようとして躍起になっている、ということなのではないでしょうか。
すべてが毒薬除草剤グリホサート(ラウンドアップ)を併用して栽培する、というものなのです。

ただし、日本の農業をこうしたGM会社が乗っ取ろうとすれば、放射能に強い遺伝子組み換え作物を開発しなければなりませんね。皮肉なことですが。

この毒薬除草剤グリホサートは安全衛生情報センターによると、毒薬とされているのに、毎回「生物多様性」は問題ない、という日本の専門家たち。いったい、どんな学者たちなのでしょうか。はきっり言えば、遺伝子組み換え開発会社に遠からず関係のある人たちであることは言うまでもないでしょう。

さて、当該件ですが、今回は以下の3つです。

日本モンサントからの要請:
①セイヨウナタネを日本の畑でも栽培できるように求めるもの。
②ワタ(ビマワタ)を食用・(家畜・産業動物の)飼料用に使うことができるように求めるもの。

ダウ・ケミカル日本株式会社からの要請:
トウモロコシを食用・飼料に使うことができるように求めるもの。

シンジェンタジャパン株式会社からの要請:
トウモロコシを食用・飼料に使うことができるように求めるもの。

以上、3つの多国籍GM開発会社の日本法人からの要請ですが、各社すべての要請に対してパブリックコメントを述べてもいいし、モンサントの案件だけに絞ってもいいと思います。

除草剤グリホサート体制や除草剤グリホシネーと耐性については2004年から食用・飼料用に供することが認められています。
毎回、同じような案件が上がってくるのは、除草剤の改良型型が出てくるからでしよう。そのたびに承認申請をやっているようです。
カルタヘナ法に基づく第一種使用規程が承認された遺伝子組換え農作物一覧参照。

今回の要請案件で、「ワタが食用と飼料用?」と思われた方が多いでしょう。
ワタは主に衣料用に使用されますが、同時にワタからは「綿実油」という食用油も作られます。

遺伝子組み換え種子を使ったワタの栽培については、日本は認めていません。
アメリカでは、綿の栽培に遺伝子組み換え技術を使った種子(F1種子:一代限りの種子)が認められています。


こうした遺伝子組み換え関連の要請を行なっているのは、以下の5社です。

モンサント   (アメリカに本拠を置くバイオ化学メーカーとして世界屈指)
日本モンサント株式会社

ダウ・ケミカル (アメリカの世界最大の化学メーカー)
ダウ・ケミカル日本株式会社

デュポン    (アメリカに本拠を置く世界第2位の化学メーカー)
デュポン株式会社

バイエル   (ドイツの多国籍企業。医薬品で有名)
バイエルクロップサイエンス株式会社

シンジェンタ  (スイスの多国籍企業)
シンジェンタジャパン株式会社

この5社のうち、なぜモンサントが問題となっているのか。

それはモンサント社が米議会や環境団体に多数の政治家、学者を送り込んでいるからです。
つまり、モンサント社の札束で顔を叩かれた連中が、米国の認可権限を持っているFDAを牛耳っているのですから、人体や遺伝子に悪影響を及ぼすどんなバイオ特許も通してしまうのです。

モンサントのやり口は、バイオ種子の特許権を根拠に、すぐに訴訟をちらつかせて農民を奴隷化しているからです。
モンサントこそ、地球のあだ花です。

その他、サントリー系列のサントリー・ホールディングス株式会社がありますが、これは花のバラについての申請で食料ではありません。


パブリックコメント:意見募集中案件詳細
にちゃんと書かれてあるように、この案件は、
■環境保全 /環境保全、自然保護
という観点から公衆がどのように考えてるかを知りたい、というものです。

パブリック・コメントも、その切り口で意見を述べるほうが採用されやすいです。

ポイントは、

1)これらのGM作物が生物多様性に悪影響があるのではないか、という視点。

2)日本人の食の安全という視点。

3)日本の農業を保護する、という視点。


この3点になると思います。

ただ、あくまで国は遺伝子組み換えの案件については、「生物多様性への影響」と観点でのみ議論しているようですから、3)日本の農業を保護する、という視点は、少し本題から遠ざかります。

下の3枚のファイルは、モンサント社のセイヨウナタネの評価についてです。
パブリックコメントの募集に際してのブリーフィングのようなものです。
(クリックで拡大)

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どうも、「考えられる」、「判断された」と言う表現が多く、科学的な試験をやったと言いながら、客観性に乏しいのが信用できないところです。
専門家、学者たちの恣意が感じられます。


今、この案件が、どこまで進んでいるかというと、

20110606-1.jpg
画像クリックで拡大表示

上の図には「二次使用」のフローも入っていますが、本案件は「第一種使用」についてですから関係ありません。

パブリックコメント:意見募集中案件一覧の知るには、電子政府の総合窓口/e-gov(イーガブ)をチェックしてください。
役所のサイトらしく、まったく使い勝手が悪いのですが、それでも左サイドメニューによって、なんとか求める「案件」に到達できます。
当ブログの左サイドのメニュー「リンク2」から入れます。

たまにチェックしてみてください。

ちなみに私のパブリックコメントを、ひとつの事例として上げておきます。

遺伝子組換えセイヨウナタネ、トウモロコシ及びワタの第一種使用等に関しての意見

<主旨>
「グリホサート耐性のセイヨウナタネを初めとする遺伝子組み換え作物の隔離ほ場での栽培」については問題が多すぎるので、国として中立の立場に立って、再度生物多様性評価を行なうべき



GE作物の持つ最大の問題点は、非遺伝子作物に比べて人間の健康維持に必要な栄養素が少ない、ということと、“chemical-friendly”だということです。
確かに除草剤グリホサート耐性のセイヨウナタネは収穫量は多くなるのですが、中身は栄養価の劣る質の良くないものだということです。

モンサント社の遺伝子組み換え食物(GE食物)の特徴のひとつは、劇薬である殺虫剤や除草剤が、ほぼ無制限に散布されても、生き残るという強い生命力です。

この劇薬グリホサートは、8週間以後の胎児に発達障害を起こすこと、腫瘍、癌、および非ホジキンリンパ腫などの発症に関連していることが米国の学会で発表されており、米国のマスコミでも連日取り上げられています。

遺伝子組み換え作物自体が将来的に人体や遺伝子にどんな影響をもたらすか分かっていない以上、少なくとも「(ア)隔離ほ場での栽培についての申請」は却下すべきだと考えます。

ほ場での栽培を認可するということは、米国での採種の際に、他の種子が混入するなどの事故が起きても、「もの言わない農水省」を意味するのです。

こうした要請の背景を考えてみると、モンサント社のようなGM開発会社の真意は、日本へ遺伝子組み換え作物の輸入攻勢をかけてくる、ということが分かります。

生物多様性影響評価についても、「生理学的、生態学的特性に関する試験結果を用いずとも、本組み換えセイヨウナタネ隔離ほ場試験で使用する場合の生物多様性影響評価を行なうことは可能であると判断された」とありますが、その論理的な説明なり資料が出ていない以上、「認可したいとの、結果ありき」と判断せざるを得ず、大きな世論を醸すことになることは必至です。

少なくとも、グリホサートが選択圧になっていることは世界の識者の共通認識であるので、生物多様性評価については非常に疑問を感じざるを得ず、信用に値しないものと判断しています。

上は一例です。

ダウケミカル社とシンジェンタ社の遺伝子組み換えトウモロコシの件については、もう少し勉強してから、別件として投書するつもりです。
国に関係することなので表現が硬くなってしまうのですが、大切なことは、人それぞれ、思うところを自分の表現で述べることだと思います。
長い文章でなくとも、2~3行でも要点をしっかりおさえてあれば十分です。体裁ではなく伝わればいいのですから。

ということで、「雛型」を何通りも書いても、それは結局、私の意見に過ぎず、みなさんの独自の視点を持って投書すると良いと思います。

遺伝子組み換え関連の記事については、どうしても小難しい記事になってしまいます。
読みづらい記事になってしまいました。ご容赦ください。

インターネットからの投書の締め切りは6月21日です。







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