
WBCでの測定の様子。(ベッドの下に4つ見えるものが NaI(Tl)シンチレーション検出器)
画像の出典:平成23年8月26日 (独)放射線医学総合研究所
いちばん問題となるストロンチウム90やプルトニウム239は検出できない
お子さんの内部被曝線量を知るために、ホールボディーカウンター検査(以下、WBC検査)や尿検査を受けさせたいと考えているお母さん方が増えています。
もっとも子供さんに限らず、大人の人たちも独自に尿検査やWBC検査を受ける人たちが増えてきているようで、今後、これが一般化されることを望んでいます。
もし、病気になったら…。
そのときに、スムーズに国から補償が受けられるように「被曝した証拠」として有用な検査結果が得られなければ意味がありません。
広島、長崎の原爆症認定が、戦後65年も経っているのに、うやむやにされようとしていることを見ても、低線量被曝を原因とする病気の発症については、国は常に逃げ腰です。
今は、福島第一原発の恐怖の記憶が生々しく脳裏に焼きついていますが、これが少しずつ収束に向けた工事が進み、外観からでは、あのときの惨状を見ることができなくなってしまいます。
人々の関心も冷めていくでしょう。
万が一のときのために、「国にも有無を言わせない確固たる証拠」として、内部被曝検査を、どのように受けたらいいか考えてみましょう。
すでに、「髪の毛40本程度を保管することと、3月12日から4月上旬頃までの放射線量がもっとも高かった期間において、どのような行動をしていたのか行動記録を取っておくこと」をお勧めしました。
これは、これは放射線被曝の裁判で連勝を続けているECRR(欧州放射線リスク委員会)の科学議長であるクリス・バズビー博士のアドバイスによるものです。
5年後、いや20年後の遠い将来かもしれません。
いや、そうした恐れていたことはやってこないかもししれません。
しかし、万一のときのために、考えておく必要があります。
福島第一原発から放出された放射性物質によった被曝させられたにも関わらず、病気になっても国は知らん顔、煩雑で時間のかかる補償手続きで寿命を縮めてしまうかもしれません。
また、家族の中で病人が出た場合、長引く治療の費用をどうするか、といった新たな心配が闘病生活の過重なストレスとなり、家庭内で確執が生まれる元になるかもしれません。
原発事故が起こってから半年も経つのに、被災者に対する補償の全体像が何も見えていないのです。
復興だ、人生設計だ、といったところが明確な青図など描けるはずもありません。
補償には数年かかります。
事業者の場合などは下手をすると10年以上かかるかもしれないのです。
後は押して知るべし、です。東電とは、そういう企業ですし、この国はそうした国ですから。
事実、電力会社に正規雇用された原発作業員の方々の中には、放射線の被曝によって内臓の機能障害を起こし職場を追われ、70歳を過ぎた今でも裁判で争っている人がいます。
何十年も経ってから発症する、いわゆる「だらだら病」などは因果関係を証明することが困難になってきますから、今のうちにできることはやっておいたほうがいいと思います。
その前に、WBC検査の精度と信頼性について、知っておく必要があると思います。
WBC検査は、NaI(Tl)シンチレーション検出器を使って、ほぼ全身を検査するものですが、基本的にはセシウム134、137、カリウム40(天然放射性核種)、ヨウ素131といったγ線を放出する核種についてのみ検出することができるというものです。
ですので、β線核種のストロンチウム90や、α線核種のプルトニウム239といった、もっとも恐れられている核種は検出できないのです。

寝台型。ベッド下にある筒状のもの(NaI(Tl)シンチレーション検出器)でγ線を計測。正確に測るには最低でも30分は必要。その間、動いてはいけない……
画像の出典:月刊SPA!


最近、WBC検査には、いくつかの問題があることが指摘され始めています。
・さまざまな核種の特性を熟知していないと、正確な判断が下せない。
病院の放射線科にいる医師は、レントゲンやX線CTなどの高線量の放射線を扱っています。
そのため、WBC検査が対象とするような低線量被曝についての知識も少なく、ごくわずかな検出結果から的確な判断を下せるスキルも十分でなく、人材が不足していること。
・バックグラウンドからの被曝遮蔽対策や校正が十分でない。
原発事故の前までは、長い間、使用されていなかったために、※校正されていないNaI(Tl)シンチレーション検出器をそのまま使って検査すると大きな誤差が生じてしまう。
※校正:
WBCの場合の「校正」とは、放射線医学総合研究所によると、
「ホールボディカウンタで計測された放射線の数(cps:カウント毎秒)がどのくらいの体内の放射性物質の量(Bq:ベクレル)に相当するかを知るために は、cpsからBqへの換算係数をあらかじめ測定しておく必要があります。
これを測定効率の『校正』と言いますが、我が国にはホールボディカウンタの校正 等についての規格はまだありません」
・スペクトルメーターというWBCの代替となる簡単な測定器を使った場合。
原発事故以来、内部被曝検査を受けたいという人が殺到しているため、クリニックのようなところでは、WBCほどの精度がなくても、簡易に計測できる機械を使うことがある。
WBC検査は写真で見ると、CTのような大掛かりな検査にように見えるので、精度が高いと考えがちですが、検査する環境と検査する病院側の担当者のスキルによって、大きく結果が変わってしまう場合がある、ということです。
【参考記事:内部被曝測定装置について】
小児甲状腺サーベイの福島現地レポート(「おしどり」マコ)
不安増す「内部被曝」…検査結果が怪しいゾ!
不気味に広がる内部被曝…検査は予約殺到で門前払い!
“内部被曝者”が相次ぐワケ…医師の力不足も
不安煽る検査装置の誤作動…それでも“切り札”
つまり、WBC検査では、γ線各種しか検出できないので、ストロンチウム90の内部被曝によって骨に異常が起こったり、白血病になっても、また、プルトニウム239によって肺ガンになっても、WBC検査によって得られた結果が、そのままダイレクトに病気の発症を証明することにはならないのです。
しかし、WBC検査によって検出されたセシウム137の値が、平常値(宇宙線や日本以外の国で行われた核実験による環境中の放射線による値)以上で あれば、それは福島第一原発から放出された放射性物質から出る人工の放射線以外にありえないので、体内に存在しているセシウム137の量から、ストロ ンチウム90やプルトニウム239の体内に取り込まれた量も推計できるはずです。
ちなみに、セシウム137は、もともと自然界には存在しませんでしたが、米ソ冷戦時代の核実験によって大量に世界中にばら撒かれました。
今、60歳前後の人の体内からは、半減期を過ぎたとはいっても微量のセシウム137が検出されます。これは、小学生のときに、核実験によって日本に飛んできたセシウム137を吸い込んでいるからです。
30歳くらいの人たちは、その頃、生まれていませんでしたから、WBC検査をやっても(福島原発事故の影響を受ける前までは)セシウム137は検出されなかったのです。
国はストロンチウムの放出量を小出しにし、プルトニウムの放出量を分らないように、こっそり出してきたり…
国にそうしたことを、ちゃんとやる意志があれば、セシウム137の量がはっきり分れば、白血病や肺ガンとの因果関係は明らかにされるはずです。
その前提として、大嘘だらけの東電発表を鵜呑みにすることなく、保安院などの国の機関が、さらにそれを精査して正確な情報を定期的に出していることが重要となります。
原発事故によって放出された放射性物質の中に含まれる核種の割合は、ほぼ一定だからです。

隠されてきたプルトニウムの大量放出!
保安院の小細工を経済産業省がツジツマ合わせ
しかし、肝心の国は、今では、国(経済産業省と厚生労働省、農林水産省、文部科学省)は、海洋を汚染しまくっているストロンチウム90のデータを、どうやって誤魔化すか、頭を抱えているという体たらくです。
WBC検査を最大活用するには、国が正確な核種分析を定期的に行っていることが前提となるのです。
にもかかわらず、3月11日から3月16日までに放出された放射性物質と核種のデータを正式に出したのは5ヶ月も経った8月26日です。
本来なら、東電と保安院の姑息なプルトニウム隠しの手口に気づいたら、「プレス関係者でも分らないように細工した資料など出すな!」とマスコミは怒らなければならないし、「マスコミの奴ら、こんなことも分らないのか!」と国民は叱咤しなければならないのです。
マスコミが、これほどダメだと、数十年後にガンを発症した人たちは困ってしまうのです。
北海道がんセンターの西尾院長は、7月4日のBSフジ・プライムニュース『内部被曝を徹底検証 厚労・農水量副大臣…他』で、「国は(ここまで内部被曝の検査を遅らせて)被爆線量を隠蔽した」と言ったのですが、前の厚生労働副大臣の大塚耕平は、「隠蔽したと表現するのか、で大分(国民の)受け止め方が違うと思うんですね」などと、ノーテンキなことを言っています。

この人は何も理解できないし、まったく役立たず。
こうした内部被曝をまったく理解できない人間に厚生行政を任せてしまうと、将来の医療費負担で国の財政が破綻するか、それこそ、まともな医療を受けられない「棄民」が増大します。
これからの政治家は内部被曝と放射能による晩発性の病気を理解できないと、国を復興するなど、とてもではありませんができないことです。
「WBC検査にお金をかけるより、食べ物の安全にお金を回したほうがいい」-バズビー博士
WBC検査のできる病院は、いくつかありますが、今のところ、福島県の被爆者が最優先で、一般は、すべてお断り。
もちろん、WBC検査を希望する人が殺到しているという事情もありますが、別な理由は、国が統制しているのではないかと考えることもできます。
理由は、いつものように「パニックを避けるため」。
そして、将来の国の負担となる補償額を抑えるため。
北海道がんセンターの西尾院長が、福島県の児童のために他のがんセンターに呼びかけて、2万個の線量計をかき集めて、いざ子供たちに配ろうとしたところ、厚生労働省から「余計なことをするな」とストップがかかったということです。
(西尾院長が、テレビでこのことを話したところ、今は、児童たちに配られることになったようです)
また、4月頃から世界各国から寄付された数万個のガイガーカウンターが成田や横浜の税関で止められたままになっているという話が伝わって、社民党の福島瑞穂議員が追求したところ、外務大臣官房の武藤審議官がそれを認めた、という事実があります。
その後も、一部は配られたようですが、まだ多くが配られていない模様。
そして、経済産業省のプルトニウム隠し。
国(政治家でなく官僚の独断で)が、国民に放射能汚染について関心を持たせないように、さまさまな工作をしていることはもはや否定できません。
ECRR科学議長のバズビー博士が日本に来たときに、、「そもそもセシウムしか重要視しないWBC検査は意味がない。こんなものにお金と時間を浪費するなら、食べ物の安全にお金をかけるべきだ」と言ったのですが、納得できることです。
WBC検査については、たとえ設備が整っていても一般の人を受け入れてないケースがほとんど。
長崎大学や放射線医学総合研究所でWBC検査を受けることができた人もいるようですが、これは特殊な場合に限るということのようです。
福島県から関東に避難してきた人は放射線医学総合研究所でも受けることができますが、これは福島県からの依頼によるもので、福島県の人が、ふらっと検査を受けに来てもダメなようです。
あくまで、福島県を通すということで、初めて検査を受けられるような仕組みになっているとのこと。
これは異常なことです。
神奈川県の北里大学病院など、立派な設備を持っている病院もありますが、ここも福島県からの避難者優先とのことで一般はお断り。
結局、一般の人にとっては、長い予約待ちを我慢できるのであれば、北海道がんセンターということになります。
ただし、こちらのほうも、毎週、月曜日の14~16時の間でのみで毎回10人までの予約制ということになっています。ですので、一ヶ月当たり、40人までが限度ということになります。
料金は初診料の2700円(税込 2835円別)だけという破格。
北海道がんセンターの西尾院長は、国に対して、福島の児童全員にポケット線量計を無料で配るべきだと提言し、自らも全国のがんセンターから二万個の線量計をかき集めて無料で貸与しているという方です。
北海道がんセンター (問い合わせ:011-811-9118)
場所は、札幌市白石区になりますので飛行機で行かなければなりません。別の面で費用がかさみます。
西尾院長については、このブログの左サイドメニューのいちばん上にある〔検索フォーム〕の中に「西尾院長」と入力すると、関連記事が出てきます。
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あくまで、福島県を通すということで、初めて検査を受けられるような仕組みになっているとのこと。
これは異常なことです。
神奈川県の北里大学病院など、立派な設備を持っている病院もありますが、ここも福島県からの避難者優先とのことで一般はお断り。
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