
上の画像は、国会の質疑でもよく使われている群馬大学・早川由紀夫教授が作成した放射能汚染マップです。
大勢の市民が各地で計測した放射線量の値を集めて作成したものです。
そのマップの上にセシウム牛が見つかった地域名を記載したもの。
そこから分かることは…。
セシウム牛の発覚は想定内。問題は「米」の作付け面積がそれだけ少なくなった、ということ

上のマップは読売新聞が作成した7月18日時点で発覚したセシウム牛の頭数と産地です。
これにいちばん上の画像を同じ縮尺にして重ね合わせたものが下の画像です。

透過原稿にしてから重ね合わせたので見づらいのですが、セシウム牛の「産地」と、早川教授の放射能汚染マップの汚染地域が、ぴったり合致していることが分かります。合致していないところは、赤丸のところだけです。
そして、今日の河北新報の記事。
【汚染疑い稲わら 宮城4業者が6県に販売】
この記事は、肥育牛がセシウムに汚染された原因が、宮城県の4業者から購入した稲わらを食べさせただけではないことを示唆しています。
●稲わらは原発事故後、大崎、登米、栗原、石巻4市と、涌谷、美里両町で収集された。
販売先の各県の検査では、福島県で栗原市の業者が販売した稲わらから最大3万4000ベクレルを検出するなど、暫定規制値の7.9~25.7倍に当たるセシウムを測定した。
●一方、宮城県内の肥育農家858戸のうち、登米、栗原、大崎各市などの64戸が原発事故後に集めた稲わらを肉牛に与えていたことが分かった。
●県は各農家に残った稲わらの放射性物質の測定を実施。
1週間以内に測定結果を公表する方針。
汚染が確認されたわらを与えた肉牛は、流通経路をたどって販売先などを調べ、肉の在庫があれば放射性物質を検査する。
宮城県内の4業者から稲わらを買って飼料に使ったことだけが原因ではなく、肉牛畜産農家自身が作った稲ワラが管理面に問題があったということ。
日本の畜産農家は、BSE牛問題が起きる前までは、韓国、北朝鮮、台湾などから稲わらを輸入していたようですが、今では国内の稲わら生産業者から購入するか、自前で作るかのどちらか。
これだけ広範囲に田畑が放射能に汚染されてしまうと、稲わらの国内調達の道が狭められてしまったわけですから、今後、福島県の畜産農家にとっては、飼料の調達が難しくなったということになります。
肥育牛飼料用の稲わら生産の作業工程は、このようなもの。
今回、問題となっている放射能汚染された稲わらを宮城県の業者が収集したのが原発事故後といっていますから、屋外で天日干しを繰り返し行っているときに放射性物質が降り注いだことになります。
同じく、ある程度、規模の大きな畜産農家なら、自前で稲わらを作りますから、やはり天日干しにしていたときに汚染されたのでしょう。
上の2つのマップを重ね合わせた画像にある、セシウム牛が見つかった地域の畜産農家は、このタイプでしょう。放射能汚染ゾーン内の畜産農家です。
肥育牛は、秋風の吹き始める頃までは、このように牧草地帯で運動させます。
広い土地があれば、自由に遊ばせます。
東北・関東・中部の16都道府県の牧草を検査したところ、8県の牧場から放牧禁止の基準値を超える放射能が検出されたのが4月末。
宮城県の稲わら業者から購入した稲わらを与えていなくても、すでに春になって放牧を始めた畜産農家の牛は牧草を食べることによって体内被曝しているのです。
これが、どんどん出荷されていって、すでに消費されてしまっています。
農水省は、いままでに出荷されたセシウム牛は全部で648頭などと言っていますが、この数字が過少であることは明らかです。
稲作の田んぼが汚染され、放牧用の牧場も汚染されてしまったとなると、福島県、その近県の汚染地帯の牧畜業は壊滅です。
牛を養鶏や養豚のように、一生、狭い牛舎の中で肥育することなど不可能です。
画像クリック(すでに人間は牛以下です)
政府や自治体は、この広大な牧草地の除染など、やる気もないし、実際、不可能に近いのです。国民の信を失った政府が、今後できることといえば、牛肉の暫定基準値をさらに引き上げて、「汚染牛肉の安全神話」をでっち上げ、国民を洗脳して食べさせることだけです。
文部科学省は、なぜ農水省、環境省、厚労省にSPEEDI情報を出さなかったのか
一方、豚の場合も放牧豚の場合は特にダメでしょう。
放牧豚は土を食べたり、わら、草、木の枝なども食べます。
出荷されるまで一度たりとも外に出ることを許されず、薄暗い豚舎の狭いケージの中で極度のストレスに耐えながら肥育される豚を考えると、もう言葉が出ません…他に食べ物があるうちは、そこまでして食べたくない…。
周知のように豚は極端に神経質で、ストレスからPSE(ムレ肉、フケ肉)の発生や、さまざまな病気を引き起こします。これによって歩留まりが悪化、豚肉の価格も、政府の介在なしには、おいおい上昇するかもしれません。
では、鶏肉はどうか。
同じく屋外で平飼いしている地鶏の場合はダメでしょう。
ただし、日本の養鶏業の場合は、卵から孵化した後は24時間、エアコンで温度・湿度ともに完全管理された狭い鶏舎の中でひしめき合うように飼うのが一般的なので、こうした閉鎖系の環境づくりを一層強化していけば何とか生き延びることができるのではないでしょうか。
問題は給餌と水。
地下水(井戸)から汲み上げた水を使っている養鶏農家は、高性能のフィルターを取り付けるなどして、飼育環境を大きく改善しなければならないでしょう。これは牛・豚なら、なおさらです。
一方、野菜のほうはというと、露地栽培は常に放射能汚のリスクを背負わされることになります。
野菜工場での水耕栽培、ビニールハウスを使った温室栽培に移行する農家も増えてくるでしょう。資金調達を助けるための政府の新制度設立が急がれます。
消費者のほうも、今後は、「Off-the-Grid」なライフスタイルが大きな流れとなる可能性があります。
また、そうしたサポートサービスを提供する事業者が次々と出てくるはずです。
このように日本の農畜産業は、ドラスティックな変化を余儀なくされることになったのです。
農協、経済連といった農業関係の組織再編、農産物の流通システムなどにもメスを入れて、徹底した合理化・専門化を達成しないと、汚染地域の農畜産業は死を待つばかりです。
セシウム牛が出てくることは分かっていましたが、さすがに農水省も厚労省も、ここまで無為無策だとは思いませんでした。
これは「想定外」でした。
彼らには、常に想像力が足りません。
後手後手に回り、帳尻を合わせるかのようなマスコミ発表が、風評被害の元になっているのです。
そして、国民の人口削減にせっせと励んでいるのです。
農水省のキャンペーン・スローガン、「食べて応援しよう!」
こんなことをやればやるほど、世界中の国々は日本の農産物に対して、ますます警戒するようになってしまうのです。
日本に対する禁輸措置解除は、これでますます遠のいてしまったことでしょう。
日本からの食品の禁輸措置を取っている国は、6月上旬の時点で38カ国もあるのです。
こうした愚かな官僚が捏造する「安全神話」は、世界の人々から見ると、「不安全神話」なのです。
日本の農畜産業は、今後、数十年、いや100年以上にわたって世界のマーケットを失ってしまった…。

ここまで酷いと、農水省は脳衰省に、厚労省は殺そう省に改名したほうがいいです。
無能な官僚諸君は、どうぞ、ひまわり畑で遊んでいてください。
ところで、どうにも解せないのが、放射能拡散予測シミュレーション・データ「SPEEDI」の情報を文部科学省は、なぜ他の省庁に出さなかったのでしょう。
もっとも、出しところで、農水省や環境省、厚生労働省が適切な対応が取れたか疑わしいのですが。
SPEEDIは3月11日の夕方から、文部科学省、経済産業省の原子力安全・保安院、内閣府の原子力安全委員会に送られており、SPEEDIの情報を活用していた。
現地災害対策本部が置かれていた福島県庁にも送られていたのです。
これは、文部科学省がSPEEDIの事業委託(丸投げして、後は知らん顔、とも言う)している財団法人原子力安全技術センターのツネヨシ氏の証言です。
当の文部科学省は、農畜産物の放射能汚染のことは頭になかったのでしょうか。
なぜ、農水省、環境省、厚生労働省と情報を共有しなかったのでしょうか。
文部科学省こそ、原発の安全神話をでっち上げ、原発推進のPRを展開してきた省庁です。
放射能汚染が人間の健康被害だけではなく、動物や植物へも波状的・連鎖的に及ぶことなど想像もできなかったというのでしょうか。
セシウム牛も怖いけれど、ストロンチウム、プルトニウム汚染の可能性は誰も言わない
原子炉がメルトダウンしたとき放出される核種の主なものは、セシウム134、セシウム137、ヨウ素131、ストロンチウム90、プルトニウムです。
今回の放射能汚染牛では、とりわけセシウム134、セシウム137の危険性が取り上げられています。半減期の短い放射性ヨウ素131は、ほとんど消えているに違いない、と考えられるからです。
セシウムが人間の外にあるときはγ線による外部被曝を心配します。
これはガイガー・カウンターでも計測できます。
しかし、呼吸、食事などによって体内に取り込まれてしまうと、今度はβ線による内部被曝を起こします。
セシウムは、その95%が筋肉に蓄積されますから、特に筋肉の少ない女性では余計に心配になります。
β線を計測できる携帯型のガイガー・カウンターは少ないです。
しかし、セシウム134にも、セシウム137にも生物学的半減期があり、それぞれ約100~200日、約70日と時間が経つに連れて尿や便、汗などによって対外に排出されていきます。(このことを生物学的半減期といいます。「半減」というのは放射能の強さが半分になるということではなく、体内にある放射性原子の数が半分に減る、という意味です)
その間は、体内でβ線よって染色体が切断されているのです。
人間の身体は正常な染色体になるように、せっせと修復しているのですが、あまりに集中的に被曝量が多いと修復が追いつかずに、がん細胞ができてしまう危険性が高まります。
問題なのはセシウム134にしても、セシウム137にしても、生物学的半減期が70日~200日だといって、いつかは体外に排出されるのだから、それほど心配することはない、というICRPの考え方を前提とした誤った楽観主義がまかり通っていることです。
いまでもICRPの基準値を基に内部被曝まで解説している、いわゆる「専門家」がいますが、これは苦しいでしょう。
誰とは言いませんが、間違いだらけの解説です。
内部被曝の第一人者とも言うべき琉球大学の矢ヶ崎名誉教授によると、体内で、セシウムがバリウムに変化する際(β崩壊)にβ線を放出するのですが、それで終わりではなく、β崩壊してバリウムに変化した後も、γ線を放出するということです。
β線は、いわゆるホット・パーティクルの周囲1cmの範囲で、体内の分子のおよそ20000(2万)個を次々と切断していきます。
β線はγ線と異なり、桁違いに大きな影響を人体に与えます。
これが、そのエネルギーが半分になるまでの50年間、体内での破壊が続くのです。そして、その後も。
■主要な各種の生物学半減期
ヨウ素-131
物理学的半減期:約8.04日
生物学的半減期:甲状腺で約120日。その他の臓器で約12日
セシウム-137
物理学的半減期:約30.1年
生物学的半減期:約70日
セシウム-134
物理学的半減期:約2.06年
生物学的半減期:約100~200日
ストロンチウム-90
物理学的半減期:約28.6年
生物学的半減期:約49.3年
プルトニウムは、物理学的半減期(自然に崩壊して放射能が半分程度になる状態になる期間)が2万4000年ですから、生物学的半減期がどうのこうというより、「一生もの」と諦めるしかありません。一生、体内で染色体を壊しているのです。その破壊力も一生弱まることがありません。
そして、ヨウ素、セシウム-137、セシウム-134、ストロンチウム90の生物学的半減期を見ていくと、ストロンチウム90だけが物理学的半減期より生物学的半減期の方が長い、という性質を持っています。
これは他の核種が主に臓器、筋肉に吸着・蓄積されるのに対して、ストロンチウム90だけが骨に集中して蓄積されるからです。
なんと体内では半減期まで約50年も要することになります。100年生きて、やっと4分の1。
よくストロンチウムの半減期は28.8年と書かれている記事を目にします。
これは物理学的半減期のことを書いているのであって、人体の骨に蓄積されてしまった場合の生物学的半減期は、そのほぼ倍の50年です。
さらに詳しくは、画像クリックでソース元へ
元素記号の周期表からも分かるように、ストロンチウム(元素記号:Sr)はカルシウム(Ca)の下にあります。
この同じ列の元素には似たような性質があります。
(生体から見た場合)ストロンチウムはカルシウムと似ているように見えるので、カルシウムが骨に蓄積されて骨格を形作っていくように、ストロンチウムも同じような動きをして、骨に蓄えられます。
そして、その周囲1cmにβ線を数十年にわたって放出し続けるのです。
ストロンチウムは骨のがんや白血病を引き起こすもとになります。
チェルノブイリ原発事故のときも、もっとも惨い結果を人体にもたらしたのはストロンチウムです。
仮に、同じ線量のセシウム134とストロンチウム90を体内被曝したとして、ストロンチウム90は、セシウムと違って、ほとんど体外に排出されずに染色体を破壊し続けるのですから、その威力はセシウムの同位体などと比べ物にならないのです。
だから、ストロンチウム90は、わずかの量でも呼吸や食べ物から体内に取り込んでしまったら深刻な事態を招くことになってしまうのです。
ストロンチウムもプルトニウムと同様、いったん体内に取り込んでしまったら「一生もの」です。
生涯のお付き合いが始まるのです。
「でも、ストロンチウムは質量が重いので遠くまで飛んでいかない?」。
いえいえ、ストロンチウムは、はるか遠くに飛んでいきます。
アメリカがビキニ環礁で数十回にわたって核実験を行ったときは、日本にもストロンチウムは飛んできましたし、1960年代、中国大陸からもストロンチウムが飛んできています。
偏西風に乗って地球を一周も二周もしたのです。
これ↓は、アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)の発表です。
4月4日にハワイ(State HI)でストロンチウム89が検出されたことを示しています。
(画像クリックでEPAのサイトへ飛びます)

これ↓は、そのことを報じた4月27日のForbesの記事です。
ハワイのヒロで、市販のミルクから放射性ストロンチウムの同位体が検出されたと、あります。
福島第一原発事故が報じられてから初めてのことだそうです。
(画像クリックでForbesの記事へ)

日本では、4月12日、福島県飯舘村、浪江町など6市町村の土壌、雑草から微量の放射性ストロンチウムが検出された、と文部科学省が発表しています。
おそらく文部科学省としては発表する意図はなかったのでしょう。
アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)が発表したのを知って、「隠しとおせない」と判断したのです。
この記事も削除されてしまうでしょうから、全文コピペしておきます。
微量のストロンチウム、福島の土壌から検出
文部科学省は12日、福島県飯舘村、浪江町など6市町村の土壌、雑草から微量の放射性ストロンチウムが検出されたと発表した。
カルシウムに化学的な性質が似ているストロンチウム90は骨などにたまりやすく、長期の内部被曝(ひばく)の危険があるが、今回検出された量はいずれも微量で、人体への影響はないという。
ストロンチウムが見つかったのは、福島第一原発事故後、初めて。
このうち最も数値が高かったのが飯舘村で、ストロンチウム90が、土1キロ・グラムあたり32ベクレル検出された。
(2011年4月13日02時06分 読売新聞)
「人体への影響はない、という」と書かれてあります。
影響がないはずがないのです。
日本のマスコミには、政府の発表を吟味し、精査する能力がないのです。NHKでさえ。
少なくとも、海外のメディアは政府の発表を鵜呑みにすることなく、メディア各社で評価してから書いています。
まったく役に立たない日本のメディア。
政府の言ったことを確かめもしないで、ひたすらリピートするだけ。気楽なものです。
時事通信も、ストロンチウムのことを報じています。
放射性ストロンチウムを検出=原発30キロ外、福島6市町村-文科省
福島第1原発の事故で、文部科学省は12日、福島県でサンプル調査をした結果、土壌と植物から放射性ストロンチウム89と90が検出されたと発表した。
同省によると、事故をめぐりストロンチウムが検出されたのは初。
同省は3月16~17日、第1原発の30キロ圏からやや外にある福島県浪江町の2カ所と飯舘村の1カ所で採取した土壌を分析。1キロ当たりストロンチウム89が最大260ベクレル、同90が最大32ベクレルだった。
大玉村、本宮市、小野町、西郷村で19日に採取された植物も分析。1キロ当たりストロンチウム89が最大61ベクレル、同90が最大5.9ベクレルだった。
サンプルの植物は食用野菜ではないという。
ストロンチウムは、カルシウムと似た性質を持ち、人体に入ると骨に沈着し、骨髄腫や造血器に障害を引き起こす恐れがある。ストロンチウム90は半減期が約29年と長く、過去の核実験の際に飛散し問題となった。同89は半減期が約50日。(2011/04/13-00:48)
この時点で、放牧されていた牛、豚などの家畜は、ヨウ素、セシウムは当然のこと、ストロンチウムも体内に取り込んでいたのです。
少なくとも、誰かさんが「重いので遠くまで飛んでいかない」と言っていたストロンチウムが、少なくとも30kmの距離を飛んでいったのです。
そして、何事もなかったかのように、それらは出荷された。
ストロンチウムだけでなく、福島第一原発のサイト内からはプルトニウムも検出されています。
東電は、プルトニウムを計測する計器がないので計れない、という理由で、今でもプルトニウムは無視しています。
海外の人々は、プルトニウムをもっとも恐れていますから、東電への攻撃を避けるためにプルトニウムを計測しないのです。
プルトニウムについては、米国西海岸でも検出されています。
米国でプルトニウム・ウランが検出される:過去20年間で最大値!プルトニウム239やウラン238が大幅上昇
アーニー・ガンダーセン氏がワシントン州のシアトルで、日本から飛んできたホット・パーティクルの中にプルト二ウム微粒子が含まれていたことを指摘しています。
「4月の段階で、シアトルの人たちは、一日当たり5個ものプルトニウム放射性粒子(ホットパーティクル hot particle)を肺に吸い込んでいました。
この頃、東京の人は1日当たり10個のホットパーティクルを吸い込んでいました」。
【ガンダーセン氏はホットパーティクルを警告している】をお読みください。
プルトニウムについても重いので、遠くまで飛んでいかないと、誰かさんが言っていました。
それでも、人々はストロンチウムやプルトニウムを計測しないことを不思議に思わないのです。
東電、経済産業省、文部科学省は、セシウム牛が発見された、こりゃ大変だ、とマスコミを使って大騒ぎすることによって、本当の脅威であるストロンチウムとプルトニウム被曝に関心が向かないようにコントロールしているようなフシが見受けられるのです。
本当に地球規模の大変なことが起こっているのに、AKB48だの、なでしこジャパンだの、人々の関心は原発事故から離れようとしています。
(なでしこジャパン、おめでとう)
ほんの一部の目覚めた人たちを除いて、その他の人たちは、おそらく永遠にマインド・コントロールから解放されることはないのかもしれません。
文部科学省は、実は内部被曝のことを熟知しています。
彼らは都合のいいように、ICRPの基準値を持ち出しては外部被曝にだけ国民の関心を引き付けておいて、内部被曝の恐怖から私たちを遠ざけてきたのです。
でなければ、民主党の川内博史議員が文部科学省に依頼して作らせた「体の中の0.2マイクロシーベルト/時の内部被曝は100ミリシーベルトの被曝と同じである」という資料が出てくるはずがないのです。
この新聞記事のソースも、ことごとく削除されてしまって残っていません。
かろうじて一部だけ残っていました。
福島第一原発からストロンチウムを含んだ高濃度汚染水が海洋に放出されました。
東電も認めているにも関わらず、実は原子力安全・保安院が発表した「放射性物質の全放出量は77万テラベクレル」とは、大気中に放出された放射性物質のみの推計値なのです。
経済産業省原子力安全・保安院は6月6日、福島第一原発事故の解析の結果、大気への放射性物質の総放出量は推定77万テラベクレル(テラは1兆)に上ると発表 した。
4月に事故の深刻度を国際評価尺度(INES)の暫定評価で最悪の「レベル7」に引き上げた際は、推定37万テラベクレルとしており、今回の発表値 はその2倍強にあたる。 総放出量について原子力安全委員会は63万テラベクレルと試算していたが、それも上回る...
事故の深刻度を国際評価尺度(INES)
原発事故の深刻度を自己評価によって決める際の国際評価尺度(INES)は、大気中に出された放射性物質の量を推計するというものです。
大気中の放出量だけを問題にするというのですから、海洋に、いくら大量のストロンチウムやプルトニウムが流れ出そうと、一切考慮しないという評価尺度なのです。
最初の頃、原子力安全・保安院は、事故を過小に見せかけるために37万テラベクレルと発表していたのですが、IAEAへの報告が迫ってきて、これ以上隠しとおせないことを悟ると、突然、その倍の数字を出してきたのです。
多少の誤差なとどいうレベルではありません。これだけでも、原子力安全・保安院という組織が、いかにイカサマか分かるのです。
繰り返しますが、77万テラベクレルは、大気中に放出されたと推計される量にすぎないのです。
すでに福島第一原発からは、海洋に高濃度汚染水が何度も流れ出しているし、今でも地下水となって、流れているのです。
実際に流れ出した放射性物質は、こんなものではありません。
少なくとも、この2倍強はあるものと考えなければなりません。
6月頭に、水産庁が魚類のストロンチウム検査を開始しました。
「水産庁と各県はこれまで、魚類についてセシウムがたまる筋肉の部分だけを分析してきた。
だが、ストロンチウムが海水から検出されるようになり、骨も含めた検査が必要との指摘が出ていた。
検査結果が出るまでには1~2カ月かかるという」。
今、日本の太平洋側とハワイの間の広域の海洋で、今のところもっとも信頼できるウッズホール海洋生物学研究所が調査船を使って放射能汚染の調査を行っています。
その結果と水産庁の結果を照らしてみれば、またまた興味深いことが分かるはずです。
結論は、「覚悟して魚を食べよ」に違いないのですが。
3.11を境に日本は「別のもの」になった
最後に、少し触れておきたいと思います。
京大原子炉実験所の小出助教が、「3.11以降、日本は変わった」と繰り返しています。
私も、まったく、そのとおりだと思います。
日を追うごとに、私たちはそのことを実感させられると思います。
本当に、3月11日を境に、「日本は別のもの」になってしまったと思います。
驚いたことがあります。
7月19日の衆院予算委員会の国会中継オンデマンドをざっと観たのですが、そこでマダム・スシが、このような質疑を行っていました。
「菅総理は、東南アジアへ日本の優れた原発を輸出することを止めたのか。これはとても大きな経済的な機会損失だ」と。
今では公然の秘密となっていますが、「podam」、「pojacpot-1」というコードネームを与えられたCIAのエージェントであった正力松太郎が、なぜ「原発の父」となったのか。
それは世界で唯一、原爆を投下されて人体実験をされた日本が、再び核の力で不死鳥のように蘇る必要があったからです。
このときに、日本は「別のもの」になったのです。
「核」の悪魔的な力によって焦土と化した「広島・長崎」の日本が、今度は「核」の平和利用という「別の顔」によって再生・復活を遂げる姿を世界中にデモンストレーションさせる必要があったのです。
実際、日本は世界第二の経済大国になりました。
核を開発したグローバリスト(海外メディアは、世界政府主義者のことをグローバリスト、あるいはグローバル・エリートと表現しています)たちは、東西冷戦という対立軸を打ち立てる一方で、「核」を正当化するために「原子力」の平和利用を日本に押し付けてきました。
彼らは日本の奇跡的な復興を「東洋の奇跡」と称して、世界中に喧伝しました。
「核」には「明」と「暗」がある、と。
その「明」の部分を日本が世界中にアピールすることに駆り出されたのです。
その先導役に選ばれたのが、正力松太郎という欲望の塊のような男でした。
「核」の抑止力によって、米ソ二大大国が暴発することなく、原発という副産物によって経済発展を遂げることができる。だから世界にとって、「核」は必要なのだ、という論理。
「さあ、世界の人々よ、日本を見てみよ」と。
グローバリストの御用学者のひとり、エズラ・ボーゲルを使って「ジャパン・アズ・ナンバーワン」(1979年)と持ち上げたのです。
「日本を見習え」とばかり、発展途上国が次々と原発を導入し始めたのもこの頃、1980年代のことです。
世界でこれまでに稼動した原発の歴史が分かるインタラクティブな地図
「核」によって一度は死んだ国が、「核」によって不死鳥(phenix=33)のように蘇った、のです。
発展途上国にとって、「核」はまさに物質的繁栄を約束してくれる象徴だったのです。
そして、世界中に「核」は行き渡りました。
もう「核」の暗黒の部分、つまり核兵器は必要なくなったのです。
世界はグローバル化しました。
世界は嬉々として原発を受け入れた結果、原発という「核兵器」を内部に抱え込まされたのです。
グローバリストは、好きなときにその国の電力会社、官僚を唆して原発事故を起こさせれば世界をコントロールできると信じているのでしょう。
マダム・スシは、あまりにも知識がなさすぎます。
彼女は、古い価値観でできた泥船に乗っているのです。
東電という世界最大の電力会社が、まるで日本の企業でないかのようなふるまいをするのは、そうした理由からです。
東電には「日本の心」はないのです。
結局、「核」の「明」の顔であるはずの原子力の平和利用とは、実は真っ赤なウソで、そこには、どこまでも深い漆黒の闇が広がっていただけなのです。
プルトニウム(Plutonium)の語源が冥王星(Pluto)からきているのは偶然ではありません。
冥王星の象意は「冥土、黄泉」で、「死と再生」を意味します。
Plutoniumがバビロニアの数秘術で[666]となるのも偶然ではありません。
1956年10月26日に日本が国連の国際原子力機関に参加したのも偶然ではなく、
1963年10月26日に東海村で原子力発電に成功した日を「原子力の日」としたのも偶然ではありません。
10月26日→10+2+6=18=6×3→[666]
果たして日本に未来はあるのか。
もちろん、あると思います。
それには福島の人々が自分の子供を命を懸けて守ろうとするように、他人の子供にもそうすることができれば、です。
特に被曝が酷い関東の子供たちを福島の親御さんたちは、自分の子供のように考えられますか。
関東、いや、日本中の子供を守ろうとするのであれば、福島を放射性廃棄物の処理場にすることを受け入れるべきです。
チェルノブイリ原発事故から25年経った今、はるか2000キロも離れた英国ウェールズ地方では、いまだに羊の出荷制限が続いてるのです。
付近一帯の土壌がホットスポットとなって、放射性セシウムに汚染されてしまったからです。
福島の農畜産業は数年では復興できません。
もう、3.11を境に、福島県はリセットされました。
復興ではなく、「新しい復活の土地」として放射能汚染の処理施設を受け入れ、日本中から放射能に汚染された土壌、瓦礫を集め、今後300年にわたって、集中管理する場として復活するのです。
人間が住めない地域の山々には風力発電の一大ウィンド・ファームと、メガソーラー施設を建設するのです。
これは私独自の考え方です。
同じことを、すでに玄葉光一郎国家戦略担当相が福島県の松本友作副知事に提案していた事実を、いまだに野党は攻め立て、政局のきっかけを掴もうとしています。
政治家は、この事態がまだ始まったばかりであること、30~40年後には日本の人口が1億人を切るかもしれないほど深刻である、ということをまったく理解していません。
福島県の児童が過酷な条件下で被曝させられているのは、校庭や公園など、子供が活動する場所の除染ができないからです。削った表土の廃棄場所くらい自前で用意しなければなりません。
それを他の県に持って行け、という福島県の愚かなゼニゲバ知事と、それを許している福島県の保護者たち。
これでは、補償、補償、といつまでも叫んでいるうちに子供が死んでしまう。
福島県の親御さんたちは、他人の子供を自分の子供と同じように大切な存在と考えられるでしょうか。
そして、日本中の大人が、自分の命を子供たちのために捧げてもいいと思えるのなら、日本は間違いなく「別のもの」として、恐ろしいスピードで復活を遂げることができると思います。
小出助教が、日本の未来である子供を守るため、そして、福島県の一次産業を死なせないために、福島県産の食べ物に30禁、40禁、50禁と放射能の汚染度によってラベルを貼るべきだ、という提案をしています。
30歳代の人は、少し多めに汚染された農畜産物や魚を選んで買う。
40歳代の人は、やや多めに汚染された農産物物や魚を買う。
50歳代の人は、新陳代謝も衰えているので、凄く汚染された農畜産物や魚を食べる。
いい提案だと思います。
しかし、他人の子供を自分の子供と同じように考えられない大人たちばかりだったら、この素晴らしいアイデアも意味がなくなるでしょう。
それとも、40歳代の女性が若く見られたいという茶目っ気たっぷりの理由から、30歳代の人にだけ許された汚染度の少ない食物を買ったら、罰金を取るような国にしますか。
そんな冷たい、つまらない国で育った子供たちは、将来、どんな大人になるのでしょう。
要は、大人たちの心を生まれ変わらせることが必要です。
日本は、本当に「別なもの」になったのですから。
まずは福島県の人たちが憤怒を乗り超えて、自らを変えることから始まるはずです。
放射能測定器 ガイガーカウンター RADEX RD1503
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