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4号機建屋の最上階にある使用済み燃料プールから、もうもうと立ち上る水蒸気。この写真は6月下旬のもの。
写真はTEPCO.newsから

「日本の未来は、4号機建屋によって明暗が分かれる」


4号機建屋の倒壊、4号機の使用済み燃料プールが不安定な状態にあることをブログで警告し続けている人がいます。
国連や、国連の関係機関に長年、勤務していた松村昭雄さん。
松村さんのブログ

今現在は、地球の未来」を語り合う「グローバル・フォーラム」開催のため、文字通り世界中を飛び回っている忙しい身。
松村さんは、世界中の著名な学者と共に、4号機建屋の脆弱性を訴えています。

「日本の未来は、4号機建屋によって明暗が分かれる」と。
そのブログから、松村さんの記事をひとつ。

4号機原子炉と日本の運命
The Fourth Reactor and the Destiny of Japan
2011年9月29日  松村昭雄

福島第一原発事故以来、このブログでは何人かの高名な科学者の意見を取り上げ、ご紹介してきました。こうした方々からは、大変、洞察に富んだ見方をご提供いただきました。
…………………………………………(中略)

世界中の440の原子力発電所のうち、いずれか一つの原子力発電所で、たったひとつの失敗が起きても、長い間、人体や環境にとてつもない影響を引き起こす深刻な損害を引き起こすのです。

自然の力の前には、人間の技術が、いかに無力であるかを思い起こさなければなりませかん。

特に、原子力事故が起こった後では、政府と原子力産業の透明性は重大なことです。
大衆の緊張感を和らげるために、政府は常に最悪のシナリオを用意すべきなのです。

大衆は、そうしたことに、しっかり準備を整え、実際的に反応し、危険な状態に順応していくものです。
不幸なことに、日本は、これをやっていません。

過去数週間、私は、この緊急の問題について、日本政府および党首脳陣と絶えず話しをしてきています。
驚いたことに、彼らのうちの殆どが、この危機的状況に、まだ気がついていないのです。

私は、多くの卓越した科学者たちと共に、4号機原子炉が不安定な状態にあることを強く訴えてきました。
プールの中には、1535本もの核燃料棒が収められており、格納容器の外の(注)二階でバランスが保たれています。

(注)4号機建屋内の使用済み燃料プールは最上階の5階に設置されています。
この高い位置にある燃料プールの重量は、ちょっとした船艇ほどの重量があります。構造上、この重量を支え、バランスを取っているのは、建屋の2階部分であるようです。


もし、この燃料棒が地上に零れ落ちるようなことが起これば、再び災害が起こり、東京と横浜は閉鎖され、広大な避難地域となってしまうでしょう。

私がお話をしてきた科学者のすべての人たちは、もし(4号機建屋なり、使用済み燃料プールなり)構造物が崩壊するようなことになれば、科学が到達し得た、さらに向こう側に行くだろう、と言っています。
つまり、「さらに向こう側」とは、人類が見たことのない世界のことです。

そのとき、日本の運命は変更され、この災害は、人間の健康、移住、地政学の見地から、近隣諸国や、その他の国々を実際に危険に晒すことになるでしょう。

日本の政府は、ただちに安全性について独立した評価を行うチームをつくり、使用済み燃料プールと、それを保持している構造物の確実な安全性確保と、補強に乗り出す決意を示すべきです。

このことは、最高の重要事項です。
(使用済み燃料プールの)構造上の安全性は、日本の将来の明暗を分けるでしょう。

3月11日以前、私は、日本やその他の国の運命が、こんなに急激に、それも根本から変えられてしまうとは想像だにしませんでした。

原子力発電所は、人間に多くの新しい挑戦をつきつけ、今までに直面したことのない結果をもたらすのです。

私たちは、将来の世代に、ネガティブな結果を残すかもしれないということを、実際的に、倫理や道徳という目を通して再考する必要があるのです。

著名な英国の核物理学者、ブライアン・フラワーズ卿は、「もし、核プラントが、第二次世界大戦前に建設され、ヨーロッパで発展していったとしたら、そうした核施設に向けられた、つまらない争いや日常的なサボタージュのために、今日、ヨーロッパの大部分が人の住めない土地になっていただろう」と指摘しています。

つまり、核プラントに供給されるべき電力が不足することによって、同じ結末を迎えることになるのです。

(管理人:
つまらない、いざこざや闘争、仕事のサボタージュによって、人為的に電源喪失を招くことになり、福島第一原発事故と同じようにメルトダウン→国土の破壊につながる、と言っているのです。

ブライアン・フラワーズ卿は、しょせん、核は人間の技術では制御できないし、人間の愚かさのために、どの道、人類を破滅に至らせるものであると指摘しているのです)



途中、省略しましたが、松村氏は、世界的な科学者たちと交流しているうちに、やはり「日本の運命は4号機が握っている」と確信したようです。

トップにある水蒸気が上がっているプールの写真ですが、5月下旬くらいから、夜間、ひんぱんに4号機建屋から大量の水蒸気が立ち上っているのを、ふくいちライブカメラが映していました。

この記事は6月12日のアップですが、やはり「そうだった」。

ちょうど、この時期、「もし、大きな余震が起こって、4号機の構造物にダメージが生じた場合、どんなことが起こるのか」、原子力安全・保安院がシミュレーションしていたのです。

その結果、「4号機の燃料貯蔵プールが余震で壊れ、燃料の冷却ができなくなれば、2時間余りで放射性物質が漏れ始めるおそれがある」という解析結果が出たのです。

6月中には、こちらの記事にあるように、4号機建屋の使用済み燃料プールが崩壊する恐れがあったので、耐震補強工事が始まりました。
写真から分るように、使用済み燃料プールの真下は空洞です。
ここに支柱を何本か立てて、基礎部分をコンクリートで補強する、という簡単なものです。
補強工事は、当初の予定をずれ込んで、7月に入って終了しました。

保安院は補強が完了する前に余震が起きてプールに亀裂が入ってしまった場合、燃料を冷やしているプールの水が漏出し、まったく冷やせなくなった場合を 試算したのです。
それは「温度が900度に達し、燃料を覆う金属管が壊れて放射性物質が漏れ出すのが2.3時間後、温度がぐんぐん上がって2800度に達して燃料溶融が始まるのが7.7時間後」というシミュレーション結果を得ていたのです。

この時点で、アウターライズ地震が起こって、強力な震動、もしくは3.11より高い津波が襲ってきていたら、関東は完全に終っていたかもしれないと、保安院は暗に言っているのです。

しかし、このシミュレーションは6月に行われたものです。
これが発表されたのは、4ヵ月後の10月14日になってから。それも、いつものように「こっそり」と。

犯罪者たちが勤務する東電はもちろん、国民の生命を守るはずの原子力安全・保安院も、6月の時点で解析結果が出ていたのに、一切、外に出さなかったのです。
マスコミにしても、薄々勘付いていたものの、どのメディアでも取り上げられることはありませんでした。

「もし、あの時、アウターライズ地震が起きていたら」…。

結局、これからも、東電、保安院、そして腐りきってしまって再生の余地のないメディアは、国民を殺していくのです。
このことが、再確認できただけでも、よかったです。

こうした連中は、本当に精神が狂ってしまっているので、4号機建屋が倒壊しそうになっても、国民に危険を知らせるどころか、逆に隠そうとするでしょう。
何も発表しない…。

4号機は確かに危ないです。
こんな、ちっぽけな補強工事など、何の役に立つ?
こんなものは、メディア対策に過ぎないのです。

それより、福島第一原発の吉田所長が、東電の幹部たちが座るテーブルを叩いて「こんなわからずや」と激怒したという、防波堤の建設工事はどうなったのでしょう。
当初、東電幹部たちは、「防波堤はコストがかかるので、土嚢を積み上げる」と言っていたのですから、吉田所長の怒りは、国民の怒りの声を代弁した格好となりました。

結局、東電、そして保安院の連中、それに原子力安全委員会のゴミのような学者たち。
彼らは、何も役に立たないどころか、「核」のことなど、何一つ知らないのです。

根治的な補強工事をやらないまま、もし次の巨大地震が起これば、福島の人々は全滅でしょう。
そして、東京も関東も終り。

アジアの一部も終り。アメリカの崩壊も早まります。

TPPがどうしたこうした、経済復興が、どうしたこうした。
ベトナムに日本の優れた原発技術を輸出すべきだ(自民党)どうしたこうした、すべてご破算です。

東電は民間企業だ、だから強制的な介入はできない?
とっとと破産させて国有化。国が主導で補強工事をやるべきです。

野田のキョロキョロした目線は、いったいどこを見ているのでしょう。少なくとも、福島県の人々、日本の人々を見ていないことは確かです。




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